特別展「生命大躍進展」には5億年分のいろんな動物がたくさん!〈大阪市立自然史博物館〉
生き物の長い歴史がみられる「生命大躍進展」。
地球の生き物の歴史で、最初は単細胞だった生き物はとんでもなく多様化します。
それをみんな展示というのは、現実的ではありません。
ということで、今回は人間につながる生き物の歴史がテーマのようです。
地球に誕生した命が、人間になるまでの長い道のりを大きなテーマで分けて展示されています。
●今までの「生命大躍進展」の記事
【生命誕生から人類まで40億年の本物の証拠がたくさん!】

プロローグ 生命誕生
人間が登場してたった20万年くらいですが、命の誕生そのものはとても古く、およそ40億年前。先カンブリア紀のはじまり。
地球の形ができてたった5億年後。
ただ、そのときの生き物のの姿は恐竜のように化石になってはいません。
化石として残っているのは、生き物がいた痕跡。
見た目はただの縞模様のただの石にしか見えませんが、人間の超先輩がつくったものです。

第1章 カンブリア大爆発
生命の誕生は早かったのですが、ほとんどの期間は単純な単細胞の生き物でした。
それが一気に複雑で大きな動物たちが現れたのが古生代のカンブリア紀。
今いる動物のほとんどのご先祖様が現れたのも、カンブリア紀。
あまりにも突然にたくさんが現れたので、カンブリア爆発と呼ばれています。
そのカンブリア爆発の動物たちを一気にメジャーにしたスティーヴン・ジェイ・グールドさんの『ワンダフル・ライフ』。
その本にはどこかで見たことがあるような気がするカンブリア紀の動物から、不思議で奇妙な動物まで、写真やスケッチが掲載されています。
その本物の化石が!
すごい!

ただカンブリア紀の人間のご先祖様はまだ地味な生き物でした。
うっかり見過ごしてしまいそうです。

第2章 海から陸へ
たくさんいた個性的な生き物の中で地味だった人間のご先祖様。
それがカンブリア紀の次のシルル紀には硬い骨やたくさんのヒレをもつようになり、シルル紀の次のデボン紀には海の覇者に。
そういった化石をみていると、あの地味で弱々しいメタスプリッギナの面影は微塵もありません。

そして陸上への進出。
でも、みんなあまり「かっこいい」動物ではありません。
どちらかというと、ゆるキャラ。

第3章 哺乳類の出現と多様化
上陸した両生類が、陸上で生活できるようになり、単弓類を経て、中生代のジュラ紀にやっと哺乳類の誕生。
でも、それは巨大な恐竜が現れた時期。
ネズミのように小さくなり、さらに見つかりにくくなるよう木の上で夜に活動していたようです。

会場では恐竜の化石も展示されていますが、比べるとまったく大きさがちがいます。
しかもここに展示されているの恐竜たちは決して大きくはない種類。
そんな中で絶滅しなかったのですから、小さく夜行性というのは、なかなかどうして結構したたかな戦略だったのかもしれません。

第4章 人類への道
その後、白亜紀末の有名な恐竜の絶滅が起きます。
新生代がはじまり、ちょっとした紆余曲折がありましたが、哺乳類の時代がやってきます。
恐竜と同じように哺乳類は多様化、いろんなタイプの哺乳類が現れます。

その中に登場したのが霊長類。
人間にぐっと近づいたご先祖様。
でも、とても小さい!
恐竜がいなくなって地面に降りて多様化と大型化していった哺乳類の中で、小さいまま樹上生活を続けていたようです。

そして人間にとても近い仲間のヒト属(ホモ属)登場。
たくさん展示され、最後は人間、ホモ・サピエンス・サピエンスが登場します。
これだけのたくさんのヒト属の化石を一度に見られる機会はあまりないでしょう。
古い順に並んでいますが、頭が小さいゴリラ型から、頭が大きい人間型に変化していく様子がわかります。
人間とちがうアウストラロピテクス属のパラントロプス・ボイセイ

頭蓋骨の形がまったくちがう!
40億年の生き物の歴史は、とても複雑です。
全体の流れを追っていくのも面白いですし、特定のコーナーをじっくり見ていってもおもしろい。
いろいろな楽しみ方ができる特別展。
だからこそ、会期中使えるパスをつくってほしかった。
ネアンデルタール人


タグ: 生命大躍進 メタスプリッギナ ダンクルオステウス アカントステガ ジュラマイア メソヒップス アルタニウス アウストラロピテクス 大阪市立自然史博物館 seimeidaiyakusin

- 関連記事
-
- 特別展「生命大躍進展」にはカンブリア爆発のいろんな動物がたくさん!〈大阪市立自然史博物館〉 (2016/05/26)
- 特別展「生命大躍進展」には5億年分のいろんな動物がたくさん!〈大阪市立自然史博物館〉 (2016/04/29)
- 特別展「生命大躍進展」には生命誕生から人類まで40億年の本物の証拠がたくさん!〈大阪市立自然史博物館〉 (2016/04/16)
theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術