【 2016年04月】

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特別展「生命大躍進展」には5億年分のいろんな動物がたくさん!〈大阪市立自然史博物館〉

 生き物の長い歴史がみられる「生命大躍進展」。
 地球の生き物の歴史で、最初は単細胞だった生き物はとんでもなく多様化します。
 それをみんな展示というのは、現実的ではありません。
 ということで、今回は人間につながる生き物の歴史がテーマのようです。
 地球に誕生した命が、人間になるまでの長い道のりを大きなテーマで分けて展示されています。

●今までの「生命大躍進展」の記事
【生命誕生から人類まで40億年の本物の証拠がたくさん!】

南西入口から真っすぐ行ったところの看板

プロローグ 生命誕生

 人間が登場してたった20万年くらいですが、命の誕生そのものはとても古く、およそ40億年前。先カンブリア紀のはじまり。
 地球の形ができてたった5億年後。
 ただ、そのときの生き物のの姿は恐竜のように化石になってはいません。
 化石として残っているのは、生き物がいた痕跡。
 見た目はただの縞模様のただの石にしか見えませんが、人間の超先輩がつくったものです。

35億年前の生き物の化石が含まれる石

第1章 カンブリア大爆発

 生命の誕生は早かったのですが、ほとんどの期間は単純な単細胞の生き物でした。
 それが一気に複雑で大きな動物たちが現れたのが古生代のカンブリア紀。
 今いる動物のほとんどのご先祖様が現れたのも、カンブリア紀。
 あまりにも突然にたくさんが現れたので、カンブリア爆発と呼ばれています。

 そのカンブリア爆発の動物たちを一気にメジャーにしたスティーヴン・ジェイ・グールドさんの『ワンダフル・ライフ』。
 その本にはどこかで見たことがあるような気がするカンブリア紀の動物から、不思議で奇妙な動物まで、写真やスケッチが掲載されています。
 その本物の化石が!
 すごい!

『ワンダフル・ライフ』と左右が逆?のオパビニア

 ただカンブリア紀の人間のご先祖様はまだ地味な生き物でした。
 うっかり見過ごしてしまいそうです。

人間のご先祖様の脊椎動物メタスプリッギナ

第2章 海から陸へ

 たくさんいた個性的な生き物の中で地味だった人間のご先祖様。
 それがカンブリア紀の次のシルル紀には硬い骨やたくさんのヒレをもつようになり、シルル紀の次のデボン紀には海の覇者に。
 そういった化石をみていると、あの地味で弱々しいメタスプリッギナの面影は微塵もありません。

深海怪獣のようなダンクルオステウスの頭

 そして陸上への進出。
 でも、みんなあまり「かっこいい」動物ではありません。
 どちらかというと、ゆるキャラ。

魚のような体に四肢を持った両生類のアカントステガ

第3章 哺乳類の出現と多様化

 上陸した両生類が、陸上で生活できるようになり、単弓類を経て、中生代のジュラ紀にやっと哺乳類の誕生。
 でも、それは巨大な恐竜が現れた時期。
 ネズミのように小さくなり、さらに見つかりにくくなるよう木の上で夜に活動していたようです。

最古の哺乳類と言われるジュラマイアの授乳姿の復元

 会場では恐竜の化石も展示されていますが、比べるとまったく大きさがちがいます。
 しかもここに展示されているの恐竜たちは決して大きくはない種類。
 そんな中で絶滅しなかったのですから、小さく夜行性というのは、なかなかどうして結構したたかな戦略だったのかもしれません。

哺乳類を食べてたかもしれない小型の肉食恐竜ドロマエオサウルス

第4章 人類への道

 その後、白亜紀末の有名な恐竜の絶滅が起きます。
 新生代がはじまり、ちょっとした紆余曲折がありましたが、哺乳類の時代がやってきます。
 恐竜と同じように哺乳類は多様化、いろんなタイプの哺乳類が現れます。

まだ指が3本あったころの馬メソヒップス

 その中に登場したのが霊長類。
 人間にぐっと近づいたご先祖様。
 でも、とても小さい!
 恐竜がいなくなって地面に降りて多様化と大型化していった哺乳類の中で、小さいまま樹上生活を続けていたようです。

とても小さい最古の哺乳類化石の一つアルタニウスの顎

 そして人間にとても近い仲間のヒト属(ホモ属)登場。
 たくさん展示され、最後は人間、ホモ・サピエンス・サピエンスが登場します。
 これだけのたくさんのヒト属の化石を一度に見られる機会はあまりないでしょう。
 古い順に並んでいますが、頭が小さいゴリラ型から、頭が大きい人間型に変化していく様子がわかります。

人間と同じヒト属のホモ・ハビリスと
人間とちがうアウストラロピテクス属のパラントロプス・ボイセイ

頭蓋骨の形がまったくちがう!

 40億年の生き物の歴史は、とても複雑です。
 全体の流れを追っていくのも面白いですし、特定のコーナーをじっくり見ていってもおもしろい。
 いろいろな楽しみ方ができる特別展。
 だからこそ、会期中使えるパスをつくってほしかった。

直接の先祖でないものの人間にも遺伝子が伝えられている
ネアンデルタール人

タグ♦【年代層序表〈顕生代〉β2 動物と植物】

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タグ: 生命大躍進メタスプリッギナダンクルオステウスアカントステガジュラマイアメソヒップスアルタニウスアウストラロピテクス大阪市立自然史博物館seimeidaiyakusin

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genre : 学問・文化・芸術

『金剛山の野草 I~III』金剛山に特化しているだけに、金剛山ではとても大切な図鑑

 大阪府みどり公社発行の図鑑。
 タイトルのように金剛山に特化しています。
 このように自然公園や植物園などに限定した動植物を紹介する「ご当地図鑑」は珍しくありません。
 ただ、この本は各巻およそ100種、3冊すべてで約300種の草(草本)が載っています。
 さすがにオオバコとかセイヨウタンポポのようなどこにでもあるものは載っていませんが、絶滅危惧種を含めて様々な山野草が写真付きで載っています。

サイコクサバノオ

大阪CR+EN,奈良CR+EN
CR+EN(絶滅危惧I類):絶滅の危機に瀕している種

 金剛山は、大阪府の千早赤阪村と奈良県の御所(ごせ)市にまたがる山。
 役行者(えんのぎょうじゃ)が修行した山と伝えられ、千年を超える歴史があります。
 ただ、都市部に近いためスギやヒノキが植林され、自然林は決して多くはありません。
 聖域とされる山頂周辺と、植林を免れた谷や急斜面などがかろうじて金剛山のかつての姿を残しているだけ。
 そんな中でも、大阪と奈良や環境省でレッドリストに掲載されている絶滅危惧種がひっそりと残っていたりします。

トウゴクサバノオ

 3冊で春から秋に咲く草本をカバー。
 ページをめくっていくと、見たことがある花だけでなく、まだ出会っていない花、そして見たことも聞いたこともない花がたくさんあります。
 というか、ほとんどがまだ出会ってない花ばかり。
 それどころか、一般の図鑑では大阪や奈良には無いことになっている植物もあります。
 金剛山で見知らぬ花に出会ったら、まずはこの本から。
 金剛山の山野草に興味がある人にとっては、とても強力な味方になるでしょう。
 ただし、生えている場所は載っていませんので、悪いことをしようと思っている人にとっては、役には立ちません。

ケヤマウツボ

奈良県VU
VU(絶滅危惧II類):絶滅の危険が増大している種

 普通の本のような書籍流通していませんので、書店などで買うことはできません。
 ロープウエイの金剛山駅近くの「ちはや 星と自然のミュージアム」のエコ府民プラザで販売しています。
 1冊各500円、3冊セットで1200円。
 3冊セットがおすすめです。

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タグ: 金剛山の野草金剛山金剛山の花サイコクサバノオトウゴクサバノオケヤマウツボ

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黄色い巨鳥で狭山池の鳥たちがかわっていく?

 築造1400年を迎えた狭山池。
 巨大な黄色い鳥が現れました。

 今から1400年前。奈良時代。
 流域に洪水をもたらす大蛇を封じるため、狭山の地に修験者が遣わした黄色い大鳥の式神が時を経て現代に蘇った。
 のではありません。
 オランダ人アーティスト、フロレンティン・ホフマンさんの現代芸術作品「ラバー・ダック」です。

「ラバー・ダック」
ラバー・ダック

 この狭山池のラバー・ダックについて、批判的な意見を目にしました。
 そのホームページによると、巨大なラバー・ダックを鳥が怖がるというのです。
 言うなれば、狭山池の鳥環境破壊でしょうか。
 確かにラバー・ダックの周りには鳥はいませんでした。
 でも、なんかすっきりしないのでちょっと考えてみました。

 冬の狭山池は多くの水鳥がやってきます。
 でも、4月初旬のこの日はラバー・ダックのまわりどころか、池中に冬の水鳥はいませんでした。
 2週間ほど前には、ちょっと離れた錦織公園の池にもすっかり冬の水鳥はいなくなっていましたので、そういう季節なのかもしれません。
 それに年中池にいるカワウやアオサギ、それにオオバンなどはたくさんいました。

カワウにアオサギにコサギにゴイサギにホシゴイ(ササゴイ幼鳥)
水鳥

 池のまわりがおよそ3キロ弱の狭山池。
 いくらラバー・ダックが大きいからといっても、狭山池全体に影響があるとは思えません。
 それに近くにある給水塔がラバー・ダックと同じくらい。
 大きさが影響あるようにも思えません。
 ただ、風に吹かれてゆっくりと動きますのでそれを怖がるかもしれません。

 ちょっと離れたところにある錦織公園の水鳥が多い奥の池と比べると、狭山池の特徴が見えてきます。
 どちらも見られる水鳥はだいたい同じ。
 ただ、奥の池は小さいので数は全然ちがいますし、種類もすこし少なめ。
 そんな小さな池ですが、オシドリが毎年やってきます。
 ところが狭山池にはやってこないようです。
 すくなくとも、ここ数年見たことはありません。

錦織公園の奥の池のオシドリ
オシドリ

 オシドリは人影を嫌います。
 奥の池は谷間をせき止めてつくった入り組んだ形の池のため、人の目が届かないところがいくつもあります。
 それに対して狭山池は、周遊路が一周し、多くの場所から池全体を見渡すことができ、鳥が隠れる場所がありません。
 鳥がたくさん集まる大きな狭山池ではなく、小さな奥の池をオシドリが選んだのも納得できます。

 実は錦織公園の奥の池も一部に遊歩道があり、それがオシドリがよくいるところのすぐ近くを通っていたりします。
 ところが、遊歩道と池の間を木々が遮り、オシドリからも人間からもお互いが見えなくなっているのです。
 ということは、狭山池も人の目が届かないところをたくさん作れば、オシドリもやってきても不思議はありません。

大きなラバー・ダックも遠くから見ればこんな感じ
狭山池

 それで狭山池のラバー・ダックはどうかというと、単純に鳥のことを考えるとよくないでしょう。
 必要のないものをわざわざ池に置いて、そこに人間が集まってくるのですから。
 でも、現実的には、池全体が人間の視線にさらされていることを思えば、ラバー・ダックよりもそちらのほうが大きな問題のように思えます。

 住宅地のただ中にある狭山池の鳥たちを守っていく上で、大切と思われることのひとつは、できるだけ多くの人に存在を知ってもらうこと。
 特に地元地域の人に。
 そのためには、多くの人に池に来てもらうことは決して悪いことではないと思います。
 ラバー・ダックで地域の人も狭山池に来る機会ができたのであれば、まったく無駄なことではないと思います。
 ベストの方法ではないと思いますが。

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タグ: ラバー・ダック狭山池環境自然野鳥

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4月中旬のびっくり! ものすごく遅い桃の花

 4月中旬。
 「生命大躍進展」がはじまった大阪市立自然史博物館がある長居公園。
 そこで驚く光景を見ました。
 桃が咲いていたのです。


 もちろん、桃は花が咲きます。
 花が咲くから桃の実ができるのです。
 でも花が咲くのはソメイヨシノの前、梅の後。
 大阪平野部では3月中旬くらい。
 それがソメイヨシノが完全に咲き終わって、遅咲の八重桜が満開というのに。


 ホウキセイハナモモ(箒性花桃)。
 ここは少し日陰になるところでいつもほかの桃よりちょっと遅目に咲いていましたが、まさかソメイヨシノより遅れるとは。
 今年の冬は暖かくて梅も桜も開花がちょっと早かったのですが、同じ理由?
 いや、逆のような気がします。
 謎の遅咲です。


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タグ: ホウキセイ(花桃)春の花ピンク色の花白い花赤い花長居公園

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特別展「生命大躍進展」には生命誕生から人類まで40億年の本物の証拠がたくさん!〈大阪市立自然史博物館〉

 40億年前の生命の誕生から人類までのはるかな長い道のりをギュッとまとめた「生命大躍進 -脊椎動物のたどった道-」。
 去年、東京の科学博物館ではじまった展覧会が、名古屋・愛媛とめぐって、やっと大阪に来ました。
 おなじみ長居公園の自然史博物館です。
 今回もブロガー招待に当選しましたので、内覧会に行ってきました。

内覧会なので「予告」の公園入口の案内看板

 展示は40億年の歴史をたどるように展示されています。
 入り口をくぐると37億年前の最古の生命の痕跡化石。
 この頃の生物はまだまだ小さく単純な形でしたので、見た目で「生き物」を感じることができないのはすこし残念。

37億年前の最古の生命の痕跡化石の本物!

 でも、生き物はそんな状態が何十億年も続きます。
 そして6億年前、見た目で「生き物」を感じることができる生物が現れます。
 エディアカラ生物群。
 でも、このころはまだなんだかよくわからない生き物ばかり。

 そして動物が一気に多様化したカンブリア爆発。
 今では専門家でなくても知っている有名なバージェス頁岩動物群。
 カナダのブリティッシュコロンビア州のバージェス頁岩から見つかった化石動物たち。
 テレビやいろいろな本などで紹介され、目にしたことがある人は少なくないと思います。
 その実物の化石がカナダからやって来ました。
 カンブリア紀生物をメジャーに押し上げた『ワンダフル・ライフ』とくらべると、まったく一緒!
 実物ですから、当然です!

『ワンダフルライフ』でスケッチや写真で紹介されてた
カナダのロイヤル・オンタリオ博物館からやってきた本物!

ハルキゲニア


オパビニア


ピカイア


クラゲに間違われたアノマロカリスの口


エビに間違われたアノマロカリスの付属肢


アノマロカリスの復元模型


 そしてバージェスよりちょっと新しい澄江(チェンジャン)動物群。
 これらのカンブリア紀に現在に繋がる主な動物群が出そろったと言われます。
 ですから見たこともないような動物もありますが、どこかで見たことあるような動物も少なくありません。

 カンブリア紀の生き物たちに後ろ髪を引かれつつ先に目を向けると、オルドビス紀の大絶滅コーナーの向こうから巨大な生き物が襲いかかってくるのが見えます。
 ダンクルオステウス。
 6mとも10mとも言われる巨大な魚。その生きている様子の復元。
 大きく開けた口には大きな牙があり、魚というより怪獣。

巨大魚ダンクルオステウスと巨大節足動物ウミサソリ

 ダンクルオステウスに襲いかかられているの最大級節足動物のウミサソリ。
 新旧の海の覇者(当時)の交代劇です。

 その後魚は両生類に、そして海から陸上に進出して哺乳類の先祖が現れます。
 ただこの頃は爬虫類と変わらないような見た目で、哺乳類になるとは到底思えません。

哺乳類の先祖の単弓類のデメトロドン

 いつ哺乳類が現れるのかなと思いながら2億5千万年前のペルム紀末の大絶滅の門をくぐると中生代、恐竜の時代です。
 この頃哺乳類が誕生しますが、まだネズミのような小さな動物で、恐竜の陰にかくれています。

主役なのに小さい最古の哺乳類ジュラマイア


今回は脇役の恐竜カスモサウルス


 白亜紀の大量絶滅で恐竜が絶滅し、新生代の展示がはじまります。
 ネズミみたいな姿だった哺乳類が多様化していきます。

 そんな中から霊長類が現れ、そして人類へ。

初期霊長類のほぼ完全な化石のイーダ

 最後は人類とどこがちがうのかわからないネアンデルタール人に見送られて、出口。
 そこにはオリジナルグッズがいっぱいのショップが待っています。

出口の前で名残惜しそうに見送ってくれるネアンデルタール人

 と、一通り紹介しましたが、もちろんこれはほんの少し。
 もっとたくさんの展示と解説があります。
 なんといっても40億年分の展示。
 じっくり見ていると結構時間がかかります。
 展覧会ホームページやブログのレポートなどで予習するといいかもしれません。

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タグ: 生命大躍進アノマロカリスハルキゲニアオパビニアピカイアダンクルオステウスネアンデルタール人バージェス動物群大阪市立自然史博物館seimeidaiyakusin

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七十二侯とともにツバメがやってきていました。

 一年を72に分けて、季節の移り変わりを表した七十二侯。
 4月初旬にあるのは「玄鳥至」。
 読みは「つばめきたる」。
 ツバメが南の国からやってくる季節です。

 「玄鳥至」の今年の初燕。








 低空を翔けていきます。
 人間がいるというのにお構いなし。
 それだけ飛翔能力に自信があるのでしょう。

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タグ: ツバメ七十二侯玄鳥至野鳥

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こう見えて桜です? 山桜桃梅

 桜が咲く頃。
 ひっそりと咲いていた白い花。

ユスラウメ

 白い花弁は5枚。
 たくさんのオシベ。
 バラ科の特徴。
 ユスラウメの花。

 漢字で書くと「梅桃」や「山桜桃」。
 「山桜桃梅」というのもあります。
 桜でもあり、桃でもあり、梅でもあるのでしょう。
 バラ科サクラ属の落葉低木。
 ということで、この花も桜。


 といいたいところですが、サクラ属は種類がとても多く、梅や桃やアーモンドも含まれます。
 普通「桜」というのはサクラ属のサクラ亜属のこと。
 ユスラウメはニワウメ亜属。
 ちなみに、梅はスモモ亜属、桃とアーモンドはモモ亜属。
 だから梅も桃も桜じゃない、ということになっています。

 そしてユスラウメは桜でも桃でも梅でもありませんでした。

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巨樹・古樹・老樹 その37 住吉大社の大阪市指定保存樹第11号の夫婦楠

 日本でもトップクラスの古さじゃないかというほど歴史がある大阪の住吉大社(すみよしたいしゃ)。
 神社ほどではありませんが、数百年の齢を重ねた樹木がいくつもあります。
 神社ができてから何度も津波に襲われているはずですが、それでも数百年生き残っていたのは、上町台地の上で津波が届かなかったのかもしれません。

住吉大社の太鼓橋
太鼓橋

 大阪の神社ではクスノキがよく植えられ、シンボルとなっています。
 もちろん住吉大社にも。
 そのひとつが千年楠。1000歳のクスノキ。
 そして夫婦楠。少し年下の800歳の御神木。
 こちらも大阪市の保存樹です。

住吉大社の夫婦楠(2015年9月)
夫婦楠

 「夫婦杉」はいろんなところで出会いますが、夫婦楠はめずらしいような気がします。
 文字通り、2本のクスノキが根本でつながっているように見えます。

根本がつながっているように見えます
根本

 高さは19.8メートル。どこにでもある普通の木と言った感じです。
 クスノキは杉のように高くはなりませんが、幹周りは7.9メートル。
 手を繋いで幹を囲むには5人くらい必要です。

巨樹(大きな木)・古樹(樹齢の高い木)・老樹(年老いて見える木)」とはIWO(いきもの は おもしろい!)が以下の独自基準で選んだものです。
1.一般に「巨樹」「古樹」「老樹」と認知されている樹木
2.その場所や地域の中で見た目が「巨樹」「古樹」「老樹」を感じさせる樹木
3.見た目が小さくてもその種として「巨樹」「古樹」「老樹」な樹木
4.地域の自然を愛する組織や団体などが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木
5.その他IWOが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木

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春になったらカワセミの恋の季節のはじまり

 公園を歩いていると、古い自転車のブレーキのような音が聞こえてきました。
 カワセミです。
 池の方をよーく見てみます。
 カワセミは「清流の宝石」と呼ばれることがありますが、池や町中の川にもいますし、鮮やかな色も緑の葉の中では保護色になることもあります。
 魚を狙うため石の上や枝の上によくとまりますので、いそうなところを目を凝らして見ます。
 いました!

 どうも魚をくわえているようです。


 でも、なんかヘンです。
 カワセミは、つかまえた魚を石や枝に叩きつけてぐったりさせて飲み込みます。
 でも、このカワセミはそのような素振りは見せません。
 枝にとまって、じっとくわえているだけ。


 見ていると、また古自転車のブレーキ音をたてながら、飛んでいきました。
 魚をくわえたままのようです。


 ということは、行き先はメスのところ。
 魚はプレゼント、求愛給餌でしょう。

 ところが、彼らの姿を探しているうちに、鳴きながらどこかに飛んでいってしまいました。
 失敗でしょうか?

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公園ネコを考える2 分類学的にネコについて考えてみることにしました。

公園ネコを考える1 ノラネコについて考えてみることにしました。
の続きです。

「ノラネコ」について知ること

 「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」
 中国の古典「孫子」の言葉。
 相手についても自分についてもよく知ることが大切ということ。
 それで「ノラネコ」について、どういう生き物か考えてみることにしました。

 「ノラネコ」は分類学的な種類ではありません。
 分類学的には「リビアヤマネコ」を品種改良してつくられた「イエネコ」に含まれます。
 ノラネコから飼猫まで、普通「ネコ」と呼ばれる身近な動物は、みんな「イエネコ」です。
 みんな同じ種ということですが、人間が様々な品種をつくりだしたため、同じ種とは思えないほどちがいが出ています。


 「ネコ」は分類学的には次のように分けられます。

ヤマネコ

和名:ヤマネコ 学名:Felis silvestris
言葉としては野生のヤマネコや、山に住むようになったイエネコなどいろいろな種類が含まれます。
分類学としては、ネコ属の「ネコ」。
ヨーロッパ周辺の在来種の野生の猫と、そこから品種改良された身近なネコも含まれます。
日本在来種のイリオモテヤマネコやツシマヤマネコはベンガルヤマネコ属という違う属になります。

イエネコ

和名:イエネコ 学名:Felis silvestris catus
ふつうに「ネコ」と呼ばれる動物。
ヤマネコの亜種、つまりヤマネコという種をもっと細かく分類した時の名前。
飼猫も野良猫もみんなひっくるめた名前になります。


ベンガルヤマネコ

和名:ベンガルヤマネコ 学名:Prionailurus bengalensis
ベンガルヤマネコはベンガルヤマネコ属ですので、ネコ属のイエネコとはちがう種類になります。
日本在来種の「ネコ」イリオモテヤマネコとツシマヤマネコは、ベンガルヤマネコの亜種。
つまり、日本在来種の「ネコ」はベンガルヤマネコだけで、身近な「ネコ」はすべて外来種ということになります。
イリオモテヤマネコ Prionailurus bengalensis iriomotensis
ツシマヤマネコ Prionailurus bengalensis euptilurus

「学名」の見方

 ここで学名の読み方を少し。
 学名を覚えるのは大変ですが、学名の仕組みを覚えると学名からいろいろなことを知ることができ、とても便利です。
 学名は世界共通に使われる名前で、基本的に一つの種に一つしかありません。
 いろいろ細かいルールがありますが、簡単に見方の基本をイエネコの学名から説明します。


Felis silvestris catus

 イエネコの学名は3つの言葉からできています。
 最初の「Felis」は「属」という分類での名前で、頭文字を大文字にします。日本語では「ヤマネコ属」のことです。
 次の「silvestris」は生物分類の基本的な「種」の名前で、専門的には「種小名」といいます。こちらはすべて小文字。日本語では「ヤマネコ」のことです。
 学名の基本は属名と種小名の2つで表し、「二名法」といいます。

 余った最後の一つは何かというと、「亜種名」。
 日本語では「イエネコ」のことです。
 「亜種」は生き物としては同じ種ですが、見た目や体のつくりなどでちょっと違う特徴をもったグループのことです。
 植物の場合は亜種名の前に「ssp.」や「subsp.」とつけますが、動物の場合はそのまま続けます。


 ということで、上の「ネコ」の学名3つを並べてみると、いろんなことがわかってきます。

ヤマネコ Felis silvestris
イエネコ Felis silvestris catus
ベンガルヤマネコ Prionailurus bengalensis

 最初の属名は、ヤマネコとイエネコは同じですので、とても近いグループ。
 ところがベンガルヤマネコは違いますので、別のグループということがわかります。
 次の種小名もヤマネコとイエネコは同じですので、まったく同じグループということがわかります。
 最後の亜種名がイエネコにしかありませんので、ヤマネコの中のグループということがわかります。

 これらは日本語の名前からはわからないことです。
 このように、学名を覚えていなくても、学名の仕組みがわかればいろいろなことがわかってくるのです。

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