【 2016年03月】

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足下で咲くちょっとかわった春の白い花 富貴草

 おなじみの錦織公園。
 里山をベースに作られた大きな公園。
 植栽されているも、元から生えていたもの、出自が不明なものなどいろいろな植物が生えています。
 ということで、新しい発見がよくあります。
 そのひとつがフッキソウ(富貴草)。


 山地の林床に生える高さ30センチくらいの常緑小低木。
 あまりにも低いので、常緑多年草という方がイメージしやすいかもしれません。


 フッキソウは河内の里の杉林と、公園事務所前のロックガーデンにありましたが、切り詰められていたりとあまり花が咲きません。
 それがたくさんの花をさかせるフッキソウがありました。
 河内の里の東門の近くから林の中のつつじが原へと続くせせらぎの小径。
 小川の向こうでたくさん咲いていました。


 ぴょんぴょん4つの棒が飛び出しているのが雄花。
 隠れるように下の方で先がくるりと丸まっているのが雌花。
 足下で咲くので目につきにくいですが、面白い花です。

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タグ: フッキソウ春の花白い花錦織公園

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公園ネコを考える1 ノラネコについて考えてみることにしました。

 ネコブームと言われています。
 もともとネコはイヌと人気を二分するほどの身近な動物。
 それが、イヌよりも人気が出てきたそうです。


 人気がある反面、各地でノラネコによるトラブルが後を絶ちません。
 そのためノラネコの定着と増えることを防ぐために、エサやりを禁止する条例をつくる自治体も増えてきました。
 ところが、そういった自治体が遠くはなれたところに住む人から非難されるという事態も起こっています。
 大雑把にいうと、ノラネコのエサやり擁護派とエサやり禁止派の対立でしょうか。
 しかし意見も多様で、擁護派は基本的に猫好きのような印象を受けますが、禁止派だからといって猫嫌いというわけではないようです。

 ノラネコのエサやり擁護派の意見も、エサやり禁止派の意見も、感情的に理解できるところはありますが、その理由について納得ができないことは少なくありません。
 どちらも好き嫌いの感情だけが先走っているように見えます。
 そしてどちらも人間とネコのことしか考えられていないようです。
 もちろん、人間社会の人間とネコの間の問題ですからそういう視点も必要です。


 しかし生き物はそんな単純な関係だけで生きているわけではありません。
 ましてや、家の中で飼っているのならともかく、人間の管理の外にいるノラネコ。
 特に公園や空地や川原は人間が知らない生き物だらけ。
 自然が豊かな公園だと、絶滅危惧種がいることもあります。
 当然、屋外にいるネコがそういった生き物たちとまったく関係しないでいるわけはありません。

 ノラネコが与える影響は、人間の日常的な場所だけではありません。
 人間が気付かないような、たくさんの生き物たちとの関係も考えなければなりません。
 よく使われる言葉なら、「環境」や「生態系」、そして「ビオトープ」。
 人間とノラネコの関係だけでは見えないところだらけです。
 人間とノラネコの問題のように見えて、実は自然が相手なのです。


 そしてよく忘れられることですが、自然は人間の感情や都合などまったく関係ありません。
 たとえば、自然災害は人間の都合など一切関係がないことは、だれしも感じることだと思います。
 もちろん、それは身近で日常的な自然でも同じ。
 小さなできごとなので気がつかないだけ。
 つまり自然に関する問題は、人間の感情だけでは解決ができないということです。
 大切なのは、たとえ不都合であったとしても自然の姿を受け入れること。
 そのうえで、いいと思える解決を見つけることです。

 ということで、生き物を広い範囲で扱うブログらしく、ノラネコとういう生き物について考えてみることにしました。

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タグ: 公園ネコを考えるノラネコ公園ネコネコ

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棚田のいきもの 2016年2月の鳥と哺乳類

 真冬の2月の下赤阪の棚田ビオトープ。
 暖かければコバエなどが花に集まることもありますが、この日は昆虫の仲間と出会えませんでした。
 もちろん、落ち葉の下や葉の裏などに潜んでいるとおもいますが。
 ということで、冬でも高い体温が維持される恒温動物ばかりです。


動物界
脊索動物門 脊椎動物亜門
鳥綱 タグ:下赤阪の棚田の鳥

アオジ(青鵐、蒿鵐、蒿雀)Emberiza spodocephala

スズメ目 ホオジロ科 ホオジロ属
冬鳥
スズメくらいの鳥

画像は初めてですが、実は冬の棚田ではあちこちにいます。

なぜ今まで画像がなかったのかというと、いつも藪の中で写せなかったから。

住宅街でも公園や河原の薮にいたりしますが、身近にいてもなかなか姿を見られないのはウグイス並みです。

ホオジロ(頬白)Emberiza cioides

スズメ目 オジロ科 ホオジロ属
スズメより大きい
留鳥
タグ:ホオジロ

左がオスで右がメス。
名前の由来になった頬の色が白いのがオスで、少し褐色がかっているのがメス。

モズ(百舌,百舌鳥,鵙)Lanius bucephalus のオス

スズメ目 モズ科 モズ属
スズメより大きい
漂鳥
タグ:モズ

ハシボソガラス(嘴細烏)Corvus corone

スズメ目 カラス科 カラス属
全長50cm
留鳥
タグ:ハシボソガラス

ツグミ(鶇)Turdus eunomus

スズメ目
ツグミ科
ツグミ属
ハトより小さい
冬鳥
タグ:ツグミ

鳥綱
動物界 脊索動物門 脊椎動物亜門
哺乳綱 タグ:下赤阪の棚田の鳥

イタチ(鼬)Mustela ?の糞

食肉目 イタチ科 イタチ属
タグ:イタチ

太さが5ミリほどでねじれているのでイタチ。

テンのフンも似ていますが、もうちょっと太くなるようです。

日本にいるイタチは、在来種のニホンイタチと、外来種のチョウセンイタチ。

都市部にいるのがチョウセンイタチで、郊外にいるのがニホンイタチ。

下赤阪の棚田ならニホンイタチになると思いますが、フンではわかりません。

哺乳綱
脊索動物門 脊椎動物亜門
動物界

 鳴き声でいるのはわかっていても、なかなか写せなかったアオジ登場。
 このように鳥の写真を撮るのは大変です。
 もちろん種類にもよりますが。
 そして哺乳類に至っては、いまだ棚田では姿を写すどころか見たこともありません。
 目にするのはフンや足跡ばかりです。

タグ♦ 下赤阪の棚田のいきもの目次

■参考外部リンク■
下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会


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タグ: 下赤阪の棚田2016下赤阪の棚田2016/22月の下赤阪の棚田の動物アオジイタチモズホオジロ鳥類/SA-tanada哺乳類/SA-tanada糞/SA-tanada

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白い桜はちょっと早く咲いたり咲かなかったり それが自然 大島桜

 春分にオオシマザクラが満開になっていました。
 南河内の里山公園、おなじみの錦織公園。
 白い色で、花と一緒に緑色の葉が出てきます。
 時間がたつと葉が開いて遠目には淡い黄緑色に見えます。

大島桜

 園内に一番多いのはソメイヨシノでしょう。
 でも丘の遊歩道にはヤマザクラやオオシマザクラなども生えています。

オオシマザクラ

 ソメイヨシノはまだでしたが、同じように咲いていないオオシマザクラもありました。
 桜というと一斉に咲くイメージがあります。
 それは、よく植えられているソメイヨシノは人間が作った品種の上に、接ぎ木などで増やしたクローンのため、性質がよく似ているから、と言われています。


 それに対してオオシマザクラは日本の自生種。
 性質にばらつきがあるのは、自然なことです。

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タグ: オオシマザクラ春の花白い花錦織公園

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棚田のいきもの 2016年2月の植物いろいろ

 2月の下赤阪の棚田ビオトープで出会った生き物たち。
 その植物で、花でも実でもロゼットでもないものを集めてみました。


春の七種
植物界 被子植物門 双子葉植物綱

春の七種(春の七草)は、1月7日に七種類の野草と野菜を入れたおかゆを食べ、一年の無病息災を願う行事です。
それがどうして2月の棚田なのでしょう。

それは、もともと旧暦の行事ということ。
旧暦の正月はだいたい1月下旬から2月中旬にかけて。
今年は2月14日。

そしてもう一つ。
春の七種のうち、5種類の野草は田んぼに生える雑草と言われます。
それならば、野草が多い下赤阪の棚田にもあるはず。
ということで、春の七種を探してみました。

芹 せり

和名:セリ
学名:Oenanthe javanica
セリ目 セリ科 セリ属
多年草
分布:北海道~九州
適地:湿地や畦道
タグ:セリ

水分が多いところを好み、棚田ではいつも水が染み出るようなところや水路の中などに生えています。

薺 なずな

和名:ナズナ 学名:Capsella bursa-pastoris
アブラナ目 アブラナ科 ナズナ属
越年草
分布:北海道~九州
適地:道端,公園,畑
タグ:ナズナ

別名「ペンペングサ」は、ハート型の果実を三味線のバチにみたてたもの。

空地にも生えるような結構しぶとい雑草。

御形 ごぎょう

和名:ハハコグサ 学名:Gnaphalium affine
キク目 キク科 ハハコグサ属
越年草
分布:北海道~沖縄
適地:人里の道端、田の畦
別名:おぎょう
タグ:ハハコグサ

植物っぽくないグニャグニャとした形と、綿毛に覆われて白っぽく見えるのが特徴。

棚田ではあまり多くない野草。

繁縷 はこべら

和名:コハコベ
学名:Stellaria media
ナデシコ目 ナデシコ科 ハコベ属
越年草
分布:北海道~九州
適地:道端,公園,畑
タグ:コハコベ

外来種のミドリハコベがよく似ています。

茎が赤いのがコハコベ。緑はミドリハコベ。

仏の座 ほとけのざ

和名:コオニタビラコ 学名:Lapsana apogonoides
キク目 キク科 ヤブタビラコ属
越年草
分布:本州~九州
適地:湿地を好む
タグ:コオニタビラコ

湿り気のあるところを好みますが、棚田ではあまり見かけません。

これは小さい葉が羽のように並んでいないので、コオニタビラコでないかもしれません。

菘 すずな

和名:カブ 学名:Brassica rapa var. rapa
アブラナ目 アブラナ科 アブラナ属
越年草
分布:アフガニスタン原産
適地:代表的な野菜
タグ:カブ

野菜のカブ。野生化はしていません。

葉の形からカブじゃないかと思いますが、自信はありません。

畑に植えられています。多くはありませんので自家用でしょう。

蘿蔔 すずしろ

和名:ダイコン 学名:Raphanus sativus var. longipinnatus
アブラナ目 アブラナ科 ダイコン属
越年草
分布:地中海原産
適地:代表的な野菜
タグ:ダイコン

ダイコン。野菜で野生化はしていません。

カブの隣りにありました。

こちらは葉の形からダイコンだと思います。

植物界 被子植物門 双子葉植物綱
春の七種
植物いろいろ
植物界 被子植物門 双子葉植物綱

アジサイ(紫陽花)の冬芽
Hydrangea macrophylla
var. macrophylla

ミズキ目
アジサイ科
アジサイ属
落葉低木
タグ:アジサイ

春が待ち遠しそうにふくらんできています。

クヌギエダイガフシ(椚枝毬五倍子)

クヌギ(櫟)Quercus acutissima
ブナ目 ブナ科 コナラ属
落葉高木
タグ:クヌギ

クヌギにできたこぶ。

植物は寄生した生き物を覆うようにコブを作ることがあります。

「虫嬰(ちゅうえい)」「虫こぶ」とよばれ、古くは「五倍子(ふし)」と呼ばれていました。

これはクヌギエダイガタマバチというハチが寄生しています。

なぜかクヌギのドングリにそっくり。

虫嬰・虫こぶは専門的な本などでは「ゴール(gall)」と書かれることがあります。
虫こぶを作らせる寄生生物は昆虫からダニ、線虫にカビにウイルスと様々。
それで「虫」という言葉は適切ではない、ということのようです。

ところが、「虫」の旧字体「蟲」は、人間よりずっと小さい動物全般を指し、昆虫はもちろんトカゲやミミズだって含みます。
さら「三尸の虫」のように、得体のしれない見えない寄生生物のようなものも含みます。
『蟲師』の「蟲」ですね。

ということで、虫こぶに「虫」の字を使うことはまったく問題ありません。
虫こぶの専門家の方にとって「虫」=「節足動物」なのかもしれませんが、さにあらず。
ということで、専門家ではありませんのでわかりやすい「虫嬰」「虫こぶ」を主に使っていきます。

植物界 被子植物門 双子葉植物綱
植物いろいろ
隠花植物
植物界
シダ植物門 シダ綱

ヤマヤブソテツ(山藪蘇鉄)
Cyrtomium fortunei var. clivicola

ウラボシ目 オシダ科 ヤブソテツ属
常緑性

細かく切れ込んだ葉というシダのイメージを壊すシダ。

短剣のような先が尖った葉が並ぶシダ。

ヤブソテツの仲間はよく似たものが多いので、まちがっているかもしれません。

小さな葉の大きさや長さ、数、光沢の有無など色々なちがいがあります。

イノモトソウ(井の許草)Pteris multifida

ウラボシ目 イノモトソウ科 イノモトソウ属
常緑性

こちらも葉が切れ込まないシダ。

胞子ができる葉(胞子葉)と胞子ができない葉(栄養葉)があります。

上は胞子葉。

胞子は葉の裏、くるりと曲がった葉の縁にできます。

下の葉の縁がギザギザなのが栄養葉。

ノキシノブ(軒忍)Lepisorus thunbergianus

ウラボシ目 ウラボシ科 ノキシノブ属
常緑性
タグ:ノキシノブ

ただ細長いだけの葉のシダ。

家の軒に生えることが名前の由来。

でも、樹の幹や岩の上などいろんなところに生えます。

シダ植物門 シダ綱
植物界
コケ植物門 蘚綱

ネズミノオゴケ(鼠の尾蘚)Myuroclada maximowiczii

シトネゴケ目 アオギヌゴケ科 ネズミノオゴケ属

スギゴケのような蘚類のコケ。

小さな葉が茎にはりつくようになっていて、それがウロコに覆われたネズミの尾に見立てたことが由来といわれます。

葉を広げるほかの蘚類とはちょっとちがった雰囲気です。

コケ植物門 蘚綱
植物界
隠花植物

 冬だから植物はみんな枯れちゃう、ということはありません。
 根雪にならないところでは。
 さすがに目立つ花はありませんが、いろんな植物がしっかりちゃっかり生きています。

タグ♦ 下赤阪の棚田のいきもの目次
■参考外部リンク■

下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会


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春の黄蘗色の花 ふたつの水木 土佐水木と日向水木

 春は花の季節。
 いくつもの落葉樹が時を争うように葉を出すのも惜しんで花を咲かせるのは、春の風物詩。
 春の花と聞いて多くの人が思い描きそうな桜もそうですが、ほかにもあります。
 錦織公園のふたつのミズキもそういう春の花。
 トサミズキ(土佐水木)とヒュウガミズキ(日向水木)。

トサミズキ
土佐水木

 どちらもユキノシタ目マンサク科トサミズキ属の落葉低木。
 春に黄蘗色(きはだいろ)の花を咲かせます。
 1房に花がたくさんついているのがトサミズキ。
 2~3個しかないのがヒュウガミズキ。
黄檗色(きはだいろ)参考:日本の伝統色 和色大辞典

 トサミズキ(土佐水木)。
 「土佐」は今の高知県の江戸時代までの呼び名。
 蛇紋岩(じゃもんがん)地帯や石灰岩(せっかいがん)地帯などに生える高知県の固有種。

トサミズキ
トサミズキ

 ですからヒュウガミズキ(日向水木)は「日向」が昔の名前だった宮崎県の固有種。
 ではありません。
 どうして「日向水木」というのはいろいろな説があり、はっきりしませんが、宮崎県の固有種でないことは明らかです。

ヒュウガミズキ
ヒュウガミズキ

 そしてどちらもヤマボウシやミズキなどのミズキ目ミズキ科ではありません。
 ということは、ヒュウガミズキは宮崎の固有種でもミズキの仲間でもありません。
 実は日本語には由来がはっきりとしない言葉が山のようにあります。
 ヒュウガミズキもそういう言葉のひとつのようです。

■参考外部リンク■
錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園

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タグ: トサミズキヒュウガミズキ春の花黄色い花錦織公園

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棚田のいきもの 2016年2月上旬のロゼットの分裂した葉

 花じゃなく実じゃなく、ロゼットだらけの2月の棚田ビオトープ。
 最後は分裂した葉です。
 まわりが切れ込んだ葉ですが、ギザギザ(鋸歯)との境目はちょっと曖昧。
 葉の中心まで切れ込んでいるのはもちろん分裂。
 とがるのではなく切れ込んでいるのは分裂。
 それでも境界は曖昧です。


ロゼット > 分裂した葉
円裂形の葉 周囲が切れ込んだ円形の葉
双子葉植物綱

ゲンノショウコ(現の証拠)Geranium thunbergii

フウロソウ目 フウロソウ科 フウロソウ属
多年草
タグ:ゲンノショウコ

秋に赤い花と白い花を咲かせるゲンノショウコ。

よく効く薬草というのが名前の由来。

ロゼットはほかのフウロソウ属に似ています。

アメリカフウロ(あめりか風露)Geranium carolinianum

フウロソウ目 フウロソウ科 フウロソウ属
越年草
北アメリカ原産の帰化植物
タグ:アメリカフウロ

花もゲンノショウコに似ていますが、ロゼットの葉はもっと良く似ています。

ゲンノショウコより細かく別れ、切れ込みが深いのが特徴。

双子葉植物綱
円裂形の葉
ロゼット > 分裂した葉
分裂形の葉 側脈の間で切れ込んだ葉
双子葉植物綱

ヨモギ(蓬)Artemisia indica var. maximowiczii

キク目 キク科 ヨモギ属
多年草
タグ:ヨモギ

お灸に使うもぐさの原料。

草餅(よもぎ餅)の原料でもあります。

そしてどこにでも生える結構強い雑草。

双子葉植物綱
分裂形の葉
ロゼット > 分裂した葉
羽状形の葉 側脈が切れ込んだ長い葉
双子葉植物綱

コオニタビラコ(小鬼田平子)Lapsana apogonoides

キク目 キク科 ヤブタビラコ属
越年草
タグ:コオニタビラコ

春の七種のほとけのざ。

この葉の雰囲気はコオニタビラコ。

でもコオニタビラコは小さな葉がたくさん並びます。

小さな葉があまり発達しなかったら、こんな感じのような気がします。
大きさもそんな感じですし。

オニタビラコ(鬼田平子)Youngia japonica

キク目 キク科 オニタビラコ属
一年草
羽状深裂形
タグ:オニタビラコ

春の七種のコオニタビラコの大きい版。

ですが、コオニタビラコはヤブタビラコ属。

よく似ていますが、羽状の小さい羽片が重なるようになっているのが特徴。

あと小さいトゲがあることも。

ノアザミ(野薊)Cirsium japonicum

キク目 キク科 アザミ属
多年草
羽状形
タグ:ノアザミ

初夏から夏にかけて赤紫色の花を咲かせます。

アザミの名に恥じないトゲトゲだらけの葉。

羽状に分裂した葉がさらにトゲトゲ感を増しています。

ヒレアザミ(鰭薊)Carduus crispus

キク目 キク科 ヒレアザミ属
一年草
羽状形
史前帰化植物? ヨーロッパから東アジア原産
タグ:ヒレアザミ

「ヒレ(鰭)」の名前に相応しくないトゲトゲ葉。

花が咲くともっとトゲトゲ葉がでてきます。

タンポポ(蒲公英)Taraxacum

キク目 キク科 タンポポ属
多年草
羽状形
タグ:タンポポ

日本のタンポポか外国のタンポポか、ロゼットではわかりません。

羽状の先頭がほかの葉とあまり変わらない大きさなのが特徴。

オオアレチノギク(大荒地野菊)Conyza sumatrensis

キク目 キク科 イズハハコ属
越年草
羽状形
南アメリカ原産の帰化植物

花に気づいたことがありません。

キク科特有の花びらがついた舌状花があつまっているのですが、花弁が小さく開くこともないので気付かなかったのかもしれません。

ノゲシ(野芥子)Sonchus oleraceus

キク目 キク科 ノゲシ属
越年草
羽状形
ヨーロッパ原産の史前帰化植物?
別名:ハルノノゲシ
タグ:ノゲシ

オニタビラコに似ていますが、もっと大きなロゼットです。

トゲトゲした感じでこちらのほうが「オニ(鬼)」がふさわしいと思います。

葉を見るとアザミのようですが、花は黄色です。

オニノゲシ(鬼野芥子)Sonchus asper

双子葉植物綱 キク目 キク科 ノゲシ属
越年草
羽状浅裂形
ヨーロッパ原産
タグ:オニノゲシ

「ノゲシ」といってもケシではありません。キクの仲間です。

見るからに痛そうな過剰トゲトゲは、見た目の通り外来種。

マメカミツレ(豆加密列)Cotula australis

キク目 キク科 タカサゴトキンソウ属
一年草
オーストラリア原産

名前のようにカミツレ(カモミール)に似ていますが、地面を這うような形であまり立ち上がりません。

花も小さく黄緑色。

咲いているのがわかりにくいので、あまり気付かないかもしれません。

双子葉植物綱
羽状形の葉
ロゼット > 長い葉

 やっぱり羽状に分裂した葉はキク科ばかり。
 しかも結構外来種が多かったりします。
 そしてアザミ科などトゲだらけのものも少なくありません。
 草食動物対策のようですが、刺が細かいと虫対策にもなるそうです。

タグ♦ 下赤阪の棚田のいきもの目次
■参考外部リンク■
下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会


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タグ: 下赤阪の棚田2016下赤阪の棚田2016/22月の下赤阪の棚田の植物ロゼット/SA-tanada分裂した葉rosette/SA-tanadaマメカミツレゲンノショウコタンポポオオアレチノギクヒレアザミ

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遅咲の梅に黄緑色の小鳥は目白

 桜のツボミもふくらんできた3月中旬。
 遅咲の梅の花から黄緑色の小鳥が蜜を吸っていました。


 梅の花にやってくる鳥はウグイス。
 と思われていますが、ウグイスはこんな目立つところに出てきません。
 出てきても、人影を見るとすぐやぶのなかにはいってしまいます。
 それにウグイスの色は茶色がかった緑色。
 決してきれいな色ではありません。


 メジロの証拠に目のまわりが白くなっています。


 メジロは木の花の蜜が好きなようで、四季を通じていろいろな花にやってきます。
 そろそろ梅が終わります。
 次は桜の番です。


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タグ: メジロスズメより小さい鳥

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『とりぱん』17巻 存在感が薄くなったような気がしたら、つぐみん大爆発!

 特定の主人公的な鳥がいるのではなく、いろんな鳥が次々と登場するとりぱん。
 身近な野鳥の行動を描いたマンガです。
 今回も遅れて紹介です。

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 毎回毎回出てくる鳥もいれば、たまにしか出てこない鳥もいます。
 そして、突然目立ってくる鳥も。
 16巻に続いてシメが登場。
 太いクチバシを持つので、もちろん小さな実の殻を割って食べます。
 ということで、別名「羽の生えたハムスター」。
 たしかに大きさやズングリしたところはぴったりかもしれません。
 でも、ハムスターよりも迫力がありますが。

草食なのになんか強そうなシメ

 キツツキなのにアカゲラやアオゲラとちがって出番が少ないコゲたん(コゲラ)や、かわいいみそちー(ミソサザイ)も登場。
 そして“最強生物”エナガヒナ登場!
 エナガ自体がもうかわいいのに、ヒナの破壊力はハンパじゃない。
 実物はまだ見たことはありませんが、錦織公園にあれだけエナガがいるのですから、エナガヒナもいるはずです。
 乱暴キャラのヒヨドリだけでなく、愛されキャラのつぐみん大ピンチ。

親でもかわいいエナガ

 それに危機を感じたのか、ツグミのつぐみんが大増殖。
 ヘタレキャラとして揺るがぬ地位を築いたはずのつぐみんに新キャラ登場。
 よわみんとつよみん。
 それにべつみんによそみん、とつぐみんだらけ。
 やっぱりつぐみんはとりぱんの主人公! みたいな鳥です。
 冬しかやってこないのに。

人間を見て固まってるツグミのつぐみん

 野鳥エッセイマンガのとりぱん。
 いつもは作者の住むところの野鳥ですが、時々旅行編があります。
 17巻では京都へ行きます。
 洛中(市街)からちょっと離れた伏見のお稲荷さん。
 とりぱんで伏見のお稲荷さんとくるときっとあれが登場すると思うかもしれません。
 そう、焼き鳥です。

稲の大敵のスズメ

 お稲荷さんは稲の神様。
 実った稲穂を食べるスズメを逆に食べてしまえ!というのがはじまり、とも言われます。
 ですから、食べるのはニワトリじゃなくてスズメ。
 それがどうだったのかは、『とりぱん』17巻で。

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棚田のいきもの 2016年2月上旬のロゼットの長い葉

 花は少ないけどロゼットいっぱいの2月の下赤阪の棚田ビオトープ。
 みんなおなじに見えるロゼットも、よく見てみると、いろいろなちがいがあります。


ロゼット > 長い葉
広線形の葉 葉身の長さが幅の5~10倍くらいの葉
双子葉植物綱

コウゾリナ(剃刀菜)Picris hieracioides ssp. japonica

キク目 キク科 コウゾリナ属
越年草
タグ:コウゾリナ

固い毛をカミソリに見立てたことが由来。
と言われていますが、剛毛がカミソリになる理由がよくわかりません。

ロゼットの葉がカミソリに見えるといえば、見えないこともない?

ブタナ(豚菜)Hypochaeris radicata

キク目 キク科 エゾコウゾリナ属
多年草
ヨーロッパ原産

空地や草地などに生える雑草。

ロゼットの葉はバリエーションが豊富ですが、短い毛が生えていたらブタナかも。

タンポポによく似た花を咲かせるので「タンポポモドキ」という名前もあります。

花茎が細く途中で分かれるのでよく見ればタンポポと見分けられます。

双子葉植物綱
広線形の葉
ロゼット > 長い葉
線形の葉 葉身の長さが幅の10倍くらい以上の細い葉
単子葉植物綱

オヒシバ(雄日芝)Eleusine indica

イネ目 イネ科 オヒシバ属
一年草
タグ:オヒシバ

イネ科は地下茎を伸ばして地面の上には葉しか伸ばさないものが多く、そういったものは冬は自然とロゼットのような状態になることもあります。

オオバコほどではないものの、踏みつけにはそこそこ耐性があるようで、踏み跡によく生えています。

双子葉植物綱
線形の葉
ロゼット > 長い葉

 ロゼットは見るのに花を見落としてるのが少しあります。
 見落としているだけなのか、ロゼットを見間違っているのか。
 調べなければ。

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■参考外部リンク■
下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会

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