【 2016年02月】

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〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

棚田のいきもの 2016年2月上旬の赤~赤紫~青い花

 立春を迎えるとはいえ、まだまだ寒い2月。
 冬でも枯れない植物はたくさんありますが、やっぱり花は減ってしまいます。

中学校側から見た2月の下赤阪の棚田

赤い花 タグ:下赤阪の棚田の赤い花
植物界 被子植物門 双子葉植物綱

カンツバキ(寒椿)
Camellia sasanqua
var. fujikoana

ツツジ目
ツバキ科
ツバキ属
常緑広葉樹
タグ:カンツバキ

名前は「ツバキ」ですが、サザンカの変種です。

ウメ(梅)Prunus mume の赤い花の品種(紅梅)

バラ目 バラ科 サクラ属
落葉高木
タグ:ウメ

植物界 被子植物門 単子葉植物綱
赤い花
赤紫色の花 タグ:下赤阪の棚田の赤紫色の花
植物界 被子植物門 双子葉植物綱

ヒメオドリコソウ(姫踊り子草)Lamium purpureum

シソ目 シソ科 オドリコソウ属
越年草
ヨーロッパ原産の帰化植物
タグ:ヒメオドリコソウ

名前のように小さな花ですが、コリウスのように花のまわりの葉が色づきます。

ただ、コリウスほど鮮やかではありませんので、それほど目立たないような気がします。

植物界 被子植物門 双子葉植物綱
赤紫色の花
青い花 タグ:下赤阪の棚田の青い花
植物界 被子植物門 双子葉植物綱

キュウリグサ(胡瓜草)Trigonotis peduncularis

ムラサキ目 ムラサキ科 キュウリグサ属
二年草
タグ:キュウリグサ

オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)Veronica persica

シソ目
オオバコ科
クワガタソウ属
越年草
ヨーロッパ原産の帰化植物
別名:瑠璃唐草
タグ:オオイヌノフグリ

植物界 被子植物門 単子葉植物綱
青い花

 一番さ寒い時期は、一番虫が活動しない時期。
 意外と冬でも花に集まる虫はいるのですが、種類が限られます。
 冬に花が少ないことにも関係があるかもしれません。

タグ♦ 下赤阪の棚田のいきもの目次
■参考外部リンク■
下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会


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genre : 趣味・実用

冬の赤い実 1月の錦織公園

 二十四節気では最後の冬の月になる1月。
 赤い実の木もちょっと雰囲気が変わってきたものもあります。

冬の赤い実 11月の錦織公園
冬の赤い実 12月の錦織公園

常緑高木 高さ5m以上に成長する常緑樹
液果 > 核果 水分の多い実の中に硬い殻に覆われた種がある果実

クロガネモチ(黒鉄黐)lex rotunda

双子葉植物綱 モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑高木
雌雄異株
分布:関東~沖縄
タグ:クロガネモチ

1月になってもまだまだたくさんの実が付いているクロガネモチ。

でもよく見ると葉が少し黄色くなっています。

常緑樹ですから枯れて落ちることはありませんが、寒さを感じているようです。

よく似た気が多い常緑のモチノキの仲間。
冬は葉の色でクロガネモチを見つけることができます。

2月になってもたくさん残っていました。

ナナミノキ(七実の木)Ilex chinensis

双子葉植物綱 モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑高木
雌雄異株
分布:静岡~九州
別名:ナナメノキ
タグ:ナナミノキ

まだ実が残っていますが、たいぶん減っています。

そして下にもたくさん落ちでいます。

このように葉や枝ごと落ちているものも。
まだ葉が青々としていますので、風で落ちたのでしょうか。

2月にはほとんどなくなっていました。

ソヨゴ(冬青)Ilex pedunculosa

双子葉植物綱 モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑小高木
雌雄異株
分布:関東~九州
別名:フクラシバ
タグ:ソヨゴ

元からクロガネモチやナナミノキほど実をつけませんが、それでも数は減っています。

ただ、下にも落ちていますので、食べられなかった実も少なくないようです。

モチノキ(黐の木)Ilex integra

双子葉植物綱 モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑高木
雌雄異株
分布:本州~沖縄
別名:ホンモチ
タグ:モチノキ

ソヨゴよりもさらに実が少ないですが、かなり減っていました。

木によっては全部落ちているものも。

残っている実も傷んでいるように見えます。

液果 > 核果
偽果 > ナシ状果 花の根元が大きくなって種を包んだ果実

カナメモチ(要黐)Photinia glabra

双子葉植物綱 バラ目 バラ科 カナメモチ属
常緑小高木
雌雄両全株
東海~九州
タグ:カナメモチ

12月の時点でかなり実が減っていましたが、1月にはすっかりなくなっていました。

偽果 > ナシ状果
常緑高木
常緑低木 成長しても高さが5mに達しない常緑樹
液果 > 核果 水分の多い実の中に硬い殻に覆われた種がある果実

ナンテン(南天)Nandina domestica

双子葉植物綱 キンポウゲ目 メギ科 ナンテン属
常緑低木
雌雄両全種
中国原産
タグ:ナンテン

まだまだ実は残っていますが、なくなっているものもあります。

それだけたくさん実がついているのです。

マンリョウ(万両)Ardisia crenata

双子葉植物綱 ツツジ目 サクラソウ科 ヤブコウジ属
常緑小低木
雌雄両全株
分布:関東~沖縄
タグ:マンリョウ

まだ全然減っているようには見えません。

夏にはすべてなくなるので、春までついているのかもしれません。

ヤブコウジ(藪柑子)Ardisia japonica

双子葉植物綱 ツツジ目 サクラソウ科 ヤブコウジ属
常緑小低木
雌雄両全株
分布:北海道~九州
別名:十両(じゅうりょう)
タグ:ヤブコウジ

もう実がありません。

小さいので実がないと目立ちません。

アオキ(青木)Aucuba japonica

双子葉植物綱 ガリア目 ガリア科 アオキ属
常緑低木
雌雄異株
分布:関東以西?沖縄
タグ:アオキ

12月にはまだ緑色でしたが、赤く色づいてきました。

アオキの果実はタイミングをずらして赤くなるので、緑色の実もたくさんあります。

錦織公園には斑入の品種もありますが、そちらも実が赤くなっていました。

液果 > 核果
乾果 > 蒴果 熟すと放射状に分かれて種を落とす果実

マサキ(柾、正木)Euonymus japonicus

双子葉植物綱 ニシキギ目 ニシキギ科 ニシキギ属
常緑低木
雌雄両全株
北海道南部~沖縄
タグ:マサキ

まだ残っていましたが、見るからに古くなってくすんだ色になっています。

乾果 > 蒴果
集合果 > キイチゴ状果 核果が集まった集合果

フユイチゴ(冬苺)Rubus buergeri

双子葉植物綱 バラ目 バラ科 キイチゴ属
常緑匍匐性小低木
雌雄両全株
関東~九州
別名:カンイチゴ
タグ:フユイチゴ

かなり減っていましたし、残っている実もちょっとくたびれたよう。

液果は人気があるのかもしれません。

集合果 > キイチゴ状果
偽果 > ナシ状果 花の根元が大きくなって種を包んだ果実

トキワサンザシ(常盤山査子)Pyracantha coccinea

双子葉植物綱 バラ目 バラ科 トキワサンザシ属
常緑低木
雌雄両全株
ヨーロッパ南部~西アジア原産
別名:ピラカンサ
タグ:トキワサンザシ

まだまだたくさん残っています。

花が減る冬の間に真っ赤な実がたくさんできるのも、公園木や垣根に使われる理由でしょうか。

そして鳥に人気がなさそうなのは、外来種のため?

偽果 > ナシ状果
常緑低木
落葉高木 高さ5m以上に成長する落葉樹
液果 > 核果 水分の多い実の中に硬い殻に覆われた種がある果実

ハナミズキ(花水木)Cornus florida

双子葉植物綱 ミズキ目 ミズキ科 ミズキ属
落葉高木
雌雄両全株
北アメリカ原産
別名:アメリカヤマボウシ
タグ:ハナミズキ

もう葉は残っていません。

実も減り、しわしわになっていました。

木によってはすっかり実がなくなり、冬芽が目立っているものもありました。

サンシュユ(山茱萸)Cornus officinalis

双子葉植物綱 ミズキ目 ミズキ科 ミズキ属
落葉小高木
雌雄両全株
中国~朝鮮半島原産
タグ:サンシュユ

12月でもうほとんど実がありませんでしたので、1月には一つもありませんでした。

そして、かわりに冬芽が膨らんでいました。

液果 > 核果 
落葉高木
落葉低木 成長しても高さが5mに達しない落葉樹
液果 > 核果 水分の多い実の中に硬い殻に覆われた種がある果実

ウメモドキ(梅擬)Ilex serrata

双子葉植物綱 モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
落葉低木
雌雄異株
分布:東北~九州
タグ:ウメモドキ

相変わらず葉がない枝にたわわに実っています。

どうして赤い実が残っているのでしょう。

基本的に哺乳類は赤い色が見分けられません(人間は例外)ので、赤い実は鳥のため。

鳥は甘みを感じないそうなので、甘くないのも多分鳥のため。

でも、鳥にはあまり好かれていないようです。

液果 > 核果
液果 > 漿果 水分の多い実の中に種がある果実

サルトリイバラ(猿捕茨)Smilax china

単子葉植物綱 ユリ目 サルトリイバラ科 シオデ属
落葉蔓性低木
雌雄異株
北海道~沖縄
タグ:サルトリイバラ

減っては着ているようですが、残っています。

サルトリイバラの実は実力を発揮するのはまだ緑の葉があるうちかもしれません。

液果 > 漿果
偽果 > 液果状偽果 萼筒下部が種を包んだ水分の多い偽果

アキグミ(秋茱萸)Elaeagnus umbellata

双子葉植物綱 バラ目 グミ科 グミ属
落葉低木
雌雄両全株
北海道~九州
タグ:アキグミ

すっかり実がなくなっていました。

偽果 > 液果状偽果
落葉低木

 11月から1月までの冬の3ヶ月間の赤い実。
 いつまでたっても数が減らないものから、秋のうちにほとんどが無くなってしまうものまで。
 落葉樹は実がなくなるのが早いような気がします。
 それに対して常緑樹は長く残るものが多いような。
 緑の葉と赤い実とよく目立つ組み合わせのはずなのに。
 鳥と木の関係はなかなか奥が深いようです。

■参考外部リンク■
錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園

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タグ: ソヨゴナンテンマンリョウアオキトキワサンザシハナミズキウメモドキサルトリイバラ冬の赤い実錦織公園

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theme : 樹木・花木
genre : 趣味・実用

「とりぱん」第16巻 意外とシメはつよかった!

 「とりぱん」16巻です。
 出版されて結構時間がたち、もう新刊ではありません。
 ちょっと遅れましたが、紹介。

最新刊

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 「とりぱん」を知らない人のために簡単に。
 マンガ家のとりのなん子さんが、日々の生活の中で鳥を中心とした自然との出会いを描いた4コママンガ。
 「自然はなんて素晴らしいんだ!」とか、「人間は自然を壊す罪深い存在だ!」とか、「自然の生き物たちは何が何でも守らなければならないんだ!」とか、人間の勝手な都合をえらそうに押し付けるようなものはありません。
 ただただ、身近な自然との出会いを描いているだけ。
 タイトルのように鳥が中心ですが、虫が出てくる話も少なくなく、「鳥はかわいいけど虫は気持ち悪くて大嫌い!」という人に、「気持ち悪い虫を描くなんて人間にあるまじき行為!」と言われることも。
 ということで、「虫が嫌っ!!!!」という人にはお勧めできません。

16巻でも出番が少ないごじゅぴー(ゴジュウカラ)

 虫ギライの人からのクレームは昔からあったらしく、一時期虫ネタが減ったように感じることもあったのですが、16巻では虫ネタが多めでほっとしました。
 虫ネタで驚いたのが、16巻目で初ナナフシ。
 ナナフシはバッタリの仲間で体が細く、樹の枝に擬態する昆虫です。
 本州から南では普通の昆虫ですが、とりのなん子さんに気付かれなかったのは、それだけナナフシの擬態がよくできているということでしょう。

16巻では出番が多い?シメ

 基本的に、登場するのは東北地方に住むとりのなん子さんの身近な鳥たち。
 おなじみの鳥ばかりなのに、ネタが尽きません。
 鳥の行動は、木の上の鳥、地面の鳥、水辺の鳥くらいのちがいしかないのかと思っていたら、鳥それぞれにとても強い個性があったのです!
 人間の勝手な「鳥イメージ」ではありません。
 優雅で有名なハクチョウも、夫婦の子育てで有名なカルガモも、「とりぱん」の中では大自然の中で生き抜いていく“したたか”な鳥たちです。

 よく登場する「くるみ割りカラス」。今回も登場。
 カラスが力でくるみを割るのではありません。
 クルマに割らせるのです。
 道路にくるみを置き、クルマにひかせて硬い殻を割り、中の実を食べるのです。
 そこまではよくある話。
 なん子さんが出会ったのは横断歩道。

ハシブトガラス

 カラスは明らかに特定の場所にくるみを置くようです。
 それは白い停止線の上。
 なん子さんの推測によると。
 まず、黒いタイヤの軌跡を追いやすい。つまり、くるみを置く場所を決めやすい。
 そして、割れて飛び散った中身はクルマの進行方向に飛びます。
 そこには横断歩道の白い線。
 黒くてデコボコしたアスファルトの上よりも見つけやすい。
 頭がいいので有名なカラスですが、状況の分析と結果を想像する能力も高いようです。

 ということで、16巻で気になった鳥。
 出番で言うとシメですが、それ以上に気になった鳥がいます。
 「コゲたん」。
 小さなキツツキのコゲラです。

コゲラのコゲたん

 「とりぱん」でキツツキというは、アカゲラのペンちゃんとアオゲラのポンちゃん。
 コゲラの出番は決して多くありません。
 16巻も427羽(「とりぱん」では「話」を「羽」と書きます)でシメにびっくりして逃げていって出番終了ですが、かわいい「コゲたん」の名前で決定。
 出番の少ないコゲラですが、いつの間にか愛称がついてました。

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タグ: とりぱんコゲたんコゲラハシブトガラスシメゴジュウカラごじゅぴーとりのなん子

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theme : 漫画
genre : アニメ・コミック

棚田のいきもの 2016年2月上旬の白~黄色い花

 一年を通して生き物の姿を見続けている下赤阪の棚田。
 農林水産省の日本の棚田百選に選ばれている棚田です。

 平地と丘陵ばかりの大阪に棚田というのは不思議な気がします。
 しかし、北東南と3方を山に囲まれていますので、今でも棚田は残され、2箇所が棚田百選に選ばれています。
 その一つが、大阪の南東部、金剛山地と和泉山脈に囲まれた大阪唯一の村、千早赤阪村にある下赤阪の棚田です。

 毎月行っていてもいつも新しい生き物との出会いがある、生き物の多様性に富んだ場所です。
 ですが、毎月というのはちょっと大変。
 もう何巡もしましたので、今年は1ヶ月おきを基本にして、内容を充実させる方に力を入れることにしました。
 ということで、2016年最初は2月からです。

田起こし前で緑色の下赤阪の棚田

白い花 タグ:下赤阪の棚田の白い花
植物界 被子植物門
双子葉植物綱

タネツケバナ(種漬花)Cardamine scutata

双子葉植物綱 アブラナ目 アブラナ科 タネツケバナ属
越年草
タグ:タネツケバナ

ちょっと湿り気のあるところを好むタネツケバナ。

道端など乾燥気味のところにもよく似た花が生えますが、そちらはおそらくミチタネツケバナ。
小さな葉の形が丸くなっていればミチタネツケバナの方。

花の形は春の七種のナズナにも似ていますが、タネツケバナは実が棒状になっているのですぐわかると思います。

ナズナ(薺)
Capsella bursa-pastoris

フウチョウソウ目
アブラナ科
ナズナ属
越年草
別名:ペンペングサ
タグ:ナズナ

春の七種の「なずな」。

コハコベ (小繁縷)
Stellaria media

ナデシコ目
ナデシコ科
ハコベ属
越年草
北アメリカ原産
タグ:コハコベ

春の七種の「はこべら」。

クサイチゴ(草苺)
Rubus hirsutus

バラ目
バラ科
キイチゴ属
落葉小低木
別名:ワセイチゴ
タグ:クサイチゴ

ウメ(梅)Prunus mume の白梅
バラ目 バラ科 サクラ属
落葉高木
タグ:ウメ

棚田の所々で咲いている白梅。

近寄れないところで咲いているので品種はわかりませんが、よく栽培されている南高(なんこう)かもしれません。

双子葉植物綱
植物界 被子植物門
単子葉植物綱

スイセン(水仙)Narcissus
の八重咲き品種

クサスギカズラ目
ヒガンバナ科
スイセン属
多年草
タグ:スイセン

スイセンの八重咲は、外側の花弁が増えたものと、内側の筒状の花びらが増えたものがありますが、これはどちらでしょうか。

単子葉植物綱
植物界 被子植物門
白い花
黄色い花 タグ:下赤阪の棚田の黄色い花
植物界 被子植物門 双子葉植物綱

カンサイタンポポ(関西蒲公英)Taraxacum japonicum

キク目 キク科 タンポポ属
多年草
タグ:カンサイタンポポ

花の下の総苞片(そうほうへん)が反り返ってないので在来種のタンポポ。

セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)Taraxacum officinale

キク目 キク科 タンポポ属
多年草
ヨーロッパ原産
要注意外来生物
日本の侵略的外来種ワースト100
タグ:セイヨウタンポポ

総苞片が反り返っているので外来種のタンポポ。

ただし、遺伝子が混ざっているものもあるので単純に見た目で決めることはできません。
でも反っていたら、純粋な在来種でないということは、言えるかもしれません。

ソシンロウバイ(素心蝋梅)Chimonanthus praecox f. concolor

クスノキ目 ロウバイ科 ロウバイ属
落葉低木
タグ:ソシンロウバイ

花弁が透けて、まるで蝋細工のように見えることが由来と言われています。

数多くの品種の中でも、本当に蝋細工ような薄い黄色のソシンロウバイがよく植えられています。

植物界 被子植物門 双子葉植物綱
黄色い花

 一年でもっとも債務時期ということで、さすがに花は減っています。
 でもそうなると、やっぱり外来種が目立ってきます。
 見知らぬ土地で増え続けているだけのことはあります。

タグ♦ 下赤阪の棚田のいきもの目次
■参考外部リンク■
下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会
ACRES_棚田の主な役割と「百選」の選定方法


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タグ: 下赤阪の棚田2016下赤阪の棚田2016/22月の下赤阪の棚田の植物白い花/SA-tanada黄色い花/SA-tanadaタネツケバナスイセンソシンロウバイタンポポナズナ

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genre : 趣味・実用

冬の赤い実 12月の錦織公園

 冬になるとなぜか目立ってくる赤い木の実。
 その12月編。
 11月編に登場しなかった植物もでてきますが、それは11月には実がなっていなかったというより、見落とした可能性のほうが高いと思います。

常緑高木 高さ5m以上に成長する常緑樹
液果 > 核果 水分の多い実の中に硬い殻に覆われた種がある果実

クロガネモチ(黒鉄黐)lex rotunda

双子葉植物綱 モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑高木
雌雄異株
分布:関東~沖縄
タグ:クロガネモチ

まだまだたくさん残っています。

まだ、果柄がしっかりと枝についていて、下にもあまり落ちていないようです。

それだけ鳥に人気がないのか、それとも多すぎて減らないのか。

葉の根元にまとまっているので、目立ちにくいようにも思えますが、赤と緑の補色関係(よく目立つ色の組み合わせ)で、案外目立ちます。

ナナミノキ(七実の木)Ilex chinensis

双子葉植物綱 モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑高木
雌雄異株
分布:静岡~九州
別名:ナナメノキ
タグ:ナナミノキ

クロガネモチのように赤い実がかたまる木。

よく似ていますが、葉に鋸歯があること、実が縦に長いこと、そしてクロガネモチよりちょっと大きいことで見分けられます。

ソヨゴのように実が落ちはじめていますが、たくさんの実が黒ずんでいました。
食べる動物がいないようです。

ソヨゴ(冬青)Ilex pedunculosa

双子葉植物綱 モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑小高木
雌雄異株
分布:関東~九州
別名:フクラシバ
タグ:ソヨゴ

こちらもまだま枝に残っています。

クロガネモチほどまとまってつきませんので、葉にかくれてあまり目立ちません。

下にも落ちはじめていますが、誰か食べるのでしょうか。

ネズミかもしれませんが、錦織公園にはネズミはいないと言われていますので、落ちっぱなしなのかもしれません。

モチノキ(黐の木)Ilex integra

双子葉植物綱 モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑高木
雌雄異株
分布:本州~沖縄
別名:ホンモチ
タグ:モチノキ

クロガネモチやナナミノキほどたくさんの実がつきませんが、それでもかなり少なくなっています。

下は草が生えているのでよくわからなかったので、落ちて腐ったのか、鳥が食べたのかは、ちょっとわかりません。

ただ、クロガネモチよりも大きな実ですから、ハトくらいの大きさでないと食べにくいと思います。

液果 > 核果
偽果 > ナシ状果 花の根元が大きくなって種を包んだ果実

カナメモチ(要黐)Photinia glabra

双子葉植物綱 バラ目 バラ科 カナメモチ属
常緑小高木
雌雄両全株
東海~九州
タグ:カナメモチ

名前に「モチ」がついていますが、モチノキ目モチノキ科ではなく、バラ目バラ科。

果実の見た目が似ていることから「モチ」がついたと思います。
でも、水分の多い果肉の中に硬い殻に覆われた種がある核果のモチノキに対して、花の根元の花托(かたく)が大きくなってタネを包んだ偽果のナシ状果。

身近な果実だとナシやリンゴのことです。

偽果 > ナシ状果
常緑高木
常緑低木 成長しても高さが5mに達しない常緑樹
液果 > 核果 水分の多い実の中に硬い殻に覆われた種がある果実

ナンテン(南天)Nandina domestica

双子葉植物綱 キンポウゲ目 メギ科 ナンテン属
常緑低木
雌雄両全種
中国原産
タグ:ナンテン

結構赤い実が残っていますが、なくなっている実も少なくありません。

下にも落ちていませんし、鳥たちがたべたのでしょう。

それだけたくさんの実がなります。

日当たりのいいところは紅葉することがあります。

また、落葉することもありますが、一応常緑樹です。

マンリョウ(万両)Ardisia crenata

双子葉植物綱 ツツジ目 サクラソウ科 ヤブコウジ属
常緑小低木
雌雄両全株
分布:関東~沖縄
タグ:マンリョウ

鳥に人気がないのか、数は減っているようには見えません。

おめでたい縁起物の木として有名。

そのようになった理由はわかりませんが、鉢植えにできるほどの大きさで、花の少ない冬に長い間赤い実が残ることも関係しているのでは、と思います。

おめでたい時だけ鉢を目立つところにおけますから。

花も白くてきれいです。

ヤブコウジ(藪柑子)Ardisia japonica

双子葉植物綱 ツツジ目 サクラソウ科 ヤブコウジ属
常緑小低木
雌雄両全株
分布:北海道~九州
別名:十両(じゅうりょう)
タグ:ヤブコウジ

上の万両に対して、十両の別名がある縁起物の木。

草よりも低いわずか20センチほどの高さですので、盆栽にも使われるようです。

林ではまったく目立たない小さな木も、鉢植えだとよく映えるます。

ということで、盆栽に使われることもあります。

でも、地下茎で広がっていますので、実は見た目よりも“大きい”木。

アオキ(青木)Aucuba japonica

双子葉植物綱 ガリア目 ガリア科 アオキ属
常緑低木
雌雄異株
分布:関東以西?沖縄
タグ:アオキ

結構長い間赤い実が付いている木ですが、まだ赤くはなっていませんでした。

和名の由来は、常緑で枝も緑色のため。
昔は緑色も「青」と言っていました。

液果 > 核果
乾果 > 蒴果 熟すと放射状に分かれて種を落とす果実

マサキ(柾、正木)Euonymus japonicus

双子葉植物綱 ニシキギ目 ニシキギ科 ニシキギ属
常緑低木
雌雄両全株
北海道南部~沖縄

クロガネモチのようにたくさんがまとまらないので、実がなっていることに気付かないかもしれません。

外側の果皮も赤みがかっていますが、中の種のほうがより色が濃くなります。

一つの朔果に種は4つありますので、右のは最後の一つ。

果実の時期も終わりつつあるようです。

乾果 > 蒴果
集合果 > キイチゴ状果 核果が集まった集合果

フユイチゴ(冬苺)Rubus buergeri

双子葉植物綱 バラ目 バラ科 キイチゴ属
常緑匍匐性小低木
雌雄両全株
関東~九州
別名:カンイチゴ

木苺の仲間。
多くの木苺とちがって冬に実がなる種類。

イチゴといっても普通のいちごは大きくなった花托に痩果がたくさんついた偽果。
木苺の実は小さな液果が集まった集合果。
同じイチゴでもちがいます。

初夏に赤い実がなるクサイチゴも同じキイチゴ属です。

集合果 > キイチゴ状果
偽果 > ナシ状果 花の根元が大きくなって種を包んだ果実

トキワサンザシ(常盤山査子)Pyracantha coccinea

双子葉植物綱 バラ目 バラ科 トキワサンザシ属
常緑低木
雌雄両全株
ヨーロッパ南部~西アジア原産
別名:ピラカンサ
タグ:トキワサンザシ

「ピラカンサ」のほうが有名かもしれません。

垣根に使われることもあります。

ここのもそうですが、垣根の形に整えるからでしょうか、実のなりかたにかなり偏りがあります。

こちらも実がなくなるのに時間がかかるタイプ。

偽果 > ナシ状果
常緑低木
常緑草本 冬でも葉が落ちない草
液果 > 漿果 水分の多い実の中に種がある果実

ツルアリドオシ(蔓蟻通し)Mitchella undulata

双子葉植物綱 リンドウ目 アカネ科 ツルアリドオシ属
常緑つる性多年草
雌雄両全株
分布:北海道~九州
タグ:ツルアリドオシ

まだ実がついていました。

地面を這うツル植物ですので、赤い実がなっていても目立ちません。

液果 > 漿果 
常緑草本
落葉高木 高さ5m以上に成長する落葉樹
液果 > 核果 水分の多い実の中に硬い殻に覆われた種がある果実

ハナミズキ(花水木)Cornus florida

双子葉植物綱 ミズキ目 ミズキ科 ミズキ属
落葉高木
雌雄両全株
北アメリカ原産
別名:アメリカヤマボウシ
タグ:ハナミズキ

まだ紅葉した葉が残っていました。

実もたくさん残っているのは、赤い葉が邪魔しているからでしょうか。

見たところ実は十分熟しているようですが、赤い葉が残っていると目立たないようにも思いますが、逆に実があるしるしになっているのかもしれません。

サンシュユ(山茱萸)Cornus officinalis

双子葉植物綱 ミズキ目 ミズキ科 ミズキ属
落葉小高木
雌雄両全株
中国~朝鮮半島原産

ハナミズキと同じミズキ科ですが、こちらの実はほとんどが落ちてしまったようで、木についていのも少し。

残っている実もしわしわです。

葉のほうはまだかろうじて残っていましたが。

落葉樹も、葉だけが先に落ちるものから葉と同じように実がなくなるものまでいろいろあるようです。

液果 > 核果 
落葉高木
落葉低木 成長しても高さが5mに達しない落葉樹
液果 > 核果 水分の多い実の中に硬い殻に覆われた種がある果実

ウメモドキ(梅擬)Ilex serrata

双子葉植物綱 モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
落葉低木
雌雄異株
分布:東北~九州
タグ:ウメモドキ

こちらは完全に葉が落ちています。

小さな赤い実がたくさん残っていて、よく目立ちそうですが、実際はウメモドキのような低木は背景の木々に溶け込んで、意外と目立ちません。

ガマズミ(莢蒾)Viburnum dilatatum

双子葉植物綱 マツムシソウ目 レンプクソウ科 ガマズミ属
落葉低木。
雌雄両全株
北海道~九州
タグ:ガマズミ

まだ紅葉した葉が残っていたので木の種類がすぐわかりました。

実は目線よりも高いところにありましたので、11月は見落としていたようです。

小さい実ですが、熟すのに半年近くかかります。

液果 > 核果
液果 > 漿果 水分の多い実の中に種がある果実

サルトリイバラ(猿捕茨)Smilax china

単子葉植物綱 ユリ目 サルトリイバラ科 シオデ属
落葉蔓性低木
雌雄異株
北海道~沖縄
タグ:サルトリイバラ

めずらしい単子葉植物の木。

「木」といっても、つる性なので見た目は草。

果柄の長い実が二つ並んでいるとサクランボのようです。

茎のあちこちにトゲが生えているのでむやみに手を伸ばさないほうがいいかもしれません。

液果 > 漿果
偽果 > ナシ状果 花の根元が大きくなって種を包んだ果実

カマツカ(鎌柄)Pourthiaea villosa

双子葉植物綱 バラ目 バラ科 カマツカ属
雌雄両全株
落葉小低木
本州~九州

緑色の葉がたくさん残っていますが、落葉樹。

緑色の葉があると赤い実がよく目立ちます。

ほかの落葉樹よりも葉が残っているのは、そういう意味があるのかもしれません。

偽果 > ナシ状果
偽果 > バラ状果 花の根元が大きくなって痩果を包んだ果実

ノイバラ(野茨)Rosa multiflora

双子葉植物綱 バラ目 バラ科 バラ属
落葉蔓性低木
雌雄両全株
北海道~九州
タグ:ノイバラ

小さい実がたくさんつきます。

サルトリイバラのようにつる性で小さなトゲがたくさんあります。

サルトリイバラは単子葉植物、ノイバラは双子葉植物。

かなり遠い関係ですので、同じような生き方なので似てしまったのでしょう。

偽果 > バラ状果
偽果 > 液果状偽果 萼筒下部が種を包んだ水分の多い偽果

アキグミ(秋茱萸)Elaeagnus umbellata

双子葉植物綱 バラ目 グミ科 グミ属
落葉低木
雌雄両全株
北海道~九州

赤い実は柔らかく食べることができますが、酸っぱくはありませんが甘くもなく、それほどおいしいとはおもいません。

ただ、環境によってはおいしくなることもあるようです。

こちらも実と葉が同じように落ちる系のようで、どちらもまばらに残っていました。

偽果 > 液果状偽果
落葉低木

 12月は11月とあまり変わっていないように思えます。
 そして意外なのが、落葉樹の葉が残っていること。
 冬に赤い実がならないサクラやコナラはすっかり葉を落としています。
 緑色の葉を残している落葉樹もよく見るとなんか元気のなさそうな葉ですから、赤い実を目立たせるために残しているような気もします。

■参考外部リンク■
錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園

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タグ: マサキフユイチゴサンシュユカマツカアキグミモチノキカナメモチガマズミ冬の赤い実錦織公園

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theme : 樹木・花木
genre : 趣味・実用

冬の落葉樹は一見地味だけど冬芽と葉痕はおもしろい! トチノキ

 冬に葉を落とす落葉樹の一つ、トチノキ。
 水気を好み、高く育ち、大きな実をたくさんつけます。

 落葉樹は、寒い冬の間葉を落として水分が逃げるのを防ぎ、できるだけエネルギーを使わないようにじっとして春がくるのを待ちます。
 暖かくなったらすぐに光合成ができるように枝の先に小さく折りたたんだ葉や花を用意しています。
 寒さに負けないようにカバーの芽鱗(がりん)をつけて。
 それを冬芽といいます。

トチノキ
冬芽

 冬芽の下にあるまるい模様のようなものは、葉が枝についていた跡。
 葉痕(ようこん)といいます。
 小さな点が半円形に並んでいますが、これが水や栄養を運ぶ管の維管束(いかんそく)。

葉痕

 半円形になっているのがポイント。
 木は幹を切ると同心円の輪っか模様の年輪が見えます。
 年輪のところに維管束が並んでいます。
 そうです。
 維管束の並び方が幹と葉では違うのです。
 実は、この維管束の並び方のちがいが幹や枝と葉のちがいになるのです。

 なんて難しいことは横において、木の種類によって違う冬芽や葉痕を見るのは、冬の楽しみです。

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タグ: トチノキ冬芽芽鱗葉痕

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theme : 樹木・花木
genre : 趣味・実用

ゼニゴケに似ている第三の苔 ナガサキツノゴケ

 小さな植物コケ。
 原始的な植物と言われますが、苔玉や苔庭などわりと身近にあります。

 分類では、植物界 コケ植物門。
 コケ植物は、蘚類(せんるい)と苔類(たいるい)とツノゴケ類の3つに分れます。
 蘚類は細い茎からたくさんの小さい葉が生えたスギのようなコケ。
 苔類は平たく地面に張り付くようなコケ。
 そしてツノゴケ類は、胞子をつくる蒴(さく)がトゲのようになっているコケ。
 ありふれたコケだそうですが、蘚類と苔類はよく見かけますが、ツノゴケはなかなか見かけません。

 と思っていたら、やっと出会うことができました。
 おそらくナガサキツノゴケ。

ナガサキツノゴケ
角といういよりトゲ

 針のような蒴があるのでわかりますが、なければ苔類のよう。
 どうやら苔類と思い込んでいたのでしょう。

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タグ: ナガサキツノゴケツノゴケ

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theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

フィールドワーク だけど専門家にはなったほうがいい

 複雑な自然や環境のことを知るためには、専門だけにとどまらず、広い視野を持つことも大切と書きました
 でも、専門家になることも大切とも書きました

 専門家になることの欠点はすでに書きました。
 有名な“ことわざ”にぴったりのものがあります。

「井の中の蛙大海を知らず。されど空の深さを知る」

 専門家に求められることは「空の深さを知る」こと。
 専門家が空の深さを語るときはきっと素晴らしい話でしょう。
 でも、空の深さを知るだけでは、海のことなど想像もできません。
 専門家が、海の話をはじめたときはトンデモになるかもしれません。

大きな海と深い空と友ヶ島

 もちろん、専門家が職業として長い歴史があるということは、社会に求められているから。
 また学問をはじめいろいろなことが発展するのは、専門家の方々の長年の積み重ねがあるから。
 ですから、専門家は必要で、専門家になることもとても大切なことです。

 専門家になるためには、専門的な知識と、様々な技術を学ばなければなりません。
 たとえば、天気の専門家の気象予報士。
 天気予報をするためには様々な天気に関係する知識だけでなく、気象庁が発表する様々なデーターから気象の状態を読み取り、天気を予測する技術が必要です。
 普通の人にはない知識と技術が必要なのです。
 もちろん、こういったことは天気予報以外にも様々な分野にも共通すること。
 そういうった知識と技術を身につけるためには、専門の勉強が必要です。

いろいろな専門家がたくさんいる国立科学博物館

 専門の勉強をすると、専門家にならないよりも遥かに多くのことを知ることができます。
 専門家になることは、とても大切なことなのです。
 だめなのは、専門家になることではなく、専門家の狭い枠に収まって視野が狭まることなのです。
 「井の中の蛙」になってしまっては、空の深さのことを知っても、海の広さのことはわかりません。

 というわけで、今までの記事を読んで「専門家なんて勉強が難しいだけで、ならなくていいんだ!」と思ったのなら、それは大きな間違いです。
 むしろ、専門家になるべき!
 なのです。

 もちろん、視野と知識は専門の枠をはるかに超え、いろいろな世界をイメージできる豊かな想像力がなければ、平気でトンデモ発言をする「井の中の専門家」になってしまうかもしれません。
 概説書を読めばわかるようなことすら知らず、専門外の地衣類に罪をなすりつける一部の樹木医や造園業者。
 自分が好きなチョウだけを守るために、専門外の地球環境を守っているかのように言うあるチョウの保護活動家。
 このようなトンデモになってはいけません。

オオムラサキのオス(橿原市昆虫館)
人里遠く離れた山奥の希少種の保護も大切ですが、
オオムラサキのように本来は身近だったチョウを保護するほうが
環境にはいいように思います。

 専門家であっても、専門家でなかったとしても、「井の中の蛙」にならないよう、広い視野を持つようにしたいと思います。

 ちなみに。
 「井の中の蛙大海を知らず」は古代中国の思想書「荘子(そうし)」の言葉ですが、後半の「されど空の深さを知る」は後に日本で付け加えられたものと言われています。

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タグ: フィールドワーク専門家

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theme : 雑学・情報
genre : 学問・文化・芸術

真実の春の七種を見に行こう! 錦織公園の河内の里

 今日は春の七種の日。
 それは1月7日のこと?
 いやいや、それは偽り?の春の七種。
 今日こそ真実の春の七種。

 春の七種、または春の七草。
 七種類の植物を入れたおかゆ、七草粥を食べて一年の無病息災を願う行事。
 そのような形に落ち着いたのは江戸時代。
 そう。
 旧暦の時代の行事です。
 月の満ち欠けに合わせた旧暦の1月7日。
 2016年は2月14日になります。

 ということでやってきたのはおなじみの錦織公園。
 ここの河内の里では年末から年始にかけて春の七種が展示されています
 正月気分が抜ける頃には展示が終わってしまいます。
 ところが、じつは、河内の里には春の七種が生えていたのです!

芹 せり

和名:セリ
セリ目 セリ科 セリ属
多年草
分布:北海道~九州
適地:湿地や畦道
タグ:セリ

水気の多いところが好きな野草。

それどろこか、水路のような水が流れるところにも生えます。

水田雑草の一つですが、探すのは常に水があるような場所。
それかいつも湿っているような場所。

気に入ったところだと、どんどん成長していく雑草ですが、合わない場所だとすぐ弱ってしまいます。

今年はものすごく弱ってしまったので、探すのに苦労すると思います。

薺 なずな

和名:ナズナ
アブラナ目 アブラナ科 ナズナ属
越年草
分布:北海道~九州
適地:道端,公園,畑
田んぼの畦などにも生える水田雑草。
タグ:ナズナ

別名「ぺんぺんぐさ」。

ハート型の実が三味線のバチににていることが別名の由来。

道端にも生える雑草なので、乾燥した道端から畑のまわりまでいろんなところに生えます。

ロゼットはクシのように細かい葉がたくさん並びますが、茎に生える葉は、細長い葉で形がまったくちがいます。

もう花が咲いているのもあるので、ロゼットよりもハート型の実で探すほうが見つけやすいかもしれません。

御形 ごぎょう

和名:ハハコグサ
キク目 キク科 ハハコグサ属
越年草
分布:北海道~沖縄
適地:人里の道端、田の畦
タグ:ハハコグサ

「おぎょう」とも読みます。

葉の表面に細かい毛が生えていて、白っぽく見えます。

これは葉っぱらしい形のロゼットになっていますが、ときにはキクラゲみたいな植物らしくない形になることもあります。

チチコグサやチチコグサモドキなどよく似たロゼットの植物があります。

下はチチコグサ。

ハハコグサよりも薄い感じで形が整っています。

錦織公園では圧倒的にチチコグサやチチコグサモドキのほうが多いので注意が必要です。

繁縷 はこべら

和名:コハコベ
ナデシコ目 ナデシコ科 ハコベ属
越年草
分布:北海道~九州
適地:道端,公園,畑
タグ:コハコベ

茎が緑色は外来種のミドリハコベ、かもしれません。

メシベの先が5つに分かれていたらウシハコベ

地面を這うように茎を伸ばしますので、緑色のじゅうたんのように見えます。

田畑ではよく見かける雑草。

田んぼや畑で離れたところから緑の絨毯のように見えたら、ハコベかもしれません。

仏の座 ほとけのざ

和名:コオニタビラコ
キク目 キク科 ヤブタビラコ属
越年草
分布:本州~九州
適地:湿地を好む
タグ:コオニタビラコ

「ホトケノザ」という和名の植物がありますが、そちらはシソ科の雑草で、違う種類。

湿り気があって日の当たる場所が好きな雑草。

田んぼのまわりでみかけます。

名前のようにロゼットも小さめ。

錦織公園では、河内の里以外にも日当たりのいい斜面の下の方で見かけることがあります。

赤いのは冬の寒さを凌ぐため糖分を増やしそれが赤い色素になったためです。

菘 すずな

和名:カブ
アブラナ目 アブラナ科 アブラナ属
越年草
分布:アフガニスタン原産
適地:代表的な野菜
タグ:カブ

外来種の野菜。

食用部分は胚軸。胚軸は、簡単に言うと根でも茎でもないところ。

野生化しているものは見たことがありません。

ということで、見かけるのは畑。

普通の田畑では、見かけることができないかもしれません。

蘿蔔 すずしろ

和名:ダイコン
アブラナ目 アブラナ科 ダイコン属
越年草
分布:地中海原産
適地:代表的な野菜
タグ:ダイコン

身近な野菜のダイコン。

カブと同じように外来種の野菜。

食用部分は胚軸と根の一部。このように見た目だけでなくカブとは明らかに違う種類。

こちらも野生化しているのは見かけません。

 すべて錦織公園の河内の里の里の家と園周辺の田畑にありました。
 カブとダイコン以外は勝手に生えたもの。
 河内の里の里の家と園周辺は、河内地方の農家をイメージしたものです。
 とはいえ、5種類の草は勝手に生えたようです。  昔の日本人の生活では、春の七種の7種類の植物は、身近なものだったのです。

■参考外部リンク■
錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園

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タグ: 春の七種セリナズナハハコグサコハコベコオニタビラコカブダイコン山菜錦織公園

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theme : 山野草
genre : 趣味・実用

いきなりしつもん。どっちがシダ?

いきなり質問です。どっちがシダでしょう?
どっちがシダ?

 二つの植物が並んでいます。
 どちらかがシダで、どちらかがシダではありません。

どちらもシダっぽくない葉です。
複葉1 複葉2

 シダの特徴というと、葉が切れ込んで鳥の羽のようになっている羽状複葉。
 そしてそれを同じようなパターンで繰り返すフラクタルな模様で、葉の全体が三角形のようになります。
 すべてのシダがそうではありませんが、特徴の一つです。
 ところがどちらもシダのようですが、羽状というほど葉の切れ込みは深くありません。

これが1枚の葉です。
1枚の葉1 1枚の葉2

 右は同じような形の葉が三角形に並んでいます。
 ところが、左はちょっとへんです。
 一つの茎から大小4つの葉が出ているようですが、全部合わせて一つの葉。
 シダかどうか以前に、なんかへんです。

これが“花”です。
花? 花

 最後のヒント。
 左は花弁はもちろんオシベやメシベも見えず、小さなタネができているようです。
 右は花弁がないようですが、オシベやメシベが飛び出した花のようです。
 でも、それが一番のヒントになります。

答えは 左がシダです。

 といっても、よくあるシダとはちょっとちがいます。
 フユノハナワラビといって、マツバラン綱のシダ。
 普通のシダはシダ綱。
 葉の形がちがうのは、ちょっと離れた種類のため、かも。

 地面から生えるシダは、地面の上に出ているところは、葉。
 茎は地面の下です。
 ですから、茎からたくさんの葉が生えているように見えても、1枚の葉が分かれているだけ。
 これはフユノハナワラビも同じ。

フユノハナワラビの全体はこんな感じ
フユノハナワラビ

 そして左は、セリバオウレン。
 キンポウゲ科の多年草。
 葉が細かく分かれる3出複葉で、茎が地面の下にある根出葉。
 ちょっとシダっぽい種子植物。

 ちょいっと変わったシダのフユノハナワラビは、すでに紹介したように錦織公園でみつけたもの。
 何年も通って今ごろ見つけた理由は、一番上の画像のように、セリバオウレンの群落の中に埋もれていたからにちがいありません。
 シダ植物と種子植物。
 結構間が離れた植物ですが、意外と似ているところがあるのが、おもしろいとおもいます。

タグ♦ いきなり質問

■参考外部リンク■
錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園

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タグ: いきなり質問フユノハナワラビセリバオウレンシダ

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theme : 山野草
genre : 趣味・実用

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