【 2016年02月】

[カテゴリ リスト] 【表示記事リスト】
ビオトープ
┃《ビオトープとは
山・森・里山
川・湖・池
海岸・干潟・海
公園・緑地・田畑
都市
野鳥・鳥
モズ
哺乳類
爬虫類・両生類
恐竜と化石爬虫類

節足動物
甲虫
昆虫(甲虫以外)
甲殻類
虫(節足動物以外)
その他の海の動物
草花
野菜・食用作物
お茶
樹木
花木
紅葉・黄葉・褐葉
果物・実
コケ・シダ
その他植物について
微生物・菌類・細菌 等
地衣類
博物館・植物園・催事 等
季節
本・DVD・物語・伝承
架空・神話・創作
語彙集
フィールドワーク
リンク
ブログのご利用について


〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

冬の赤い実 1月の錦織公園

 二十四節気では最後の冬の月になる1月。
 赤い実の木もちょっと雰囲気が変わってきたものもあります。

冬の赤い実 11月の錦織公園
冬の赤い実 12月の錦織公園

常緑高木 高さ5m以上に成長する常緑樹
液果 > 核果 水分の多い実の中に硬い殻に覆われた種がある果実

クロガネモチ(黒鉄黐)lex rotunda

双子葉植物綱 モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑高木
雌雄異株
分布:関東~沖縄
タグ:クロガネモチ

1月になってもまだまだたくさんの実が付いているクロガネモチ。

でもよく見ると葉が少し黄色くなっています。

常緑樹ですから枯れて落ちることはありませんが、寒さを感じているようです。

よく似た気が多い常緑のモチノキの仲間。
冬は葉の色でクロガネモチを見つけることができます。

2月になってもたくさん残っていました。

ナナミノキ(七実の木)Ilex chinensis

双子葉植物綱 モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑高木
雌雄異株
分布:静岡~九州
別名:ナナメノキ
タグ:ナナミノキ

まだ実が残っていますが、たいぶん減っています。

そして下にもたくさん落ちでいます。

このように葉や枝ごと落ちているものも。
まだ葉が青々としていますので、風で落ちたのでしょうか。

2月にはほとんどなくなっていました。

ソヨゴ(冬青)Ilex pedunculosa

双子葉植物綱 モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑小高木
雌雄異株
分布:関東~九州
別名:フクラシバ
タグ:ソヨゴ

元からクロガネモチやナナミノキほど実をつけませんが、それでも数は減っています。

ただ、下にも落ちていますので、食べられなかった実も少なくないようです。

モチノキ(黐の木)Ilex integra

双子葉植物綱 モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑高木
雌雄異株
分布:本州~沖縄
別名:ホンモチ
タグ:モチノキ

ソヨゴよりもさらに実が少ないですが、かなり減っていました。

木によっては全部落ちているものも。

残っている実も傷んでいるように見えます。

液果 > 核果
偽果 > ナシ状果 花の根元が大きくなって種を包んだ果実

カナメモチ(要黐)Photinia glabra

双子葉植物綱 バラ目 バラ科 カナメモチ属
常緑小高木
雌雄両全株
東海~九州
タグ:カナメモチ

12月の時点でかなり実が減っていましたが、1月にはすっかりなくなっていました。

偽果 > ナシ状果
常緑高木
常緑低木 成長しても高さが5mに達しない常緑樹
液果 > 核果 水分の多い実の中に硬い殻に覆われた種がある果実

ナンテン(南天)Nandina domestica

双子葉植物綱 キンポウゲ目 メギ科 ナンテン属
常緑低木
雌雄両全種
中国原産
タグ:ナンテン

まだまだ実は残っていますが、なくなっているものもあります。

それだけたくさん実がついているのです。

マンリョウ(万両)Ardisia crenata

双子葉植物綱 ツツジ目 サクラソウ科 ヤブコウジ属
常緑小低木
雌雄両全株
分布:関東~沖縄
タグ:マンリョウ

まだ全然減っているようには見えません。

夏にはすべてなくなるので、春までついているのかもしれません。

ヤブコウジ(藪柑子)Ardisia japonica

双子葉植物綱 ツツジ目 サクラソウ科 ヤブコウジ属
常緑小低木
雌雄両全株
分布:北海道~九州
別名:十両(じゅうりょう)
タグ:ヤブコウジ

もう実がありません。

小さいので実がないと目立ちません。

アオキ(青木)Aucuba japonica

双子葉植物綱 ガリア目 ガリア科 アオキ属
常緑低木
雌雄異株
分布:関東以西?沖縄
タグ:アオキ

12月にはまだ緑色でしたが、赤く色づいてきました。

アオキの果実はタイミングをずらして赤くなるので、緑色の実もたくさんあります。

錦織公園には斑入の品種もありますが、そちらも実が赤くなっていました。

液果 > 核果
乾果 > 蒴果 熟すと放射状に分かれて種を落とす果実

マサキ(柾、正木)Euonymus japonicus

双子葉植物綱 ニシキギ目 ニシキギ科 ニシキギ属
常緑低木
雌雄両全株
北海道南部~沖縄
タグ:マサキ

まだ残っていましたが、見るからに古くなってくすんだ色になっています。

乾果 > 蒴果
集合果 > キイチゴ状果 核果が集まった集合果

フユイチゴ(冬苺)Rubus buergeri

双子葉植物綱 バラ目 バラ科 キイチゴ属
常緑匍匐性小低木
雌雄両全株
関東~九州
別名:カンイチゴ
タグ:フユイチゴ

かなり減っていましたし、残っている実もちょっとくたびれたよう。

液果は人気があるのかもしれません。

集合果 > キイチゴ状果
偽果 > ナシ状果 花の根元が大きくなって種を包んだ果実

トキワサンザシ(常盤山査子)Pyracantha coccinea

双子葉植物綱 バラ目 バラ科 トキワサンザシ属
常緑低木
雌雄両全株
ヨーロッパ南部~西アジア原産
別名:ピラカンサ
タグ:トキワサンザシ

まだまだたくさん残っています。

花が減る冬の間に真っ赤な実がたくさんできるのも、公園木や垣根に使われる理由でしょうか。

そして鳥に人気がなさそうなのは、外来種のため?

偽果 > ナシ状果
常緑低木
落葉高木 高さ5m以上に成長する落葉樹
液果 > 核果 水分の多い実の中に硬い殻に覆われた種がある果実

ハナミズキ(花水木)Cornus florida

双子葉植物綱 ミズキ目 ミズキ科 ミズキ属
落葉高木
雌雄両全株
北アメリカ原産
別名:アメリカヤマボウシ
タグ:ハナミズキ

もう葉は残っていません。

実も減り、しわしわになっていました。

木によってはすっかり実がなくなり、冬芽が目立っているものもありました。

サンシュユ(山茱萸)Cornus officinalis

双子葉植物綱 ミズキ目 ミズキ科 ミズキ属
落葉小高木
雌雄両全株
中国~朝鮮半島原産
タグ:サンシュユ

12月でもうほとんど実がありませんでしたので、1月には一つもありませんでした。

そして、かわりに冬芽が膨らんでいました。

液果 > 核果 
落葉高木
落葉低木 成長しても高さが5mに達しない落葉樹
液果 > 核果 水分の多い実の中に硬い殻に覆われた種がある果実

ウメモドキ(梅擬)Ilex serrata

双子葉植物綱 モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
落葉低木
雌雄異株
分布:東北~九州
タグ:ウメモドキ

相変わらず葉がない枝にたわわに実っています。

どうして赤い実が残っているのでしょう。

基本的に哺乳類は赤い色が見分けられません(人間は例外)ので、赤い実は鳥のため。

鳥は甘みを感じないそうなので、甘くないのも多分鳥のため。

でも、鳥にはあまり好かれていないようです。

液果 > 核果
液果 > 漿果 水分の多い実の中に種がある果実

サルトリイバラ(猿捕茨)Smilax china

単子葉植物綱 ユリ目 サルトリイバラ科 シオデ属
落葉蔓性低木
雌雄異株
北海道~沖縄
タグ:サルトリイバラ

減っては着ているようですが、残っています。

サルトリイバラの実は実力を発揮するのはまだ緑の葉があるうちかもしれません。

液果 > 漿果
偽果 > 液果状偽果 萼筒下部が種を包んだ水分の多い偽果

アキグミ(秋茱萸)Elaeagnus umbellata

双子葉植物綱 バラ目 グミ科 グミ属
落葉低木
雌雄両全株
北海道~九州
タグ:アキグミ

すっかり実がなくなっていました。

偽果 > 液果状偽果
落葉低木

 11月から1月までの冬の3ヶ月間の赤い実。
 いつまでたっても数が減らないものから、秋のうちにほとんどが無くなってしまうものまで。
 落葉樹は実がなくなるのが早いような気がします。
 それに対して常緑樹は長く残るものが多いような。
 緑の葉と赤い実とよく目立つ組み合わせのはずなのに。
 鳥と木の関係はなかなか奥が深いようです。

■参考外部リンク■
錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: ソヨゴナンテンマンリョウアオキトキワサンザシハナミズキウメモドキサルトリイバラ冬の赤い実錦織公園

関連記事
スポンサーサイト



theme : 樹木・花木
genre : 趣味・実用

「とりぱん」第16巻 意外とシメはつよかった!

 「とりぱん」16巻です。
 出版されて結構時間がたち、もう新刊ではありません。
 ちょっと遅れましたが、紹介。

最新刊

とりぱん(18) (ワイドKC モーニング)

新品価格
¥669から
(2016/2/20 21:56時点)

 「とりぱん」を知らない人のために簡単に。
 マンガ家のとりのなん子さんが、日々の生活の中で鳥を中心とした自然との出会いを描いた4コママンガ。
 「自然はなんて素晴らしいんだ!」とか、「人間は自然を壊す罪深い存在だ!」とか、「自然の生き物たちは何が何でも守らなければならないんだ!」とか、人間の勝手な都合をえらそうに押し付けるようなものはありません。
 ただただ、身近な自然との出会いを描いているだけ。
 タイトルのように鳥が中心ですが、虫が出てくる話も少なくなく、「鳥はかわいいけど虫は気持ち悪くて大嫌い!」という人に、「気持ち悪い虫を描くなんて人間にあるまじき行為!」と言われることも。
 ということで、「虫が嫌っ!!!!」という人にはお勧めできません。

16巻でも出番が少ないごじゅぴー(ゴジュウカラ)

 虫ギライの人からのクレームは昔からあったらしく、一時期虫ネタが減ったように感じることもあったのですが、16巻では虫ネタが多めでほっとしました。
 虫ネタで驚いたのが、16巻目で初ナナフシ。
 ナナフシはバッタリの仲間で体が細く、樹の枝に擬態する昆虫です。
 本州から南では普通の昆虫ですが、とりのなん子さんに気付かれなかったのは、それだけナナフシの擬態がよくできているということでしょう。

16巻では出番が多い?シメ

 基本的に、登場するのは東北地方に住むとりのなん子さんの身近な鳥たち。
 おなじみの鳥ばかりなのに、ネタが尽きません。
 鳥の行動は、木の上の鳥、地面の鳥、水辺の鳥くらいのちがいしかないのかと思っていたら、鳥それぞれにとても強い個性があったのです!
 人間の勝手な「鳥イメージ」ではありません。
 優雅で有名なハクチョウも、夫婦の子育てで有名なカルガモも、「とりぱん」の中では大自然の中で生き抜いていく“したたか”な鳥たちです。

 よく登場する「くるみ割りカラス」。今回も登場。
 カラスが力でくるみを割るのではありません。
 クルマに割らせるのです。
 道路にくるみを置き、クルマにひかせて硬い殻を割り、中の実を食べるのです。
 そこまではよくある話。
 なん子さんが出会ったのは横断歩道。

ハシブトガラス

 カラスは明らかに特定の場所にくるみを置くようです。
 それは白い停止線の上。
 なん子さんの推測によると。
 まず、黒いタイヤの軌跡を追いやすい。つまり、くるみを置く場所を決めやすい。
 そして、割れて飛び散った中身はクルマの進行方向に飛びます。
 そこには横断歩道の白い線。
 黒くてデコボコしたアスファルトの上よりも見つけやすい。
 頭がいいので有名なカラスですが、状況の分析と結果を想像する能力も高いようです。

 ということで、16巻で気になった鳥。
 出番で言うとシメですが、それ以上に気になった鳥がいます。
 「コゲたん」。
 小さなキツツキのコゲラです。

コゲラのコゲたん

 「とりぱん」でキツツキというは、アカゲラのペンちゃんとアオゲラのポンちゃん。
 コゲラの出番は決して多くありません。
 16巻も427羽(「とりぱん」では「話」を「羽」と書きます)でシメにびっくりして逃げていって出番終了ですが、かわいい「コゲたん」の名前で決定。
 出番の少ないコゲラですが、いつの間にか愛称がついてました。

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: とりぱんコゲたんコゲラハシブトガラスシメゴジュウカラごじゅぴーとりのなん子

関連記事

theme : 漫画
genre : アニメ・コミック

冬の赤い実 12月の錦織公園

 冬になるとなぜか目立ってくる赤い木の実。
 その12月編。
 11月編に登場しなかった植物もでてきますが、それは11月には実がなっていなかったというより、見落とした可能性のほうが高いと思います。

常緑高木 高さ5m以上に成長する常緑樹
液果 > 核果 水分の多い実の中に硬い殻に覆われた種がある果実

クロガネモチ(黒鉄黐)lex rotunda

双子葉植物綱 モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑高木
雌雄異株
分布:関東~沖縄
タグ:クロガネモチ

まだまだたくさん残っています。

まだ、果柄がしっかりと枝についていて、下にもあまり落ちていないようです。

それだけ鳥に人気がないのか、それとも多すぎて減らないのか。

葉の根元にまとまっているので、目立ちにくいようにも思えますが、赤と緑の補色関係(よく目立つ色の組み合わせ)で、案外目立ちます。

ナナミノキ(七実の木)Ilex chinensis

双子葉植物綱 モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑高木
雌雄異株
分布:静岡~九州
別名:ナナメノキ
タグ:ナナミノキ

クロガネモチのように赤い実がかたまる木。

よく似ていますが、葉に鋸歯があること、実が縦に長いこと、そしてクロガネモチよりちょっと大きいことで見分けられます。

ソヨゴのように実が落ちはじめていますが、たくさんの実が黒ずんでいました。
食べる動物がいないようです。

ソヨゴ(冬青)Ilex pedunculosa

双子葉植物綱 モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑小高木
雌雄異株
分布:関東~九州
別名:フクラシバ
タグ:ソヨゴ

こちらもまだま枝に残っています。

クロガネモチほどまとまってつきませんので、葉にかくれてあまり目立ちません。

下にも落ちはじめていますが、誰か食べるのでしょうか。

ネズミかもしれませんが、錦織公園にはネズミはいないと言われていますので、落ちっぱなしなのかもしれません。

モチノキ(黐の木)Ilex integra

双子葉植物綱 モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑高木
雌雄異株
分布:本州~沖縄
別名:ホンモチ
タグ:モチノキ

クロガネモチやナナミノキほどたくさんの実がつきませんが、それでもかなり少なくなっています。

下は草が生えているのでよくわからなかったので、落ちて腐ったのか、鳥が食べたのかは、ちょっとわかりません。

ただ、クロガネモチよりも大きな実ですから、ハトくらいの大きさでないと食べにくいと思います。

液果 > 核果
偽果 > ナシ状果 花の根元が大きくなって種を包んだ果実

カナメモチ(要黐)Photinia glabra

双子葉植物綱 バラ目 バラ科 カナメモチ属
常緑小高木
雌雄両全株
東海~九州
タグ:カナメモチ

名前に「モチ」がついていますが、モチノキ目モチノキ科ではなく、バラ目バラ科。

果実の見た目が似ていることから「モチ」がついたと思います。
でも、水分の多い果肉の中に硬い殻に覆われた種がある核果のモチノキに対して、花の根元の花托(かたく)が大きくなってタネを包んだ偽果のナシ状果。

身近な果実だとナシやリンゴのことです。

偽果 > ナシ状果
常緑高木
常緑低木 成長しても高さが5mに達しない常緑樹
液果 > 核果 水分の多い実の中に硬い殻に覆われた種がある果実

ナンテン(南天)Nandina domestica

双子葉植物綱 キンポウゲ目 メギ科 ナンテン属
常緑低木
雌雄両全種
中国原産
タグ:ナンテン

結構赤い実が残っていますが、なくなっている実も少なくありません。

下にも落ちていませんし、鳥たちがたべたのでしょう。

それだけたくさんの実がなります。

日当たりのいいところは紅葉することがあります。

また、落葉することもありますが、一応常緑樹です。

マンリョウ(万両)Ardisia crenata

双子葉植物綱 ツツジ目 サクラソウ科 ヤブコウジ属
常緑小低木
雌雄両全株
分布:関東~沖縄
タグ:マンリョウ

鳥に人気がないのか、数は減っているようには見えません。

おめでたい縁起物の木として有名。

そのようになった理由はわかりませんが、鉢植えにできるほどの大きさで、花の少ない冬に長い間赤い実が残ることも関係しているのでは、と思います。

おめでたい時だけ鉢を目立つところにおけますから。

花も白くてきれいです。

ヤブコウジ(藪柑子)Ardisia japonica

双子葉植物綱 ツツジ目 サクラソウ科 ヤブコウジ属
常緑小低木
雌雄両全株
分布:北海道~九州
別名:十両(じゅうりょう)
タグ:ヤブコウジ

上の万両に対して、十両の別名がある縁起物の木。

草よりも低いわずか20センチほどの高さですので、盆栽にも使われるようです。

林ではまったく目立たない小さな木も、鉢植えだとよく映えるます。

ということで、盆栽に使われることもあります。

でも、地下茎で広がっていますので、実は見た目よりも“大きい”木。

アオキ(青木)Aucuba japonica

双子葉植物綱 ガリア目 ガリア科 アオキ属
常緑低木
雌雄異株
分布:関東以西?沖縄
タグ:アオキ

結構長い間赤い実が付いている木ですが、まだ赤くはなっていませんでした。

和名の由来は、常緑で枝も緑色のため。
昔は緑色も「青」と言っていました。

液果 > 核果
乾果 > 蒴果 熟すと放射状に分かれて種を落とす果実

マサキ(柾、正木)Euonymus japonicus

双子葉植物綱 ニシキギ目 ニシキギ科 ニシキギ属
常緑低木
雌雄両全株
北海道南部~沖縄

クロガネモチのようにたくさんがまとまらないので、実がなっていることに気付かないかもしれません。

外側の果皮も赤みがかっていますが、中の種のほうがより色が濃くなります。

一つの朔果に種は4つありますので、右のは最後の一つ。

果実の時期も終わりつつあるようです。

乾果 > 蒴果
集合果 > キイチゴ状果 核果が集まった集合果

フユイチゴ(冬苺)Rubus buergeri

双子葉植物綱 バラ目 バラ科 キイチゴ属
常緑匍匐性小低木
雌雄両全株
関東~九州
別名:カンイチゴ

木苺の仲間。
多くの木苺とちがって冬に実がなる種類。

イチゴといっても普通のいちごは大きくなった花托に痩果がたくさんついた偽果。
木苺の実は小さな液果が集まった集合果。
同じイチゴでもちがいます。

初夏に赤い実がなるクサイチゴも同じキイチゴ属です。

集合果 > キイチゴ状果
偽果 > ナシ状果 花の根元が大きくなって種を包んだ果実

トキワサンザシ(常盤山査子)Pyracantha coccinea

双子葉植物綱 バラ目 バラ科 トキワサンザシ属
常緑低木
雌雄両全株
ヨーロッパ南部~西アジア原産
別名:ピラカンサ
タグ:トキワサンザシ

「ピラカンサ」のほうが有名かもしれません。

垣根に使われることもあります。

ここのもそうですが、垣根の形に整えるからでしょうか、実のなりかたにかなり偏りがあります。

こちらも実がなくなるのに時間がかかるタイプ。

偽果 > ナシ状果
常緑低木
常緑草本 冬でも葉が落ちない草
液果 > 漿果 水分の多い実の中に種がある果実

ツルアリドオシ(蔓蟻通し)Mitchella undulata

双子葉植物綱 リンドウ目 アカネ科 ツルアリドオシ属
常緑つる性多年草
雌雄両全株
分布:北海道~九州
タグ:ツルアリドオシ

まだ実がついていました。

地面を這うツル植物ですので、赤い実がなっていても目立ちません。

液果 > 漿果 
常緑草本
落葉高木 高さ5m以上に成長する落葉樹
液果 > 核果 水分の多い実の中に硬い殻に覆われた種がある果実

ハナミズキ(花水木)Cornus florida

双子葉植物綱 ミズキ目 ミズキ科 ミズキ属
落葉高木
雌雄両全株
北アメリカ原産
別名:アメリカヤマボウシ
タグ:ハナミズキ

まだ紅葉した葉が残っていました。

実もたくさん残っているのは、赤い葉が邪魔しているからでしょうか。

見たところ実は十分熟しているようですが、赤い葉が残っていると目立たないようにも思いますが、逆に実があるしるしになっているのかもしれません。

サンシュユ(山茱萸)Cornus officinalis

双子葉植物綱 ミズキ目 ミズキ科 ミズキ属
落葉小高木
雌雄両全株
中国~朝鮮半島原産

ハナミズキと同じミズキ科ですが、こちらの実はほとんどが落ちてしまったようで、木についていのも少し。

残っている実もしわしわです。

葉のほうはまだかろうじて残っていましたが。

落葉樹も、葉だけが先に落ちるものから葉と同じように実がなくなるものまでいろいろあるようです。

液果 > 核果 
落葉高木
落葉低木 成長しても高さが5mに達しない落葉樹
液果 > 核果 水分の多い実の中に硬い殻に覆われた種がある果実

ウメモドキ(梅擬)Ilex serrata

双子葉植物綱 モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
落葉低木
雌雄異株
分布:東北~九州
タグ:ウメモドキ

こちらは完全に葉が落ちています。

小さな赤い実がたくさん残っていて、よく目立ちそうですが、実際はウメモドキのような低木は背景の木々に溶け込んで、意外と目立ちません。

ガマズミ(莢蒾)Viburnum dilatatum

双子葉植物綱 マツムシソウ目 レンプクソウ科 ガマズミ属
落葉低木。
雌雄両全株
北海道~九州
タグ:ガマズミ

まだ紅葉した葉が残っていたので木の種類がすぐわかりました。

実は目線よりも高いところにありましたので、11月は見落としていたようです。

小さい実ですが、熟すのに半年近くかかります。

液果 > 核果
液果 > 漿果 水分の多い実の中に種がある果実

サルトリイバラ(猿捕茨)Smilax china

単子葉植物綱 ユリ目 サルトリイバラ科 シオデ属
落葉蔓性低木
雌雄異株
北海道~沖縄
タグ:サルトリイバラ

めずらしい単子葉植物の木。

「木」といっても、つる性なので見た目は草。

果柄の長い実が二つ並んでいるとサクランボのようです。

茎のあちこちにトゲが生えているのでむやみに手を伸ばさないほうがいいかもしれません。

液果 > 漿果
偽果 > ナシ状果 花の根元が大きくなって種を包んだ果実

カマツカ(鎌柄)Pourthiaea villosa

双子葉植物綱 バラ目 バラ科 カマツカ属
雌雄両全株
落葉小低木
本州~九州

緑色の葉がたくさん残っていますが、落葉樹。

緑色の葉があると赤い実がよく目立ちます。

ほかの落葉樹よりも葉が残っているのは、そういう意味があるのかもしれません。

偽果 > ナシ状果
偽果 > バラ状果 花の根元が大きくなって痩果を包んだ果実

ノイバラ(野茨)Rosa multiflora

双子葉植物綱 バラ目 バラ科 バラ属
落葉蔓性低木
雌雄両全株
北海道~九州
タグ:ノイバラ

小さい実がたくさんつきます。

サルトリイバラのようにつる性で小さなトゲがたくさんあります。

サルトリイバラは単子葉植物、ノイバラは双子葉植物。

かなり遠い関係ですので、同じような生き方なので似てしまったのでしょう。

偽果 > バラ状果
偽果 > 液果状偽果 萼筒下部が種を包んだ水分の多い偽果

アキグミ(秋茱萸)Elaeagnus umbellata

双子葉植物綱 バラ目 グミ科 グミ属
落葉低木
雌雄両全株
北海道~九州

赤い実は柔らかく食べることができますが、酸っぱくはありませんが甘くもなく、それほどおいしいとはおもいません。

ただ、環境によってはおいしくなることもあるようです。

こちらも実と葉が同じように落ちる系のようで、どちらもまばらに残っていました。

偽果 > 液果状偽果
落葉低木

 12月は11月とあまり変わっていないように思えます。
 そして意外なのが、落葉樹の葉が残っていること。
 冬に赤い実がならないサクラやコナラはすっかり葉を落としています。
 緑色の葉を残している落葉樹もよく見るとなんか元気のなさそうな葉ですから、赤い実を目立たせるために残しているような気もします。

■参考外部リンク■
錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園

秋の樹木図鑑 (紅葉・実・どんぐりで見分ける400種)

新品価格
¥1,760から
(2020/10/12 22:40時点)

よくわかる樹木大図鑑?葉・花・実・樹皮

新品価格
¥1,650から
(2020/10/12 22:40時点)

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: マサキフユイチゴサンシュユカマツカアキグミモチノキカナメモチガマズミ冬の赤い実錦織公園

関連記事

theme : 樹木・花木
genre : 趣味・実用

冬の落葉樹は一見地味だけど冬芽と葉痕はおもしろい! トチノキ

 冬に葉を落とす落葉樹の一つ、トチノキ。
 水気を好み、高く育ち、大きな実をたくさんつけます。

 落葉樹は、寒い冬の間葉を落として水分が逃げるのを防ぎ、できるだけエネルギーを使わないようにじっとして春がくるのを待ちます。
 暖かくなったらすぐに光合成ができるように枝の先に小さく折りたたんだ葉や花を用意しています。
 寒さに負けないようにカバーの芽鱗(がりん)をつけて。
 それを冬芽といいます。

トチノキ
冬芽

 冬芽の下にあるまるい模様のようなものは、葉が枝についていた跡。
 葉痕(ようこん)といいます。
 小さな点が半円形に並んでいますが、これが水や栄養を運ぶ管の維管束(いかんそく)。

葉痕

 半円形になっているのがポイント。
 木は幹を切ると同心円の輪っか模様の年輪が見えます。
 年輪のところに維管束が並んでいます。
 そうです。
 維管束の並び方が幹と葉では違うのです。
 実は、この維管束の並び方のちがいが幹や枝と葉のちがいになるのです。

 なんて難しいことは横において、木の種類によって違う冬芽や葉痕を見るのは、冬の楽しみです。

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: トチノキ冬芽芽鱗葉痕

関連記事

theme : 樹木・花木
genre : 趣味・実用

ゼニゴケに似ている第三の苔 ナガサキツノゴケ

 小さな植物コケ。
 原始的な植物と言われますが、苔玉や苔庭などわりと身近にあります。

 分類では、植物界 コケ植物門。
 コケ植物は、蘚類(せんるい)と苔類(たいるい)とツノゴケ類の3つに分れます。
 蘚類は細い茎からたくさんの小さい葉が生えたスギのようなコケ。
 苔類は平たく地面に張り付くようなコケ。
 そしてツノゴケ類は、胞子をつくる蒴(さく)がトゲのようになっているコケ。
 ありふれたコケだそうですが、蘚類と苔類はよく見かけますが、ツノゴケはなかなか見かけません。

 と思っていたら、やっと出会うことができました。
 おそらくナガサキツノゴケ。

ナガサキツノゴケ
角といういよりトゲ

 針のような蒴があるのでわかりますが、なければ苔類のよう。
 どうやら苔類と思い込んでいたのでしょう。

苔ボトル [ 佐々木浩之 ]

価格:1,620円
(2016/2/16 22:30時点)

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: ナガサキツノゴケツノゴケ

関連記事

theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

フィールドワーク だけど専門家にはなったほうがいい

 複雑な自然や環境のことを知るためには、専門だけにとどまらず、広い視野を持つことも大切と書きました
 でも、専門家になることも大切とも書きました

 専門家になることの欠点はすでに書きました。
 有名な“ことわざ”にぴったりのものがあります。

「井の中の蛙大海を知らず。されど空の深さを知る」

 専門家に求められることは「空の深さを知る」こと。
 専門家が空の深さを語るときはきっと素晴らしい話でしょう。
 でも、空の深さを知るだけでは、海のことなど想像もできません。
 専門家が、海の話をはじめたときはトンデモになるかもしれません。

大きな海と深い空と友ヶ島

 もちろん、専門家が職業として長い歴史があるということは、社会に求められているから。
 また学問をはじめいろいろなことが発展するのは、専門家の方々の長年の積み重ねがあるから。
 ですから、専門家は必要で、専門家になることもとても大切なことです。

 専門家になるためには、専門的な知識と、様々な技術を学ばなければなりません。
 たとえば、天気の専門家の気象予報士。
 天気予報をするためには様々な天気に関係する知識だけでなく、気象庁が発表する様々なデーターから気象の状態を読み取り、天気を予測する技術が必要です。
 普通の人にはない知識と技術が必要なのです。
 もちろん、こういったことは天気予報以外にも様々な分野にも共通すること。
 そういうった知識と技術を身につけるためには、専門の勉強が必要です。

いろいろな専門家がたくさんいる国立科学博物館

 専門の勉強をすると、専門家にならないよりも遥かに多くのことを知ることができます。
 専門家になることは、とても大切なことなのです。
 だめなのは、専門家になることではなく、専門家の狭い枠に収まって視野が狭まることなのです。
 「井の中の蛙」になってしまっては、空の深さのことを知っても、海の広さのことはわかりません。

 というわけで、今までの記事を読んで「専門家なんて勉強が難しいだけで、ならなくていいんだ!」と思ったのなら、それは大きな間違いです。
 むしろ、専門家になるべき!
 なのです。

 もちろん、視野と知識は専門の枠をはるかに超え、いろいろな世界をイメージできる豊かな想像力がなければ、平気でトンデモ発言をする「井の中の専門家」になってしまうかもしれません。
 概説書を読めばわかるようなことすら知らず、専門外の地衣類に罪をなすりつける一部の樹木医や造園業者。
 自分が好きなチョウだけを守るために、専門外の地球環境を守っているかのように言うあるチョウの保護活動家。
 このようなトンデモになってはいけません。

オオムラサキのオス(橿原市昆虫館)
人里遠く離れた山奥の希少種の保護も大切ですが、
オオムラサキのように本来は身近だったチョウを保護するほうが
環境にはいいように思います。

 専門家であっても、専門家でなかったとしても、「井の中の蛙」にならないよう、広い視野を持つようにしたいと思います。

 ちなみに。
 「井の中の蛙大海を知らず」は古代中国の思想書「荘子(そうし)」の言葉ですが、後半の「されど空の深さを知る」は後に日本で付け加えられたものと言われています。

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: フィールドワーク専門家

関連記事

theme : 雑学・情報
genre : 学問・文化・芸術

いきなりしつもん。どっちがシダ?

いきなり質問です。どっちがシダでしょう?
どっちがシダ?

 二つの植物が並んでいます。
 どちらかがシダで、どちらかがシダではありません。

どちらもシダっぽくない葉です。
複葉1 複葉2

 シダの特徴というと、葉が切れ込んで鳥の羽のようになっている羽状複葉。
 そしてそれを同じようなパターンで繰り返すフラクタルな模様で、葉の全体が三角形のようになります。
 すべてのシダがそうではありませんが、特徴の一つです。
 ところがどちらもシダのようですが、羽状というほど葉の切れ込みは深くありません。

これが1枚の葉です。
1枚の葉1 1枚の葉2

 右は同じような形の葉が三角形に並んでいます。
 ところが、左はちょっとへんです。
 一つの茎から大小4つの葉が出ているようですが、全部合わせて一つの葉。
 シダかどうか以前に、なんかへんです。

これが“花”です。
花? 花

 最後のヒント。
 左は花弁はもちろんオシベやメシベも見えず、小さなタネができているようです。
 右は花弁がないようですが、オシベやメシベが飛び出した花のようです。
 でも、それが一番のヒントになります。

答えは 左がシダです。

 といっても、よくあるシダとはちょっとちがいます。
 フユノハナワラビといって、マツバラン綱のシダ。
 普通のシダはシダ綱。
 葉の形がちがうのは、ちょっと離れた種類のため、かも。

 地面から生えるシダは、地面の上に出ているところは、葉。
 茎は地面の下です。
 ですから、茎からたくさんの葉が生えているように見えても、1枚の葉が分かれているだけ。
 これはフユノハナワラビも同じ。

フユノハナワラビの全体はこんな感じ
フユノハナワラビ

 そして左は、セリバオウレン。
 キンポウゲ科の多年草。
 葉が細かく分かれる3出複葉で、茎が地面の下にある根出葉。
 ちょっとシダっぽい種子植物。

 ちょいっと変わったシダのフユノハナワラビは、すでに紹介したように錦織公園でみつけたもの。
 何年も通って今ごろ見つけた理由は、一番上の画像のように、セリバオウレンの群落の中に埋もれていたからにちがいありません。
 シダ植物と種子植物。
 結構間が離れた植物ですが、意外と似ているところがあるのが、おもしろいとおもいます。

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: いきなり質問フユノハナワラビセリバオウレンシダ

関連記事

theme : 山野草
genre : 趣味・実用

冬の海岸林の赤い実 シロダモ

 和歌山の北部、大阪との境にある和歌山市の加太(かだ)。
 海を望む丘にあるのが、和歌山市立少年自然の家。
 名前のように、キャンプ場や宿泊棟があるレクリエーション施設です。

砲台跡がある和歌山市立少年自然の家
少年自然の家

 大部分が丘陵地で、海岸林に覆われ、自然遊歩道もあります。
 その林縁部分でよく目につく赤い実。
 林の中、葉の厚い常緑樹で、冬に真っ赤な実をつけるというと、アオキ。

冬の赤い実
シロダモ

 でも、よく見ると葉には鋸歯がなく、クスノキのような3本の葉脈が。
 シロダモのようです。

クスノキのような三行脈の葉
三行脈の葉

 暖かく、乾燥してなく、痩せてない場所を好む木。
 ある程度遷移がすすんだところを好むそうです。
 どうりで里山が多い身近ではあまり見かけないわけです。

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: シロダモ赤い実冬の赤い実和歌山市立少年自然の家

関連記事

theme : 樹木・花木
genre : 趣味・実用

冬の赤い実 11月の錦織公園

 冬になり、街や公園を歩いているとなんとなく気になるのが、赤い実。
 そんなことないという人もいるかもしれませんが、「そういうもんなんだ」程度に思っていただければ助かります。

 閑話休題。
 冬になると赤い実が目につくようになる里山公園の錦織公園(にしこおりこうえん)。
 出会った赤い実を月ごとに集めてみました。
 まずは11月編。

常緑樹高木 高さ5m以上に成長する常緑樹
液果 >> 核果 水分の多い実の中に硬い殻に覆われた種がある果実

クロガネモチ(黒鉄黐)lex rotunda

モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑高木
雌雄異株
分布:関東~沖縄
タグ:クロガネモチ

街路樹としてもよく植えられますので、街中でも見かける赤い実。

モチノキ属は赤い実の木が多いのですが、見た目が似ているので注意が必要。

クロガネモチは、葉が特徴的。
鋸歯(縁のギザギザ)がなく、楕円形で、先がちょっとだけとがってます。
表面がつるっとしていて葉脈も主脈(中央の1本)以外は目立ちません。
そして中央で内側に折り曲げたような形をしています。

実が葉の付け根に丸くまとまるように付くのも特徴です。

ソヨゴ(冬青)Ilex pedunculosa

モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑小高木
雌雄異株
分布:関東~九州
別名:フクラシバ
タグ:ソヨゴ

こちらは実が特徴的。
実につく柄(果柄)が長くサクランボのよう。
そしてクロガネモチのようにまとまってはつきません。

葉も特徴的で、長めの楕円形(長楕円形)、縁が波うち、葉先が細長くなっています。

上の画像のように波うちが目立たないものもありますので、実がなっているときは、果柄の長さのほうがわかりやすいでしょう。

ナナミノキ(七実の木)Ilex chinensis

モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑高木
雌雄異株
分布:静岡~九州
別名:ナナメノキ
タグ:ナナミノキ

葉の付け根にかたまって実がつくところがクロガネモチに似ています。

葉が見分けるポイントになります。
長楕円形で先がとがって長く伸びるところはソヨゴに似ていますが、よく見ると浅い鋸歯(きょし)があることがわかります。

実が球ではなく縦長になっているところも特徴です。

モチノキ(黐の木)Ilex integra

モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑高木
雌雄異株
分布:本州~沖縄
別名:ホンモチ
タグ:モチノキ

クロガネモチやナナミノキよりも実が大きく、数が少ないのが特徴。

葉も表面がなめし革のようにヌメッとした感じがあり、葉脈もはっきりしません。

液果 >> 核果
常緑樹高木


常緑低木 成長しても高さが3mに達しない常緑樹
液果 >> 核果 水分の多い実の中に硬い殻に覆われた種がある果実

ナンテン(南天)Nandina domestica

キンポウゲ目 メギ科 ナンテン属
常緑低木
雌雄両全種
中国原産
タグ:ナンテン

縁起物として公園や庭などによく植えられる木。

房状になったたくさんの赤い実が春近くまで残るので、花の少ない冬の彩りになります。

常緑樹ですが、場所によっては冬に葉が落ちたり、真っ赤に染まったりすることがあります。

マンリョウ(万両)Ardisia crenata

ツツジ目 サクラソウ科 ヤブコウジ属
常緑小低木
雌雄両全株
分布:関東~沖縄
タグ:マンリョウ

こちらも縁起物としてよく植えられますが、人よりも低い木ですので、目につきにくいかもしれません。

赤い実がたくさんつきますが、木の真ん中くらいから下向きに付くので、場合によっては気付きにくいかもしれません。

葉の鋸歯も特徴的です。

ヤブコウジ(藪柑子)Ardisia japonica

ツツジ目 サクラソウ科 ヤブコウジ属
常緑小低木
雌雄両全株
分布:北海道~九州
別名:十両(じゅうりょう)
タグ:ヤブコウジ

こちらも縁起物ですが、小さくマンリョウほど有名ではありません。

高さは20センチくらい。

まるで草のようですが、地下茎で広がりあちこちから生えてくるので、実際は思っているよりも大きいはず。

ですから、よく同じ場所に固まって生えています。

液果 >> 核果
偽果 >> ナシ状果 花の根元が大きくなってタネを包んだ果実

トキワサンザシ(常盤山査子)Pyracantha coccinea

バラ目 バラ科 トキワサンザシ属
常緑低木
雌雄両全株
ヨーロッパ南部~西アジア原産
別名:ピラカンサ
タグ:トキワサンザシ

刈り込みに強いようで、垣根として使われているのをよく見ます。

見ての通り小さい実がたくさんつき、ときには木全体が真っ赤になることもあります。

偽果 >> ナシ状果
常緑低木


常緑草本 冬でも葉が落ちない草
液果 >> 漿果 水分の多い実の中に種がある果実

ツルアリドオシ(蔓蟻通し)Mitchella undulata

リンドウ目 アカネ科 ツルアリドオシ属
常緑つる性多年草
雌雄両全株
分布:北海道~九州
タグ:ツルアリドオシ

低山の林床などによく生えます。

つる植物といっても木に巻きかず、地面をはっていくので、意外と気付かないかもしれません。

一度に二つの花が咲くのですが、根本の子房が一つになっているので、実は一つ。
よく見ると、花の跡になる2つのへこみがあります。

液果 >> 漿果 
常緑草本


落葉樹 冬に葉が落ちる樹木
液果 >> 核果 水分の多い実の中に硬い殻に覆われた種がある果実

ハナミズキ(花水木)Cornus florida

ミズキ目 ミズキ科 ミズキ属
落葉高木
雌雄両全株
北アメリカ原産
別名:アメリカヤマボウシ
タグ:ハナミズキ

街路樹としてもよく目にする、身近な赤い実の木。

冬に葉を落とす落葉樹で、紅葉するのも早いのですが、まだ葉は残っています。

実も赤いので、どこにあるのは遠目にはわかりにくくなっています。

ウメモドキ(梅擬)Ilex serrata

モチノキ目 モチノキ科 モチノキ属
落葉低木
雌雄異株
分布:東北~九州
タグ:ウメモドキ

こちらも落葉樹ですが、11月ではまだ緑の葉も残っています。

小さい実ですが、まとまってつき、緑の葉が残っていますので、赤い実がよく目立ちます。

液果 >> 核果
落葉樹

 なぜか、冬になると赤い実がよく目につきます。
 どれも同じように思っていましたが、よく見てみると、結構種類があるのに驚きました。

■参考外部リンク■
錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: ソヨゴナナミノキモチノキナンテンマンリョウヤブコウジトキワサンザシツルアリドオシ冬の赤い実錦織公園

関連記事

theme : 樹木・花木
genre : 趣味・実用

巨樹・古樹・老樹 その35 高野山の高野山風景林近くの女人道の三本高野槙

 高野山で大きな木というと、やっぱり杉。
 特に奥の院参道は、思わず立体機動がしたくなるような杉の巨木に覆われています。
 高野山には高野六木と呼ばれる6種の針葉樹が積極的に植えられました。
 スギ、ヒノキ、アカマツ、コウヤマキ、モミ、ツガ。
 目立たないだけで、杉以外にもいろいろな針葉樹があるのです。

高野山の女人道

 鉄道で来た時の高野山の入口になる女人堂。
 その北側斜面は林野庁が高野山風景林に指定し、さらにコウヤマキ植物群落保護林もあります。
 女人堂から高野山上の寺院群を囲むように連なる山々の尾根を一周する女人道。
 まわりにはいろいろな大きな針葉樹があります。

 そんな大きな樹木の一つ。
 高野槙(こうやまき)。

高野山の高野山風景林近くの女人道の三本高野槙(2016年1月)

 コウヤマキ。
 マツ目コウヤマキ科コウヤマキ属の常緑高木針葉樹。
 日本固有種と言われますが、メタセコイアと同じように、かつては北半球の広い範囲に生えていたことが化石からわかっています。

細くて長くてしなやかなコウヤマキの葉

 メタセコイアは地球が寒冷化したことによって各地で絶滅したと言われています。
 コウヤマキも同じかもしれません。
 しかし、広葉樹も寒冷化に強いわけではありませんから、寒冷化は衰退のいくつもある理由の一つなのかもしれません。

巨樹(大きな木)・古樹(樹齢の高い木)・老樹(年老いて見える木)」とはIWO(いきもの は おもしろい!)が以下の独自基準で選んだものです。
1.一般に「巨樹」「古樹」「老樹」と認知されている樹木
2.その場所や地域の中で見た目が「巨樹」「古樹」「老樹」を感じさせる樹木
3.見た目が小さくてもその種として「巨樹」「古樹」「老樹」な樹木
4.地域の自然を愛する組織や団体などが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木
5.その他IWOが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木

高野槇(コウヤマキ)苗木 約40cm

価格:2,300円
(2016/1/20 23:48時点)
感想(25件)

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 巨樹・古樹・老樹コウヤマキ高野六木高野山

関連記事

theme : 樹木・花木
genre : 趣味・実用

二十四節気・七十二候
プロフィール

ノート

Author:ノート
都会の植え込みから自然あふれる山まで。
フィールドワーカーのノートが生き物たちとの出会いを書いています。

検索フォーム
カレンダー
01 | 2016/02 | 03
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 - - - - -
最新記事
月別アーカイブ
最新コメント
リンク
BLOG & NEWS | 動物プロダクション SCIENCE FACTORY ltd.
けろんの100円で昆虫採集!
相生山からのメッセージ
ななこの『生き物のお世話』ブログ
雑記帳~身の回りの出来事やら自然やら~
とある昆虫研究者のメモ
ACTOW
徳川広和・恐竜・古生物・模型・フィギュア作品ギャラリー
コトラ&ミーのこんにちは ご近所さん
すみれ奏へようこそ
そぞろ歩き
デジカメ・昆虫・写真
くろねこのチラシの裏
どくだみ荘日乗
故郷の廃家
とらログ
ようこそ大阪市立自然史博物館へ
インターネットミュージアム
いきもの を ぱちり!
管理画面
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
最近記事のRSS
最新コメントのRSS
最新トラックバックのRSS