2015年の金剛山のブナは豊作?
ちょっと遅れた初詣に登った金剛山。
毎年最初の登山は最も登山者が多いと言われる千早本道。
標高差600メートル。
延々と続く階段は「登山者」におもしろくないと敬遠され、小学校が耐寒登山に使う道でもあり「登山者」にバカにされることもあります。
でも、8合目直前からブナ林がひろがり、金剛山の中でも多くのブナを間近に見られる屈指の登山道です。

ヤドリギがたくさん付いているのがわかります
東北のひとにとって、ブナという木はそれほど大騒ぎするほどではないかもしれません。
しかし、暖かいところではほかの木々に負けてしまうブナは、大阪近辺では標高800メートル以上で、神社やお寺に守られスギやヒノキの植林を免れたところだけにしか見られない樹木です。
最も高い金剛山以外は、すべて1000メートル以下という大阪周辺の山では、ブナが残っているところは数えるほどしかありません。

中心の主脈から左右に伸びた側脈の先が凹んでいるのが特徴
普通側脈の先は飛び出してます
8合目からブナ林の中を歩いていると、いつもとちがうことに気付きました。
殻斗(かくと)があちこちに落ちています。
「殻斗」はどんぐりの帽子のような部分。
クリのイガイガのところも殻斗です。
落ちているのはもちろんブナの殻斗。

カシやナラのどんぐりのような帽子型ではなく
ブナはクリのように全体を覆うタイプ
登山道で何度も踏まれたようでトゲがなくなっています
ブナ林ですから落ちていて当然と思うかもしれません。
ところが、ブナはほかのどんぐりの木とちがい、どんぐりはあまりなりません。
実際、金剛山のブナ林では秋から冬にかけてブナのどんぐりを見ることはほとんどありません。
それが、あちこちに落ちているのです。

でっぱりが3つある三角錐のような変わった形のどんぐり
これが殻斗の中に二つ入っています
今落ちているのは、そんなに古いものではありません。
去年の秋に熟して落ちたものでしょう。
ブナは7~8年おきに豊作になると言われます。
ということは、2015年は金剛山のブナの豊作の年だったのかもしれません


- 関連記事
-
- 暖かい冬のわずかな霧氷の杉 金剛山転法輪寺 (2016/02/02)
- 2015年の金剛山のブナは豊作? (2016/01/25)
- 巨樹・古樹・老樹 その33 住吉大社の楠珺社の大阪市指定保存樹第9号の千年楠 (2016/01/23)