一口に「サル」といいますが。世界が2色のサル編
2016年最初の記事は恒例の干支テーマ。
今年は申(さる)年。
「サル」は哺乳類の霊長目(サル目)の動物です。
霊長目の「霊」という字には、「幽霊」や「霊魂」のように不思議な存在というよく使う意味と、優れていることを表すあまり使わない意味も持ちます。
「霊長目」「霊長類」では、優れているという意味で使われているようです。

ということは哺乳綱(哺乳類)で最も優れているのでしょうか。
空をとぶ能力ではもちろん一番ではありません。
地面の上を走る能力も一番ではありません。
泳ぐ能力も一番ではありません。
強さでも一番ではないでしょう。
ふしぎです。

それどころか、体のつくりは哺乳類の基本的な形を残していると言われます。
ということは、結構普通な哺乳類が霊長類なのかもしれません。
ということで、いろんなサルを見に天王寺動物園に行ってきました。
天王寺動物園には全部で14種とたくさんの霊長類がいます。
まずは古い霊長類と言われる仲間から。
哺乳類の古い姿を残していると言われる曲鼻猿亜目。
そして新しい姿と言われる真猿亜目の中の広鼻下目。
この二つのサルの共通する特徴の一つが、目の細胞が赤と青の2色しか感じないこと。
つまり、赤と青を混ぜた色しか見えないのです。

爬虫類や鳥類など脊椎動物の多くは、赤・緑・青と人間には見えない“紫(紫外線)”の4色を感じることができます。
同じ先祖を持っているわけですから、哺乳類も4色感じられなければ変です。
どうして2色になったのでしょうか。
古い時代の哺乳類はとても弱く、恐竜を恐れて夜に活動していました。
色彩がない夜に活動していたので、感じる色が2色に減ってしまいました。
その古い哺乳類が多様化したのが、今の哺乳類と考えられています。
しかし、ちょっと疑問を感じます。
同じ霊長類の人間は3色を感じることができます。
変です。
不思議ですがそれは次回。
まずは2色しか感じられない霊長類から。
申年ということで、サル、つまり霊長類を見なおしてみると、意外と「霊長」ではないような気がしてきました。
人間と同じように3色を感じることができるサルは、次回に。
■参考外部リンク■
天王寺動物園HOMEPAGE
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