【 2016年01月】

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〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

巨樹・古樹・老樹 その34 錦織公園の水辺の里の休憩所裏山の黄葉している大椚

 住宅街の中にあって身近な生き物ネタの宝庫、錦織(にしこおり)公園。
 なんですが、紅葉についてはあまりいいネタをくれません。
 この時期にいいネタをくれるのが、黄葉、そして褐葉。

水辺の里の遊具とぽつんと紅葉しているモミジバフウ
紅葉しているモミジバフウ

 コナラだらけの園内の中で、素通りしてしまいそうですが、気がつくと「おおっ」ってなる黄葉・褐葉の一つが、大クヌギ。
 水辺の里の屋根がある休憩所の裏山のクヌギ。
 北入口から入って峠のつり橋をくぐる道へ向かう途中。
 正面に見えてきます。

 丘から切りだされて船のような形の小さな山。
 その舳先に当たるところに生えている大きなクヌギ。

錦織公園の水辺の里の休憩所裏山の黄葉している大椚(2015年12月)
黄葉してるクヌギ

 園内に大きなクヌギはいくつもありますが、みんな林の中。
 このクヌギだけは、船の舳先、岬の先端のようなところに生えているので、全体がよく見えます。
 冬の間は葉が落ちて枯れ木のよう。
 夏の間は葉が茂って緑の木。
 でも、初冬には木全体が黄色に染まってきれいです。

 ただ、道よりもずっと上の方に生えているので、目的地を目指して歩いていると、気付かないかもしれません。
 目立つのに目立たない大きなクヌギです。

巨樹(大きな木)・古樹(樹齢の高い木)・老樹(年老いて見える木)」とはIWO(いきもの は おもしろい!)が以下の独自基準で選んだものです。
1.一般に「巨樹」「古樹」「老樹」と認知されている樹木
2.その場所や地域の中で見た目が「巨樹」「古樹」「老樹」を感じさせる樹木
3.見た目が小さくてもその種として「巨樹」「古樹」「老樹」な樹木
4.地域の自然を愛する組織や団体などが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木
5.その他IWOが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木

■参考外部リンク■
錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園


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タグ: 巨樹・古樹・老樹クヌギ黄葉錦織公園

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2015年の金剛山のブナは豊作?

 ちょっと遅れた初詣に登った金剛山。
 毎年最初の登山は最も登山者が多いと言われる千早本道。
 標高差600メートル。
 延々と続く階段は「登山者」におもしろくないと敬遠され、小学校が耐寒登山に使う道でもあり「登山者」にバカにされることもあります。
 でも、8合目直前からブナ林がひろがり、金剛山の中でも多くのブナを間近に見られる屈指の登山道です。

葉が落ちた千早本道八合目の冬のブナ林
ブナ林
ヤドリギがたくさん付いているのがわかります

 東北のひとにとって、ブナという木はそれほど大騒ぎするほどではないかもしれません。
 しかし、暖かいところではほかの木々に負けてしまうブナは、大阪近辺では標高800メートル以上で、神社やお寺に守られスギやヒノキの植林を免れたところだけにしか見られない樹木です。
 最も高い金剛山以外は、すべて1000メートル以下という大阪周辺の山では、ブナが残っているところは数えるほどしかありません。

特徴的なブナの葉
ブナの葉
中心の主脈から左右に伸びた側脈の先が凹んでいるのが特徴
普通側脈の先は飛び出してます

 8合目からブナ林の中を歩いていると、いつもとちがうことに気付きました。
 殻斗(かくと)があちこちに落ちています。
 「殻斗」はどんぐりの帽子のような部分。
 クリのイガイガのところも殻斗です。
 落ちているのはもちろんブナの殻斗。

ブナのどんぐりの殻斗
ブナの殻斗
カシやナラのどんぐりのような帽子型ではなく
ブナはクリのように全体を覆うタイプ
登山道で何度も踏まれたようでトゲがなくなっています

 ブナ林ですから落ちていて当然と思うかもしれません。
 ところが、ブナはほかのどんぐりの木とちがい、どんぐりはあまりなりません。
 実際、金剛山のブナ林では秋から冬にかけてブナのどんぐりを見ることはほとんどありません。
 それが、あちこちに落ちているのです。

ブナのどんぐり
ブナのどんぐり
でっぱりが3つある三角錐のような変わった形のどんぐり
これが殻斗の中に二つ入っています

 今落ちているのは、そんなに古いものではありません。
 去年の秋に熟して落ちたものでしょう。
 ブナは7~8年おきに豊作になると言われます。
 ということは、2015年は金剛山のブナの豊作の年だったのかもしれません

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タグ: ブナどんぐり金剛山千早本道

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巨樹・古樹・老樹 その33 住吉大社の楠珺社の大阪市指定保存樹第9号の千年楠

 摂津国一宮、住吉大社(すみよしたいしゃ)。
 神功皇后(じんぐうこうごう)が住吉三神を祀ったことがはじまりと日本書紀に書かれていますので、少なくとも1300年以上の歴史があります。もちろんもっと古いはず。
 場所は現在の大阪市住吉区。
 上町台地の端になりますので、1000年以上前から陸地でしたし、南海トラフ地震の津波からも守られていたでしょう。


住吉大社の前は路面電車が走ります

 それだけ古い神社だけあって、境内には大きな樹木がいくつもあります。
 そのひとつが、境内社の楠珺社(なんくんしゃ)の千年楠。

住吉大社の楠珺社の千年楠(2015年9月)

 樹齢1000年と言われるクスノキの御神木です。
 大阪市の保存樹で、高さ18.5m、幹周り9.8m。
 決して樹齢ほどの高い木ではありませんが、大きくまわりに広げた枝ぶりは、たしかに齢(よわい)を感じさせます。

 このクスノキを祀るようにある楠珺社。
 「楠」はクスノキのこと。
 「珺」は王偏がつくように、美しい玉(ぎょく)のこと。
 「玉(ぎょく)」は、中国文化圏で美しく価値のある「石」のこと。中国文化圏での宝石のことです。
 「玉(ぎょく)」は古い書体では「王」と書きます。
 「王様」の「王(おう)」は真ん中の横線が上の方にかたよって書くことで「玉(ぎょく)」と区別します。
 ということで、「瑪瑙(めのう)」や「珊瑚(さんご)」のように美しい「石」を表す漢字には、王偏がよく使われるのです。
 「王様のように偉く尊いから」ではありません。


楠珺社と千年楠

 ところが楠珺社の祭神は宇迦魂命(うかのみたまのみこと)。
 穀物の神様で、伏見稲荷大社の主祭神です。
 名前と祭神がなんか一致しません。
 不思議です。

巨樹(大きな木)・古樹(樹齢の高い木)・老樹(年老いて見える木)」とはIWO(いきもの は おもしろい!)が以下の独自基準で選んだものです。
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タグ: 巨樹・古樹・老樹クスノキ千年楠住吉大社大阪市指定保存樹

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はつもうで 高野の坂に すみれさく

 初詣の高野山。
 高野山へ行くときは、ほとんどの人は、極楽橋駅からケーブルカーを使って山上まで行きます。
 そこをあえて歩きます。
 不動坂で300メートル以上登って女人堂へ。

 道は軽自動車が走れるほどしっかりしています。
 途中、春になるといろいろな山野草が目を楽しませてくれますが、さすがに冬は花がありません。

 そんな不動坂で咲いていたスミレ。
 冬菫です。

高野山のタチツボスミレ

 冬菫は、特定の種類ではありません。
 スミレは春に咲くもの。
 それがどういうわけか冬に咲くことがあります。
 そういう季節はずれのスミレの花が冬菫。

心形の葉

 どうやらタチツボスミレのようです。
 春になるとあちこちでスミレが咲く高野山ですが、ちょっと早いスミレ。
 去年の初詣は雪の中でしたが、暖かいので、スミレも咲いたのでしょうか。

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タグ: 冬スミレタチツボスミレスミレ高野山不動坂冬の花紫色の花

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専門家の落とし穴? 保護の対象にする4つの「種」のちがい

 専門家でありながら、視野が狭くてトンデモに走る人がいることはすでに書きました
 なぜ、専門家でありながらトンデモに走るのでしょうか。
 たとえばすでに書いた、チョウを守れば自然環境を守ることになると言ったチョウの専門家。
 その方のポイントは何でしょうか。

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4つの種

 自然を守る、環境を守ると言っても、実際に活動を行う場合、対象が「自然」や「環境」では漠然としていて、何をすればいいのか具体的なことがわかりません。
 また、許可を得たり支援を受けたりするための説明がしにくく、理解されにくいということもあります。
 そこで、特定の生き物を選んで、具体的にわかりやすく、活動しやすくすることがあります。
 その「種」は、4つに分けることができます。
 キーストーン種、アンブレラ種、シンボル種、希少種です。

◆キーストーン種

 絶滅した時、他の生物や環境に大きな影響を与える種のこと。
 たとえば、ニホンオオカミが絶滅したため、シカが増え、シカが山の木や草、そして畑のものを食べるなどの被害が起きているといわれることがあります。
 この場合のニホンオオカミがキーストーン種になります。
 ただし、オオカミがもとからいなかったと言われる屋久島でもシカの食害が増えていることや、同じような害が起きているクマやニホンザルについては説明できていません。
 現実はこのように安易に決められるほど、簡単なものではないようです。

チュウゴクオオカミ〔天王寺動物園〕
チュウゴクオオカミ
ニホンオオカミとエゾオオカミは環境省レッドリスト絶滅

◆アンブレラ種

 行動範囲の広い動物を指します。
 その動物を保護することは、同時に行動範囲の環境も保護することにもなります。
 行動範囲が広いということは、体も大きいということになり、多くの場合、大型の哺乳類や鳥類になります。
 クマやオオタカなどが代表的アンブレラ種です。

イヌワシ〔天王寺動物園〕
イヌワシ
環境省レッドリスト絶滅危惧IB

◆シンボル種

 その地域や場所を象徴する種のこと。
 通常、よく目立ち、多くの人に好感を持たれる種が選ばれます。
 その反面、よく注意していないと、その場所に元からいた他の生き物の絶滅や、環境を破壊してしまうことにもなりかねない危険性を持っています。
 たとえば、ゲンジボタルを保護するため、幼虫の餌となるカワニナをほかの地域から大量に持ち込み、その地域に住んでいたカワニナを減らしてしまうことなどがあります。

ゲンジボタルのひかり〔橿原市昆虫館〕
ゲンジボタル
16都府県のレッドリストに記載

◆希少種

 数が少なくなった種のこと。
 わかりやすいのは、レッドデータブックに記載された種。
 絶滅にひんしている場合はすみやかに保護活動を行う必要があります。
 ただし、キーストーン種やアンブレラ種でない場合、注意をしなければシンボル種と同じ過ちをしてしまうことになりかねません。

オオムラサキ〔橿原市昆虫館〕
オオムラサキ
環境省レッドリスト準絶滅危惧

落とし穴

 例のチョウの専門家は、希少種をシンボル種として保護活動をしてしまったようです。
 保護活動は資金も必要ですし、活動のためにその場所の持ち主の理解を得て許可してもらうことも必要です。
 シンボル種という目立って好感を持たれる生き物なら、だれでも直感的に保護の必要性を感じることができるでしょう。
 しかしその結果、なぜチョウを保護するのかという単純で基本的なことにすら、答えることができなくなり、チョウさえ保護すれば他のことは考えなくてもいい、という状況に陥ってしまったようです。
 これは愛好家が専門家になって活動家になった場合に起きる落とし穴なのかもしれません。

 こういった基本的な説明は大切なことで、活動を行う上でもちゃんと説明できないことは、お世辞にもいいことではないと思います。
 そして、このような活動が個人の資産や一般のスポンサーの寄付などで行われているのであるのならばまだしも、行政などから補助を受けている場合は、明確な説明ができないことはとても問題があるのではないでしょうか。
 そのチョウの専門家はどうなのかはわかりませんが。

セツブンソウ 〔花の文化園〕
セツブンソウ
環境省レッドリスト準絶滅危惧

安易は至難

 生き物や環境を守るため行動を起こすことはとても大切だと思います。
 しかし、具体的な行動に至る前に現状を把握し、どの生き物をどのように守っていくのかを、十分考えなければならないのではないでしょうか。
 特定の生き物が好きでその生き物が絶滅しそうだからといって、安易に保護活動を行うのは、「保護」の名を借りた「破壊」になりかねません。

 生き物を見るときは、こういった落とし穴を避けるため、できるだけ視野を広くし、想像力を働かせることが必要なのかもしれません。
 そして、私たちが思っているほど簡単でも単純でもないことを意識することも。
 言葉では簡単な、たった2文字の「自然」や「環境」が、実はとても複雑なものだったのです。

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タグ: キーストーン種アンブレラ種シンボル種希少種保護活動チュウゴクオオカミイヌワシゲンジボタルオオムラサキセツブンソウ

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いきなりしつもん。どっちが麦?

いきなり質問です。どっちが麦でしょう?


 「麦(むぎ)」はイネ科のオオムギ属・コムギ属・ライムギ属などの植物の総称で、食べ物になる種類を多く含みます。
 身近なムギはパン屋ケーキの材料になるコムギ、麦茶になるオオムギなどがあります。

 茎の先にたくさんのヒゲ(禾(のぎ))の生えた実をつけ、イネ科らしい姿をしています。
 どちらも禾があってイネ科らしい姿をしていますが、ムギは片方だけ。

 実は右の画像は上下を逆さまにしています。
 本来はこちらになります。

 つまり、左は実が熟してもまっすぐのまま。
 右は熟すと垂れてくるもの。

 今回のヒントはここまで。

こたえは 左が 麦です。

 ひし形の実がたくさんつき、まっすぐ伸びた禾(のぎ)がたくさん生え、デザイン化されたムギの姿そのもの。
 これはオオムギ。
 コムギはもうちょっとやさしい感じになります。

いきなり次の質問です。右の画像の植物は何でしょう。

こたえは イネです。

 つまり、お米のこと。
 でも、「ちょっとおかしい」と思った人も少なく無いでしょう。
 お米を包んでいる籾(もみ)には、こんなに長い禾はありません。
 イネに似た、なにかちがうイネ科植物のようです。

 ところが、これはイネです。
 ただし、普通に田んぼに植えられているイネではありません。
 一般に「古代米」と言われるイネ。
 その中で「赤米」と言う種類です。

 赤米はお米が赤い種類。
 普通、籾は赤くありません。
 赤いのもお米の表面だけ、中は普通のお米と同じです。


禾がない「普通のイネ」糯米(もちごめ)

 上に書いたようにイネ科の特徴は禾(のぎ)があること。
 赤米は、昔の稲の姿、本来の稲の姿を残しているのです。
 実は田んぼに植えられている普通の稲のほうが変わった形なのです。

 今回も錦織公園の河内の里の植物です。
 オオムギは6月、赤米は9月、糯米は10月の様子です。

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タグ: いきなり質問オオムギ赤米糯米野菜錦織公園

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フィールドワーカーのノートが生き物たちとの出会いを書いています。

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