【 2016年01月】

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下赤阪の棚田の2015年 12月上旬の昆虫編

 12月、真冬の下赤阪の棚田ビオトープ。
 寒くなったので虫はいなくなった。
 と思ったら、結構いました。
 冬に活動するもの、暖かくなったから出てきたもの、冬越の場所を探しているもの、命が尽きようとしているもの。
 それぞれの虫にそれぞれの事情があります。

この記事にはの画像があります。


真ん中あたりから見た下赤阪の12月の棚田

動物界
節足動物門 昆虫綱 タグ:下赤阪の棚田の昆虫
新翅節 翅を重ねられ蛹にならない昆虫
多新翅上目 翅を折りたためない蛹にならない昆虫
バッタ目

コバネイナゴ(小翅稲子)Oxya yezoensis

バッタ目 バッタ科 イナゴ属
タグ:コバネイナゴ

成虫で冬越しするバッタもいますが、コバネイナゴは冬越しできない種類。
命が尽きるのが近いのか、動きもほとんどありません。

バッタ目
多新翅上目
節足動物門 昆虫綱 新翅節
外翅上目 翅を折りたためる蛹にならない昆虫
カメムシ目

ウスモンカスミカメ(薄紋霞亀)
Adelphocoris demissus

カメムシ目
カスミカメムシ科
Adelphocoris属

体長7ミリ。
1センチにも満たない小さなカメムシ。

似たようなカメムシは多いので、ほかのカスミカメムシかもしれません。

ムラサキナガカメムシ
(紫長亀虫)
Pylorgus colon

カメムシ目
ナガカメムシ科
Pylorgus属

体長4ミリ。
ウスモンカスミカメよりもっと小さいカメムシ。

カメムシにはこんなに小さい種類もいます。

カメムシ目
外翅上目
節足動物門 昆虫綱 新翅節
内翅上目 蛹になる昆虫
ハエ目

ナミホシヒラタアブ(波星扁虻)Metasyrphus nitens

ハエ目 ハナアブ科 Metasyrphus属

ヒラタアブはよく似たものばかり。
自信がありません。
でも、ハナアブなのはまちがいないと思います。

ヘリヒラタアブ(縁扁虻)Didea alneti ?のメス

ハエ目 ハナアブ科 Didea属

上のナミホシヒラタアブと同じように見えます。
でも、よく見ると複眼の形がちがいますし、腹部の黄色い色がちがいます。
色については同じ種でも多少のちがいはありますので、こちらも自信はありません。

ヒゲナガヤチバエ(鬚長谷地蠅)Sepedon aenescens

ハエ目 ヤチバエ科 Sepedon属

大きさは7ミリ。
そして冬に活動します。

実は、冬はハエの仲間が動きまわる季節です。

カトリバエ類Lispe(属名)?

ハエ目
イエバエ科
カトリバエ属

小さなハエです。

大きさは多分数ミリ。
5ミリもありません。

ツマグロキンバエ(褄黒金蝿)
Stomorhina obsoleta

ハエ目
クロバエ科
Stomorhina属
タグ:ツマグロキンバエ

全長7ミリ。
横幅があるので普通のハエくらいに感じます。

複眼に縞模様があるのが特徴。
名前のように翅の先が黒いのも特徴。

ヨモギワタタマバエ (蓬綿玉蝿)Rhopalamyia giraldii

ハエ目 タマバエ科 Rhopalamyia属
ヨモギクキワタフシ(蓬茎綿五倍子)

白いふわふわしたものがタマバエではありません。
これはヨモギ自身が作ったもの。

中に入っているのがタマバエの幼虫。

このふわふわしたものの名前がヨモギクキワタフシ。

どういうわけか虫が寄生すると、寄生された植物が守るように作り出します。
同じ植物でも寄生する虫によって形が変わります。

ハエ目
節足動物門 昆虫綱 新翅節 内翅上目
チョウ目

シロシタヨトウ(白下夜盗)Sarcopolia illoba の幼虫

チョウ目 ヤガ科 Sarcopolia属
タグ:シロシタヨトウ


冬越のため、サナギになる場所探しているのでしょう。

チョウ目
節足動物門 昆虫綱 新翅節 内翅上目
ハチ目

セイヨウミツバチ(西洋蜜蜂)
Apis mellifera

ハチ目
ミツバチ科
ミツバチ属
タグ:セイヨウミツバチ

クヌギエダイガタマバチ

膜翅目タマバチ科
クヌギエダイガフシ(椚枝毬五倍子)

ヨモギクキワタフシと同じように虫に寄生されたクヌギがつくったもの。

クヌギの実(どんぐり)の帽子(殻斗)に似ているのが特徴。

ハチ目
新翅節 内翅上目
昆虫綱
節足動物門
動物界

 体温が気温で左右される外温動物(変温動物)は、冬にはどこかでじっとしてそうですが、特に昆虫は冬でも動きまわるものがいます。
 真冬でも暖かい日は草花を観察していると、意外といろいろ動き回っている昆虫とであるかもしれません。
 マイナーで小さなハエばかりかもしれませんが。

タグ♦ 下赤阪の棚田のいきもの目次

■参考外部リンク■
下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会


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タグ: 下赤阪の棚田2015下赤阪の棚田2015/1212月の下赤阪の棚田の動物ウスモンカスミカメムラサキナガカメムシナミホシヒラタアブヘリヒラタアブヒゲナガヤチバエヨモギワタタマバエクヌギエダイガタマバチ

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巨樹・古樹・老樹 その34 錦織公園の水辺の里の休憩所裏山の黄葉している大椚

 住宅街の中にあって身近な生き物ネタの宝庫、錦織(にしこおり)公園。
 なんですが、紅葉についてはあまりいいネタをくれません。
 この時期にいいネタをくれるのが、黄葉、そして褐葉。

水辺の里の遊具とぽつんと紅葉しているモミジバフウ
紅葉しているモミジバフウ

 コナラだらけの園内の中で、素通りしてしまいそうですが、気がつくと「おおっ」ってなる黄葉・褐葉の一つが、大クヌギ。
 水辺の里の屋根がある休憩所の裏山のクヌギ。
 北入口から入って峠のつり橋をくぐる道へ向かう途中。
 正面に見えてきます。

 丘から切りだされて船のような形の小さな山。
 その舳先に当たるところに生えている大きなクヌギ。

錦織公園の水辺の里の休憩所裏山の黄葉している大椚(2015年12月)
黄葉してるクヌギ

 園内に大きなクヌギはいくつもありますが、みんな林の中。
 このクヌギだけは、船の舳先、岬の先端のようなところに生えているので、全体がよく見えます。
 冬の間は葉が落ちて枯れ木のよう。
 夏の間は葉が茂って緑の木。
 でも、初冬には木全体が黄色に染まってきれいです。

 ただ、道よりもずっと上の方に生えているので、目的地を目指して歩いていると、気付かないかもしれません。
 目立つのに目立たない大きなクヌギです。

巨樹(大きな木)・古樹(樹齢の高い木)・老樹(年老いて見える木)」とはIWO(いきもの は おもしろい!)が以下の独自基準で選んだものです。
1.一般に「巨樹」「古樹」「老樹」と認知されている樹木
2.その場所や地域の中で見た目が「巨樹」「古樹」「老樹」を感じさせる樹木
3.見た目が小さくてもその種として「巨樹」「古樹」「老樹」な樹木
4.地域の自然を愛する組織や団体などが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木
5.その他IWOが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木

■参考外部リンク■
錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園


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タグ: 巨樹・古樹・老樹クヌギ黄葉錦織公園

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下赤阪の棚田の2015年 12月上旬のその他植物等編

 花を実を中心に紹介している下赤阪の棚田ビオトープ。
 もちろん、花や実もない植物もあります。

下赤阪の棚田の一番長く続く棚田

その他植物等
植物界
裸子植物門 マツ綱

スギ(杉)Cryptomeria japonica

マツ目 ヒノキ科 スギ属
常緑高木

日本の固有種ですが、古くから様々なものの素材として利用されていたため、各地に植えら自生地がわからなくなっています。

また、明治期に国家的事業として植えられましたので、棚田も周りにもあります。

そして、なぜか棚田の中にもぽつんと。
不思議な杉です。

裸子植物門 マツ綱
植物界
被子植物門 単子葉植物綱

ネザサ(根笹)Pleioblastus chino var. viridis

イネ目 イネ科 メダケ属
常緑多年生

小型のタケ科の笹の仲間。

今まで紹介しなかったのですが、棚田と上の田んぼの境の崖面に壁のように生えています。
上の田んぼから水が染み出してきているので、元気です。

笹の仲間にはよく似たものが多いので迷います。
葉がちょっと短めで垂れていないのでネザサとしました。
長めで垂れていればメダケ。

被子植物門 >単子葉植物綱
植物界
その他植物等

 目立つ花が咲かないので今まで取り上げていなかったのですが、スギもササも下赤阪の棚田にはたくさんあります。

タグ♦ 下赤阪の棚田のいきもの目次
■参考外部リンク■
下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会

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タグ: 下赤阪の棚田2015下赤阪の棚田2015/1212月の下赤阪の棚田の植物スギネザサ植物等/SA-tanada

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2015年の金剛山のブナは豊作?

 ちょっと遅れた初詣に登った金剛山。
 毎年最初の登山は最も登山者が多いと言われる千早本道。
 標高差600メートル。
 延々と続く階段は「登山者」におもしろくないと敬遠され、小学校が耐寒登山に使う道でもあり「登山者」にバカにされることもあります。
 でも、8合目直前からブナ林がひろがり、金剛山の中でも多くのブナを間近に見られる屈指の登山道です。

葉が落ちた千早本道八合目の冬のブナ林
ブナ林
ヤドリギがたくさん付いているのがわかります

 東北のひとにとって、ブナという木はそれほど大騒ぎするほどではないかもしれません。
 しかし、暖かいところではほかの木々に負けてしまうブナは、大阪近辺では標高800メートル以上で、神社やお寺に守られスギやヒノキの植林を免れたところだけにしか見られない樹木です。
 最も高い金剛山以外は、すべて1000メートル以下という大阪周辺の山では、ブナが残っているところは数えるほどしかありません。

特徴的なブナの葉
ブナの葉
中心の主脈から左右に伸びた側脈の先が凹んでいるのが特徴
普通側脈の先は飛び出してます

 8合目からブナ林の中を歩いていると、いつもとちがうことに気付きました。
 殻斗(かくと)があちこちに落ちています。
 「殻斗」はどんぐりの帽子のような部分。
 クリのイガイガのところも殻斗です。
 落ちているのはもちろんブナの殻斗。

ブナのどんぐりの殻斗
ブナの殻斗
カシやナラのどんぐりのような帽子型ではなく
ブナはクリのように全体を覆うタイプ
登山道で何度も踏まれたようでトゲがなくなっています

 ブナ林ですから落ちていて当然と思うかもしれません。
 ところが、ブナはほかのどんぐりの木とちがい、どんぐりはあまりなりません。
 実際、金剛山のブナ林では秋から冬にかけてブナのどんぐりを見ることはほとんどありません。
 それが、あちこちに落ちているのです。

ブナのどんぐり
ブナのどんぐり
でっぱりが3つある三角錐のような変わった形のどんぐり
これが殻斗の中に二つ入っています

 今落ちているのは、そんなに古いものではありません。
 去年の秋に熟して落ちたものでしょう。
 ブナは7~8年おきに豊作になると言われます。
 ということは、2015年は金剛山のブナの豊作の年だったのかもしれません

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タグ: ブナどんぐり金剛山千早本道

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巨樹・古樹・老樹 その33 住吉大社の楠珺社の大阪市指定保存樹第9号の千年楠

 摂津国一宮、住吉大社(すみよしたいしゃ)。
 神功皇后(じんぐうこうごう)が住吉三神を祀ったことがはじまりと日本書紀に書かれていますので、少なくとも1300年以上の歴史があります。もちろんもっと古いはず。
 場所は現在の大阪市住吉区。
 上町台地の端になりますので、1000年以上前から陸地でしたし、南海トラフ地震の津波からも守られていたでしょう。


住吉大社の前は路面電車が走ります

 それだけ古い神社だけあって、境内には大きな樹木がいくつもあります。
 そのひとつが、境内社の楠珺社(なんくんしゃ)の千年楠。

住吉大社の楠珺社の千年楠(2015年9月)

 樹齢1000年と言われるクスノキの御神木です。
 大阪市の保存樹で、高さ18.5m、幹周り9.8m。
 決して樹齢ほどの高い木ではありませんが、大きくまわりに広げた枝ぶりは、たしかに齢(よわい)を感じさせます。

 このクスノキを祀るようにある楠珺社。
 「楠」はクスノキのこと。
 「珺」は王偏がつくように、美しい玉(ぎょく)のこと。
 「玉(ぎょく)」は、中国文化圏で美しく価値のある「石」のこと。中国文化圏での宝石のことです。
 「玉(ぎょく)」は古い書体では「王」と書きます。
 「王様」の「王(おう)」は真ん中の横線が上の方にかたよって書くことで「玉(ぎょく)」と区別します。
 ということで、「瑪瑙(めのう)」や「珊瑚(さんご)」のように美しい「石」を表す漢字には、王偏がよく使われるのです。
 「王様のように偉く尊いから」ではありません。


楠珺社と千年楠

 ところが楠珺社の祭神は宇迦魂命(うかのみたまのみこと)。
 穀物の神様で、伏見稲荷大社の主祭神です。
 名前と祭神がなんか一致しません。
 不思議です。

巨樹(大きな木)・古樹(樹齢の高い木)・老樹(年老いて見える木)」とはIWO(いきもの は おもしろい!)が以下の独自基準で選んだものです。
1.一般に「巨樹」「古樹」「老樹」と認知されている樹木
2.その場所や地域の中で見た目が「巨樹」「古樹」「老樹」を感じさせる樹木
3.見た目が小さくてもその種として「巨樹」「古樹」「老樹」な樹木
4.地域の自然を愛する組織や団体などが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木
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■参考外部リンク■
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はつもうで 高野の坂に すみれさく

 初詣の高野山。
 高野山へ行くときは、ほとんどの人は、極楽橋駅からケーブルカーを使って山上まで行きます。
 そこをあえて歩きます。
 不動坂で300メートル以上登って女人堂へ。

 道は軽自動車が走れるほどしっかりしています。
 途中、春になるといろいろな山野草が目を楽しませてくれますが、さすがに冬は花がありません。

 そんな不動坂で咲いていたスミレ。
 冬菫です。

高野山のタチツボスミレ

 冬菫は、特定の種類ではありません。
 スミレは春に咲くもの。
 それがどういうわけか冬に咲くことがあります。
 そういう季節はずれのスミレの花が冬菫。

心形の葉

 どうやらタチツボスミレのようです。
 春になるとあちこちでスミレが咲く高野山ですが、ちょっと早いスミレ。
 去年の初詣は雪の中でしたが、暖かいので、スミレも咲いたのでしょうか。

紫色の距

■参考外部リンク■
高野山真言宗 総本山金剛峯寺
悠誘高野山へようこそ

【山野草】サクラタチツボスミレ

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専門家の落とし穴? 保護の対象にする4つの「種」のちがい

 専門家でありながら、視野が狭くてトンデモに走る人がいることはすでに書きました
 なぜ、専門家でありながらトンデモに走るのでしょうか。
 たとえばすでに書いた、チョウを守れば自然環境を守ることになると言ったチョウの専門家。
 その方のポイントは何でしょうか。

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4つの種

 自然を守る、環境を守ると言っても、実際に活動を行う場合、対象が「自然」や「環境」では漠然としていて、何をすればいいのか具体的なことがわかりません。
 また、許可を得たり支援を受けたりするための説明がしにくく、理解されにくいということもあります。
 そこで、特定の生き物を選んで、具体的にわかりやすく、活動しやすくすることがあります。
 その「種」は、4つに分けることができます。
 キーストーン種、アンブレラ種、シンボル種、希少種です。

◆キーストーン種

 絶滅した時、他の生物や環境に大きな影響を与える種のこと。
 たとえば、ニホンオオカミが絶滅したため、シカが増え、シカが山の木や草、そして畑のものを食べるなどの被害が起きているといわれることがあります。
 この場合のニホンオオカミがキーストーン種になります。
 ただし、オオカミがもとからいなかったと言われる屋久島でもシカの食害が増えていることや、同じような害が起きているクマやニホンザルについては説明できていません。
 現実はこのように安易に決められるほど、簡単なものではないようです。

チュウゴクオオカミ〔天王寺動物園〕
チュウゴクオオカミ
ニホンオオカミとエゾオオカミは環境省レッドリスト絶滅

◆アンブレラ種

 行動範囲の広い動物を指します。
 その動物を保護することは、同時に行動範囲の環境も保護することにもなります。
 行動範囲が広いということは、体も大きいということになり、多くの場合、大型の哺乳類や鳥類になります。
 クマやオオタカなどが代表的アンブレラ種です。

イヌワシ〔天王寺動物園〕
イヌワシ
環境省レッドリスト絶滅危惧IB

◆シンボル種

 その地域や場所を象徴する種のこと。
 通常、よく目立ち、多くの人に好感を持たれる種が選ばれます。
 その反面、よく注意していないと、その場所に元からいた他の生き物の絶滅や、環境を破壊してしまうことにもなりかねない危険性を持っています。
 たとえば、ゲンジボタルを保護するため、幼虫の餌となるカワニナをほかの地域から大量に持ち込み、その地域に住んでいたカワニナを減らしてしまうことなどがあります。

ゲンジボタルのひかり〔橿原市昆虫館〕
ゲンジボタル
16都府県のレッドリストに記載

◆希少種

 数が少なくなった種のこと。
 わかりやすいのは、レッドデータブックに記載された種。
 絶滅にひんしている場合はすみやかに保護活動を行う必要があります。
 ただし、キーストーン種やアンブレラ種でない場合、注意をしなければシンボル種と同じ過ちをしてしまうことになりかねません。

オオムラサキ〔橿原市昆虫館〕
オオムラサキ
環境省レッドリスト準絶滅危惧

落とし穴

 例のチョウの専門家は、希少種をシンボル種として保護活動をしてしまったようです。
 保護活動は資金も必要ですし、活動のためにその場所の持ち主の理解を得て許可してもらうことも必要です。
 シンボル種という目立って好感を持たれる生き物なら、だれでも直感的に保護の必要性を感じることができるでしょう。
 しかしその結果、なぜチョウを保護するのかという単純で基本的なことにすら、答えることができなくなり、チョウさえ保護すれば他のことは考えなくてもいい、という状況に陥ってしまったようです。
 これは愛好家が専門家になって活動家になった場合に起きる落とし穴なのかもしれません。

 こういった基本的な説明は大切なことで、活動を行う上でもちゃんと説明できないことは、お世辞にもいいことではないと思います。
 そして、このような活動が個人の資産や一般のスポンサーの寄付などで行われているのであるのならばまだしも、行政などから補助を受けている場合は、明確な説明ができないことはとても問題があるのではないでしょうか。
 そのチョウの専門家はどうなのかはわかりませんが。

セツブンソウ 〔花の文化園〕
セツブンソウ
環境省レッドリスト準絶滅危惧

安易は至難

 生き物や環境を守るため行動を起こすことはとても大切だと思います。
 しかし、具体的な行動に至る前に現状を把握し、どの生き物をどのように守っていくのかを、十分考えなければならないのではないでしょうか。
 特定の生き物が好きでその生き物が絶滅しそうだからといって、安易に保護活動を行うのは、「保護」の名を借りた「破壊」になりかねません。

 生き物を見るときは、こういった落とし穴を避けるため、できるだけ視野を広くし、想像力を働かせることが必要なのかもしれません。
 そして、私たちが思っているほど簡単でも単純でもないことを意識することも。
 言葉では簡単な、たった2文字の「自然」や「環境」が、実はとても複雑なものだったのです。

■参考外部リンク■
天王寺動物園HOMEPAGE
橿原市/橿原市昆虫館
大阪府立花の文化園公式サイト

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タグ: キーストーン種アンブレラ種シンボル種希少種保護活動チュウゴクオオカミイヌワシゲンジボタルオオムラサキセツブンソウ

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一口に「サル」といいますが。人間に近いサル編

 大阪の天王寺動物園にいるサルを見てきました。
 多くの哺乳類と同じように世界が2色のサルと、人間と同じように世界が3色のサル
 そして今回は、人間に近いサル。

 「サル」は生物の分類で言えば「脊索動物門 哺乳綱 霊長目」の動物の総称。
 そして人間を生物学的に分類すれば、「脊索動物門 哺乳綱 霊長目」の「ヒト科 ヒト属」。
 「サル」と同じです。
 でも、なぜか普通「サル」には含まれません。

 生物学の分類には「科」の段階から人間を表す「ヒト」が現れます。
 もちろん、そこにも多くの「サル」が含まれます。
 そんな人間に近いサルたちです。

霊長目
曲鼻猿亜目 原始的なグループでほとんどが夜行性
 
直鼻猿亜目 進化したグループでほとんどが昼行性で平爪だけ
広鼻下目 2色しか見分けられなく南米に生息
 
狭鼻下目 3色を見分けることができユーラシアやアフリカに生息
オナガザル上科
 
ヒト上科
テナガザル科 フクロテナガザル属

フクロテナガザル Symphalangus syndactylus

分布:マレー半島~スマトラ島

フクロテナガザル

山地の森林地帯に住みます。
名前のように足よりも手が長く、手で木にぶら下がって移動。
でも、足の力も強く遠くの木へ飛び移ることもできます。

 
ヒト科

オランウータン Pongo

オランウータン亜科 オランウータン属
分布:スマトラ島~ボルネオ島

スマトラオランウータン(Pongo abelii)とボルネオオランウータン(Pongo pygmaeus)の2種。
現在、天王寺動物園にはいません。

ゴリラ Gorilla

ヒト亜科 ゴリラ族 ゴリラ属
分布:中央アフリカ

ニシゴリラ(Gorilla gorilla)とヒガシゴリラ(Gorilla beringei)の2種。
現在、天王寺動物園にはいません。

チンパンジー Pan troglodytes

ヒト亜科 ヒト族 チンパンジー亜族 チンパンジー属
分布:西~中央アフリカ

チンパンジー

遺伝子解析からおよそ500万年前に人間と分かれたとされ、今いる動物の中では最も人間に近い。
脳も人間に近いようで、言葉を理解し手話が使えるという話もあります。
ただ、喉や口の構造から人間のように言葉を話すことはできないようです。

ヒト Homo sapiens

ヒト亜科 ヒト族 ヒト亜族 ヒト属
分布:地球~近縁宙域

営業中の天王寺動物園にもっともたくさんいる霊長類。
このようにサルととても近い動物。
というか、完全にサルの一部です。

 哺乳類が登場したのは三畳紀で恐竜とほとんどかわりませんが、霊長類が登場したのは白亜紀末ごろ。
 人間につながる直鼻亜目は恐竜が滅亡してから。
 そこから人間が登場するのに1億年もかかっていません。
 恐竜は誕生から1億年たっても、人間のように進化することはありませんでした。

 でも、薄い酸素に対応したり、陸上で巨大化したり、色も4原色を感じることができたりとどれも霊長類以上の能力。
 どう考えても優れているのは恐竜の方。
 優れているという意味を持つ、「“霊”長類」に違和感があります。
 脳の発達という点では、確かに優れているかもしれませんが。

 体が優れた恐竜と、脳が優れた霊長類の差。
 いろいろな理由が考えられますが、基本的には、原始的な段階で、恐竜は身体機能を発達させる素地を、霊長類は脳を発達させる素地を整えていたのかもしれません。
 つまり、恐竜が1億年かけても人間にならなかったように、霊長類は1億年かけても恐竜のように体を発達させて多様化はできないような気がします。
 やっぱり「霊長類」という呼び名は、ふさわしいとは思えません。

■参考外部リンク■
天王寺動物園HOMEPAGE


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タグ: フクロテナガザルチンパンジー天王寺動物園ヒト科

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春のななくさは 七種類の草で無病息災

 今日、1月7日は七草粥の日。
 テレビではまるで呪文のように唱えています。

 お正月も一区切り。
 一年の普通の日々がはじまります。
 そんな日に7種類の植物を入れたおかゆを食べて、一年の無病息災を願います。

お正月モードの河内の里の里の家

 「七種(ななくさ)」とも「七草」とも書かれる7種類の植物は、次のように歌われます。

せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ
これぞななくさ

 錦織公園の河内の里では、毎年年末から年始にかけて春の七種が展示されています。

芹 せり

スーパーで売っている野菜ですが、雑草としても生えます。
水辺を好むので、田んぼの畦や水路などでみかけることがります。
タグ:セリ

薺 なずな

別名「ぺんぺんぐさ」。
ハート型の実が特徴。
道端にも生える雑草。
タグ:ナズナ

御形 ごぎょう(ハハコグサ)

「おぎょう」とも。
花弁のない花と短い毛が生えた葉が特徴。
タグ:ハハコグサ

繁縷 はこべら(コハコベ)

茎が緑色は外来種のミドリハコベ
メシベの先が5つに分かれていたらウシハコベ
タグ:コハコベ

仏の座 ほとけのざ(コオニタビラコ)

「ホトケノザ」という植物がありますが、そちらはシソ科の雑草で、普通食べません。
湿り気があって日の当たる場所が好きな雑草。
田んぼのまわりでみかけます。
タグ:コオニタビラコ

菘 すずな(カブ)

外来種の野菜。
自生はできないようで、見かけるのは畑の中。
タグ:カブ

蘿蔔 すずしろ(ダイコン)

身近な野菜のダイコン。
こちらも外来種の野菜で、野生化しているのは見かけません。
タグ:ダイコン

 七種のうち、4種類は雑草。
 1種類はスーパーで売っていますが、雑草としても見かけます。
 野菜は2種類だけ。
 たしかに縁起をかつぐための食べ物のようです。

■参考外部リンク■
錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園

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タグ: 春の七種セリナズナハハコグサコハコベコオニタビラコカブダイコン山菜春の七草

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いきなりしつもん。どっちが麦?

いきなり質問です。どっちが麦でしょう?


 「麦(むぎ)」はイネ科のオオムギ属・コムギ属・ライムギ属などの植物の総称で、食べ物になる種類を多く含みます。
 身近なムギはパン屋ケーキの材料になるコムギ、麦茶になるオオムギなどがあります。

 茎の先にたくさんのヒゲ(禾(のぎ))の生えた実をつけ、イネ科らしい姿をしています。
 どちらも禾があってイネ科らしい姿をしていますが、ムギは片方だけ。

 実は右の画像は上下を逆さまにしています。
 本来はこちらになります。

 つまり、左は実が熟してもまっすぐのまま。
 右は熟すと垂れてくるもの。

 今回のヒントはここまで。

こたえは 左が 麦です。

 ひし形の実がたくさんつき、まっすぐ伸びた禾(のぎ)がたくさん生え、デザイン化されたムギの姿そのもの。
 これはオオムギ。
 コムギはもうちょっとやさしい感じになります。

いきなり次の質問です。右の画像の植物は何でしょう。

こたえは イネです。

 つまり、お米のこと。
 でも、「ちょっとおかしい」と思った人も少なく無いでしょう。
 お米を包んでいる籾(もみ)には、こんなに長い禾はありません。
 イネに似た、なにかちがうイネ科植物のようです。

 ところが、これはイネです。
 ただし、普通に田んぼに植えられているイネではありません。
 一般に「古代米」と言われるイネ。
 その中で「赤米」と言う種類です。

 赤米はお米が赤い種類。
 普通、籾は赤くありません。
 赤いのもお米の表面だけ、中は普通のお米と同じです。


禾がない「普通のイネ」糯米(もちごめ)

 上に書いたようにイネ科の特徴は禾(のぎ)があること。
 赤米は、昔の稲の姿、本来の稲の姿を残しているのです。
 実は田んぼに植えられている普通の稲のほうが変わった形なのです。

 今回も錦織公園の河内の里の植物です。
 オオムギは6月、赤米は9月、糯米は10月の様子です。

■参考外部リンク■
錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園

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タグ: いきなり質問オオムギ赤米糯米野菜錦織公園

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