里山で見つけたちっちゃな赤いダンゴムシは、実はトビムシ
里山で変形菌を見つけた時、となりに赤い小さなダンゴムシを見つけました。
いや、ダンゴムシというには、赤すぎます。
それになかゴツゴツしています。
かなり変です。
この小さな虫は、ダンゴムシではなくアカイボトビムシの仲間。
トビムシです。

一緒に写ってるコケと比べてもすごく小さい!アカイボトビムシ
トビムシは脚が6本ある節足動物門六脚亜門の虫。
昆虫と同じです。
しかし、「昆虫」ではありません。
え?!
「昆虫」は六脚亜門の昆虫綱の虫のこと。
トビムシは六脚亜門の内顎綱。
見ての通り昆虫のとなりの生物です。

ヘンな色のダンゴムシ?
昆虫というと、成虫になると翅を持つのが特徴です。
翅を持たない昆虫もいますが、それは翅が退化したもの。
トビムシは脚が6本ですが翅がないので昆虫ではない!
と思いますが、実は昆虫のシミも翅がないので、翅の有無ではないようです。
ヒントは「内額綱」。
昆虫の仲間は口の周りに脚が変化した「顎」などがありますが、それが頭部に「入って」いるのです。
「顎」が内にあるから「内顎綱」。

ダンゴムシよりも柔軟そうな体のアカイボトビムシ
翅を持たないので原始的な昆虫、のように感じますが、そうではなく昆虫とは別に進化してきた生き物のようです。
でも今の内顎綱はたった3目。
昆虫は小さいのも含めると20目ほど。
種の数は比べようがないほどの差があります。
それだけ昆虫のほうが生き物として優れているような気もします。
でも、トビムシは小さくて見えないだけで、そこら中に様々な種類が星の数ほどいます。
昆虫たちとニッチの奪い合いをして今まで生き残っているのですから、トビムシも結構したたかな生き物にちがいありません。

タグ: アカイボトビムシ トビムシ 内顎綱 土壌生物 節足動物

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