【 2015年07月】

[カテゴリ リスト] 【表示記事リスト】
ビオトープ
┃《ビオトープとは
山・森・里山
川・湖・池
海岸・干潟・海
公園・緑地・田畑
都市
野鳥・鳥
モズ
哺乳類
爬虫類・両生類
恐竜と化石爬虫類

節足動物
甲虫
昆虫(甲虫以外)
甲殻類
虫(節足動物以外)
その他の海の動物
草花
野菜・食用作物
お茶
樹木
花木
紅葉・黄葉・褐葉
果物・実
コケ・シダ
その他植物について
微生物・菌類・細菌 等
地衣類
博物館・植物園・催事 等
季節
本・DVD・物語・伝承
架空・神話・創作
語彙集
フィールドワーク
リンク
ブログのご利用について


〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

里山で見つけたちっちゃな赤いダンゴムシは、実はトビムシ

 里山で変形菌を見つけた時、となりに赤い小さなダンゴムシを見つけました。
 いや、ダンゴムシというには、赤すぎます。

この記事にはの画像があります。


 それになかゴツゴツしています。
 かなり変です。

 この小さな虫は、ダンゴムシではなくアカイボトビムシの仲間。
 トビムシです。


一緒に写ってるコケと比べてもすごく小さい!アカイボトビムシ

 トビムシは脚が6本ある節足動物門六脚亜門の虫。
 昆虫と同じです。
 しかし、「昆虫」ではありません。
 え?!

 「昆虫」は六脚亜門の昆虫綱の虫のこと。
 トビムシは六脚亜門の内顎綱。
 見ての通り昆虫のとなりの生物です。


ヘンな色のダンゴムシ?

 昆虫というと、成虫になると翅を持つのが特徴です。
 翅を持たない昆虫もいますが、それは翅が退化したもの。
 トビムシは脚が6本ですが翅がないので昆虫ではない!
 と思いますが、実は昆虫のシミも翅がないので、翅の有無ではないようです。

 ヒントは「内額綱」。
 昆虫の仲間は口の周りに脚が変化した「顎」などがありますが、それが頭部に「入って」いるのです。
 「顎」が内にあるから「内顎綱」。


ダンゴムシよりも柔軟そうな体のアカイボトビムシ

 翅を持たないので原始的な昆虫、のように感じますが、そうではなく昆虫とは別に進化してきた生き物のようです。
 でも今の内顎綱はたった3目。
 昆虫は小さいのも含めると20目ほど。
 種の数は比べようがないほどの差があります。

 それだけ昆虫のほうが生き物として優れているような気もします。
 でも、トビムシは小さくて見えないだけで、そこら中に様々な種類が星の数ほどいます。
 昆虫たちとニッチの奪い合いをして今まで生き残っているのですから、トビムシも結構したたかな生き物にちがいありません。

タグ♦ 節足動物

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: アカイボトビムシトビムシ内顎綱土壌生物節足動物

関連記事
スポンサーサイト



theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

特別展「たまごとたね -いのちのはじまりと不思議-」は鳥の卵がものすご~くいっぱい!〈大阪市立自然史博物館〉

 新しい生命のはじまりとなるタマゴとタネをくらべてみようという企画です。
 もちろん、展示はタマゴとタネが中心。
 そのなかで目をひくのが、鳥のタマゴ。
 剥製や巣の標本と一緒に並べられています。
 形はほとんどがタマゴ型ですが、大きさや模様には色々なバリエーションがあります。

◆「たまごとたね -いのちのはじまりと不思議-」の記事をまとめてみる
 【知っているのに知らないタマゴとタネがいっぱい!】


会場までまだまだあるぞ!

 タマゴを見比べてみると、白などの模様のないタマゴと、模様があるタマゴに分けられます。
 タマゴの特徴は、動かないことと栄養豊富なこと。
 つまり、お腹がすいている生き物に狙われる、ということ。
 それで、まわりのものに紛れるように模様がついている、つまり保護色や擬態というわけです。
 石や土の上、枝の上など上から見えるタマゴは、模様がついているのです。
 会場では巣が作られる場所も再現されています。


河原などの礫地に巣をつくるイカルチドリのタマゴは模様付き


砂浜などに巣をつくるコアジサシのタマゴは模様付き


河原などの砂地に巣をつくるシロチドリのタマゴは河原迷彩

 ということは、模様のないタマゴは見えない所、たとえば洞窟とか穴の中に巣がある鳥のタマゴということになります。
 木の上に巣をつくるハトのタマゴも白いのですが、一日中親鳥が温めているのでタマゴが見えないからだとか。


山の森のなかに巣をつくるヤマドリのタマゴは白


常に親が卵を温めてるキジバトのタマゴは白


土手に穴を掘って巣をつくるカワセミもヤマセミもタマゴは白

 タマゴの特徴は、展示によると、自由に動き回れる動物が自由に動き回れない時。
 もちろん、動物の多様性は植物以上で、一部の海洋生物などは、タマゴの状態で世界周遊をしたりしますが、身近な動物のタマゴは、普通動きません。
 つまり、動物が最も弱い状態がタマゴ、とも言えます。
 それをいかに守るか。
 鳥たちの戦術の一端がタマゴと巣から見えてきます。

タグ♦ たまごとたね -いのちのはじまりと不思議- 大阪市立自然史博物館

■参考外部リンク■
第46回特別展 たまごとたね -いのちのはじまりとふしぎ-|大阪市立自然史博物館
ようこそ大阪市立自然史博物館へ


››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: たまごとたね大阪市立自然史博物館タマゴイカルチドリコアジサシシロチドリヤマドリカワセミヤマセミ46th-tamagototane

関連記事

theme : 博物学・自然・生き物
genre : 学問・文化・芸術

下赤阪の棚田の2015年 7月中旬の赤紫~紫~青紫・緑色の花・その他植物・地衣類編

 久しぶりに地衣類が登場する下赤阪の棚田ビオトープ。
 藻類と共生したカビ。
 でも、自分で栄養をつくる植物みたいな生き方をしています。


だんだんになっている下赤阪の棚田

植物界
赤紫色の花
被子植物門 双子葉植物綱
コマツナギ(駒繋)
Indigofera
pseudotinctoria
マメ目
マメ科
コマツナギ属
落葉小低木
タグ:コマツナギ
ホトケノザ(仏の座)
Lamium amplexicaule
シソ目
シソ科
オドリコソウ属
越年草
タグ:ホトケノザ
ノアザミ(野薊)
Cirsium japonicum
キク目
キク科
アザミ属
多年草
タグ:ノアザミ
ムラサキカタバミ
(紫片喰)
Oxalis corymbosa
フウロソウ目
カタバミ科
カタバミ属
多年草
南アメリカ原産の帰化植物
要注意外来生物
タグ:ムラサキカタバミ
被子植物門 双子葉植物綱
赤紫色の花
植物界
紫色の花
被子植物門 双子葉植物綱
トキワハゼ(常磐爆)
Mazus pumilus
シソ目
ハエドクソウ科
サギゴケ属
一年草
タグ:トキワハゼ
アジサイ(紫陽花)
Hydrangea macrophylla
var. macrophylla
ミズキ目
アジサイ科
アジサイ属
落葉低木
タグ:アジサイ
被子植物門 双子葉植物綱
紫色の花
植物界
青紫色の花
被子植物門 双子葉植物綱
ヨメナ(嫁菜)Aster yomena
キク目 キク科 シオン属
多年草
タグ:ヨメナ
光のいたずらか、花弁のほのかに青い色がそれなりに再現できています。

色も形もノコンギクに似ていますが、ノコンギクが咲くのはもうちょっと先。

葉ももっと小さい鋸歯が並んでいますので、これはヨメナ。だと思います。
被子植物門 双子葉植物綱
青紫色の花
植物界
緑色の花
被子植物門 単子葉植物綱
オニドコロ(鬼野老)Dioscorea tokoro の雄花
ユリ目 ヤマノイモ科 ヤマノイモ属
蔓性多年草
タグ:オニドコロ
左は雄花。直立します。

右は雌花。花序は垂れますが、花は上を向きます。

ヤマノイモと見た目も生えているところも似ています。

でも、落ち着いてみれば、結構ちがうところがあります。

その一つは、葉の広さ。

幅が広くてハート型になっているのがオニドコロ。
幅が狭くて矢尻型になっているのがヤマノイモ。
被子植物門 単子葉植物綱
緑色の花
植物界
植物界
その他植物
被子植物門 単子葉植物綱
イネ(稲,稻,禾)Oryza sativa
イネ目 イネ科 イネ属
多年草(日本では一年草的栽培)
インドから中国南部原産と言われる食用作物
タグ:イネ
棚田の主役。

6月上旬に来た時にはまだ田植えがされていなかった田んぼですが、もうこんなに大きくなっています。
アオウキクサ(青浮草)
Lemna aoukikusa
オモダカ目
サトイモ科
アオウキクサ属
多年草
タグ:アオウキクサ
被子植物門 単子葉綱
その他植物
シダ植物門
ワラビ(蕨)Pteridium aquilinum
シダ綱 ウラボシ目 コバノイシカグマ科 ワラビ属
夏緑性
タグ:ワラビ
山菜のワラビです。

成長するとこんな感じ。

日当たりのいい草地によく生えます。
ですから棚田の周りはワラビにとっていいところです。
スギナ(杉菜)
Equisetum arvense
トクサ綱
トクサ目
トクサ科
トクサ属
夏緑性
タグ:スギナ
シダ植物門
その他植物
植物界
菌界
地衣類
子嚢菌門 チャシブゴケ菌綱
ツブダイダイゴケ(粒橙苔)Caloplaca flavovirescens
ダイダイキノリ目 ダイダイキノリ科 ダイダイゴケ属
痂状地衣類
別名:カロプラーカ・フラボヴィレスケンス
コンクリートにオレンジ色のシミみたいなのがついていたら、このダイダイゴケかも。

もともと岩場に着く地衣類ですが、コンクリートも大好きなようです。

これもコンクリートの上です。
子嚢菌門 チャシブゴケ菌綱
地衣類
菌界

 おなじみの花がたくさん出てきましたが、ちょっと視点を変えると、まだまだおもしろいいきものと出会うことができます。

■参考外部リンク■
下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会


››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 下赤阪の棚田2015下赤阪の棚田2015/077月の下赤阪の棚田の植物オニドコロイネワラビツブダイダイゴケヨメナシダ/SA-tanada地衣類/SA-tanada

関連記事

theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

アシボソノボリリュウタケはやっぱり子嚢菌のチャワンタケの仲間だった!

 この前紹介したアシボソノボリリュウタケ
 子嚢菌ですが、柄があってつぶれた傘みたいになって担子菌(キノコ型のキノコ)みたい。


この前のアシボソノボリリュウタケ

 でも、傘の裏に胞子をつける担子菌にたいして、ノボリリュウタケの仲間は「傘の表面」に胞子をつけます。

 この前と同じ里山のちがう場所で、どうやら成長途中のアシボソノボリリュウタケと出会いました。


成長途中のアシボソノボリリュウタケ

 ちょうど傘のような子嚢盤が開きかけたよう。
 これが反り返ると、この前のアシボソノボリリュウタケ。

 アシボソノボリリュウタケはチャワンタケ目。
 チャワンタケは、名前のようにお茶碗みたいなキノコ。
 この前の状態では、チャワンタケよりも担子菌みたいでした。
 が、今回は、足がついたチャワンタケ。
 上から見ると立派なチャワンタケ。


上から見たら確かにチャワンタケの仲間っぽい

 なっとくです。


横から見るとたくさんの小さな毛に覆われています

 ところで、もしかしたクロアシボソノボリリュウタケでは? と思う今日このごろです。

タグ♦ アシボソノボリリュウタケ 子嚢菌

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: アシボソノボリリュウタケ子嚢菌チャワンタケキノコ

関連記事

theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

特別展「たまごとたね -いのちのはじまりと不思議-」は知っているのに知らないタマゴとタネがいっぱい!〈大阪市立自然史博物館〉

 大阪市立自然史博物館の夏の特別展「たまごとたね -いのちのはじまりと不思議-」がはじまりました。

 多くの動植物の「はじまり」になるタマゴとタネを比べています。

 動きまわることができる動物と、動くことができない植物。

 昔からちがう生き物と考えられてきました。

 でも、そのはじまりのタマゴとタネは、なんとなく似ているような気もします。

 果たして、タマゴとタネは似ているのでしょうか。


内覧会だったので「予告」付きの看板

 まず、入り口にとんでもなく大きな葉。

 人間よりも、ずっとずっと大きい葉。

 タネの特別展なのに、一番目立つところに葉?

 これは世界一大きなタネと言われるフタゴヤシの葉。

 長さ60センチ、重さ20キロにもなる大きなタネ。

 もちろん、たったひとつのタネの大きさです。

 葉が大きいのも納得できます。


でかい!フタゴヤシの葉

 動物や植物の展示は決して珍しくはありませんが、タマゴやタネがこんなに並ぶことは、そうあることではないでしょう。

 珍しい生き物はもちろん、身近な生き物でもタマゴやタネを目にする機会は意外となかったりします。

 そんな身近な生き物、野鳥のタマゴが本当にたくさん並んでいます。

 コチドリにコアジサシ、オオタカやトビびやハチクマのようなあまり身近にいない鳥から、メジロにキジバトにハシボソガラスのような身近な鳥まで。

 毎日のように見かける鳥でも、タマゴは見たことがなかったります。

 こんなで形こんな模様だったのです!


鳥はよく見てもタマゴははじめてのカラス

 珍しいタネだってあります。

 先が曲がった太いトゲが何本も飛び出た武器のようなタネ。

 大きさは10センチほど。

 その名も「ライオンゴロシ」。

 体にひっついた実をとろうとくわえたら最後、口に刺さって取れなくなり、エサが食べられなくなったライオンついには餓死してしまう。

 という伝説を持つ世界最大級のひっつき虫。

 たしかに伝説を真実と思わせるほど、ひっつき虫の限界を超えた大きさと形をしています。


確かにライオンを殺しそうな凶悪な実

 標本だけでなく、生きている状態の生体展示もあります。

 タマゴとタネ展らしくニホンイシガメ、クサガメ、ニホンヤモリのタマゴの生体展示?

 会期中に孵化するのでしょうか。


親つき?のニホンヤモリのタマゴ

 そして大きさ対決。

 最大のタマゴはダチョウ。

 最大のタネは入り口にもあったフタゴヤシ。

 並べてみると圧倒的な差でフタゴヤシの勝ち!

 なにしろ、葉1枚がダチョウよりずっと大きいのですから、しかたありません。

左のケースで一番大きいのがダチョウのタマゴ
右のケースで一番大きいのがフタゴヤシのタネ
※画像スライドできます ⇒⇒

 それなら、タマゴを産む最大の生き物、恐竜はどうでしょう。

 ちょっと離れたところに恐竜のタマゴがあります。

 全長30メートルに達することもある、恐竜の中でも最大級のティタノサウルス類のものと思われるタマゴの化石です。

 それならタマゴが勝てるかも?

 と思ったのですが、実は、恐竜は小さく生んで大きく育てる型の生き物。

 ティタノサウスル類の場合、タマゴから大人になると重さでなんと1750倍になるのです!

 人間にたとえると、3000グラムの赤ちゃんが、大人になったら50トンになるということ。

 50トンというと、自然史博物館入口にいるナガスクジラのナガスケが生きていた時より重いのです!

 やっぱりタマゴはタネに勝てないのでしょうか。

 9月には最大のタマゴと言われる絶滅鳥類のエピオルニスのタマゴがやってくるそうなので、タネに一矢報いることができるかもしれません?!


体の割に意外と小さい恐竜のタマゴ

 と、いろいろなありとあらゆるタマゴとタネが集められています。

 体の半分くらいありそうなキウイのタマゴと剥製。

 哺乳類なのにタマゴを産むカモノハシのタマゴと剥製。

 そして、身近な食べ物なのにおそらく見たことがある人はほとどいないじゃないかなと思うパイナップルのタネ。

 本当に、紹介しきれないほどたくさんのタマゴとタネが展示されています。


今度食べるときは確認しようと思うパイナップルのタネ

 見たことも聞いたこともないめずらしいタマゴとタネから、よく知っている生き物のタマゴとタネまで。

 初めて見るタマゴとタネばかりでした。

 タマゴとタネは大きな役割と見た目はなんとなく似ているように思いますが、やっぱり動物と植物ほどの隔たりがるように感じました。

 実際どうなのかは、ぜひ博物館で確認して下さい。

タグ♦ 大阪市立自然史博物館

■参考外部リンク■
第46回特別展 たまごとたね 〜いのちのはじまりとふしぎ〜|大阪市立自然史博物館
ようこそ大阪市立自然史博物館へ


››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: たまごとたね大阪市立自然史博物館タマゴタネフタゴヤシカラスライオンゴロシニホンヤモリパイナップル46th-tamagototane

関連記事

theme : 博物学・自然・生き物
genre : 学問・文化・芸術

2015年のプランター稲ビオトープです。いつもならがむずかしいです。

 今年もプランター稲が始まりました。

 ということで、自動的にプランター稲ビオトープもはじまりました。

 稲を育てるプランターで、カブトエビなどの田んぼの小さい生き物も一緒に育てる。

 カブトエビやカイエビ、ホウネンエビなどをプランター稲やバケツ稲と一緒に育てて、翌年、産んでいるはずの卵から育ててみようという、小さなビオトープ。

 今まで数度挑戦しましたが、水を入れて1ヶ月も立たずカブトエビなどが全滅してしまいます。

 カブトエビは水質の変化に敏感な生き物。

 たとえば、肥料がたくさん溶けると富栄養化して、カブトエビにとってはいい環境ではなくなってしまいます。

 なんとなく心当たりがあります。

 ということで、今年は肥料の量をいつもの4分の1に減らし、底の方に入れました。

 これで、肥料が水に一度に大量に溶けることを防ぐことができるでしょう。


生まれたてのカブトエビ
中心の小さなピンク色のナスビみたいなもの

 5月。

 ちょっと遅目の入水。
 気温も高かったのか、数時間後には大量に孵化が始まります。

 みんな小さいので孵化したてではどの生き物かわかりませんが、カブトエビだけは大きいのでわかります。

 小さな甲殻類たちの成長は早く、数日で小さいながらも親と同じ形になり、種類がわかるようになります。

 一番多いのはカイエビのようで、カブトエビはとても少なく、確認できたのはわずか数匹。


大人と同じ形になったホウネンエビ

 そんな甲殻類が大きくなるにつれ、徐々に数が減っていきます。

 理由はいくつかあるでしょうが、一つはカブトエビ。

 なんでも食べる雑食のカブトエビは、卵自体がほかの甲殻類のよりも大きく、もちろん孵化してからも飛び抜けた大きさ。

 そして獰猛。


小さくても獰猛なカブトエビ

 気がつけば大きくなったカブトエビが1匹。

 ほかのカブトエビも、カイエビも、ホウネンエビもいなくなっていました。

 全てではないでしょうが、カブトエビが食べたのでしょう。

 生き残ったのは、小さくてカブトエビもあまり食べないカイミジンコだけ。


小さいけど結構しぶといカイミジンコ

 そのカブトエビも1ヶ月たたずに死んでしまいました。

 今はカブトエビがいなくなってやたら増えた数種類のカイミジンコと、カブトエビがいなくなってから奇跡的に見つかったホウネンエビだけ。

 ということは、水質はそれほど悪くないのかもしれません。

 やはりプランターという小さな入れ物で、田んぼの真似をするのはむずかしい、ということなのでしょう。

 それでも挑戦します!

タグ♦ プランター稲ビオトープ プランター稲

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: プランター稲ビオトーププランター稲バケツ稲カブトエビホウネンエビカイミジンコビオトーププランター稲の入水

関連記事

theme : 博物学・自然・生き物
genre : 学問・文化・芸術

理由はよくわからないけれど色がかわいい変形菌

森のふしぎな生きもの 変形菌ずかん

新品価格
¥1,728から
(2015/7/12 21:45時点)

 梅雨時の里山で出会える変わった生き物、変形菌。

 アメーバのように食べ物を求めて動きまわり、単細胞だけど時には10センチをこえるものすごく大きく、カビやキノコみたいになって胞子で増える。

 ほんとうに変な生き物です。

 そして、どうしてそんな必要があるのかわからないほどカラフル。

 黄色い変形菌はこの前紹介しました。

 今度はオレンジの変形菌。

 まずは、まんまるのかわいいマメホコリ。

 この前は動きまわる変形体でしたが、今回は胞子をつくる子実体。

 キノコのようなものです。


 でもこれは胞子を作っている最中のもの。

 胞子が完成するとこげ茶色になって、かわいくなくなります。

 次はクダホコリ。

 こちらも胞子を作っている最中の子実体。


 胞子ができるとやっぱり茶色になってしまいます。

 どちらの変形菌もきれいな色で現れるのは、わずかな間だけ。

 里山で朽ちかけた切り株を見つけたら、そこにいるかもしれません。

タグ♦ 変形菌

粘菌―驚くべき生命力の謎

新品価格
¥3,780から
(2015/7/12 21:49時点)

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: マメホコリクダホコリ変形菌粘菌

関連記事

theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

下赤阪の棚田の2015年 6月上旬の昆虫編

 6月上旬の下赤阪の棚田ビオトープ。

 田植えが始まったところなので、ムシはまわりの雑草野草を食べるものがたくさんいました。

この記事にはの画像があります。



空の雲が映った6月上旬の下赤阪の棚田

動物界
節足動物門 昆虫綱 新翅節
外翅上目
カメムシ目
ナガメ(菜亀)Eurydema rugosa の幼虫
カメムシ目 カメムシ科 Eurydema属
菜の花につくカメムシが名前の由来。

食べるのはアブラナ科の植物。

タネツケバナやナズナのような野草から、ダイコンやハクサイのような野菜も食べるので、害虫扱いされることもあります。

カメムシっぽくないコロコロした感じですが、成虫になるとカメムシっぽくなります。
ホシハラビロヘリカメムシHomoeocerus unipunctatus
カメムシ目 ヘリカメムシ科 Homoeocerus属
ちょっと細めなので肉食のサシガメのようですが、カメムシ。

似たようなカメムシがいくつもいますが、前翅の黒い点点が特徴。

マルカメムシと同じようにクズが好きなようです。
ヒメアメンボ(姫水黽)
Gerris lacustris latiabdominis
カメムシ目 アメンボ科 Gerris属
名前のようにちょっと小さめのアメンボ。

小さい以外は普通のアメンボによく似ています。

幼虫じゃない証拠にちゃんと翅があります。
カメムシ目
外翅上目
動物界 節足動物門 昆虫綱 新翅節
内翅上目
甲虫目
マルガタゴミムシAmara chalcites
甲虫目 オサムシ科 Amara属
里山のゴミ虫。

ゴミムシの仲間は前胸と羽の間にくびれがあり細長い体ですが、名前の通りくびれがない丸い体。
マメコガネ(豆黄金)
Popillia japonica
甲虫目
コガネムシ科
マメコガネ属
タグ:マメコガネ
甲虫目
動物界 節足動物門 昆虫綱 新翅節 内翅上目
ハエ目
ニッポンクロハナアブ(日本黒花虻)?
Cheilosia japonica
ハエ目 ハナアブ科 クロハナアブ属
黒くて肉食っぽい雰囲気ですが、ハナアブですので食べ物は花の蜜や花粉。

ほかのアブの可能性もありますが、花にいたので花アブはまちがいないと思います。

ニッポンクロハナアブなら日本固有種です。
ハエ目
動物界 節足動物門 昆虫綱 新翅節 内翅上目
チョウ目
クスサン(樟蚕,楠蚕)
Saturnia japonica の幼虫
チョウ目
ヤママユガ科
Saturnia属
タグ:クスサン

本州最大級のガの幼虫。

もちろん幼虫も最大級ですが、これはまだ「最大」まで成長していないようです。

終齢幼虫の大きさは10センチほど。
チャバネセセリ(茶羽挵)
Pelopidas mathias
チョウ目
セセリチョウ科
チャバネセセリ属
タグ:チャバネセセリ
モンシロチョウ(紋白蝶)
のメス
Pieris rapae
チョウ目
シロチョウ科
モンシロチョウ属
タグ:モンシロチョウ
ルリシジミ(瑠璃小灰蝶)
Celastrina argiolus
チョウ目
シジミチョウ科
ルリシジミ属
タグ:ルリシジミ
チョウ目
動物界 節足動物門 昆虫綱 新翅節 内翅上目
ハチ目
カブラハバチ(蕪葉蜂)Athalia rosae の幼虫
ハチ目 ハバチ科 Athalia属
蝶や蛾の幼虫の芋虫に見えますが、ハチの幼虫。

なんかミツバチとかの幼虫とは大分雰囲気がちがいますが、葉を食べるハバチの幼虫はイモムシ型。

小さめのまるい頭とつや消し風のぷにぷにの体はハバチの幼虫の特徴。

黒い体でアブラナ科の植物を食べますので幼虫の別名は「ナノクロムシ」。
イヌガラシを食べていました。
ハチ目
内翅上目
節足動物門 昆虫綱 新翅節
動物界

 稲が育っていなくても、いろんな虫たちがいるのも、緑が豊富な棚田ならでは。

 でも、稲がどんどん育ってくると、バッタの仲間も増えてくるでしょう。

 稲大丈夫かな。

 カマキリや鳥たちがいるから大丈夫?

タグ♦ 下赤阪の棚田の昆虫 下赤阪の棚田の2015年

■参考外部リンク■
下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会


››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 下赤阪の棚田2015下赤阪の棚田2015/066月の下赤阪の棚田の動物ナガメホシハラビロヘリカメムシマルガタゴミムシニッポンクロハナアブカブラハバチクスサンチョウ目/SA-tanada

関連記事

theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

変形菌の変形体と出会ったら、時間をあけて見てみましょう。動いています。

 変形菌。

 粘菌とも呼ばれるちょっとかわった生き物。

 「変形体」と呼ばれる細かく枝分かれしたスライムのような状態と、「子実体」と呼ばれる胞子を飛ばすためのカビのような状態があります。

 そして、動きます。

 と言っても、見てわかるほど早くはありません。

 筋肉ではなく細胞の中にある原形質を移動させながら細胞の形を変えて、移動します。
 ですから早く動くことができません。

 しかし、ちょっと時間をあけてから見ると、明らかに動いています。

 里山で出会った変形菌。

 おそらくススホコリかモジホコリなどのモジホコリ科。


 拡大してみると変形体が立体的な感じがするのでムシホコリでしょうか。


 ともあれ、変形体を発見したので、時間をあけてみてみましょう。


 そして1時間半後。


 ほら、動いていたでしょう。

 というか、木の中から湧きだしたような感じ。

 変形菌は朽木の中などで休んでいて、条件が良くなるとで出てくることもあります。

 ということで、目覚めて動きはじめたところかもしれません。

 不思議な生き物変形菌は、わりと身近にいます。

 バクテリアを食べるので朽木や落ち葉が多いところに。

 湿気がすきなので、梅雨はいろいろな変形菌に出会える季節です。

タグ♦ 変形菌

日本変形菌類図鑑

新品価格
¥3,984から
(2015/7/9 22:38時点)

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: ムシホコリススホコリモジホコリ変形菌粘菌

関連記事

theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

梅雨の里山で出会っただれかがはさんでつぶしたようなヘンなキノコ?

 梅雨の里山を歩いていると、遊歩道の法面(のりめん)から変な物体が生えていました。

 高さは10センチくらい。

 細い柄の先に何かがついているのでキノコのよう。

 しかし傘を左右からはさんで潰してグニャッとしたような感じの変なキノコです。


 これはノボリリュウタケ科のキノコ。

 多分アシボソノボリリュウタケ。

 子嚢菌(しのうきん)門チャワンタケ目。

 グニャッとした形が普通の形。


 子嚢菌はキノコ以外にもいろいろな形がある菌類です。

 キノコでは、傘が無いキノコっぽくないものがいくつもあります。

 アシボソノボリリュウタケが潰れたキノコっぽいのもうなづけます。

 むしろ子嚢菌の中ではキノコっぽいほうかもしれません。


 里山でキノコがたくさん見られる季節も残りわずか。

 おもしろいキノコにもっと出会えれば、うれしいですね。

タグ♦ キノコ 子嚢菌

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: アシボソノボリリュウタケキノコ子嚢菌梅雨のキノコ

関連記事

theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

二十四節気・七十二候
プロフィール

ノート

Author:ノート
都会の植え込みから自然あふれる山まで。
フィールドワーカーのノートが生き物たちとの出会いを書いています。

検索フォーム
カレンダー
06 | 2015/07 | 08
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
最新記事
月別アーカイブ
最新コメント
リンク
BLOG & NEWS | 動物プロダクション SCIENCE FACTORY ltd.
けろんの100円で昆虫採集!
相生山からのメッセージ
ななこの『生き物のお世話』ブログ
雑記帳~身の回りの出来事やら自然やら~
とある昆虫研究者のメモ
ACTOW
徳川広和・恐竜・古生物・模型・フィギュア作品ギャラリー
コトラ&ミーのこんにちは ご近所さん
すみれ奏へようこそ
そぞろ歩き
デジカメ・昆虫・写真
くろねこのチラシの裏
どくだみ荘日乗
故郷の廃家
とらログ
ようこそ大阪市立自然史博物館へ
インターネットミュージアム
いきもの を ぱちり!
管理画面
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
最近記事のRSS
最新コメントのRSS
最新トラックバックのRSS