春の里山の匂いを発するちっちゃな花 ヒサカキ
春は花の季節。
寒い冬を耐えて、暖かくなると一斉に花が咲き始めます。
寒さに耐えていたロゼット状態から一気に花柄を伸ばして花を咲かせる草もありますが、葉っぱの陰でひっそりと花を咲かせる常緑樹もあります。
そんな常緑照葉樹の一つが、ヒサカキ。
サカキの葉をちょっと小さくして、縁にギザギザをつけたような葉の植物です。
温帯の常緑樹林の定番で、大きな木々の下でも育つガマン系の樹木。
里山なんかでは、定番の樹木でしょう。

いかにも照葉樹っぽいヒサカキの葉
ヒサカキは雌雄異株(しゆういしゅ)。
雄花と雌花が別々の株で咲く植物。

これが雄花。
たくさんのオシベがあるので小さいながらも花っぽい。

これが雌花。
実になる子房(しぼう)が萼(がく)より上にある子房上位。
花の中に丸く見えるのが子房でしょうか。

ヒサカキの雄花はこんな大きさ。
5ミリもありません。
よくありそうな常緑樹の上に、小さい花なので里山を歩いていても見過ごしそうです。
でも、ヒサカキの花にはすごい特徴があります。
それは臭い。
香りではなく、臭い。
あるときは「都市ガス」といわれ、ある時は「たくあん」といわれます。
青臭いような、生臭いような、多くの人にとっては「いい香り」とは言い難いかもしれません。
桜が咲き始めるころの里山の臭いです。
春先、里山を歩いていてなんとも言えない臭がしてきたら、近くでヒサカキが咲いているかもしれません。


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