【 2014年08月】

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〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

きらきらタマムシは飛ぶのが苦手


 久しぶりに自然の中で動いているタマムシと出会いました。



 タマムシ、標準和名でヤマトタマムシはケヤキなどのニレ科の樹木の葉を食べます。

 ということで珍しい昆虫ではないようなのですが、見かけることはありません。

 昼間行動するのですが、木の上の方を飛び回る性質があるらしいので、見えるところにやってこないことが一番の原因かもしれません。



ヤマトタマムシ(大和玉虫)Chrysochroa fulgidissima
節足動物門 昆虫綱 コウチュウ目 タマムシ科 ルリタマムシ属

ヤマトタマムシ(大和玉虫)



 タマムシは甲虫の常で飛ぶのがあまり得意ではないようです。

 飛ぶ速度も遅く、小回りも効きません。

 ということで、ちょっと強引に立ち止まってもらいました。



擬死(死んだふり)中のヤマトタマムシ
擬死(死んだふり)中のヤマトタマムシ
一見普通のようですが触角も脚も折りたたまれています。




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タグ: ヤマトタマムシタマムシ昆虫擬死

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巨樹・古樹・老樹 その20 京都府立植物園の針葉樹林のレバノンスギ


 日本最古の公立植物園の京都府立植物園。

 歴史が古い植物園の見どころの一つが、巨木。

 日本の樹木はもちろん、植物園くらいでしか見られないような外国の樹木、それも大きい物を見ることができます。



 そういう樹木の一つが、レバノンスギ。

 植物園の北、池に囲まれたなからぎの森の東の針葉樹林のはずれにあります。

 中東の国、レバノン共和国から隣国シリア・アラブ共和国の高地原産の針葉樹。

 古代には一帯を覆っていましたが、建物や船をつくるのに使われ、現在はわずかに残るだけになってしまいました。



京都府立植物園の針葉樹林のレバノンスギ(2013年1月)
京都府立植物園の針葉樹林のレバノンスギ(2013年1月)




 レバノンスギは、裸子植物門 マツ綱 マツ目 マツ科 ヒマラヤスギ属。

 すでに紹介したヒマラヤスギと同じ属です。

 ということは、「スギ」ではなく「マツ」?

 そうです。
 分類を見ての通りれっきとした「マツ」。

 スギはマツ目ヒノキ科。

 「科」からちがうので、結構遠い植物です。



この角度で見ても「杉」よりも「松」
この角度で見ても「杉」よりも「松」




 マツとスギは見た目もちがう植物ですが、レバノンスギも近くから見るとスギじゃなくてマツ。
 どうして「マツ」が「スギ」になったのでしょうか。

 変な植物の名前の命名というと思い出すのが牧野博士ですが、これはちがうような気がします。

 よくわかりませんが、ヒマラヤスギと同じように、まっすぐ伸びた姿がスギのようにみえるから、でしょうか。

 謎です。



巨樹(大きな木)・古樹(樹齢の高い木)・老樹(年老いて見える木)」とはIWO(いきもの は おもしろい!)が以下の独自基準で選んだものです。
1.一般に「巨樹」「古樹」「老樹」と認知されている樹木
2.その場所や地域の中で見た目が「巨樹」「古樹」「老樹」を感じさせる樹木
3.見た目が小さくてもその種として「巨樹」「古樹」「老樹」な樹木
4.地域の自然を愛する組織や団体などが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木
5.その他IWOが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木




タグ♦ 巨樹・古樹・老樹 京都府立植物園

■参考外部リンク■
京都府立植物園/京都府ホームページ


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タグ: レバノンスギ巨樹・古樹・老樹京都府立植物園

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第45回特別展「ネコと見つける都市の自然」―大阪は緑が少ないかもしれないけれど、実は増えている!?―大阪市立自然史博物館


 今回の特別展の大テーマは「都市の自然」。

 日本語としては全然問題ないですが、具体的なイメージはちょっと持ちにくいかもしれません。

 でも、展示がそうなのです。

 大阪という都市の自然を様々な切り口で扱っています。

 いろいろな小さなテーマがあり、全体を一言で表すと、やっぱり「都市の自然」。



特別展おなじみの幟
特別展おなじみの幟




 ということで、今回は中でも大テーマそのもののような? 大阪の自然を。

 このブログでも取り上げましたが、「大阪はどうして緑が少ないのか」。

 「緑」というのも曖昧な表現ですが、「樹木」や「樹林」と考えました。

 緑が多いと言われる東京とくらべてみれば、わかりやすくなります。

 大阪と東京では基本的に地理的な状況がちがっています。




 東京はいわゆる「下町」を除いた多くが丘陵地帯にあります。

 もともと原野だったところで谷や崖、つまり斜面が多く、開発から取り残されたところ、緑が残ったところが多いのです。

 徳川家康が幕府を開く地に選んだのも、起伏が多く都市に向かないところが防衛に適していると考えたのかもしれません。



最近大阪市では見かけなくなったと言われるモズの標本
最近大阪市では見かけなくなったと言われるモズの標本




 そして大阪。

 大阪の市街地がある大阪平野は、何千年も前には海。
 生駒山麓で鯨の骨が見つかっています。

 そして湖になり、湿地になりました。

 そんなところに森は発達しません。

 樹木林はかろうじて上町台地の上にあるだけ。

 現在の市街地がある地面の多くは、江戸時代から続く埋め立てや地盤改良によって作られたものです。



海だった縄文時代のころの大阪のパネル
海だった縄文時代のころの大阪のパネル




 戦前ですら大阪は地下水位が高くて樹木を植えるのに適さないと言われていたそうです。

 現在の繁華街である梅田も「埋め田」が語源、難波と共に湿地で人が住んでいなかったので繁華街を作ることができた、とも言われます。

 そうです。

 元から樹木が多かった東京に対して、元から樹木が少なかったのが大阪。

 もちろんほかにも様々な理由がありますが、東京に緑が多いことに地理的な条件が関係していたのと同じように、大阪に緑が少ないのも地理的な条件が関係していたのです。



 ところが、今の大阪は緑が増えているようなのです。

 会場では、それを繁殖する鳥の種類の変化で示しています。

 鳥は種類によって住む環境が違ってきます。

 つまり、どういった種類の鳥が繁殖するかで、地域の環境が見えてくるのです。



南港野鳥園へ行けばたいてい会えるチョウゲンボウの標本
南港野鳥園へ行けばたいてい会えるチョウゲンボウの標本




 さすがに江戸時代の専門的な情報はありませんが、大正から昭和初期までは鳥類研究家などの情報が残されているので、それで比較できます。

 すると、東京は森林の鳥から山林の鳥に変わりつつも種類が減ってきています。

 大阪は種類が少なかったのが山林の鳥がわずかに増えてきて東京に近くなってきます。



 ということは。

 東京は緑が減っている。

 大阪は緑が増えている。

 かもしれない。



 大阪の歴史的景観や繁殖する鳥の変化などの資料は、ぜひ会場でご覧ください。



 緑が多い少ないという話が、視点を変えると新しい事実が見えてくるのが、「ネコと見つける都市の自然」です。



タグ♦ ネコと見つける都市の自然 大阪市立自然史博物館

■参考外部リンク■
第45回特別展 ネコと見つける 都市の自然 ?家の中から公園さんぽ?|大阪市立自然史博物館
ようこそ大阪市立自然史博物館へ


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タグ: ネコと見つける都市の自然環境大阪市立自然史博物館45th-toshinshizenビオトープ自然大阪東京都市の自然

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金剛山の着生ツツジと菌根菌はものすごい!


 役行者が開いたと言われる金剛山。

 一番高い葛木岳の山頂は神社の神域となっていて行くことができません。

 ということで、事実上の山頂になっているのが国見城址。

 そこと売店などの間にちょっと変わったツツジがあります。

 大きな木の途中から生えたツツジ。

 種類はおそらくヤマツツジ(山躑躅)。



金剛山の着生ツツジ
金剛山の着生ツツジ




 もちろん、はえているのはツツジではない大きな木。

 まるで寄生(きせい)しているようですが、ツツジは寄生植物ではありません。

 偶然木の幹のくぼみか何かに種が落ちで育った着生(ちゃくせい)でしょう。



着生ツツジの根本
着生ツツジの根本




 「寄生」と「着生」はよく似ていますが、本質はまったくちがいます。

 他の生き物から水や栄養を盗んだり、直接食べたりするするものの、取る一方で何も相手にあげないのかのが「寄生」。

 「着生」はひっついているだけで、食べたり栄養を盗んだりはしませんし、相手に栄養をあげたりすることもありません。

 勝手にひっつかれて困っているかもしれませんが、普通は寄生ほど影響はありません。



着生ツツジの花
着生ツツジの花




 ツツジは酸性土壌などの比較的条件の悪いところにも生える植物。

 といっても、樹木の幹というのはとてつもなく条件の悪いところだと思います。

 にも関わらず、何年にもわたって成長し続けているのですから、結構しぶとい植物のようです。



 着生されている樹木は、多分ヤマグワ。

 幹をよく見ると、ツツジの下にはなんだかヤマグワの樹皮とはちがう模様の部分が見えます。

 もしかすると、ツツジは地面へ根を伸ばしているのかもしれません。

 そうすればこんな条件の悪いところで何年も生き続け花を咲かせていることも納得できます。



ヤマグワの幹にひっついているヤマツツジの根?
ヤマグワの幹にひっついているヤマツツジの根?




 とはいえ地面までは2メートルくらい。

 種から芽を出したツツジがそれだけ根を伸ばすには何年もかかったことでしょう。

 それに、ツツジはエリコイド菌根というタイプの共生を菌としています。

 共生というのは、ちがう種類の生き物が同じところで関係して生きてくこと。

 菌根の場合はお互いに得があるので「相利共生(そうりきょうせい)」と言います。

 菌根菌の場合は、土の中の肥料や水を樹木にあげ、樹木が光合成で作った栄養をもらいます。



ツツジが着生しているヤマグワの葉
ツツジが着生しているヤマグワの葉
葉の裂け方がばらばらなのがクワ属の特徴




 小さな種から育ったツツジが、地面へ根を伸ばすほどに成長できたのは、ツツジだけでなくヤマグワの幹に住みついた菌根菌もものすごい!ということになります。

 目には見えませんが、菌類は植物にとって縁の下の、いや土の中の力持ちです。



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第45回特別展「ネコと見つける都市の自然」―実は猫もいっぱい!で猫のことも考えてみる―大阪市立自然史博物館


 大阪市立自然史博物館の2014年夏の特別展。

 「ネコと見つける都市の自然」。

 チラシでもホームページでも会場でも、猫のキャラクター「ニャンたろう」推しです。

 もちろん展示はネコ以外のものばかりですが、家の中から都市の仲間で自由に行き来する生き物として、猫のニャンたろうが案内役になっていいます。



長居公園西南入口からはいって長距離走路のところのニャンたろう看板
長居公園西南入口からはいって長距離走路のところのニャンたろう看板




 身近にいるけど、見たことも聞いたこともないような生き物たちを、猫の視点でニャンたろうがコメントしてくれています。

 そして、最後には猫のなりきりコーナーも。

 展示がちょっと専門的なので、こんな“あそび”の部分もちゃんと用意されています。



会場入口で待ってくれているニャンたろう
会場入口で待ってくれているニャンたろう




 なかなか猫の展示がないと思っていると、最後に待っていたのが猫コーナー。

 募集した猫の写真がたくさん貼られています。

 ただしここで対象となるのは、野良猫(ノネコ)。

 野良猫が都市で生きている姿がテーマになります。

 といっても、まるで飼い猫のようにいろいろな姿を見せてくれています。



まるでネコ展のような顔をしてる?ニャンたろう
まるでネコ展のような顔をしてる?ニャンたろう
キャラリストラが進む大阪にあって新キャラ推しで大丈夫?
と思いますがリストラされる大阪府ではなく大阪市の施設だから大丈夫?




 そしてネコの暗黒面の話も。

 ネコは都市空間陸上部分の生態系ピラミッド(食物連鎖の関係を階層上にしたもの)の頂上にいる生き物です。

 徹底的な野犬狩りで野良犬が絶滅状態になった今、頂点にいるのが、野良猫。

 頂点に立つのは人間のような気がするかもしれませんが、人間は都市の野生生物を獲って食べませんので、「食べる-食べられる」の関係の外にいます。



最後に待っていたネコスーツ
最後に待っていたネコスーツ
となりには超巨大ゴキブリホイホイも




 実は、ネコは外来生物。

 一部の島を除き、日本にはネコはいなかったと考えられています。

 穀物を食べ荒らすネズミの天敵として、中国から持ち込まれたものが日本のネコになりました。

 そうです。

 都市の生態系の頂点にいたのは、外来生物だったのです。



 という、大切なのに全然気づいていなかったことを気づかせてくれる、かも知れない。

 それが「ネコと見つける都市の自然」です。



タグ♦ ネコと見つける都市の自然 大阪市立自然史博物館

■参考外部リンク■
第45回特別展 ネコと見つける 都市の自然 ?家の中から公園さんぽ?|大阪市立自然史博物館
ようこそ大阪市立自然史博物館へ


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巨樹・古樹・老樹 その19 花の文化園の園内最大のメタセコイア(仮)


 大阪府河内長野市にある植物園、花の文化園。

 開園24年ですが、意外と大きな樹木があります。



 今年、園内の巨木の高さが測られ、結果がセンペルセコイアに掛けられていました。

 それによると園内最大の樹木はカラーリーフガーデンのメタセコイア。

 高さは30.5m。

 ところがそこは何本もメタセコイアが並ぶ場所。



どれが30.5mのメタセコイア?
どれが30.5mのメタセコイア?




 地図は簡略化され、木にも印はついていないようです。

 どれが30.5mのメタセコイアでしょうか。

 しかたないので、となりの広場から見て、いちばん高そうなメタセコイアにしました。



花の文化園の園内最大のメタセコイア(仮)(2014年5月)
花の文化園の園内最大のメタセコイア(仮)(2014年5月)




 樹高30mはメタセコイアとしては限界の高さのようです。

 となりには100m超えもありうるセコイアがあります。

 現在27.2m。

 いずれメタセコイアを抜き、園内一番になることでしょう。

 楽しみです。

 あと何年かかるかわかりませんが。



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■参考外部リンク■
大阪府立花の文化園公式サイト


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