大阪市立自然史博物館、毎年夏恒例の博物館単独主催の特別展がはじまりました。
タイトルは「第45回特別展 ネコと見つける都市の自然-家の中から公園さんぽ-」。
自然史博物館の現在系分野をあつめて都市の生態系について考える展示です。
この自然史博物館は友の会活動の活発なことで有名で、博物館と合同の調査活動の成果を特別展として公開することもあります。
今回もその一つ。

長居公園南西入口の大看板
内覧会に行ったので「予告」付き
都市、つまり人間が人間のために作り上げた場所にどのような生き物が住んでいるのか調査した結果が展示されています。
「都市の環境」といっても単純なものではありません。
小さな環境、つまり様々なビオトープが無数に集まったのが都市という大きな環境。
前半はそのビオトープごとに展示が区切られています。
入っていきなり昭和の香り漂うアパート風のコーナーが。
家の中のビオトープです。
靴を脱いで畳の上に上がると、食器棚やタンスに「ゆっくりあけてね」の文字。
書いてある通りゆっくり開けてみると……
多分想像しているものが現れると思います。
ただし、巨大化して。

この昭和の香り漂う空間に巨大化した生き物たちが……
もちろん、“本物”ではありませんので安心してください。
そして別のコーナーには家のキノコが。
まさか大昭和伝説のサルマタケが?
かどうかは、会場で確認を。
このように家の中の生き物から公園の生き物まで、動物から植物に菌類など生き物の標本展示が中心になりますが、生体展示(生きているままの展示)もあります。
身近な都市の生き物のはずなのに、見たことも聞いたこともない生き物だらけ!
もちろん、見たことも聞いたこともある生きものもいっぱいいます。
いっぱいありすぎて「みどころ」ポイントをズバッと紹介できないのが残念。

鉢植えのちっちゃなコナラ
これも生体展示?
ポスターやチラシにちょこっと登場していたコウガイビル。
どこにいるのかと思っていたら、後半のはじめ。
今回の展示はテーマの区切りがわかりにくいのでまちがっているかもしれませんが、「3.公園の生き物とその変遷」。
なんと一つの展示ケースを占領!
残念ながら生体展示ではありませんが、標本がいっぱい!

これ全部コウガイビル!
ただビンの中で丸くなっているので、コウガイビルらしさは……
でも、特別展オリジナルグッスのコウガイビル マフラータオルでは、コウガイビルらしさ満載!
ぜひ、会期中に生体展示を!
見に行きますので!

オリジナルグッスの長いコウガイビルマフラータオル
なぜか「蟲(むし)」ではなく「蠱(こ)」と書いてあります。
まさかまじない用のタオル?!
「蠱」には食べ物に付く虫という意味もありますが、
コウガイビルにはちょっと似合わないような
と楽しい?展示ばかりではありません。
激しく入れ替わる在来種。
都市に広がる外来種。
そして徐々に広がっていく外来毒蜘蛛。
人間の身勝手な理由でやってきた危険な外来生物。
何も変わっていないような都市も、気がつかないだけでめまぐるしく生き物たちは変わってきているのです。

都市ではお馴染みの外来生物のアライグマとヌートリア
自然保護・環境保護が当たり前の言葉になってしまった現在、里山や棚田など植物が多い環境がよく取り上げられます。
しかしもっとも近くて、今も、そしてこれからも直接生活に影響している環境。
それが都市の環境。
日常的なことでありながら、実は全然気づいていいなかった都市の環境について、考えるきっかけをくれる特別展。
夏の自由研究のヒントもたくさんありそうです。
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ネコと見つける都市の自然 大阪市立自然史博物館
■参考外部リンク■
第45回特別展 ネコと見つける 都市の自然 ?家の中から公園さんぽ?|大阪市立自然史博物館
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