【 2014年07月】

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2014年 今年の金剛山のブナの実の異変?


 大阪と奈良の境にある金剛山。

 地元では馴染み深い山ですが、日本海軍の戦艦、海上自衛隊のイージス艦の艦名に使われるくらいですから、決してマイナーな山ではないでしょう。

 きっと。



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 金剛山の山頂付近にはこの辺りでは珍しいブナ林が広がります。

 ブナは和泉葛城山と大和葛城山にもあり、特に和泉葛城山のブナ林は国の天然記念物にも指定されていますが、木の大きさや数、林の広さでは金剛山にはかないません。



金剛山のブナの巨樹
金剛山のブナの巨樹




 毎年6月から7月にかけて、金剛山のブナ林では大量のどんぐりが落ちます。

 本来ブナのドングリが落ちるのは秋。

 どうして季節はずれに落ちるのかわりませんが、落ちているドングリに緑色のものが少なくないことに意味がありそうです。



2012年6月下旬に落ちていたブナのドングリ
2012年6月下旬に落ちていたブナのドングリ
ナラやカシのどんぐりとちがってトゲトゲの殻斗(かくと)に
覆われているのがブナの特徴




 東北などでは野生動物の貴重な食べ物になるブナの実ですが、数年に一度豊作になるというサイクルでドングリがなるそうです。

 つまり不作なのが基本。

 ということは、不作の年には熟す前にドングリを落とすのでしょうか。



若いブナのドングリ
若いブナのドングリ
ドングリも三角形なのがブナの特徴




 金剛山へ行くようになって数年。

 6月から7月にかけてはかならず大量のドングリが落ちていました。

 ところが今年、2014年。

 6月下旬の金剛山に登りましたが、ブナ林ではまったくドングリを見かけません。

 ということは、ブナのドングリはブナについたまま?

 もしかすると、今年の金剛山は、ブナドングリの豊作の年かもしれません。



タグ♦ ブナ どんぐり 金剛山

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タグ: ブナどんぐり金剛山の植物金剛山

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下赤阪の棚田の2014年 5月下旬の動物編


 田起こしもすっかり終わった5月の下赤阪の棚田ビオトープ。

 その住人たち。

 いよいよ動物編です。




用意万端の5月の下赤阪の棚田




下赤阪の棚田の生き物の追いかけも季節を一巡りしました。
すでに紹介している生き物については、説明等を省いているものもあります。
説明等のあるページのタグリンクをつけていますので、そちらをご覧ください。



動物界
脊索動物門
鳥綱
モズ
(百舌,百舌鳥,鵙)
Lanius bucephalus
のオス
スズメ目
モズ科
モズ属
スズメより大きい
漂鳥

タグ♦モズ
鳥綱
動物界 脊索動物門  この先カエル画像があります。【とばす】
両生綱
スポーツ公園から見た5月の下赤阪の棚田
ツチガエル?
(土蛙)
Rana rugosa
カエル目
アカガエル科
アカガエル属

タグ♦ツチガエル
トノサマガエル
(殿様蛙)
Rana nigromaculata
カエル目
アカガエル科
アカガエル属

タグ♦トノサマガエル
両生綱
脊索動物門
動物界
軟体動物門
腹足綱
クチベニマイマイ(口紅蝸牛)Euhadra amaliae
有肺目 オナジマイマイ科 マイマイ属

近畿地方の平野部ではお馴染みのカタツムリの一つ。

名前の由来は入り口のところが小豆色になることですが、これは白色。

でも殻全体の雰囲気は朽葉にマイマイのような……
カワニナ
(川蜷)
Semisulcospira libertina
吸腔目
カワニナ科
カワニナ属

タグ♦カワニナ
腹足綱
軟体動物門
動物界
節足動物門
昆虫綱
旧翅下綱
ニホンカワトンボ(日本川蜻蛉)Mnais costalis
トンボ目 カワトンボ科 カワトンボ属

もともとはポピュラーな中型トンボですが、東京をはじめ絶滅や絶滅危惧種に指定されているところがあります。

同じ属でよく似たアサヒナカワトンボ(朝比奈川蜻蛉Mnais pruinosa)もいますが、DNA解析で違いがわかったというくらい見た目で区別するのは難しいようです。
旧翅下綱
動物界 節足動物門 昆虫綱
新翅下綱
多新翅上目
キリギリス科Tettigoniidaeの幼虫?
バッタ目 キリギリス科

見た目からキリギリス科の幼虫ではないかと思いますが、自信はありません。
多新翅上目
動物界 節足動物門 昆虫綱 新翅下綱
内翅上目
甲虫目
コガタルリハムシ(小型瑠璃葉虫)Gastrophysa atrocyanea
甲虫目 ハムシ科 Gastrophysa属

ハムシの仲間には、このようにキラキラ輝く体を持つものがいます。

つや消し風の下のクロウリハムシと比べると、同じハムシ科とは思えません。
クロウリハムシ
(黒瓜葉虫)
Aulacophora nigripennis
甲虫目
ハムシ科
ウリハムシ属

タグ♦クロウリハムシ
ナナホシテントウ
(七星天道)
Coccinella septempunctata
甲虫目
テントウムシ科
コッキネラ属

タグ♦ナナホシテントウ
チョッキリ(短截)Attelabidae
甲虫目 チョッキリ科

ゾウムシというにはスリムな体でオトシブミのようにも見えます。

ただオトシブミは首が長いのに対してチョッキリはゾウムシのように口吻が長いので、チョッキリとしました。

ただ例外もありますので、まちがっている可能性は低くありません。
甲虫目
動物界 節足動物門 昆虫綱 新翅下綱 内翅上目
ハエ目
オオイシアブ (大石虻)Laphria mitsukurii
ハエ目 ムシヒキアブ科 Laphria属

科をみればわかるように他の昆虫の体液を吸うアブ。

中途半端な画像の方向ですが、頭とお腹の先のオレンジ色の毛で決めました。
ハエ目
動物界 節足動物門 昆虫綱 新翅下綱 内翅上目
トビケラ目
トビケラ(飛螻蛄)Trichoptera の幼虫?
トビケラ目

「トビケラ」はトビケラ目の昆虫の総称です。

まるで枝のかけらのようですが、溝の壁を登っていました。

大きさも含めてトビケラの幼虫のようです。

水が流れ始めて一月もたっていませんから、上流から流されてきたのでしょう。
トビケラ目
動物界 節足動物門 昆虫綱 新翅下綱 内翅上目
チョウ目
ヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)Ypthima argus
チョウ目 タテハチョウ科 ウラナミジャノメ属

翅に目玉模様があるのがジャノメチョウの仲間。

目玉模様は天敵の鳥を驚かすためとも言われますが、たいてい四つ目や六つ目など。

ということで、たまたま模様が丸い形をしたのを、人間がかってに目玉にしてしまったのでしょう。
ベニシジミ
(紅小灰蝶)
Lycaena phlaeas
夏型
チョウ目
シジミチョウ科
ベニシジミ属

タグ♦ベニシジミ
コベニスジヒメシャク(小紅条姫尺蛾)Timandra comptaria
チョウ目 シャクガ科 Timandra属

「ガ」の仲間。

よく見た目がきれいなのが「チョウ」で、きたないのが「ガ」といわれますが、このようにきたなくないガも少なくありません。

実は、チョウとガの区別というのは、昆虫の進化系統の分類では意味が無かったりします。

チョウ目
内翅上目
新翅下綱
昆虫綱
節足動物門
動物界



 棚田への入水はまだですが、水路には水が流れ始めているのでカエルが現れました。

 冬眠から覚めたカエルでしょうか。

 水に住む生き物が現れたことで、いよいよ棚田の生き物も本格的に活動しはじめたようです。



タグ♦ 下赤阪の棚田の2014年 下赤阪の棚田

■参考外部リンク■
下赤阪の棚田(11月にはライトアップ)千早赤阪村ホームページ
ACRES_棚田の主な役割と「百選」の選定方法
一般社団法人 地域環境資源センター 農村環境部


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タグ: 5月の下赤阪の棚田の動物ニホンカワトンボコガタルリハムシチョッキリオオイシアブコベニスジヒメシャク下赤阪の棚田の2014年下赤阪の棚田201405甲虫目/SA-tanada巻貝/SA-tanada

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金剛山の沢筋の黒い鳥はミソサザイ?それともカワガラス?


 紅葉にはちょっと早い10月の金剛山。

 大阪と奈良の境にある1125mの山です。

 沢筋を下山していると、黒くて小さい鳥が飛んでいきました。

 金剛山で黒くて小さい鳥というと、ミソサザイかカワガラス。

 鳥は下流へ飛んでいったので下って行くと。

 いました。

 沢の中に突き出た花崗岩(かこうがん)の上にとまっています。



カワガラスかミソサザイと思しき黒い鳥
カワガラスかミソサザイと思しき黒い鳥




 下山方向なので近づいていくと、また下流に向かって飛んでいきます。

 まるで道案内をしてくれているよう。
 昆虫の斑猫(はんみょう)のようです。

 逃げないように陰から見ていると、鳥はそのまま流れの中にささっと入っていきます。

 飛び込むのではなく、歩いて入っていきます。

 こんなことをするのは、カワガラス。

 ぽってりとした丸い感じの体もカワガラスの特徴。



流れの中を歩くカワガラス
流れの中を歩くカワガラス




 カワガラスと思しき鳥は、谷筋を歩いているとよく出会います。

 しかし、人影を見るとすぐ逃げていってしまい、見えるのは飛んで行く影だけ。

 まともに写った写真を撮ったことはほとんどありません。

 それがミソサザイとちがうところ。

 ミソサザイもそんなに写真に撮りやすいわけではありませんが、何枚か撮ったことがあります。



カワガラス(河烏,川鴉)
スズメ目 カワガラス科 カワガラス属
留鳥
スズメより大きい

カワガラス(河烏,川鴉)



 この沢は幅が狭い上に、両側が切れ込んでいるところ。
 さらに曲がりくねっていて、ちょっと行けばこちらの姿は見えなくなります。

 それでカワガラスも安心するのでしょう。

 残念なのは、この日はちょっとハードな道を行く予定だったので高倍率のカメラを持っていなかったこと。

 手元の光学5倍のカメラでは、なかなかきれいに写すことはできませんでした。

 とはいえ、カワガラスらしい流れの中に潜っていく姿を見ることができたのは、幸運でした。



 今年もカワガラスらしい姿を見せてくれることを願ってます。



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タグ: カワガラス金剛山の鳥金剛山の脊椎動物野鳥スズメより大きい鳥

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日本の棚田百選 稲淵の棚田 6月の動物編


 奈良県の遺跡や古墳がいっぱいある明日香村。

 そこにある日本の棚田百選の稲渕(いなぶち)の棚田で出会った動物たちです。

 棚田ではおなじみの動物たちがここにもいました。




南の方の棚田




このブログですでに紹介している生き物については、説明やコメントを省いているものもあります。
説明やコメントがあるページのタグリンクをつけていますので、そちらをご覧ください。



動物界
脊索動物門
鳥綱 コウノトリ目
チュウサギ
(中鷺)
Ardea intermedia
コウノトリ目
サギ科
アオサギ属

ダイサギ、チュウサギ、コサギの白鷺(しらさぎ)は大きさが名前の通りちがうのですが、遠目には見分けにくいところがあります。

コサギは趾(あしゆび)が黄色をしているので見えればすぐわかります。
これは拡大すると黒い嘴(くちばし)の根本が黄色いのでチュウサギに。

タグ♦ チュウサギ ダイサギ

鳥綱 コウノトリ目
動物界 脊索動物門
両生綱
カエル目 カエルの画像があります。【とばす】

田んぼに木が映っています
ニホンアマガエル
(日本雨蛙)
Hyla japonica
カエル目
アマガエル科
アマガエル属

タグ♦ ニホンアマガエル
オタマジャクシ
(御玉杓子)
Anura
カエル目
アカガエル科

橿原市昆虫館の『橿原 明日香 フィールド ブック』では、明日香村の田んぼに多いのは、ヌマガエルとツチガエル。

数はツチガエルのほうが多いということです。

タグ♦ ヌマガエル ツチガエル

カエル目
両生綱
脊索動物門
動物界
節足動物門 虫の画像があります。【とばす】
昆虫綱
内翅上目(完全変態の昆虫)
甲虫目

棚田の中に立つ田んぼの神様
明日香村伝統のものではなく南九州のものを参考にしたそうです。
オジロアシナガゾウムシ(尾白脚長象鼻虫)
Sternuchopsis trifidus
甲虫目 ゾウムシ科 Sternuchopsis属

雑木林や緑の多い公園などでよく目にするゾウムシの一つ。

長い口吻(こうふん)が象の鼻のように見えるというのが名前の由来ですが、短いゾウムシもいます。
ナナホシテントウ
(七星天道)
Coccinella septempunctata
甲虫目
テントウムシ科
コッキネラ属

タグ♦ ナナホシテントウ
マメコガネ(豆黄金)Popillia japonica
甲虫目 コガネムシ科 マメコガネ属

小型のコガネムシ。

体が小さいから「マメコガネ」なのか、マメ科の植物の葉をよく食べるから「マメコガネ」なのか謎のコガネムシです。

両方の意味を持つ可能性もあります。
甲虫目
動物界 節足動物門 昆虫綱 内翅上目
チョウ目
カノコガ(鹿子蛾)Amata fortunei
チョウ目 ヒトリガ科 カノコガ属

細めの翅はハチのようですが、チョウ・ガの仲間。

腹部に黄色い帯がありますので、毒針を持ったハチに姿を似せているベイツ型擬態かもしれません。

ちょっと失敗の雰囲気が漂っていますが。
テングチョウ(天狗蝶)Libythea celtis
チョウ目 タテハチョウ科 テングチョウ属

タグ♦ テングチョウ

ベニシジミ
(紅小灰蝶)
Lycaena phlaeas
の夏型
チョウ目
シジミチョウ科
ベニシジミ属

後翅にこげ茶色の部分が多いので夏型。

タグ♦ ベニシジミ
チョウ目
動物界 節足動物門 昆虫綱 内翅上目
ハチ目
キムネクマバチ(黄胸熊蜂)
Xylocopa appendiculata circumvolans
ハチ目  ミツバチ科 クマバチ属
別名:クマバチ

ふつう、一般的に「クマバチ」と呼ばれるハチ。

性格はおとなしいようで、カメラを近づけてもまったく無視されます。

ハチ目
内翅上目(完全変態昆虫)
動物界 節足動物門 昆虫綱
多新翅上目
カマキリ目
カマキリ
Tenodera
の幼虫
カマキリ目
カマキリ科
Tenodera属

オオカマキリかチョウセンカマキリのどちらか。

タグ♦
 オオカマキリ チョウセンカマキリ
カマキリ目
多新翅上目
昆虫綱
動物界 節足動物門 
鰓脚綱 背甲目
カブトエビ
(兜蝦)
Triopsidae
背甲目
カブトエビ科
カブトエビ属

もともと日本にはカブトエビはいなかったと考えられ、日本のカブトエビはすべて外来種とされます。

分布域の資料などからは、アジアカブトエビかアメリカカブトエビのどちらかでしょう。

タグ♦ カブトエビ

鰓脚綱 背甲目
節足動物門
動物界



タグ♦ 稲淵の棚田 日本の棚田百選 棚田 田んぼの生き物

■参考外部リンク■
075 稲渕の棚田/奈良県公式ホームページ
ACRES_棚田の主な役割と「百選」の選定方法
一般社団法人 地域環境資源センター 農村環境部

橿原・明日香フィールドブック表紙
橿原市/橿原市昆虫館


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第45回特別展「ネコと見つける都市の自然」-実はものすごく身近なのに意外と何も知らなかった都市環境についていろいろ教えてくれる!-大阪市立自然史博物館


 大阪市立自然史博物館、毎年夏恒例の博物館単独主催の特別展がはじまりました。

 タイトルは「第45回特別展 ネコと見つける都市の自然-家の中から公園さんぽ-」。

 自然史博物館の現在系分野をあつめて都市の生態系について考える展示です。

 この自然史博物館は友の会活動の活発なことで有名で、博物館と合同の調査活動の成果を特別展として公開することもあります。

 今回もその一つ。



長居公園南西入口の大看板
長居公園南西入口の大看板
内覧会に行ったので「予告」付き




 都市、つまり人間が人間のために作り上げた場所にどのような生き物が住んでいるのか調査した結果が展示されています。

 「都市の環境」といっても単純なものではありません。

 小さな環境、つまり様々なビオトープが無数に集まったのが都市という大きな環境。

 前半はそのビオトープごとに展示が区切られています。



 入っていきなり昭和の香り漂うアパート風のコーナーが。

 家の中のビオトープです。

 靴を脱いで畳の上に上がると、食器棚やタンスに「ゆっくりあけてね」の文字。

 書いてある通りゆっくり開けてみると……

 多分想像しているものが現れると思います。

 ただし、巨大化して。



この昭和の香り漂う空間に巨大化した生き物たちが……
この昭和の香り漂う空間に巨大化した生き物たちが……




 もちろん、“本物”ではありませんので安心してください。

 そして別のコーナーには家のキノコが。

 まさか大昭和伝説のサルマタケが?

 かどうかは、会場で確認を。



 このように家の中の生き物から公園の生き物まで、動物から植物に菌類など生き物の標本展示が中心になりますが、生体展示(生きているままの展示)もあります。

 身近な都市の生き物のはずなのに、見たことも聞いたこともない生き物だらけ!

 もちろん、見たことも聞いたこともある生きものもいっぱいいます。

 いっぱいありすぎて「みどころ」ポイントをズバッと紹介できないのが残念。



鉢植えのちっちゃなコナラ
鉢植えのちっちゃなコナラ
これも生体展示?




 ポスターやチラシにちょこっと登場していたコウガイビル。

 どこにいるのかと思っていたら、後半のはじめ。
 今回の展示はテーマの区切りがわかりにくいのでまちがっているかもしれませんが、「3.公園の生き物とその変遷」。

 なんと一つの展示ケースを占領!

 残念ながら生体展示ではありませんが、標本がいっぱい!



これ全部コウガイビル!
これ全部コウガイビル!




 ただビンの中で丸くなっているので、コウガイビルらしさは……

 でも、特別展オリジナルグッスのコウガイビル マフラータオルでは、コウガイビルらしさ満載!

 ぜひ、会期中に生体展示を!

 見に行きますので!



オリジナルグッスの長いコウガイビルマフラータオル
オリジナルグッスの長いコウガイビルマフラータオル
なぜか「蟲(むし)」ではなく「蠱(こ)」と書いてあります。
まさかまじない用のタオル?!
「蠱」には食べ物に付く虫という意味もありますが、
コウガイビルにはちょっと似合わないような




 と楽しい?展示ばかりではありません。

 激しく入れ替わる在来種。

 都市に広がる外来種。

 そして徐々に広がっていく外来毒蜘蛛。

 人間の身勝手な理由でやってきた危険な外来生物。

 何も変わっていないような都市も、気がつかないだけでめまぐるしく生き物たちは変わってきているのです。



都市では馴染みの外来生物のアライグマとヌートリア
都市ではお馴染みの外来生物のアライグマとヌートリア




 自然保護・環境保護が当たり前の言葉になってしまった現在、里山や棚田など植物が多い環境がよく取り上げられます。

 しかしもっとも近くて、今も、そしてこれからも直接生活に影響している環境。

 それが都市の環境。

 日常的なことでありながら、実は全然気づいていいなかった都市の環境について、考えるきっかけをくれる特別展。

 夏の自由研究のヒントもたくさんありそうです。



タグ♦ ネコと見つける都市の自然 大阪市立自然史博物館

■参考外部リンク■
第45回特別展 ネコと見つける 都市の自然 ?家の中から公園さんぽ?|大阪市立自然史博物館
ようこそ大阪市立自然史博物館へ


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タグ: ネコと見つける都市の自然環境大阪市立自然史博物館45th-toshinshizenコウガイビルコナラアライグマヌートリア外来種

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ネジバナ巻き巻き調査2014


 蘭。

 園芸品種はたくさんあります。

 ところが野生の蘭は多くが絶滅危惧種。

 日本の環境省の植物版レッドリストでは、ほかの植物よりもはるかに多い数が記載されています。



 そんな蘭の中で唯一、野草ではない雑草の蘭があります。

 それがネジバナ。

 刈り込まれた草地や芝生に生える蘭です。

 名前の通り花柄に螺旋(らせん)状に花が並ぶのが特徴。

 もちろん螺旋なので右巻き左巻があります。

 そこで去年調べましたらおよそ半々

 噂通り。



よく見るとちゃんと蘭の花のネジバナ
よく見るとちゃんと蘭の花のネジバナ




 今年も引き続き調べてみました。

 特定の範囲のネジバナの咲いているものを手当たり次第に撮影していき、巻く方向をチェック。

 単純な方法です。



 ここで重要な事を。

 螺旋には「右巻き」と「左巻き」があるのは言うまでもありません。

 しかし右側から回っていくから“右巻き”なのか。
 それとも右側へ回っていくのが“右巻き”のか。

 さらに業界や学術分野等によっても様々。

 「左右」というのが視点によって変わってしまう曖昧な言葉なだけになかなか難しいのです。



 ということで、IWO(いきもの は おもしろい!)ではこのようにしています。

 巻いていく方向を上にして、横から見ると「ミ」と同じように見えるのが「ミ巻き(S巻き)」、「彡(さん)」に見えるのが「彡巻き(Z巻き)」。



2014年のネジバナ調査

ミ巻き(S巻き) 彡巻き(Z巻き)
ネジバナ ミ巻き(S巻き) 彡巻き(Z巻き)
一戸建て
住宅街公園
29本
49.2%
30本
50.8%
団地内歩道 28本
43.8%
36本
56.2%
2014年の
合計
57本
46.3%
66本
53.7%



 きれいに、というわけにはいきませんが、このようにほぼ半々。

 チェックした場所は、去年と同じ一戸建て住宅街の中の小さな公園。
 区画整理の中で出来た隙間に作った公園のようです。

 そして近所の団地の中の歩道。

 数百メートルの間にネジバナがたくさん咲いているところ。

 実はここは去年もチェックしたところです。

 記事にはしていなかったので、一戸建て住宅公園のものと一緒に並べてみます。



2013年のネジバナ調査

ミ巻き(S巻き) 彡巻き(Z巻き)
ネジバナ ミ巻き(S巻き) 彡巻き(Z巻き)
一戸建て
住宅街公園
8本
53.3%
7本
46.7%
団地内歩道 14本
58.3%
10本
41.7%
13~14年の
合計
79本
48.8%
83本
51.2%



 やはりばらつきはあるものの概ね半々。

 その年によってミ巻が多かったり彡巻きが多かったりというのもおもしろいところ。

 ネジバナは多年草。
 条件が悪くなければ葉っぱは年中あります。

 毎年出てくる花茎は一つ。

 同じネジバナは毎年巻きは同じなのか?

 ネジバナの疑問はつきません。




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タグ: ネジバナ梅雨の花紫色の花雑草螺旋右巻き左巻き

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下赤阪の棚田の2014年 5月下旬の緑色の花・果実編


 5月の下赤阪の棚田で出会った、棚田ビオトープの生き物たち。

 その緑色の花編。
 そして果実編。

 緑色の花というと、イネ科ばかりのような気がしますが、そうでもないようです。




棚田の中の島のような梅林




下赤阪の棚田の生き物の追いかけも季節を一巡りしました。
すでに紹介している生き物については、説明やコメントを省いているものもあります。
説明やコメントのあるページのタグリンクをつけていますので、そちらをご覧ください。



緑色の花
植物界 被子植物門
単子葉植物綱
カモジグサ(髢草)Elymus tsukushiensis var. transiens
イネ目 イネ科 エゾムギ属
多年草

道端に普通に生える雑草。
アオカモジグサとよく似ていますが、カモジグサは(のぎ)(花や実ににつく長いひげ)が紫色。アオカモジグサは緑。

またカモジグサのほうが穂が垂れ気味。

ということでカモジグサ。

単子葉植物綱
植物界 被子植物門
双子葉植物綱
オオバコ(大葉子)Plantago asiatica
シソ目 オオバコ科 オオバコ属
多年草
別名:車前草

公園や空き地などの人によく踏まれるところに生える雑草。

小さな花弁の緑色の花に、葉脈が平行に走る平行脈と単子葉植物のようですが、シソ目の双子葉植物です。

そこら中に生えていますが、低い丈と地味な花で目立ちません。

ヤマハゼ(山黄櫨)Toxicodendron sylvestre
ムクロジ目 ウルシ科 ウルシ属
落葉小高木
羽状複葉でウルシによく間違われます。

ウルシほどではないですがかぶれることもありますので、注意が必要。

秋には紅葉がきれいです。

カキノキ(柿の木)Diospyros kaki
ツツジ目 カキノキ科 カキノキ属
落葉低木

小さくはないのですが、大きな葉に隠れた黄緑色の花なのでまったく目立ちません。

まるで熟していない青い柿の実のような見た目です。
双子葉植物綱
植物界 被子植物
緑色の花



果実
植物界 被子植物門 双子葉植物綱
バラ目
クサイチゴ(草苺)Rubus hirsutus
バラ目 バラ科 キイチゴ属
落葉小低木
別名:ワセイチゴ

タグ♦ クサイチゴ

ヘビイチゴ
(蛇苺)
Potentilla hebiichigo
バラ目
バラ科
ヘビイチゴ属
多年草

タグ♦ ヘビイチゴ
ビワ
(枇杷)
Eriobotrya japonica
バラ目
バラ科
ビワ属
常緑高木

まだ熟していません。

タグ♦ ビワ
バラ目
植物界 被子植物 双子葉植物綱
その他の目
スイバ(蓚,酸い葉)Rumex acetosa
ナデシコ目 タデ科 スイバ属
多年草
別名:スカンポ

まだ熟してはないようです。

3つの萼片がくっついて立体的な翼になっています。

面白い形の実です。
ソシンロウバイ
(素心蝋梅)
Chimonanthus praecox
f. concolor
クスノキ目
ロウバイ科
ロウバイ属
落葉低木

タグ♦ ソシンロウバイ
その他の目
植物界 被子植物 双子葉植物綱
果実



その他植物
植物界 被子植物門 単子葉植物綱
イネ(稲,稻,禾)Oryza sativa
イネ目 イネ科 イネ属
多年草(日本では一年草的栽培)
インドから中国南部原産と言われる食用作物

忘れてはならない棚田の主役、イネ。

田植えは5月末から6月にかけてですが、こうやって苗代(なわしろ)で育てていました。

このように田んぼに苗代を作るところもあります。

イネはすごい勢いで増えていきますので、この苗代でも、この田んぼに植えても余るのではないでしょうか。

植物界 被子植物 単子葉植物綱
その他植物



 毎回毎回たくさんの植物を紹介していますが、ほとんどが田んぼ以外の場所に生えるもの。

 山や丘陵の斜面を利用した棚田の特徴で、田んぼでも畦でないところがたくさんあります。

 そういうところは野草の宝庫だったりします。

 また段差が多い棚田では、雨で崩れるのを防ぐため、あえて雑草を生やしているところもあるかもしれません。



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タグ: 5月の下赤阪の棚田の植物カモジグサヤマハゼカキノキスイバイネ下赤阪の棚田の2014年下赤阪の棚田201405緑色の花/SA-tanada果実/SA-tanada

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日本の棚田百選 稲淵の棚田 6月の白い花・果実・シダ編


 飛鳥時代の遺跡がいっぱいある奈良県明日香村。

 そこにあるのが稲淵(いなぶち)の棚田。

 日本の棚田百選の棚田。

 その田植えの終わった稲淵の棚田で出会った植物の続きです。




遺跡の明日香とちょっとイメージがちがう稲淵の棚田




このブログですでに紹介している生き物については、説明やコメントを省いているものもあります。
説明やコメントがあるページのタグリンクをつけていますので、そちらをご覧ください。



白い花
植物界 被子植物門
双子葉植物綱
キク目
キキョウ科
ホタルブクロ(蛍袋)Campanula punctata
キク目 キキョウ科 ホタルブクロ属
多年草

タグ♦ ホタルブクロ

ミゾカクシ
(溝隠)
Lobelia chinensis
キク目
キキョウ科
ミゾカクシ属
多年草

タグ♦ ミゾカクシ
キキョウ科
植物界 被子植物門 双子葉植物綱 キク目
キク科
ヒメジョオン (姫女苑) Erigeron annuus
キク目 キク科 ムカシヨモギ属
一年草

タグ♦ ヒメジョオン

キク科
キク目
植物界 被子植物門 双子葉植物綱 
その他の目
シロツメクサ
(白詰草)
Trifolium repens
マメ目
マメ科
シャジクソウ属
多年草

タグ♦ シロツメクサ
イヌホオズキ
(犬酸漿)
Solanum nigrum
ナス目
ナス科
ナス属
一年草

タグ♦ イヌホオズキ
カワラマツバ(河原松葉)
Galium verum var. asiaticum f. nikkoense
リンドウ目 アカネ科 ヤエムグラ属
多年草

名前ではわかりませんが、属名見ればわかるようにヤエムグラの仲間。

特徴は、輪生しているように見える葉は、本当の葉と葉のように大きくなった托葉。

ということは、一見同じようにみえる葉と托葉のちがいがどこかにあるのでしょうね。
ドクダミ
(蕺草)
Houttuynia cordata
コショウ目
ドクダミ科
ドクダミ属
多年草

タグ♦ ドクダミ
その他の目
双子葉植物綱
植物界 被子植物門
単子葉植物綱
ノビル(野蒜)Allium macrostemon
クサスギカズラ目 ヒガンバナ科 ネギ属
多年草
山菜

花を見てもわかるように、ネギの仲間。

人里に生える山菜の一つ。

ただ同じヒガンバナ科のスイセンキツネノカミソリなどの有毒植物とまちがわれることもあり、しっかりとした知識が必要。

もちろん、土地の所有者の許可も必要。
単子葉植物綱
植物界 被子植物門
白い花



果実
植物界 被子植物門 双子葉植物綱
ウメ
(梅)
Prunus mume
バラ目
バラ科
サクラ属
落葉高木

タグ♦ ウメ
植物界 被子植物門 双子葉植物綱
果実



シダ
植物界 シダ植物門 シダ綱
ワラビ(蕨)Pteridium aquilinum
シダ目 コバノイシカグマ科 ワラビ属
夏緑性
山菜

タグ♦ ワラビ

山菜の代名詞のようなシダ。

草刈りがよくされるところや火入されるような日当たりの良い草地に生えます。

ということで、棚田の周りはワラビにぴったりかもしれません。

植物界 シダ植物門 シダ綱
シダ



タグ♦ 稲淵の棚田 日本の棚田百選 棚田 田んぼの生き物

■参考外部リンク■
075 稲渕の棚田/奈良県公式ホームページ
ACRES_棚田の主な役割と「百選」の選定方法
一般社団法人 地域環境資源センター 農村環境部


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タグ: 稲淵の棚田棚田明日香村カワラマツバノビルホタルブクロミゾカクシワラビドクダミ日本の棚田百選

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七十二候 第三十二候「蓮始開」 梅雨のハスの花


 7月中旬。

 梅雨も後半。

 沖縄では梅雨も開け一年で最も暑い時期になっています。

 そのころやってくるのが七十二候の第三十二候「蓮始開」。

 よみは「はす はじめてはなさく」、または「はす はじめてひらく」。

 意味は見たとおり。

 ハスの花が咲きはじめる時期。



雨の中の蜀紅蓮
雨の中の蜀紅蓮




 アジサイもそろそろ終わりになるころ、入れ替わるように咲いているのがハス。

  ヤマモガシ目 ハス科の多年生の抽水植物(ちゅうすいしょくぶつ)です。

 「抽水植物」は、根は水底の土の中にあり、葉や茎を水面から出す水生植物のこと。



 梅雨の花の文化園では、「蓮始開」を待たずハスがもう咲いていました。



水を弾く碧台蓮の花托
水を弾く碧台蓮の花托




 同じ頃に同じように咲く花にスイレンがあります。

 こちらはスイレン目 スイレン科。

 目(もく)からちがうので、見た目とちがってハスとは縁遠い植物です。



 見分けるポイントはいくつかあります。


 葉や花が水面からずっと上で広がっていたらハス。

 葉も花も水面に浮くようになっていたらスイレン。
 だからスイレンは浮葉植物。


 葉の形が丸ければハス。

 一部に切れ込みがあったらスイレン。


 葉が水を弾いて水玉ができたらハス。

 できなかったらスイレン。



こちらがスイレン
こちらがスイレン




 雨の日には、葉にたまった水が流れ落ちる鹿威しのような様子を見ることができます。



突然蓮の葉から流れ落ちる水
突然蓮の葉から流れ落ちる水




 なかには微妙な種類もあるようですが、概ねこの方法で見分けられるようです。


 植物園や公園の池窓で見かけた時は、ハスかスイレンか見分けてみるのも梅雨の楽しみ方になるかもしれません。



タグ♦ 蓮始開 七十二候 ハス 花の文化園

■参考外部リンク■
大阪府立花の文化園公式サイト


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梅雨の金剛山のたのしみ。まっしろな銀竜草


 梅雨に入って金剛山もギンリョウソウの時期になりました。

 ギンリョウソウはツツジ科ギンリョウソウ属、山の日の当たらない林床などでひっそりと咲く小さく真っ白な植物です。

 葉は小さく茎と同じように真っ白。

 つまり、葉緑体を持たない腐生植物(ふせいしょくぶつ)です。



腐生植物のギンリョウソウ
腐生植物のギンリョウソウ




 「腐生植物」は、積もった落ち葉が菌類(きんるい)などに分解された腐葉土などから栄養をもらう植物。
 と思われてきました。

 現在は、地面の下に広がる樹木と共生関係にある菌類のネットワークから栄養をもらっている、寄生植物であることがわかってきました。

 葉緑体を持たずほかから栄養をもらっているので、緑色の元になる葉緑体がいらないから真っ白な姿なのです。



真っ白なギンリョウソウ
真っ白なギンリョウソウ




 「腐生植物」という文字のイメージからか、ギンリョウソウは広葉樹林内に生えると思われることもあるようです。

 ところがギンリョウソウが寄生する菌類は松や杉のような針葉樹とも共生しますので、必ずしも広葉樹林にだけ生えるわけではありません。

 実際金剛山でもギンリョウソウは広葉樹林から針葉樹林までいろいろなところにはえています。



落ち葉を見ればわかるように針葉樹林のギンリョウソウ
落ち葉を見ればわかるように針葉樹林のギンリョウソウ




 ギンリョウソウは多年草なので毎年同じ所で咲きます。

 金剛山でギンリョウソウが咲く場所はいくつもありますが、見やすく安全なところというと、やはりメジャールートの千早本道。

 三合目あたりから山頂までところどこで生えていましたが、最近の大規模な改修のためすっかり見かけなくなってしまいました。



登山道でも咲いているのでよく踏まれます
登山道でも咲いているのでよく踏まれます




 改修から外れてギンリョウソウが残り、ほかのルートからでも見に行きやすいところが八合目から山頂まで。

 杉林の中をまっすぐ登っていく近道も笹薮の中に生えていますが、ちょっと見にくいのが欠点。

 八合目からの山腹ブナ林ルートの方は山側の切り崩した所で咲いています。



千早本道ブナ林ルートのギンリョウソウ
千早本道ブナ林ルートのギンリョウソウ




 花が咲いて実がなったらあっといまに枯れてしまうギンリョウソウ。

 1年のうちほんのわずかの間しか地面の上に現れない真っ白なギンリョウソウ。

 梅雨の金剛山の楽しみの一つです。



金剛山のギンリョウソウの画像は別館【いきもの を ぱちり!】
【梅雨に出会える真っ白なギンリョウソウ】にもあります。



タグ♦ ギンリョウソウ 梅雨の花 金剛山の植物

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