
内覧会当日は「予告」つきだった長居公園南西入口の案内板
大阪市立自然史博物館で「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」がはじまりました。
サブタイトルは「知られざる大陸ララミディアでの攻防」。
「ララミディア」は今の北アメリカのロッキー山脈から西側部分のこと。
恐竜の中でもトップクラスの人気を誇るトリケラトプス。
そのトリケラトプスがいた中生代白亜紀後期にはこの部分が細長い大陸になっていました。
当時の北アメリカは、浅い海で隔てられたアパラチア大陸との2つに分かれていたのです。

中生代白亜紀後期の北アメリカ大陸(展示パネル)
その細長いララミディア大陸で大繁栄したのがトリケラトプスの仲間たち。
アジアから渡ってきたと考えられています。
トリケラトプスの仲間は「角竜(つのりゅう)」とよく言われますが、ここでは「ケラトプシア類」という名前で統一されています。
ケラトプシア類は角があり頭の後ろに「フリル」を持つのが特徴。
種によって角の数や大きさやフリルの形が変わるので、ちがいがわかりやすい恐竜になります。
そのケラトプシア類を、登場から多様化(恐竜戦国時代)、そして最終形態のトリケラトプスにまとまっていく様子が展示の中心です。
今回の面白いところは、入ってすぐに植物化石の展示があること。
普通、恐竜展での植物化石は無いか後半に申し訳程度に展示されてるくらいですが、ここでは前半と後半の2箇所に展示されています。
特に後半はトリケラトプスと同じ時代に同じ場所に生えていた植物。
実際にトリケラトプスが食べていた植物かもしれません。

白亜紀初期の裸子植物クラッソストローブスの雄性球果
オシベのかたまりです。
日本に生えていたものなのでトリケラトプスのご先祖様が食べていたかもしれません。
ケラトプシア類で最大の頭の飾りを持つカスモサウルスの頭部成体復元や全身骨格をすぎると、7つのケラトプシア類の頭が迎えてくれます。
あまり実用的には見えないけどキャラ立ちはしっかりしているものもあれば、実用的に見えるシンプルなものまでいろいろ。
まるで戦国武将の兜の立物(たてもの)のよう。
確かに恐竜戦国時代です。
7つ並んだ「兜」からお気に入りのケラトプシア類を見つけてみるものおもしろいかも。
どうせなら、人気投票やって「将軍恐竜」を決めてもおもしろそう。
恐竜戦国時代ケラトプシア七雄?
※画像スライドできます ⇒⇒
ただ「戦国時代」といいますが、互いに闘いながら領土拡大をしていたわけではありません。
ケラトプシア類が激しく入れ替わった理由は気候の変動で植物の種類が変わったためとも言われていますが、まだはっきりとわかっていないようです。
戦国時代の次は、トリケラトプスの全身復元骨格が真ん中に展示されています。
順路に沿ってまわると360°からみることができるうれしい展示です。

ど~んと立ってるトリケラトプスの全身復元骨格
フリルのデザインがインフレーションを起こして収集がつかなくなるかと思われたところで現れたケラトプシア類がトリケラトプス。
最後に現れたとは思えないほどシンプルな角と飾りのトリケラトプスは、ララミディア大陸全域とはいかないまでも結構広い範囲に広がったようです。
そして、当然草食のトリケラトプスを食べる肉食の恐竜もいたわけです。
それは、ティラノサウルス。
全身の復元骨格が展示されています。
もちろんトリケラトプスと深い関係があります。
なんとトリケラトプスの化石からティラノサウルスの歯型が見つかっています。
そう、本当にトリケラトプスを食べていたのです!
歯型から推測されたトリケラトプスの食べ方をCG画像で再現したパネルもあります!

こちらもほぼ全周から見ることができるティラノサウルス
展示されている恐竜の種類は決して多くありませんが、ケラトプシア類にしぼっていろいろな角度からとらえた展示。
本体はもちろん食べ物から解剖図など、まるで今生きている動物のようです。
恐竜展というとどうしても「恐竜」という造形を中心に展示が作られることが多いように思いますが、今回は「生きている恐竜」を感じます。
そして忘れてならないのは特別展のガイドブック。
展示物の資料になると同時に、展示パネルで書ききれなかったと思えるコラムなどいろいろ盛りだくさん。
単なる展示カタログじゃなくて、これもひとつの恐竜本。
ミュージアムショップで通販されると思います。
そしてIWO(いきもの は おもしろい!)が勝手に決めた「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」シークレットアイティム。
ララミディア戦国記。

ララミディア戦国記はどこにあるのでしょうか?!
背景はぼかしています。
さあ、どこにあるでしょう。
見つければいいことがある、かも?
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