【 2014年02月】

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絶滅危惧種のセツブンソウが見頃になっていました。2月下旬の花の文化園


 大阪の南河内地域にある植物園の花の文化園。

 名前のように園芸植物を中心としてはじまった植物園ですが、現在は大阪や日本の絶滅危惧種など貴重なな植物を栽培し展示しています。

 そんなものの一つがセツブンソウ(節分草)。

 キンポウゲ科セツブンソウ属の多年草です。

 名前の由来は節分の頃に咲くことから。

 花の文化園では今年も節分の頃に咲きはじめました

 そして梅が咲きはじめた2月下旬。



たくさん咲いているセツブンソウ
たくさん咲いているセツブンソウ
時期ははずれていないので日蝕みはいないはずです。




 本州の関東以西の落葉広葉樹林で石灰岩質のところを好むという結構自生地が限られそうな植物。

 日本のレッドデータ検索システムで調べてみると15府県で準絶滅危惧種以上のランクに指定されています。



小さな花と2枚の葉と短い茎のセツブンソウ
小さな花と2枚の葉と短い茎のセツブンソウ




 驚いたのは、大阪で絶滅危惧 I 類に指定されていること。

 もちろん絶滅の一つ手前のランクということもありますが、レッドデータブックに記載されているということは、自生地があるということです。

 それに驚きました。



キンポウゲ科らしく光が当たるときれいなセツブンソウの花
キンポウゲ科らしく光が当たるときれいなセツブンソウの花




 IWO(いきもの は おもしろい!)の基本フィールドになっている南大阪は、花崗岩、火山岩、砂岩泥岩とそれらが風化してたまったもの。

 そして山林は広い範囲で人の手が入った里山やスギ・ヒノキの植林地帯。

 落葉広葉樹があるのは里山か山地の標高の高いところの一部。

 ちょっとセツブンソウが自生するような環境とは思えません。

 大阪府のページで調べてみると、やはり大阪北部のようです。



二つの花が重なって八重咲のように見えます
二つの花が重なって八重咲のように見えます




 そんな大阪でセツブンソウを見ることができる数少ない場所が花の文化園。

 植えられているのは梅林の中。

 梅を見に来た時には足下にも目をやって、セツブンソウの小さな花も見てください。



フクジュソウも咲きはじめました
フクジュソウも咲きはじめました
場所によっては咲いていません
場所によっては咲いていません
花の文化園ではフクジュソウのほうがちょっと遅れて咲きます。



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タグ: セツブンソウ春の花白い花花の文化園フクジュソウ黄色い花萼の花キンポウゲ科の花

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冬の狭山池の鳥たち 2013.1 水辺のまわりにいた鳥たち編


 前回からかなり開いてしまった冬の狭山池にやってくる鳥たち。

 もたもたしている間に冬鳥の季節が終わってしまったの、次の冬鳥の季節まで待っていました。

 ということで、この鳥は2013年はじめの冬の鳥達です。

 この冬にやってくるのも同じ鳥たちだと思いますが、かならずしも同じとは限りません。




北側から見た狭山池
正面に見えるのは岩湧山や和泉葛城山などの和泉山脈の山々




 狭山池は大阪南東部の河内(かわち)地方にある、日本で一番古い溜池と言われる池で、農林水産省の「ため池百選」にも選ばれています。

 さらに大阪でも一二を争う大きな池で、周回路が整備され、トイレも数箇所、駐車場もあって、無料の博物館もあります。

 一部には浅瀬や葦原など様々なビオトープが残されていて、水辺の鳥から草原の鳥までいろいろ集まってくるのが特徴。

 なかでも種類が多い冬の狭山池で出会った鳥たちです。



 前回の狭山池の冬の鳥はこちらです。
【冬の狭山池の鳥たち 2013.1 水辺にいた鳥たち編】



 これらの鳥は冬に見かけた「冬の鳥」で、必ずしも冬の間だけ日本にやってくる「冬鳥(ふゆどり)」だけではありません。
 一年中日本にいる「留鳥(りゅうちょう)」や季節によって住む所変える「漂鳥(ひょうちょう)」も含まれます。



水際の刈られた草むらにいた鳥
ツル目
バン(鷭)
ツル目 クイナ科 バン属
ハトくらい
留鳥


草むらにいるとクイナっぽいバン
オオバンのように池に浮かんでいることもありますが、水かきのかわりになる弁足(べんそく)が無いためか立つことができる浅瀬を好むような気がします。
人影を見ると、カモが平然と泳いでいるような距離でも隠れようとします。

いつも水の中にいるイメージですが、人が近寄らないようなところだと地面の上にも上がってくるようです。





池の中や岸のコンクリートや
岩等の上にいた鳥
コウノトリ目
アオサギ(蒼鷺)
コウノトリ目 サギ科 アオサギ属
カラスよりずっと大きい
留鳥


首を縮めている?アオサギ
池の中にある謎の構造物の上に泊まるアオサギ。
首を縮めているのか、ちょっとゴイサギのような感じ。

下の黒い物体は、多分カワウ。



ペリカン目
カワウ(川鵜)
ペリカン目 ウ科 ウ属
カラスより大きい
留鳥


岩の上で体を温めろカワウ
川に住んでいますが、鵜飼(うかい)に使われるウではありません。
鵜飼に使われるのは海に住むウミウ。

カモのように長時間水につかっているのは苦手なのか、泳ぐ姿よりもこのようにぼーっとしてる姿をよく見ます。

本来ウは真っ黒ですが、顔が白くなってきているので、繁殖期が近づいて婚姻色(こんいんしょく)にかわる途中のようです。



スズメ目
ハクセキレイ(白鶺鴒)
スズメ目 セキレイ科 セキレイ属
スズメより大きい
漂鳥


灰セキレイではなくハクセキレイ

セグロセキレイではなくハクセキレイ
水辺から住宅街や都市のアスファルトや電線の上まで、人間の活動範囲を生活圏にする鳥。
よく見かける三鶺鴒(さんせきれい)の一つ。

名前は「白セキレイ」ですが、見た目は「灰セキレイ」。
そして「黒セキレイ」もいるのがやっかい。
「黒セキレイ」はセグロセキレイと間違いやすいですが、過眼線(かがんせん)(目の部分を通る線模様)があるのが特徴です。


セグロセキレイ(背黒鶺鴒)
スズメ目 セキレイ科 セキレイ属
スズメより大きい
留鳥


背中が真っ黒なセグロセキレイ
ハクセキレイと違って見た目もわかりやすいセグロセキレイ。
三鶺鴒の一つ。

行動範囲はハクセキレイと同じで、一緒にいることもよくあります。

黒いハクセキレイとの見分け方は、黒い顔に白い眉。


キセキレイ(黄鶺鴒)
スズメ目 セキレイ科 セキレイ属
スズメより大きい
留鳥


黄色くて小さいキセキレイ

飛ぶキセキレイ
よく見かける三鶺鴒のひとつですが、ハクセキレイやセグロセキレイほど見かけません。

行動範囲は水辺にこだわりを持っているようです。
体もちょっと小さく、いつも1羽で行動するなどちょっと、ハクセキレイやセグロセキレイより個性的?なセキレイです。


アオジ(青鵐,蒿鵐,蒿雀)
スズメ目 ホオジロ科 ホオジロ属
スズメくらい
漂鳥


珍しくはっきり写せたアオジ
冬になると草むらで「チッチッチッ」とよく鳴いていますが、なかなか姿を見せないのはウグイス並。
意外と住宅街の公園にいたりしますが、姿を見せないので身近な鳥というイメージは持たれていないようです。

水辺でもよく見かけますが、水辺が好きというよりも河原に茂っている草が好きなようです。


イソヒヨドリ(磯鵯)
スズメ目 ツグミ科 イソヒヨドリ属
ハトより小さい
留鳥


赤いお腹がよく目立つイソヒヨドリ
画像では黒っぽく見えますが濃い紺色の背中と茶色がかった赤いお腹が特徴。

1年に1回位見かけますが、日頃どこにいるのかはわかりません。

名前に「ヒヨドリ」がついていますが「ツグミ」の仲間。
首をぴんと立ててスタスタ歩く姿はたしかにツグミ。



ハト目
カワラバト(河原鳩)
ハト目 ハト科 カワラバト属
大きさ33cm
留鳥


公園などによくいるハト。
ドバトとも呼ばれます。

数ある野鳥の中でも最も人間を恐れません。
伝書鳩やレース鳩として日本に持ち込まれたものが野生化したもの。
人間を恐れないのは遺伝的なものかもしれません。

特に水辺を好むというわけではありませんが、狭山池ではよく見かけます。




 水辺の近くには、水辺を好む鳥と、水辺にこだわらない鳥たちがいます。
 いつも水に浮かんでいるカモ類もいることがありますが、この時はみかけませんでした。

 草がたくさん生えているので種がいっぱい転がっているのでしょう。

 水辺の鳥と野原の鳥の交差点です。



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タグ: 狭山池冬の鳥水辺の鳥冬の狭山池の鳥13.1キセキレイアオジイソヒヨドリカワラバトハクセキレイカワウ

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今年の花の文化園の梅の花はあともう少し。


 大阪南部にある植物園、花の文化園。

 ここにも梅園があります。

 コタツに入りながら梅を見ることができるのが、この梅園の特徴。



 2月下旬の日曜日。

 梅は咲いています。

 ただ、梅園中が満開になってコタツに入りながら楽しめるのは、もう少し時間が必要なようでした。



 白梅(はくばい)
南高(なんこう)
近畿に住んでいると梅干しとして有名な品種。
花梅としてもポピュラーなようで梅園でもよく見かけます。

野梅(やばい)
虎の尾(とらのお)



 薄紅梅淡(うすきこうばいあわく)
紅冬至(こうとうじ)



 薄紅梅(うすきこうばい)
道知辺(みちしるべ)
由来はわかりませんが、記憶に残る名前です。




 紅梅(こうばい)
唐梅(とうばい)



 濃紅梅(こきこうばい)
鹿児島紅(かごしまべに)
濃い赤の花の梅ですが、咲くのはもう少し先のようです。


※花のの色はデジカメで写した画像の色をIWO(いきもの は おもしろい!)が独自の判断で分類したものです。
専門的な分類や実際の色とちがうことがあります。
※色は「有職装束研究【綺陽会】」の「色彩と色目」を参考にさせていただきました。
ただし「白梅」という色はありませんので「白」としました。




 もういっぱい咲いているように見えますが、写真をよく見ればわかるようにまだまだつぼみばかり。




まだ梅園はこんな感じ




 でも、暖かくなったら一気に花開きそうな感じです。



■参考外部リンク■
大阪府立花の文化園公式サイト


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タグ: 花の文化園春の花南高(梅)野梅虎の尾(梅)紅冬至(梅)道知辺(梅)唐梅鹿児島紅(梅)

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雪と梅 今年はちょっと遅くなりそうな錦織公園梅園


 2月半ばの大雪。

 大阪の里山を残した錦織公園(にしこおりこうえん)も雪に覆われていました。



 公園の南にある梅園。

 そろそろ咲き始める頃ですが、立春からの冷え込みと雪でちょっと足踏み状態のようです。



雪の錦織公園梅園
雪の錦織公園梅園




 そんな梅園で早咲きの梅が雪の中で咲いていました。



早咲きの冬至梅

早咲きの冬至梅






早咲きの紅梅(八重寒紅?)

早咲きの紅梅(八重寒紅?)

早咲きの紅梅(八重寒紅?)




 大雪から一週間。

 蕾(つぼみ)もくふくらんできているようですから、暖かくなると一気に咲くことでしょう。



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タグ: 雪の錦織公園錦織公園冬至梅紅梅白い花赤い花春の花

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霧氷と氷と959mの葛城山


 2月中旬。

 冷え込んで雪が降りました。

 そこで金剛山に行こうとしたら、千早大橋から先が路面凍結。
 大阪でも標高が高く光の当たらない谷筋ですから、大雪が降ったら簡単にはとけません。

 にもかかわらず大量のチェーン無しのFR2WD(後輪駆動車)という雪道や凍結路面を走るのは自殺行為のような車が大量にスタック(行動不能)。

 走行車線だけでな対向車線でも追い越そうとしてスタックしているので道をふさいで通れません。
 ということで、行き先を隣の葛城山(かつらぎざん)(大和葛城山)に変更。



 道の標高が低い上に東側に面して光が当たるので、道路は問題なし。

 でも山頂は一面銀世界。

 一帯が芝地なのでまるでスキー場のようです。

 朝一番に登ってきた子どもたちがソリ遊びしています。



まるで雪国のような大和葛城山山頂
まるで雪国のような大和葛城山山頂




 葛城山は金剛山よりも100mほど標高が低いだけでなく、風向きが関係しているのかそれとも日当たりがいいためか雪はすぐとけてします。

 木々には雪が積もったり霧氷がついています。

 よく見ると、根元のほうが透明な氷になっていたり、氷が枝の形になって木からぶら下がたり、氷柱(つらら)ができたりしています。

 一度枝についた霧氷などが暖かさかけたところで、また凍ったものでしょうか。



一部が透明な氷になっているロープウエイ駅への道の落葉樹(イチョウ?)
一部が透明な氷になっているロープウエイ駅への道の落葉樹(イチョウ?)

ロープウエイ駅への道の落葉樹(イチョウ?)
ロープウエイ駅への道の落葉樹(イチョウ?)




枝の形の氷がついているツツジ園のヤマツツジ
枝の形の氷がついているツツジ園のヤマツツジ




霧氷の根本が透明な氷になっているツツジ園のヤマツツジ
霧氷の根本が透明な氷になっているツツジ園のヤマツツジ




とけてツララができたマツ(アカマツ?)
とけてツララができたマツ(アカマツ?)




長いツララができている針葉樹(ツガ?)
長いツララができている針葉樹(ツガ?)




 霧氷と透明な氷。

 暖かい山だからこそ見ることができる冬の風景かもしれません。

 この雪も数日でとけてしまうでしょう。



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いきもの は おもしろい!の「こよみ」のはなし 二十四節気と七十二候を計算する


 最近、二十四節気(にじゅうしせっき)や七十二候(しちじゅうにこう)の本が出版されるなど徐々に注目を集めています。

 この2つは現在の「新暦」が日本に導入される以前に使われていたため「旧暦」とひとまとめにされることがあります。



 「旧暦」でよく想像されるのが「太陰暦(たいいんれき)」。

 太陽の動きの1周期を1年とする太陽暦(たいようれき)とちがい、月の満ちかけの周期を1月とするのが太陰暦。

 ですから1年の長さは太陽暦とちがってきます。

 月の動きと海の干満と関係がありますので、漁業をしている人にとっては、太陰暦はわかりやすい暦(こよみ)になります。



 日本のように四季があるところ。
 北極圏のように極端に冬が長いもの。
 熱帯地域のように雨季と乾季にわかれるもの。

 地域によって様々ですが、気候の移り変わりは生活に直接結びつきます。

 季節は地球が太陽の周りをまわる動きと関係しています。

 言い換えると、地球からみたときの太陽の動きが季節と関係しているのです。

 つまり、季節の移り変わりは太陽暦のほうがわかりやすいのです。



1日と1年のサイクルをつくる太陽(正しくは地球の自転と公転ですが)
1日と1年のサイクルをつくる太陽(正しくは地球の自転と公転ですが)
太陽観察グラスを使用 右下の黒い点は金星




 日本の太陰暦の場合、太陽暦と比べると毎年10日ほど少なくなりズレが出てきます。

 ズレは3年ごと1月増やして1年を13ヶ月にして調整しますが、それでも農業をしている人にとっては農作業の基準にしずらいでしょう。

 それで、太陽の動きを基準とした二十四節気と七十二候をつくって農作業の基準にしたのです。



 このように二十四節気も七十二候も月ではなく太陽の動きをもとに作られたものなのです。
 つまり太陽暦。

 そのため日本の「旧暦」は太陰暦と太陽暦を合わせていたので「太陰太陽暦」とも呼ばれています。

 ですから「旧暦」=「太陰暦」というのは半分ちがいます。



海の干満の周期をつくる月
海の干満の周期をつくる月




 二十四節気は1年を24等分するのですが、その分け方には二通りあります。

 ひとつは「平気法(へいきほう)」と呼ばれ、冬至から次の冬至までの時間を24等分するもの。
 もちろん、すべての節気は等間隔の時間で分けられます。
 ただ、24時間で割り切れませんので、カレンダー上は1日程度ずれることもあります。



 もう一つは「定気法(ていきほう)」と呼ばれ、地球から見た太陽の通り道(黄道)を春分の場所をはじまりとして24等分するもの。

 地球の軌道は楕円ですので、定気法では節気と節気の間の時間は厳密には一致しません。

 こちらの方法ではそれぞれ間隔の時間が変わってきます。



 といってもそんなに大きなちがいはないのですが、冬至や夏至の頃では1日ずれることもあります。
 そうなると、どちらかに統一しなければ、ちょっと具合が悪くなります。

 現在、日本の天文観測の中心といえる国立天文台の二十四節気は定気法で行われていますので、このブログも二十四節気は定気法に合わせています。



太陽と月が一緒に見られるのが日蝕
太陽と月が一緒に見られるのが日蝕



 二十四節気が定気法なのですから、二十四節気をさらに3分して、1年を72に分ける七十二候も定気法で行うのが自然です。

 ところが国立天文台が公開しているのは二十四節気まで。

 さらに天体運行の高度な計算はできないので、この記事を公開した時点では、このブログでは七十二候については節気と節気の間の時間を平気法のように3等分しています。



 ただ、少しでも定気法に近づけるために、国立天文台が公表している分単位まで計算に入れています。

 ですので、「定気平気法」ともいえるような方法で七十二候の計算をしています。

 そのため他の個人や団体などの発表する七十二候の日付とずれている可能性があります。

 ご了承ください。



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タグ: 太陽暦太陰暦太陰太陽暦二十四節気七十二候暦の話

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「とりぱん」第15巻 冬はどうしてもつぐみんが主役!


とりぱん15巻目

 いつのまにやら15巻目を迎えた「とりぱん」。

 はじめての方のために説明すると、岩手県在住のマンガ家、とりのなん子さんとまわりにいる様々な鳥との日常を描いたマンガです。

 「とりぱん」の特徴は、鳥のありのままの様子を擬人化を交えて描いていること。
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 擬人化と言っても、よくある人間の価値観をそのまま動物に映しているのではなく、鳥の行動を擬人化を通して描いています。

 鳥が「高等な」人間のように考えて行動しているわけがない。
 と考えるかもしれません。

 確かに鳥が哲学的な倫理を考えることはないと思います。

 しかし視点を変えて鳥を観察していると、人間の中に「鳥と同じ」行動するところがあることに気付きます。

 それをズバっと鳥に映しているのが「とりぱん」、と思います。



冬の主役はやっぱりつぐみん

 15巻は2月中旬くらいからはじまります。

 大阪ではもう梅が咲き始めるくらいの季節ですが、岩手ではまだまだ雪。物語は完全に冬モード。

 冬の「とりぱん」というと、やっぱり主役はツグミのつぐみん。

 今回もなん子さんの庭で様々な鳥とバトルを繰り広げます。



この冬の初つぐみん(花の文化園1月)
この冬の初つぐみん(花の文化園1月)




 庭にやってくる鳥の中では決して小さくはないつぐみんですが、どういうわけか大きさに関係なく他の鳥に負けてしまいます。
 ときには、戦う気がない鳥に対しても勝手に負けます。

 ツグミは庭や公園など人の生活の場にいる鳥。

 刈り込まれた芝地も大好きなようで、結構目立ちます。

 しかし人の姿と見たとたんその場でかたまり、そして鳴きながら飛んでいってしまいます。

 駐車場を平気で走り回っているハクセキレイとはおおちがい。

 このへたれキャラっぷりがつぐみん人気の秘密?




勝手に15巻の鳥

 いつも選んでいる「○○巻の鳥」。

 勝手に選ぶ15巻の鳥は、ゴジュウカラことゴジュぴー。

 巻頭カラーと第386羽とお便りコーナーにしか登場しません。

 表紙にもなって出番も多かったキジのほうが目立っていましたが、だから遠慮していただいてゴジュぴーに。



眼光鋭い?ゴジュウカラのゴジュぴー(金剛山12月)
眼光鋭い?ゴジュウカラのゴジュぴー(金剛山12月)




 ゴジュウカラ(五十雀)はスズメ目ゴジュウカラ科ゴジュウカラ属の留鳥。

 スズメくらいの大きさの鳥ですが、特徴はキリっとした過眼線(目を覆うようにある線)と、樹の幹を上下にススっと動く機動性。

 眼光鋭く木の上を忍者走する姿は、ほかのカラ系の鳥たちとは一線を画しています。

 ところが、せっかく見つけた木の種を隠したまま忘れてしまうという天然ぶりもまた魅力。



幹に縦にひっつくゴジュぴー(金剛山12月)
幹に縦にひっつくゴジュぴー(金剛山12月)




アオジを間近で

 身近で目にしたことのない鳥がよく登場する「とりぱん」はいつも羨ましく思っています。

 なかでも15巻で1番羨ましく思った鳥は、第385羽のアオジ。

 なんと、なん子さんはたった2メートルの距離でじっくりとアオジを見たのです。

 アオジは近所に普通にいる冬鳥ですが、薮の中が好きなうえに人間が嫌いなようで、なかなか見えるところに出てきてくれません。

 そのアオジをたった2メートルの距離で見ることができたのは、これは羨ましい!



身近にいるけどめったに見られないアオジ(狭山池1月)
身近にいるけどめったに見られないアオジ(狭山池1月)




 もちろん虫ネタも健在。

 夏に向けて巻末にはコムクドリのバカップルも登場。

 次の「とりぱん」16巻は2014年夏発売予定。

 たのしみです!



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雪の山の小さな小さなアニマルトラック―動物の足跡


 野山にいる野生動物。

 闇雲に野山に出かけても、会えるとは限りません。

 特に哺乳類は数も少ない上に夜行性が多く、人間を避けています。

 出会うのは至難の業。



 でも、そうした動物たちと出会うことはできなくても、そこで生きている証なら、出会えることも少なくありません。

 そういった動物が生きている証拠となる跡、「生活痕(せかつこん)」。

 足跡に糞に巣、食べ残しなど生きている時にできる跡のことです。

 「フィールドサイン」とも言います。




雪が積もった山はアニマルトラックの宝庫(金剛山千早本道)




 フィールドサインの中でも哺乳類の足跡は「アニマルトラック」と呼ばれます。

 特に雪が降った後はいろんな動物の足跡が残り、姿を見ることがない動物たちが確かに住んでいることを実感できます。

 そんな雪が降り積もった金剛山で出会った足跡の中でも、小さな生き物。
 ネズミとリスです。



アカネズミ(赤鼠) ニホンリス(日本栗鼠)
ネズミ目 ネズミ科 アカネズミ属
北海道から九州までの低地から山地
日本固有種
ネズミ目 リス科 リス属
本州・四国・九州の平地から高山
日本固有種
ネズミの足跡の特徴は両足跡の真ん中の1本の筋。
尾を引きずった跡です。

歩くときはイヌやネコのように左右が互いちがいになりますが、跳ねるときは左右がそろいます。
リスは尾を持ち上げて移動しますので跡はつきません。

足跡が逆ハの字型に先が広がります。
リスのほうが大きいので足跡も歩幅も大きくなります。

参考「カヤネズミ」
(天王寺動物園)

アカネズミよりも小さいネズミ

参考「タイワンリス」
(大阪狭山市立市民ふれあいの里)

ニホンリスよりも大きいリス
※足跡がわかりやすいように画像を調節していますので、実際の色とはちがいます。
※雪の上の不明瞭な足跡で種を確定することは困難なので、最も可能性が高いと思える種を選びました。


 金剛山では、アカネズミもニホンリスも1回しか見たことがありません。
 しかも一瞬なので写真は1枚もありません。

 そんな稀にしか出会えない動物たちも、足跡なら出会うことができます。



 他にもいろいろ出会っていますが、それらは雪の季節が終わった時にまとめて紹介するつもりです。

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タグ: アニマルトラックフィールドサイン足跡アカネズミニホンリス雪の金剛山冬の金剛山雪の足跡

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パークスガーデン ビルの上の冬のビオトープの鳥たち


 今では当たり前のようになっている屋上緑化。
 建物の屋上で様々な植物を育てます。

 その大規模になったもの、屋上庭園。

 「屋上庭園」と呼ばれる施設は昔からありましたが、多くは植木鉢などに植えられた植物を並べたようなものだったようです。

 それが軽い人工土壌の開発などで、まるで地上の公園や植物園のように木々に覆われた“土”の空間がビルの上にも作られるようになりました。

 そんな屋上庭園の一つが大阪難波のパークスガーデン。



年中花が咲いてる7階花壇
年中花が咲いてる7階花壇




 大阪や日本の在来種にこだわらず、世界中の様々な種類の植物が植えられていますので、厳密にはビオトープとは言いにくかもしれません。

 しかし、10年をすぎた屋上庭園は木々も育ちビオトープとしての風格を持ってきています。



8階で咲いている極楽鳥花(ストレリチア)
8階で咲いている極楽鳥花(ストレリチア)




 都会のビルの屋上では、さすがに哺乳類や爬虫類両生類の生き物はやってきていないようですが、鳥たちはやってきています。

 淀川が近い梅田地域と違い、緑の少ない難波地域では、鳥たちにとっては数少ない緑でしょう。

 花も少なくなり、木々が葉を落とす冬ですが、それでも鳥たちはやってきていました。



日陰の落ち葉の上では保護色のスズメ
日陰の落ち葉の上では保護色のスズメ




目の周りの白がよく目立つメジロ
目の周りの白がよく目立つメジロ




黙っているとカッコいい?ヒヨドリ
黙っているとカッコいい?ヒヨドリ




 この日出会ったのはこの3種。

 どれもめずらしくもない鳥たちです。

 しかしこういった当たり前の鳥たちが来なくて、一体どんな鳥が来るのでしょう。

 あちこち移動する鳥が来てくれてこそ、いろいろな生き物がやってきて、ビオトープになっていきます。



8階の池にいるメダカ
8階の池にいるメダカ




 パークスガーデンを管理している人たちが、鳥たちに対してどのように考えているのかはわかりません。

 植えられている植物を見ていると、鳥を呼ばないように考えられているような気もしないわけではありませんが、パークスガーデンが難波近辺の鳥たちが集まるビオトープになればいいな。

 と密かに思っています。



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節分 セツブンソウが咲き始めました。


 自生する場所が限られる野草のセツブンソウ。

 雑節の一つ、立春前日の節分を迎え、セツブンソウ(節分草)が咲き始めました。

 といっても、山の中ではありません。

 植物園。
 大阪の河内長野市(かわちながのし)にある花の文化園です。



頭を少し出したセツブンソウ
頭を少し出したセツブンソウ




 このようにセツブンソウはまず蕾(つぼみ)を出します。



頭を全部出したところ
頭を全部出したところ




 蕾のまわりを包んでいるのは萼(がく)ではなく葉。

 赤っぽく見えるのは紅葉で有名な赤い色素のアントシアンが多いため。

 それはまだ十分に成長していない葉を太陽の光から守るため、と思います。



頭をもたげてきたセツブンソウ
頭をもたげてきたセツブンソウ




 キンポウゲ科の花らしく、太陽に向かうべく頭をもたげてきます。



葉を広げて今にも咲きそうになっています
葉を広げて今にも咲きそうになっています




 ここまでくると葉も緑色。

 ゆるみはじめた花の中にはオシベメシベが見えます。



花が開いてきたセツブンソウ
花が開いてきたセツブンソウ




 透明感がある白い花弁(はなびら)は、花弁ではありません。

 実は蕾を保護するために包んでいた萼(がく)が花弁のようになったもの。

 でも蕾のときには、葉が包んでいたので完全に萼の役割はなくなっているようです。



花開いたセツブンソウ
花開いたセツブンソウ




 真ん中に固まっている紫色のものがオシベとメシベ。

 そのまわりを囲んでいる先に黄緑色の丸いものがついたのが花弁が変化したもの。
 先の丸いのが蜜腺。

 まだ黄色くなっていないので、熟していないのかもしれません。



 ここで咲いているセツブンソウはまだわずか。

 梅が本格的に咲き始める2月中頃には見頃になることでしょう。



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