七十二候第五十六候「地始凍」なのに雪も降っていません。
1年を72に分けてその時期を象徴する言葉で表す七十二候(しちじゅうにこう)。
その立春から数えて56番目、「地始凍」。
よみは「ち はじめてこおる」。
地面が凍るほど寒くなってきたことを表します。
秋の猛暑が嘘のように冷たい空気がやってきて、東北や北海道では数十センチも雪がつもりました。
ところが、大阪で最も標高が高い金剛山でも、まだ氷点下にはなっていないようです。
「地面が凍る」というと、日本では雪が積もって白くなるようなイメージがあります。
しかし大阪ではそこまで雪がつもるのは数年に一度くらい。
大阪で最も高い場所の金剛山の千早園地でも、せっかく積もった雪もちょっと暖かくなっただけで簡単にとけてしまいます。
七十二候が改定された江戸があった東京も、長期間雪が積もることはありません。
まったく実感がわかない七十二候です。

「地が凍る」イメージの大阪最高地点のちはや園地(1月下旬)
七十二候の発祥の地、中国でも第五十六候は「地始凍」。同じです。
中国の場合、高緯度の内陸部に首都が置かれていましたから、今頃地面が凍っていたのでしょうか。
日本が参考にした大衍暦(たいえんれき)宣明暦(せんみょうれき)は唐の時代の暦(こよみ)です。
唐の都があった現在の西安の今の気温は、最低気温が氷点下に届くかどうか。
地面が凍るほどではないような気がします。
唐の時代にはもっと寒かったのでしょうか。
これは地球温暖化のため?
ちょっと疑問が残る七十二候です。
ともあれ、寒さも本番になる時期というのは、今も昔も、北も南も、日本国内ならかわりはないようです。


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