【 2013年11月】

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〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

金剛山のモミジ谷の堰堤ビオトープの更新


 10月末に金剛山のモミジ谷に行ってきました。

 大阪と奈良の境にある金剛山。
 その北側の水越峠(みずこしとうげ)からの道の中からでも好きな道の一つです。



 この日はモミジ谷のとなりのサネ尾を登って、モミジ谷を下るコースを選びました。

 サネ尾は右がスギやヒノキの針葉樹の植林、左が広葉樹林、道はその狭間の尾根という、おもしろい道です。

 途中谷に降りる道がありますが、尾根を登りつめるとダイヤモンドトレールに合流して、鳥居のところに出ます。

 そのまま山頂広場へ行き、昼食。

 そして下山。



広葉樹と針葉樹の間を歩くサネ尾
広葉樹と針葉樹の間を歩くサネ尾




 モミジ谷の上流は道も無くなり沢の中を歩くことになるのですが、何度もきているので大丈夫大丈夫と思って上流部へ下ってみると。

 なんか様子が変です。

 V字の狭い谷の沢には角張った花崗岩(かこうがん)の岩が転がっていたはずなのですが、花崗岩の岩盤がむき出しになっています。



 足を滑らさないように気をつけながら水が流れる岩盤の上を歩いて行くと、「道」がなくなっています。

 モミジ谷の上流は岩盤が飛び出し小さな滝がいくつもあるのですが、そこに流木と岩が絡んで谷を塞いでいます。

 水は流木の隙間を流れているのでダムにはなっていませんが、道は完全に断ち切られています。

 台風18号の影響です。



流木で塞がれてしまったモミジ谷支流の小さな滝
流木で塞がれてしまったモミジ谷支流の小さな滝




 流木に力を加えてきっちりと固定されていることを確認して、素早く降りていきます。

 それを何度か繰り返し、冬に凍る第六堰堤(だいろくえんてい)があるモミジ谷本流との分岐に到着。

 遠くから見るだけでも、まるで別のところに来たかのように風景が変わっているのがわかります。



 ここは谷が広くなっているところで、岩の間から草や小さな木が生えていたり、ところどころに苔が生えていたりとモミジ谷らしいところでした。

 それがまるで標高が高い山のように、白い花崗岩の岩が川原を埋め尽くしていました。



花崗岩の河原に変わってしまった支流から見たモミジ谷本流との分岐点
花崗岩の河原に変わってしまった支流から見たモミジ谷本流との分岐点


木々に覆われていた下流から見たモミジ谷本流支流の分岐点(2012年)
木々に覆われていた下流から見たモミジ谷本流支流の分岐点(2012年)
上の写真は左側の支流から見たものです。




 ここからガンドガコバ林道に合流するまで5つの堰堤があります。

 堰堤は大雨などで土石流がおきたときにその被害を減らすため、土石や流木を塞き止めて量を減らすことが目的。

 そのため堰堤の上は土砂がたまってちょっとした広場のようになっています。

 そこには様々な木や草が生え、時にはコケに覆われ、モミジ谷独特の風景を作り出していました。



 しかしどの堰堤の上も草はもちろん多くの木が流され、代わりに白い花崗岩と倒木が絡み合ったまま横たわるだけ。

 どこにも今までのモミジ谷の風景は残っていません。



石だらけになってしまった第4堰堤の上
石だらけになってしまった第4堰堤の上


もとはこんなに草と木に覆われていた第4堰堤の上(2012年)
もとはこんなに草と木に覆われていた第4堰堤の上(2012年)
上は上流から下流に向かって下は下流から上流に向かって




 金剛山のモミジ谷は六甲山のトエンティクロスよりも多くの沢渡を繰り返すのですが、所々で道が崩れ、川の流れも変わって、沢を渡るどころか沢の中を歩かなければならないところも出てきます。

 台風18号は近畿のあちこちで大きな水による被害を出しましたが、その爪あとは金剛山にもくっきりと残っていました。



 堰堤は人間が作ったもの。

 堰堤によってつくりだされたモミジ谷の風景は、人間と川の流れによって作られたもの。

 しかも氾濫する川の上に作られた儚(はかな)い自然。



 しかしそういう場所にも、そういう場所だからこそ育つ植物があります。

 モミジ谷の堰堤の風景は一度リセットされてしまいましたが、次はどのような形で自然が育っていくのかを楽しみにしていこうと思います。



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タグ: モミジ谷(金剛山)金剛山川のビオトープビオトープ台風台風18号(2013)モミジ谷遷移

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theme : 山登り
genre : 趣味・実用

七十二候第五十五候「山茶始開」を迎えてサザンカだけでなくお茶の花も咲いています。


 七十二候(しちじゅうにこう)第五十五候「山茶始開(つばき はじめてひらく)」を迎えてお茶の花も咲き始めています。

 お茶はツバキ科で、サザンカやツバキと同じツバキ属の植物です。

 葉は加工されて日本茶、紅茶、中国茶などになります。



うちのお茶の花
うちのお茶の花




 長いオシベはツバキやサザンカのようですが、白い花弁は丸まっていて、サザンカでもツバキでもない独特な形をしています。

 ただツバキと比べると見た目がちょっと開きすぎの感じが。

 盛んに品種改良されるものの、それはおいしいお茶をつくるため。
 花の品種改良はあまりされていないようです。

 もっとも、同じ時期に咲くサザンカが数多くの品種が作られていますので、その必要がないのでしょう。



下赤阪の棚田のお茶の花
下赤阪の棚田のお茶の花




花の文化園のお茶の花
花の文化園のお茶の花




 またこの時期は実が熟す時期。

 去年咲いた花の実が1年かけて熟し、割れて種がこぼれる頃でもあります。

 お茶の花を見かけたら、下に目を向けると小さくれ丸くて茶色いお茶の実がこぼれているかもしれません。



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タグ: 七十二候山茶始開お茶お茶の花初冬の花白い花

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theme : 博物学・自然・生き物
genre : 学問・文化・芸術

香る桂の黄葉 立冬前の花の文化園


 まだまだモミジの紅葉には時間が必要な大阪平野部。

 大阪南部の植物園の花の文化園でも、モミジはまだ緑色。

 そんな時期にきれいな黄色に染まっているのが、カツラ。



 カツラの落ち葉はちょっと香ばしい甘い香りがします。



きれいに黄葉している香るカツラ
きれいに黄葉している香るカツラ




 カツラの黄葉(おうよう,こうよう)以外にも晩秋の花が咲いています。



ハーブのサフラン
ハーブのサフラン




秋の花のリンドウ
秋の花のリンドウ




花が「人」の字に見えるジンジソウ
花が「人」の字に見えるジンジソウ




高野山では箒の材料になっていたコウヤボウキ
高野山では箒の材料になっていたコウヤボウキ



 これらの花の次がモミジの紅葉。

 そして植物園は冬を迎え、クリスマスローズの時期になります。



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タグ: カツラ香る植物秋の花花の文化園サフランリンドウジンジソウコウヤボウキ

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theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

晩秋の金剛山 ブナ林の黄葉


 立冬直前の金剛山。

 大阪と奈良の境にそびえる1000mを超える山で、京阪神を囲む山々の中で最も高い山。

 山頂では昼間ですら10℃を下回るようになってきました。



山頂売店前のオオモミジ
山頂売店前のオオモミジ




 京阪神の一部の山の山頂付近にわずかに残っているだけのブナも、金剛山では大きなものが多く残っています。

 そんなブナが黄葉(おうよう,こうよう)を迎えていました。



ブナ林が広がる千早本道の八合目と九合目の間
ブナ林が広がる千早本道の八合目と九合目の間




 金剛山は修験道(しゅげんどう)の開祖の役行者(えんのぎょうじゃ)が開いたと言われる修行場の一つで、山頂には神社と寺院があり、神仏習合(しんぶつしゅうごう)の地として信仰を集めています。

 そのためでしょう。
 山頂付近は神域として杉や檜の植林を免れていたようで、ブナの巨木をはじめとする様々な広葉樹が残されています。



黄葉している金剛山のブナ
黄葉している金剛山のブナ




ブナ以外にもシラキなど様々な広葉樹が黄葉しています
ブナ以外にもシラキなど様々な広葉樹が黄葉しています




まだ緑の葉も残っています
まだ緑の葉も残っています




 金剛山でブナ林が残るのところは何箇所もありますが、IWO(いきもの は おもしろい!)としておすすめは、最もメジャーな登山道の千早本道の8合目と9合目の間。
 8合目と9合目の間には2本の道がありますが、そのうち山腹を回っていく方の道。

 道沿いに多くのブナの巨木が生え、晩秋は黄葉、冬は霧氷、初夏には新緑で目を楽しませてくれます。

 他の道から登ってきても、ちょっと時間を割けば行くことができるのも魅力です。



高木から低木まで黄葉しています
高木から低木まで黄葉しています




ちょっとだけ杉も顔を出しています
ちょっとだけ杉も顔を出しています




この景色が楽しめるのもあとわずか
この景色が楽しめるのもあとわずか




 落葉が終わるとブナの枝についたヤドリギが目立つようになり、霧氷の季節になります。

 金剛山が白く染まる季節が待ち遠しくなる、ブナ林の黄葉です。



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タグ: 金剛山の紅葉金剛山のブナ黄葉紅葉秋の金剛山金剛山ブナ千早本道金剛山の植物

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theme : 山登り
genre : 趣味・実用

フィールドワークにはあったほうがいい 糖衣チョコ


 登山などで移動しながら、または休憩の時などの簡単な食事のことを「行動食」といいます。

 山では明るいうちに行動するのが基本。
 そのため長い距離を移動するときには立ち止まってゆっくり食事を取らず、歩きながら簡単に済ますことがあります。

 また、登山はカロリー消費が激しく、ちゃんと食事をとってもカロリーが足らずバテてしまうこと(シャリバテ)があります。
 それを防ぐために食べるのが行動食。

 子供のおやつも、場合によっては行動食になります。



 フィールドワークも行動するためのエネルギーは必須。

 山や大きな公園のように、近くに食堂やレストランがないようなときには、お弁当。

 そして食堂やレストランがあっても持って行きたいのが行動食。

 行動中にカロリーが不足すると、疲れるだけでなく集中力や気力もなくなってしまい、フィールドワークを続けることができなくなってしまいます。



大阪の吹田市にある万博公園
大阪の吹田市にある万博公園
公園でもこんなにひろいとレストランへ行くのも大変。
それに休日だと人もいっぱい。



 行動食は持ち運びしやすく自分の好みに合うものが一番ですが、基本と言われるのがチョコレート。

 たしかに手軽で美味しく種類も豊富で手に入れやすい上にカロリーも高いチョコレートは行動食にピッタリです。

 しかし、チョコレートには大きな欠点があります。

 それはとけやすいこと。

 冬ならいいですが、それ以外の季節は融けて形が変わったり、べたべたになって食べにくくなったりします。



 そんなチョコレートですが、夏でもとけずに食べやすいものがあります。

 それが糖衣チョコレート。

 ボタン型で表面が硬くなっているチョコレートです。

 商品名では明治のマールブルチョコレートやフルタのわなげチョコなど。

 行動食として持ち歩くのなら、明治のマーブルチョコの小袋がおすすめ。

 これで暑い夏でもとける心配のないチョコレートの行動食が食べられます。

 もちろん、冬も大丈夫。



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タグ: フィールドワーク食事行動食糖衣チョコチョコレート

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巨樹・古樹・老樹 その14 天王寺公園の植物温室の女王椰子


 日本一のビルのあべのハルカスが建つ大阪の阿倍野(あべの)。
 名前の通り有名な陰陽師の安倍晴明の縁の地です。

 そのとなりにあるのが天王寺(てんのうじ)。

 その天王寺にあるのが天王寺公園。
 100年以上の歴史がある公園です。



 動物園の手前にあるのが植物温室。

 小さめの温室です。

 でも上町台地の端の斜面に建っているからでしょうか、天井が高いのが特徴です。



天王寺公園の植物温室
天王寺公園の植物温室




 その高い天井を活かして植えられているのが、ジョオウヤシ(女王椰子)。
 成長すると高さ10mを超えるヤシです。



天王寺公園の植物温室の女王椰子(2012年9月)
天王寺公園の植物温室の女王椰子(2012年9月)



 高いものでは30mを超えるヤシの中では決して高いヤシではありませんが、温室の中に入っていると、とても高く見えます。

 まだまだ天井までは余裕がありそうですが、一体どこまで伸びていくのでしょうか。



巨樹(大きな木)・古樹(樹齢の高い木)・老樹(年老いて見える木)」とはIWO(いきもの は おもしろい!)が以下の独自基準で選んだものです。
1.一般に「巨樹」「古樹」「老樹」と認知されている樹木
2.見た目が「巨樹」「古樹」「老樹」を感じさせる樹木
3.見た目が小さくてもその種として「巨樹」「古樹」「老樹」な樹木
4.地域の自然を愛する組織や団体などが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木
5.その他IWOが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木




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タグ: ジョオウヤシ天王寺公園巨樹・古樹・老樹ヤシ

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