恐竜だけでない恐竜博物館 最初の花を見ました。
恐竜では日本一と言われる福井県立恐竜博物館。
もちろん恐竜の展示が中心ですが、他に地球の生き物の歴史も展示されています。
その中でも気になったものの一つが、植物。

福井県立恐竜博物館で出迎えてくれるティラノサウルスロボット
身近な植物というと、コケの仲間と茎がある維管束植物(いかんそくしょくぶつ)。
維管束植物はシダ植物と種子植物(しゅししょくぶつ)に分かれます。
種子植物は「花」のない裸子植物(らししょくぶつ)と、「花」が咲く被子植物(ひししょくぶつ)に分かれます。
植物の進化はだいたいこの順番と考えられています。
つまり、花が咲く被子植物は、一番最後に現れたと考えられているのです。
最初の花が咲く植物の一つと考えられているのが、アルカエアントゥス。
恐竜博物館の2階、「生命の歴史」の「恐竜時代の森」に復元された模型が展示されています。
アルカエアントゥスは中生代(ちゅうせいだい)中頃の植物で、現在のモクレンに似た花と実をつけていましたので、モクレンの仲間と考えられています。
つまり、モクレンは最も原始的な花の植物の仲間なのです。

恐竜博物館のアルカエアントゥスの復元模型
しかしそれはちょっと意外に感じます。
なぜかというと、モクレンの花は花弁(はなびら)と萼(がく)が変化したものなのです。
生き物の進化は、基本的に減る方向に進み、なにか新しいものが創りだされることはめったにありません。
新しく見えるものも、実はすでにあるものが変化したものだったりするのです。
例えばイルカの背びれと尾びれ。
背びれや尾びれはもちろん魚にもあります。
ところが魚の背びれや尾びれには骨がありますが、イルカにはありません。
魚がは両生類・爬虫類へと進化して失った背びれや尾びれの骨は、哺乳類が海に戻って魚みたいな形のイルカになっても、戻ってくることはなかったのです。
そこで筋肉や皮膚などを変化させて魚みたいな背びれや尾びれを作ったのです。
![]() 恐竜博物館の アルカエアントゥスの花 |
![]() ハクモクレンの花(花の文化園) ※展示されていません |
それと同じように、花弁のようになった萼が、葉っぱのような緑の萼に戻ることはないような気がします。
アルカエアントゥスの花の萼がモクレンのように花弁のようになっていたかどうかはわかりません。
すでに萼が花弁のようになっていたとすると、萼が緑色の花はモクレンの仲間以外の植物から進化したのかもしれません。
恐竜博物館も、恐竜以外に目を向ければ、もっといろいろとおもしろいことが見えてきます。

タグ: アルカエアントゥス 中生代 モクレン 恐竜博物館 植物 ハクモクレン

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