【 2013年10月】

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「ぐあーっ!! 甘塩っぺーっ!!」アニメーション「銀の匙 Silver Spoon」第1期全11話


 アニメーション「銀の匙 Silver Spoon」の第1期全11話の放送が終わりました。

 映画にもなった「鋼の錬金術師」の作者の荒川弘(あらかわ ひろむ)さんの現在進行中の作品を原作としたものです。
ここから話は始まります

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 本土とはスケールがちがう北海道の農業高校に入学した主人公の八軒勇吾(はちけん ゆうご)。

 実家の農業を継ぐために入学してきたクラスメートばかりの中で、農業とは縁がないサラリーマン家庭で育った八軒は、一年の間は全寮制という農業漬けの中でカルチャーギャップを感じながら、成長していく物語です。


 マンガ第1巻の紹介はこちら。
【「その子に名前つけちゃダメだよ?」荒川弘『銀の匙 Silver Spoon』第1巻】



八軒勇吾 豚丼と出会う

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 第1期のテーマは「豚丼」。
 原作エピソードの順番を入れ替えて、11話でまとまるようにしています。

 「豚丼」は入学したての八軒が実習で出会った子豚の名前です。

 兄弟との乳房の取り合いに負け、一番乳の出の悪い乳房で育ったためほかより小さい豚に、自分を重ね合わせて思わず名前をつけてしまいます。

 しかし農業高校の実習でペットの豚を育てるわけはありません。
 食肉にするための豚です。

 農家出身のクラスメートに別れにくくなるから名前を付けないようにと言われながら、どうせなら食べ物の名前をつければ、ということで決まったのが「豚丼」。



 八軒は豚丼を他の豚に負けないくらい大きく育てます。

 そして出荷される時がきました。

 悩んだ八軒は、夏休みのバイト代で豚丼の肉を買うことを決心するのです。

 そして51キログラムの肉になって帰ってきた豚丼。

 八軒はそれを様々に加工して食べます。

 この間の八軒の葛藤は、アニメや原作のマンガをご覧ください。



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 自分が世話をした家畜を食べるというのは、現代社会ではめったにあることではないと思いますが、数十年前の農家では、それほど珍しいことではありませんでした。

 もちろん家畜は大切に育てられますが、やはりペットではありません。

 大切に育てて、食べる。

 家畜を飼っていない現代人にとっては、家庭菜園で野菜を育てることが一番近いかもしれません。
 それでもなかり遠いところにあると思いますが。



 動物を食べるということは、日常的に行っていることですが、野菜のように育てて収穫して、下処理して、食べ物に調理するという過程をすべて経験することは、今ではまれなことになています。

 豚丼も八軒は食肉加工は専門業者に任せています。

 しかし、マンガでもアニメでも簡単に流されていますが、八軒は夏休みにとても重要な経験をしています。

 夜間車で移動している時に運悪く轢いてしまった鹿を、八軒が解体したのです。


八軒勇吾 鹿を解体する

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 目の前に力なく横たわる鹿は目立った外傷もなくまるで生きているようです。

 そこに包丁を立て、腹を裂き、内蔵を取り出し、関節を外し、筋肉を取り、皮を剥ぐ。

 マンガでもアニメでもあっという間に終わってしまいますが、実際は解剖学的知識のない八軒にとっては簡単ではなく、時間もかかって力もいる大変な作業だったはずです。
 もちろん心理的にも。

 本来ならば、徐々に肉になっているシカの様子を、それに向い合う八軒の顔も合わせてじっくりと描いてほしいところです。

 作者はどう考えたかはわかりませんが、掲載されている週刊少年マンガ雑誌では、さり気なく流すことが限界だったのでしょう。
 アニメもそれに倣っているようです。



 哺乳類の動物を殺して食べることに嫌悪感を持つ人がいます。

 確かに生きている哺乳動物を殺せと言われればためらうのは当然で、解体されていく哺乳動物を見るのは辛いことと思います。

 しかし、寒冷だったり、乾燥してたりして農作物を作ることが困難な地域では、遊牧して動物を食べる習慣を持った人々がいます。

 そういう地域では子供の頃から哺乳動物の解体方法を学びます。
 それだけでなく、解体した哺乳動物の大切な扱い方も学びます。

 そういう人たちの文化に触れていると、動物を食べるということが悪いことには思えません。

八軒勇吾 豚丼と別れる

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 たとえば日本で人気のある松阪牛も、解体ショーを行えば人は集まらず、苦情が出るかもしれません。

 しかしそれがマグロの解体ショーなら人が集まり、苦情も来ないでしょう。

 どちらも同じ動物。
 人間と同じで切れば赤い血が流れる骨を持った脊椎動物です。

 生き物として違いがあるとは思えません。

 これは習慣の違い、文化の違いなのではないでしょうか。

 個人の価値観として哺乳動物の肉食を避けるのは尊重されなければならないと思います。

 それと同じように、動物を食べることも尊重されなければならないところはあると思います。
 もちろん、不必要な殺生はやめるべきだと思いますが。



八軒勇吾
みんなと豚丼を食べる

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 「ぐあーっ!! 甘塩っぺーっ!!」

 八軒が一緒に生活をする高校の仲間とともに「豚丼」を食べた時の言葉です。
 アニメでは八軒の声でしたが、マンガでは誰のものかはわかりません。

 きっと八軒の言葉であり、みんなの言葉なのでしょう。

 八軒は葛藤を覚えながらも、豚丼も鹿もおいしそうに平らげます。

 これがすべての答えとは思いませんが、ひとつの答えのような気がします。

 そういう意味で八軒の鹿の解体はもっときっちりと描いて欲しかったと思います。
 マンガだからできることですから。


 まさかBD特典映像になったりして……



 アニメの「銀の匙 Silver Spoon」第2期は2014年1月から放送の予定です。



◆タグ 銀の匙 荒川弘 ◆

■参考外部リンク■
TVアニメ「銀の匙 Silver Spoon」 公式サイト
銀の匙 Silver Spoon(エゾノー)〈公式サイト〉|小学館


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タグ: 銀の匙荒川弘

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源流まであとわずかの谷で出会った水生生物 金剛山の狼谷


 大阪と奈良の境にある金剛山(こんごうざん)。

 その北側にあるモミジ谷。
 いくつもの谷に分かれます。

 その一つの狼谷。
 モミジ谷の西側を山頂に向って伸びています。



金剛山の位置



 真夏の8月の狼谷。

 モミジ谷も狭いですが、狼谷はもっと狭い谷です。

 入ってすぐ道はなくなります。

 というか、沢を歩くことになります。

 べつに沢登の道具は必要ありません。
 防水してある登山靴で歩けるくらいの水の量です。



この記事にはの画像があります。





倒木だらけの狭い狼谷
倒木だらけの狭い狼谷




 そんなところだから沢に生き物なんていないだろうと思いつつ、足元の花崗岩(かこうがん)の石をひろってみると。

 いました。

 ひとつは水生昆虫。

 まだ小さく形がはっきりしませんが、くろい二つの目と平たい体、2本の尾。

 ヒラタカゲロウの仲間の幼虫でしょうか。



狼谷のヒラタカゲロウの仲間?の幼虫
狼谷のヒラタカゲロウの仲間?の幼虫




 そして同じ石にいたのは体を「C」型に曲げて横になったまま動いています。

 おそらくヨコエビの仲間でしょう。



狼谷の小さなヨコエビ
狼谷の小さなヨコエビ




 カゲロウは昆虫で、幼虫は水の中に住んでいますが、成虫になると翅(はね)をはやして飛ぶことができます。

 それで飛んできて卵を産(う)んだのでしょう。

 しかしヨコエビは甲殻類(こうかくるい)。
 空を飛ぶ事はできません。

 こんな小さい体でこんな上の方まで登ってきたのでしょうか。



生き物がいたあたりの狼谷<
生き物がいたあたりの狼谷




 こういった水も食べ物も少なそうな所に生き物がいると思えなくてちょっとびっくりしました。

 でも水生昆虫の天敵は魚。

 さすがにこんな水の少ないところには魚はいないでしょう。

 ということは、虫たちには必ずしもひどい場所ではないのかもしれません。



 たまったま拾った石に2匹の虫が。
 意外と生き物が多そうです。

 機会を改めて狼谷のビオトープトレッキングをしてみたいと思います。



狼谷は高度な登山技術が必要な場所ではありませんが、道もわかりにくくある程度の登山の知識と経験が必要と思われます。


◆タグ 金剛山の虫 モミジ谷 金剛山 水生生物 ◆

■参考外部リンク■
金剛山登山道情報(金剛山のホームページ)
金剛山を歩く

身近な川の水生昆虫を調べてみよう!兵庫県立 人と自然の博物館


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二十四節気でも七十二候でも霜が降りる季節なんですが……


 10月後半になり、1年を24に分けて季節の移り変わりを表した二十四節気(にじゅうしせっき)では18番目の「霜降(そうこう)」。

 1年を72に分けて季節を表した七十二候(しちじゅうにこう)では第五十二項の「霜始降(しもはじめてふる)」。

 どちらも霜が降り始めるほど寒くなってきたことを表します。



窓ガラスについた霜
窓ガラスについた霜




 「霜」は空気中の水蒸気が物の表面で氷になること。
 霜がつくものの温度が0℃以下になっていなくてはならなく、普通は気温が5℃位から下がった時に起きる現象です。

 いくら冷え込んできたからといって、近畿の平野部では最低気温が10℃よりもまだまだ上。
 まだまだ霜には縁遠く感じます。



 ちょうどこの頃に白い花を咲かせるのがシモバシラ。

 漢字で書くと「霜柱」。
 冬に現れる霜柱そのものが由来です。

 シモバシラが咲くので「霜」の二十四節気や七十二候が現れたのでしょうか。



シモバシラの花(花の文化園)
シモバシラの花(花の文化園)




 植物のシモバシラの由来は、冬になると枯れた茎に大きな霜柱ができるからで、「霜降」や「霜始降」とは関係無さそうです。

 それに霜柱は地面に中の水分が凍って地面の上に飛び出してきたもので、霜とはちょっとでき方がちがいます。



 結局、「霜降」「霜始降」の由来はわかりませんが、もしかしたら二十四節気が考えられた頃の中国は寒冷期だったのかもしれません。

 なにしろ中国の首都は基本的に北方の内陸部にありましたので、今頃なら時には霜が降りることがあったのかもしれません。

 もっとも七十二候は日本で何度か改定されていますから、江戸時代に寒冷化して大飢饉を迎えた時に改定したままになっているのでしょうか。



長く成長した霜柱
長く成長した霜柱




 もちろん北の地域や標高の高いところではすでに霜が降りていることもあるでしょう。

 逆に南の地域では一年中霜が降りることがない地域もあります。
 その補正を行った七十二候に「暦の会」の「現代七十二候」があります。

 それによると「霜始降」は次のようになります。


おおよその
期間
七十二候 暦の会の現代七十二候
北日本 中部日本 西日本
10月24日
  ~28日
霜始降 初雪 サザンカ開花 ガン渡来



 「中部日本」「西日本」という区分がわかりにくく、残念ながら南西諸島が含まれていませんが、参考にしたものが古いので今では改良されているかもしれません。


 二十四節気や七十二候は万能ではありませんが、各地の気候に合わせて補正すれば、日々身近に季節の移り変わりを感じることができるかもしれません。



◆タグ 霜降 二十四節気 七十二候 ◆

■参考外部リンク■
大阪府立花の文化園公式サイト


今回参考にさせて
いただきました

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猛禽も気になる棚田の稲刈り 下赤阪の棚田とノスリ


 稲刈り中の下赤阪(しもあかさか)の棚田。

 大阪南東部の金剛山の麓の棚田です。



稲刈りが進む下赤阪の棚田
稲刈りが進む下赤阪の棚田




 ふと空を見上げると大きな鳥が気流に乗って飛んでいます。

 白くありませんし羽ばたいていないのでサギの類ではありません。

 こういう鳥を見た時にまずチェックするのはカラスかどうか。

 色は黒くないのでカラスではありません。

 次はトビかどうか。

 広げた尾羽(おばね)は扇型(円尾(えんび))なのでトビではありません。
 トビは真ん中がへこんだ凹型(凹尾(おうび))。



棚田の空を舞う猛禽と思われる鳥
棚田の空を舞う猛禽と思われる鳥




 軽く空を舞っている鳥の翼の裏は白い色。

 そして少し角度がついたところに斑(まだら)の模様が。

 よく見ると翼の後の風切羽(かざきりばね)と尾羽に特徴的な縞模様があります。



 これらの特徴を合わせてみると。

 どうやら、ノスリのようです。

 翼の斑模様は「ノスリ斑(はん)」とも呼ばれます。



ノスリ(※)

鳥綱 タカ目 タカ科 ノスリ属
漂鳥
カラスくらい

ノスリ
※「のすり」の漢字は鳥脚に狂(「鳥」の上に「狂」)




 ノスリは渡りはしないけど季節で住む所替える漂鳥(ひょうちょう)、田畑の近くにもやってくる猛禽(もうきん)です。

 猛禽というと小さな鳥を刈るイメージがありますが、ノスリが食べるのはネズミやトカゲヘビなどの小さな脊椎動物(せきついどうぶつ)。

 ですから田畑のような開けた所にやってくるのでしょう。



 見ているとくるくると空を回りながら林の向こうに消えていき、戻ってくることはありませんでした。

 この日も棚田に食べ物を探しに来たところ、稲刈りで人間が多かったのであきらめて別の田んぼに向かったのかもしれません。


 それとも、ノスリも棚田の稲刈りを見に来たのでしょうか。



◆タグ 猛禽 カラスくらいの鳥 下赤阪の棚田 ◆

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誰がどの鳥を狩ったのか? 岩湧山でプロファイリング


 大阪の河内長野市にある滝畑ダムから岩湧山(いわわきさん)に向かってダイヤモンドトレールを歩いているとき。

 山頂の茅場(かやば)手前のヒノキ(檜)林を歩いているとき。

 ヒノキの落ち葉の上に大量の羽毛が散らばっていました。



岩湧山の檜林の現場
岩湧山の檜林の現場




 錦織公園(にしこおりこうえん)で時折見かける風景です。

 錦織公園の場合は、野良猫がカワラバトを狩った跡のフィールドサイン。

 ネコは鳥を捕まえた場所で毛をむしってから、どこか人目のないところへ持って行って食べるようです。
 今まで鳥の羽毛が散らばっているのは何度も見たことが有りますが、食べ残しや骨を見たことはありません。



翼系の羽毛は濃いグレーと暗い黄緑色
翼系の羽毛は濃いグレーと暗い黄緑色




 ここ、岩湧山の現場では大きな疑問が二つ。

 ひとつは、誰の狩り跡か。

 もう一つは、誰が狩られたのか。



フワフワ系の羽毛は白いものが目立つ
フワフワ系の羽毛は白いものが目立つ



 ここは集落から2時間ばかり歩いた山の中。
 イエネコは考えられないでしょう。

 岩湧山にいそうな肉食の哺乳類は、テン

 姿は見たことがありませんが、糞(ふん)は見たことがあります。

 夜行性で姿を見せないくせに登山道などの目立つところに糞をする習性があるのがテン。

 ということで狩ったのはテン。



以前岩湧山登山道で見かけたテンのものと思われる糞
以前岩湧山登山道で見かけたテンのものと思われる糞
これは植物を多く食べていたよう




 次は狩られたのは誰か。

 散っている羽毛しか手がかりはありません。

 フワフワした羽毛は白いものが多いようです。
 つまり腹が白い鳥。

 翼になる羽毛は、濃いグレーと、暗い黄緑色。

 この取り合わせで、山にいる鳥は……

 シジュウカラ。



狩られたと思われるシジュウカラ
狩られたと思われるシジュウカラ




 さあ、真実は?



◆タグ フィールドサイン テン シジュウカラ 岩湧山 ◆

■外部リンク■
河内長野市 岩湧の森 「四季彩館」


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タグ: フィールドサイン岩湧山テンシジュウカラ

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金剛山が育む棚田の生き物 下赤阪の棚田2013年9月 その4 植物編の2+地衣類編


 稲穂が色付く9月の下赤阪の棚田で出会った生き物も、これで終わりです。

 今回は植物だけでなく、地衣類(ちいるい)という生き物も登場します。




よく実った9月下旬の下赤阪の棚田




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掲載ページ数は文一総合出版『ポケット図鑑 田んぼの生き物400』初版第1刷のものです。




 「出会った時期」は写真を撮ることができた時期のことで、その時期以外にはなかったということではありません。



植物界
被子植物門
双子葉植物綱

ゲンノウショウコ(現の証拠)

フウロソウ目 フウロソウ科 フウロソウ属
多年草
掲載:P229
出会った時期:中旬・下旬

山でばかり見ていたのですが、田んぼにも生える雑草でもあります。


ツリガネニンジン(釣鐘人参)

キキョウ目 キキョウ科 ツリガネニンジン属
多年草
掲載:P291
出会った時期:中旬・下旬

名前のように釣り鐘のような小さな花は、薄紫できれいです。
棚田の梅畑のところで咲いていました。


ヘクソカズラ(屁糞葛)

リンドウ目 アカネ科 ヘクソカズラ属
蔓性多年草
出会った時期:上旬・下旬

茎や葉がくさい臭がするというのが由来です。
確かに葉をちぎると青臭い中に何か腐ったような臭がします。


メヤブマオ(雌薮苧麻)

バラ目 イラクサ科 ヤブマオ属
多年草
出会った時期:上旬


よく見かける雑草のカラムシとよく似ていますが、メヤブマオは茎に左右同じ所につく対生(たいせい)、カラムシは葉が茎に互いちがいにつく互生(ごせい)です。

ウンシュウミカン(温州蜜柑)

ムクロジ目 ミカン科 ミカン属
常緑低木
出会った時期:上旬

棚田の北側にはみかん畑が広がっています。
棚田には数本植えられていますが、棚田を作っている人の自家用でしょうか。
休憩の時に食べる用?
でも食べごろになるのは稲刈りのあとでは?


カキノキ(柿の木)

ツツジ目 カキノキ科 カキノキ属
落葉広葉樹
出会った時期:上旬・中旬・下旬

上は上旬で下は下旬。
あまり色は変わっているように見えません。
この後カキは稲刈りの頃から急に色づき始めます。

クヌギ(櫟)

ブナ目 ブナ科 コナラ属
落葉高木
出会った時期:下旬

どんぐりの袴(はかま)と言われる殻斗(かくと)はまだ緑色で柔らかそうです。



単子葉植物綱
イネ目

イヌビエ(犬稗)

イネ科 ヒエ属
一年草
掲載:P217
出会った時期:中旬

田んぼに生える厄介な雑草のひとつです。
無農薬栽培では根絶の難しい雑草ですが、逆に除草剤が多く使われていない証拠でもあります。

栽培ヒエの原種です。


タイヌビエ(田犬稗)

イネ科 ヒエ属
一年草
掲載:P218
出会った時期:上旬

こちらもポピュラーな田んぼの雑草です。
イヌビエと同じように除草剤が多く使われていない証拠でしょう。


エノコログサ(狗尾草)

イネ科 エノコログサ属
一年草
掲載:P223
出会った時期:上旬・下旬

「猫じゃらし」で有名な雑草。
田んぼではなく道端に生えていました。


ススキ(薄)

イネ科 ススキ属
多年草
出会った時期:下旬

道端に生えていました。
どこからか種が飛んできたのでしょう。


メヒシバ(雌日芝)

イネ科 メヒシバ属
一年草
出会った時期:上旬

どこにでも生えている雑草の一つ。
エノコログサと同じように道端に生えていました。


クサスギカズラ目

ヒガンバナ(彼岸花)

ヒガンバナ科 ヒガンバナ属
多年草
掲載:P192
出会った時期:中旬・下旬

田んぼにつきもののヒガンバナ。
あちこちで咲いていました。


ニラ(韮,韭)

ヒガンバナ科 ネギ属
多年草
出会った時期:上旬・中旬・下旬


棚田の一角にいっぱい生えていました。
ネギと同じように花を咲かせると葉が硬くなると言われているので、食べるために育てているのではないのかもしれません。

よくスイセンの葉と間違われるニラですが、このように葉はスイセンより薄くしなやかな感じです。
もちろんちぎればニラの臭がしますし、花はまったくちがいます。
スイセンの葉は食中毒を起こしますので、間違わないように注意が必要です。
生命力旺盛なニラは、簡単に雑草になります。


ユリ目

オニドコロ(鬼野老)

ヤマノイモ科 ヤマノイモ属
多年草
出会った時期:上旬・中旬



図鑑ではオニドコロの雄花の房(花序)は上を向くと書いてますが、下を向いています。
右は雄花のアップ。

葉は幅が広いハート形がオニドコロの特徴。
ヤマノイモのような芋もできますが、毒あるので食べられません。
慣れればちがいはわかりやすいのですが、ヤマノイモと同じ所に生えるので注意が必要です。
ここでもヤマノイモと同じ所に生えていました。
実がなりかけている雌花。
同じヤマノイモ属のヤマノイモに似ていますが、花がうえを向いているのでオニドコロです。


ヤマノイモ(山の芋)

ヤマノイモ科 ヤマノイモ属
多年草
出会った時期:中旬


「ヤマイモ」とも言われます。

オニドコロと比べて葉が細いのが特徴。
葉の付け根にできる丸い芋のようなものはむかご。
埋めると芽が出てきてヤマノイモが育ちますが、種ではありません。
芋と同じようなものです。
むかごができるのがヤマノイモの特徴。
オニドコロにはできません。

その他の目

オモダカ(沢瀉,面高)

オモダカ目 オモダカ科 オモダカ属
多年草
掲載:P184
出会った時期:上旬・中旬


田んぼの中に生える雑草。
水中から茎や葉を伸ばす抽水植物(ちゅうすいしょくぶつ)で、仲間には水草として水槽ビオトープなどに利用されるものもあります。

ツユクサ(露草)

ツユクサ目 ツユクサ科 ツユクサ属
一年草
掲載:P193
出会った時期:中旬・下旬

きれいな花ですが、結構しぶとい雑草です。
湿気の多いところを好んで生えます。
花期の長い花です。


アオウキクサ(青浮草)

サトイモ目 ウキクサ科 アオウキクサ属
多年草
掲載:P183
出会った時期:上旬

平たい葉っぱだけでまるでコケのようですが、種子植物です。
そして葉っぱのようにみえるのは葉でも茎でもない葉状体(ようじょうたい)。
葉状体は苔類のコケの特徴でもあるので、収斂進化でコケ型に変わったのでしょうか。





シダ植物門

ノキシノブ(軒忍)

ウラボシ綱 ウラボシ目 ウラボシ科 ノキシノブ属
出会った時期:上旬

葉っぱが細かく分かれた(羽状複葉)イメージのあるシダですが、葉が1枚(単葉)がノキシノブの特徴。
家の軒に生えるのが名前の由来ですが、今は家よりも石垣や大きな木の幹に生えているのをよく見かけます。


ヒメノキシノブ(姫軒忍)

ウラボシ綱 ウラボシ目 ウラボシ科 ノキシノブ属
出会った時期:上旬

名前の通りノキシノブを小さくしたようなシダ。
草のように見えますが、花が咲かず種もできませんので、種子植物ではありません。
胞子で増えるのはコケと同じですが、茎の中に水や栄養を送る管の集まり(維管束)があり、その点では種子植物と同じです。

コケとちがい維管束(いかんそく)があるので大きく育つことができ、種子植物が繁栄するまでは数十メートルの高さまで育つシダがありました。
現在でも暖かい地域には高さ数メートルにもなるシダ植物が残っています。





菌界
地衣類

 地衣類にはちょっと説明が必要かもしれません。
 あまり聞き慣れないだけでなく、ちょっとかわった生き物だからです。

 地衣類は簡単に云うと、カビと光合成生物(シアノバクテリアや緑藻)が一緒になったものです。

 細胞の中に光合成をする葉緑体がいる植物に対して、光合成生物を細胞に入れずに菌糸で囲い込んで共生させているのが地衣類。

 高い山や南極など他の生き物が生きられないようなところにもいます。
 その分成長はとても遅く、1年かけても数ミリから1センチくらいと言われています。

 体を作っているのはカビやキノコの仲間ですが、見た目も育つところもどちらかと言うとコケの方に近いふしぎな生き物です。


コガネゴケ(黄金木毛)

コガネゴケ科 コガネゴケ属
痂状地衣類
出会った時期:上旬

粉をまぶし長に見える痂状地衣類(かじょうちいるい)。
樹皮につく地衣類です。
ノキシノブがついていた同じクヌギについていました。


ヒメレンゲゴケ(姫蓮華木毛)

ハナゴケ科 ハナゴケ属
樹状地衣類
出会った時期:上旬


草のように立ち上がった樹状地衣類。
「樹」とついていますが実際は2~3センチほどの大きさです。
先についている赤い部分には胞子が詰まっています。

小屋の横に倒れていた丸太についていました。



 4回続いた9月の棚田の生き物もこれが最後。

 生き物の種類が多く、農薬や除草剤も少なく丁寧に守られていることがわかります。

 作業者が通れるように舗装された道をちょっと歩いただけでこれだけの生き物と出会うことが出来ました。

 専門的にじっくり探すともっとたくさんの生き物がいることでしょう。

 棚田は景観だけでなく、生物の多様性でも大切なビオトープのようです。



◆タグ 田んぼの生き物 下赤阪の棚田 田んぼ ビオトープ ◆

■参考外部リンク■
下赤阪の棚田(11月にはライトアップ)千早赤阪村ホームページ
下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会
ACRES_棚田の主な役割と「百選」の選定方法
一般社団法人 地域環境資源センター 農村環境部


『ポケット図鑑 田んぼの生き物400』以外に参考にした本の一部

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タグ: 9月の下赤阪の棚田の植物果実/SA-tanadaシダ/SA-tanada地衣類/SA-tanada珠芽/SA-tanadaヤマノイモイヌビエ下赤阪の棚田2013下赤阪の棚田201309棚田の植物1309

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九頭竜川と氾濫といきもの


 福井駅から恐竜博物館がある勝山まで向かうえちぜん鉄道の勝山永平寺(かつやまえいへいじ)線。

 そのほとんどは九頭竜川(くずりゅうがわ)と並んでいます。



 福井県北部を流れる九頭竜川。

 「九頭の竜の川」とも「九つの頭の竜の川」とも読める名前の川です。

 えちぜん鉄道の車内アナウンスでは、よく氾濫(はんらん)するので「崩れ川」が由来となった、とか。

 歴史を見ても、この九頭竜川を治水するということは、とても重要なことだったようです。

 実際、勝山に向かう途中でも、広い河原が広がるところがあります。

 角のとれた大きな石が転がるところと畑にも田んぼに使われていない木に覆われたところがあり、堤防の内側で時折川が氾濫することを思わせます。



えちぜん鉄道福井駅のベンチの恐竜?
えちぜん鉄道福井駅のベンチの恐竜?




 「九頭竜」という字を見ると一つ少ない「八岐(やまた)の大蛇(おろち)」を連想してしまいます。
 これも島根県の斐伊川(ひいがわ)の氾濫を表しているという説もあります。

 また「くずりゅう」から「クトゥルー」を連想したときは、関係ないはずです。
 多分。



 今でこそ洪水になることが特別の事のように思われていますが、昔は川は洪水を起こすものでした。

 都市を作るためには平らで広い土地(平野)が必要です。

 平野にはかならずある川。
 いや、川があるからこそ平野ができるともいえます。

 そして川が平野を作るために必要なのが氾濫。

 昔から都市を維持することは洪水との戦い。
 都市を作るためには川の氾濫を止める治水の技術が必要でした。



えちぜん鉄道の列車から見た九頭竜川その1
えちぜん鉄道の列車から見た九頭竜川その1




 治水が進んだ今でも川が氾濫し、時には人命を失うほどの大きな被害をもたらすことがあります。

 川の氾濫を異常気象のせいにするのも間違いではないと思いますが、そもそも川は氾濫するものだ、という意識は持ち続けるほうがいいように思います。

 そして気象の変化のサイクルは、時には人間の一生を大きく超えます。

 お年寄りが「生まれて初めて」の災害でも、その土地では当たり前のことかもしれません。



えちぜん鉄道の列車から見た九頭竜川その2
えちぜん鉄道の列車から見た九頭竜川その2
右端で銀色に光っているのが恐竜博物館?




 地球にとってはよくあることでも生き物にとってはめったにないこと。

 氾濫で根こそぎ持っていかれたとしても時間がたてばこのように生き物が復活するのかもしれません。

 とはいえそのような場所に生える植物は水辺が好きな植物。
 木も水辺が好きなハンノキやヤナギの仲間。
 草も栄養が乏しいところでも平気なものばかり。
 山に生える植物とは少しちがいます。

 いくら植物が育ったといっても、時おり起こる氾濫で大きな森になることは無いでしょう。

 しかし、長い時間が流れ、地形が変わって、川の氾濫が起きなくなると、どんどん植物が入れ替わっていき、最後は大きな森になるかもしれません。



◆タグ 川のビオトープ ビオトープ ◆

■参考外部リンク■
地域共生型サービス企業をめざします。 えちぜん鉄道株式会社


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タグ: ビオトープ九頭竜川川のビオトープえちぜん鉄道

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やっと稲刈り。プランター稲・バケツ稲・ペットボトル稲2013


 下赤阪(しもあかさか)の棚田ばかりに気を取られている間に、自分の田んぼのほうがおろそかになってしまいました。

 だいぶ遅れましたが、やっと稲刈りです。
 いや、園芸バサミで切りましたから、稲切りです。



稲切り前のプランター稲
稲切り前のプランター稲




 去年とちがい今年はそこそこ実りました。

 ちょうど穂ができるくらいの時期に病気になったため、丈もちょっと低く1年目のような豊作とはいきませんが、ここまで実るとは思っていませんでした。

 去年は不作で、原因は有機肥料のせいで水の質が変わってしまったためではないかと思っていましたが、どうやらそのようです。

 やっぱりプランターやバケツのような小さな環境では、有機肥料ではなく化成肥料のほうがいいようです。



垂れるプランター稲の稲穂
垂れるプランター稲の稲穂




 籾(もみ)が黄色くなり、葉も黄色くなり始めた頃から水を減らしていき……そのままになっていました。

 稲切りは簡単。

 分げつして増えた稲株をむんずとつかみ、ハサミでじょきり。

 そのあとはビニール紐できつく縛って、100円ショップで売ってるS字フックをかけて、物干し竿へ。



組み立ての必要のない稲架(はさ) 別名「物干し竿」
組み立ての必要のない稲架(はさ) 別名「物干し竿」




 スズメ対策の網を巻きつけて、雨がかからないようにして、1ヶ月ほど干したら、いよいよ脱穀(だっこく)籾摺(もみす)りです。



◆タグ プランター稲2013 バケツ稲 プランター稲  ◆

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金剛山が育む棚田の生き物 下赤阪の棚田2013年9月 その3 動物編の2


 大阪の千早赤阪村の棚田で出会った生き物の動物編の2です。

 稲刈りまで秒読みになってきた9月の田んぼですが、動物は元気に飛び回っています。


 今回は節足動物の残りとほかに色々な生き物たちです。




かなり黄色くなってきた9月下旬の下赤阪の棚田




この記事にはクモミミズなどの画像があります。





田んぼの生き物400 (ポケット図鑑)

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掲載ページ数は文一総合出版『ポケット図鑑 田んぼの生き物400』初版第1刷のものです。




 「出会った時期」は写真を撮ることができた時期のことで、その時期以外にはなかったということではありません。



節足動物門
クモ綱
クモ目
ジョロウグモ(女郎蜘蛛)
ジョロウグモ科 ジョロウグモ属
掲載:P116
出会った時期:下旬

右側にいる小さいクモは恐らくオス。
つまり大きい方はメス。
オスがちがう種類かと思うくらい小さいクモは他にコガネグモなどがいます。


スジブトハシリグモ (条太走蜘蛛)
キシダグモ科 ハシリグモ属
出会った時期:中旬

網を張らずに走り回って獲物を捉えるクモの仲間。
ハシリグモには水辺に住むものも多く、アメンボのように水面を走ることもできます。


シロカネグモの仲間
アシナガグモ科 シロカネグモ属
出会った時期:中旬

腹部や脚からシロガネグモの仲間だと思うのですが、この角度ではちょっとわかりません。
手の届かないところだったので、この向きで精一杯でした。




エビ綱
エビ目
サワガニ(沢蟹)
サワガニ科 サワガニ属
掲載:P142
出会った時期:中旬

左側の鋏と脚が欠けています。
サギに襲われたのかもしれません。
隠れるところがない田んぼの用水路に流されてきたからでしょうか。





環形動物門
貧毛綱
フトミミズ(太蚯蚓)
ナガミミズ目 フトミミズ科 フトミミズ属
掲載:P117
出会った時期:中旬

太いといううより大きいミミズ。
長さは25センチくらい?。
どういうわけか大量に溝の中にいました。
ミミズは水中でも窒息はしませんが、太陽の光が苦手なようですので、このままでは死んでしまいまうでしょう。


ミミズ(蚯蚓)の糞塊
掲載:P117
出会った時期:上旬

地面の上に溜められたミミズの糞です。
種類はわかりませんが、糞塊(ふんかい)の様子から“普通の大きさ”のミミズだと思います。
田んぼの水が抜けたのでさっそく糞塊をつくりだしたのでしょう。





軟体動物門
腹足綱
ニシキマイマイ(錦蝸牛)
有肺目 オナジマイマイ科 マイマイ属
出会った時期:上旬

西本州では一般的なカタツムリ。
地域によって変異が多いそうです。


カワニナ(川蜷)
吸腔目 カワニナ科 カワニナ属
掲載:P83
出会った時期:中旬

ゲンジボタルの幼虫の餌として有名な巻き貝。
一年の半分は水を抜く用水路ですから、これからどうなるのか気になります。




二枚貝綱
マシジミ(真蜆)
マルスダレガイ目 シジミ科 シジミ属
掲載:P87
出会った時期:上旬

カワニナ同様これから水の無くなる季節はどうなるのか気になります。
水ない状況で何ヶ月も生きられると思えないので、この貝は上流から流されてきたものでしょう。





脊索動物門
条鰭綱
メダカ(目高)?
ダツ目 アドリアニクチス科 メダカ属
掲載:P56
出会った時期:中旬・下旬

今までは流れが多くてあまり気づかなかったのですが、上旬には流れをゆるめていたので用水路の中にもいろいろな生き物がいることがわかりました。

メダカかどうかちょっと自信がありません。
目が大きいようにみえること、背中の真ん中に黒い筋があることで、一応メダカとしました。
ただ背びれがちょっと前すぎるような気がします。


ヨシノボリ(葦登)の仲間
スズキ目 ハゼ科 ヨシノボリ属
出会った時期:上旬

はじめは「ハゼの仲間」としていましたが、ツイッターでご指摘をいただき確認しました。
画像が少なく結論は出せなかったのですが、近畿地方の川の上流にいるハゼはヨシノボリの仲間ばかりのようですので、修正しました。

冬には水を止めてしまう水路ですので、上流から流れてきたものでしょう。
機会があるとき水路がつながる川も確認したいと思います。


コイ科と思われるの小さな魚
出会った時期:上旬・中旬


一見メダカのようですが、目が小さい、口が尖っている、背中に黒い筋がない、背びれが真ん中辺りについているので、メダカではないようです。
上のメダカとした魚も同じかもしれません。
用水路を上流から流れてきたのでしょうが、水を止めてしまったらどうなるのか気になります。

こちらもツイッターでご指摘いただきました。
「コイ科のカワムツやモロコといった小魚では」とのご指摘があったのですが、上から写した画像ばかりで十分な確認ができませんでした。
改めて調べてみると、コイ科は広範囲の淡水魚を含みますので「コイ科」を加えました。
魚の種類については、近くの川や上流の川に住む魚を調べることと合わせて、宿題にさせていただきます。




両生綱
カエル目
トノサマガエル(殿様蛙)
アカガエル科 アカガエル属
掲載:P27
出会った時期:上旬・中旬・下旬



ツチガエル(土蛙)?
アカガエル科 アカガエル属
掲載:P34
出会った時期:上旬・中旬・下旬

背中の隆条の感じからツチガエルと思いますが、自信がありません。


ヌマガエル(沼蛙)?
アカガエル科 ヌマガエル属
掲載:P34
出会った時期:上旬

ツチガエルとよく似ていますが、背中の隆条が細長いのでヌマガエルとしました。
ツチガエルは「イボガエル」と呼ばれるように隆条が短くなっています。


ニホンアマガエル(日本雨蛙)
アマガエル科 アマガエル属
掲載:P26
出会った時期:上旬

緑色で小さいカエル。
吸盤が発達しているのでよく葉っぱにとまっています。


ツチガエルのオタマジャクシ(御玉杓子)
両生綱 カエル目
出会った時期:上旬

はじめはただ「オタマジャクシ」としていましたが、こちらもツイッターでご指摘をいただき確認しました。
体から尾の独特の模様、オタマジャクシで越冬する特徴から、ご指摘のあったツチガエルのオタマジャクシに修正しました。

オタマジャクシの越冬には水が必要ですので、用水路の水が流れているうちに川まで流れていければいいのですが。
現在は稲穂が実る頃から翌年の入水まで田んぼの水を抜くのが普通になっていますが、これが田んぼの生き物を減らす原因の一つ。
それに合わせて田んぼの生き物を食べる鳥も数を減らした、と言われています。
もっとも、田んぼは人間が作った人工の空間で、本来日本の自然にはなかったものです。
そのころのカエルなど田んぼの生き物たちの状況がどうだったのか気になります。




鳥綱
スズメ目
モズ(百舌,百舌鳥,鵙)
モズ科 モズ属
出会った時期:中旬・下旬

縄張り宣言の「キチキチキチキチ……」という地鳴きがあちこちで聞こえます。
が、意外とシャイなのかあまり木のてっぺんに現れてくれません。


セグロセキレイ(背黒鶺鴒)
セキレイ科 セキレイ属
掲載:P171
出会った時期:中旬

名前のとおり背中が黒いセキレイです。
ただハクセキレイも背中が黒いものがいるので注意が必要です。
ちがいは黒い顔に目の上に白い線が入っているのがセグロセキレイ。
白い顔に目のところに黒い線(過眼線)が入っているのがハクセキレイ。


ツバメ(燕)
ツバメ科
掲載:P168
出会った時期:中旬

空を飛び回っていました。
下に降りてくれないので種まではわかりません。


ハシボソガラス(嘴細烏)
カラス科 カラス属
掲載:P174
出会った時期:上旬・中旬・下旬

いつ行ってもいるのがハシボソガラス。
嘴から頭までがなだらかにつながっているのが特徴です。



ハト目
キジバト(雉鳩)
ハト科 キジバト属
出会った時期:上旬・中旬

「ヤマバト」と呼ばれるように山によくいますが、町中でもカワラバト(ドバト)に混じっている時があります。

水を引いた田んぼに残っていた足跡は、ちょっと自信がありませんが、大きさと形からするとキジバトがぴったりです。



コウノトリ目
サギ科 アオサギ属
掲載:P154
出会った時期:上旬


第2趾(し)と第4趾の角度が90°くらい、そして小さい水かきがあるので、ダイサギかアオサギ。

以前ダイサギを見たことがあるので若干ダイサギの可能性が高いような気がします。



哺乳綱
ネコ目 イタチ科 テン属
出会った時期:上旬・中旬


ボールペンの長さはおよそ15センチ。
もしかしたらイタチかもしれません。

足跡は第1指と第5指が他の3指よりも後についているのでテンのものだと思います。

どちらも別の日別の場所ですから、同じ動物のものかどうかはわかりません。
こんな感じでテンの足跡と鳥の足跡が一緒になっていました。
まわりに羽根がなかったので、別々の時間についた足跡でしょう。
ダイサギが通ったあとでテンが通ったように見えます。


ヒト(人)の足跡
霊長目 ヒト科 ヒト属
出会った時期:上旬・中旬

流れてきた水を暖めるように田んぼを区切っていた波板をはずした時についてようです。
田んぼのあちこちで少しずつ稲刈りの準備がはじまっていました。



 これで動物編は終わり。

 次は植物編の2+菌類編(仮称)の予定です。



■参考外部リンク■
下赤阪の棚田(11月にはライトアップ)(千早赤阪村ホームページ)
下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会
ACRES_棚田の主な役割と「百選」の選定方法
(一般社団法人 地域環境資源センター 農村環境部)


参考にした本の一部です

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2013年10月21日 修正

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《ビオトープとは その4》水槽に水草とメダカを入れたらビオトープでしょうか?


 インターネットショッピングで「ビオトープ」を検索してみると、よく水槽と水草のセットが出てきます。

 水槽に水草とメダカを入れるとビオトープの出来上がり、のようです。



「ビオトープ」のはじまり

 「ビオトープ」という言葉はドイツで生まれました。

 発展していくドイツで、自然を開発から守るために考えだされたものです。

 日本語の漢字では「生物生息空間」などと書きます。

 もうちょっとだけわかりやすく書くと、動物や植物など様々な生き物が一緒に暮らすひとまとまりになる場所のことです。

 つまり、場所という視点で生き物をみることです。



都会の中のビオトープの新梅田シティの新・里山
都会の中のビオトープの新梅田シティの新・里山




なにがビオトープ?

 例えば森の中の池。

 自然の池は浅いところや深いところがあり、それぞれの深さに応じた植物が生え、浅いところには葦が茂っていたりします。

 池の周りにもいろいろな植物が生え、その周りには水辺でも平気な樹木が生えます。

 池の中には昆虫から魚までいろいろな動物がいます。

 水辺の植物や池の周りの木々にもいろいろな動物がいるでしょう。

 池があるところとその周辺にはそれぞれの環境に応じた様々な生き物がいます。



 そして池から離れてしまうと、池とは関係のない森の植物が育つことになります。

 つまり、池とその周りには水が好きな生き物、水が多いほうがいい生き物などいろいろな水辺に関係する生き物たちが多様性を保ち、周囲の森とはちょっとちがう集まりを作っています。

 これが池のビオトープなのです。



まわりが住宅街の池のビオトープの久米田池
まわりが住宅街の池のビオトープの久米田池




 となると、ビオトープとは人間が手を加えていない自然のことを言うのでしょうか。

 そうではありません。

 自然というのは常に移り変わっていくもので、特に人間が一度手を加えたものは手入れを怠るとすぐ違う形に変わっていこうとします。

 例えばきれいな庭もなにもしなければあっという間に雑草だらけになるでしょう。

 それはビオトープも同じ。
 生き物の多様性を取り戻すために人工的に作ったビオトープも、手入れを怠ると崩壊してしまい、場合によっては生き物の多様性を失ってしまいます。

 ビオトープは場合によっては人間が管理をするものでもあります。

 もともと「ビオトープ」は人工的に生き物の多様性を戻すため、または維持するために考えだされたものです。



「水槽+水草+メダカ」を考える

 そこで「水槽+水草+メダカ」に戻ります。

 上の説明を見ると、どうやらこれもビオトープっぽく感じます。

 しかし、恐らくこのような組み合わせだと、餌を毎日与え、ときおり水を換え、たまに水槽を洗わなければならないでしょう。

 ビオトープの管理とは、手取り足取り行うものではなく、自然の移り変わりを調整して、生き物の多様性を守ることです。

 そして出来るだけのその場所に元からいた生き物を集めること。



 ということで、「水槽+水草+メダカ」もメダカが住むところにいるいろいろな種類の生き物を集め、水槽の大きさも考え、餌をやらなくても、水もしょっちゅう換えなくてもいいのなら、小さなビオトープかもしれません。

 しかし、餌を毎日あげたり水をよく換えたりしなければならないのなら、ビオトープとは言えなさそうです。



田んぼも立派なビオトープの下赤阪の棚田
田んぼも立派なビオトープの下赤阪の棚田




ビオトープのポイント

 ビオトープのポイント。

 動物や植物などいろいろな種類の生き物が一緒にいる。
 それが地域の生き物で構成されていること。

 人間が管理をしても環境を整えるだけで、餌やりなど積極的な飼育や栽培はおこなわない。

 そしてそれらの生き物が関係する一つの環境としてのまとまり。



 ビオトープとして大切なことは生物の多様性。
 いろいろな種類の生き物がいること。
 これが「ビオ」の部分。

 そして、もう一つ大切なことがつながりのあるひとまとまりの場所。
 これが「トープ」の部分。


 つまり、色々な生き物が共存できる関係のあるひとまとまりの場所が、ビオトープなのです。



人工的に作られた河原も時間がたてばビオトープの淀川のわんど
人工的に作られた河原も時間がたてばビオトープの淀川のわんど




 小さな水槽はビオトープと呼ぶのはちょっと難しいかもしれません。

 しかしビオトープを意識して生き物を育てるということは、いろいろな生き物がいる自然について考えるききっかけになるでしょう。

 まずは小さな水槽、ひとつの植木鉢からビオトープを感じてみると、生き物と環境、それがひとつになった自然について新しいことが見えてくるかもしれません。



◆タグ ビオトープとは ビオトープ 新・里山 下赤阪の棚田 淀川 ◆

■参考外部リンク■
(公財)日本生態系協会
日本ビオトープ協会 | 日本ビオトープ協会

新・里山新梅田シティのポータルサイト ウメポタ
大阪府最大のため池 久米田池
まるごと泉州トップページ(泉州農と緑の総合事務所))
下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会
淀川河川事務所


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