バケツ稲・プランター稲で小さなビオトープはたいへん
稲と一緒に田んぼに住む甲殻類を育てるプランター稲ビオトープ。
水を張ると同時に生まれたたくさんのプランクトン。
時間がたつにつれて数が減っていき、残ったのは数匹のホウネンエビと2匹のカブトエビ。
しかし2週間ほどでカブトエビは全部いなくなってしまいました。
残るはホウネンエビだけ。
と思っていたら、数匹のカイエビが出現。
もちろん、生まれたてではありません。
カイエビは二枚貝のように殻で体を包むことができる甲殻類です。
去年田んぼからもらってきたカイエビを入れていたのでそれが卵を生んでいたのでしょう。

2週間ほどたったプランターのカブトエビ
カイエビは泳ぐことはできますが、よく底の方にいて、ちょうどカブトエビと住むところが重なります。
そして卵の大きさがまったくちがい、同時に生まれたとしても大きさがまったくちがいます。
もちろん、カイエビのほうがずっと小さいのです。
それで、カブトエビが動き回る間は土の中に隠れていたので、気付かなかったのでしょう。
ホウネンエビはいつも真ん中あたりを泳いでいるので、肉食のカブトエビに襲われることも少なかったにちがいありません。

3週間をすぎたプランターのカイエビ
ところが、そのカイエビもいつしか姿が見えなくなりました。
カイエビを食べるカブトエビはいませんので、環境が合わなくなり死んでしまったのでしょう。
ただホウネンエビは数匹ですが生き残っていますので、それほどひどく悪化したのではないようです。
しかしそれは去年と同じ状況。
水は1日汲み置きしたものを毎多めに入れて、中の水が少しずつ入れ替わるようにしていますが、プランター稲ビオトープではカブトエビやカイエビを何週間も育てることは難しいようです。

2ヶ月くらい生きたホウネンエビ
思い当たる原因としては、溶存酸素量。
つまり水の中に溶け込んでいる酸素の量です。
いくつか資料を見ていると、昼間の田んぼは稲も光合成をしていることもあり水中の酸素の量は多いのですが、逆に呼吸だけになる夜の間には極端に酸素の量が減り、酸欠状態になるようです。
広い田んぼでそうなのですから、小さなプランターでは酸素不足は極端かもしれません。
それについて一つ気になることがあります。
バケツ稲。
バケツ稲には水が悪くなった時に抜くために500mlのペットボトルの底をとったものを逆さまにしてさしてあります。
飲み口の方はそのままですから、バケツ稲の土と接しているのはほんのわずか。
そこにも田んぼからもらってきたカイエビを入れたのですが、そのカイエビは長い間生きていたのです。
バケツに入れたカイエビがすべていなくなっても。

逆さペットボトルを立てた田植え後しばらくたったバケツ稲
水抜き用の逆さペットボトルの中には水が500ml近く。
もちろん稲はありません。ほんの少しカイエビの餌になるくらいの藻類がある程度。
バケツ稲の土との接点も10円玉くらい。
稲が土の中の酸素を使いすぎても、ペットボトルの中は影響がほとんどないでしょう。
溶存酸素量のことを考えると、ここのカイエビだけが長生きしたのも納得できます。
となると、来年のプランター稲ビオトープにはなにか手を加えなければならなさそうです。
ビオトープとして田んぼの状態をプランターに再生しつつも、田んぼと同じようにカイエビやカブトエビが卵を生むまで大きく育てるための方法を。
あと半年間で答えを出さなければ。

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