【 2013年09月】

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ビオトープ
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〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

バケツ稲・プランター稲で小さなビオトープはたいへん


 稲と一緒に田んぼに住む甲殻類を育てるプランター稲ビオトープ。

 水を張ると同時に生まれたたくさんのプランクトン。

 時間がたつにつれて数が減っていき、残ったのは数匹のホウネンエビと2匹のカブトエビ。

 しかし2週間ほどでカブトエビは全部いなくなってしまいました



この記事には田んぼに住むエビの画像があります。




 残るはホウネンエビだけ。

 と思っていたら、数匹のカイエビが出現。
 もちろん、生まれたてではありません。

 カイエビは二枚貝のように殻で体を包むことができる甲殻類です。

 去年田んぼからもらってきたカイエビを入れていたのでそれが卵を生んでいたのでしょう。



2週間ほどたったプランターのカブトエビ
2週間ほどたったプランターのカブトエビ




 カイエビは泳ぐことはできますが、よく底の方にいて、ちょうどカブトエビと住むところが重なります。

 そして卵の大きさがまったくちがい、同時に生まれたとしても大きさがまったくちがいます。
 もちろん、カイエビのほうがずっと小さいのです。

 それで、カブトエビが動き回る間は土の中に隠れていたので、気付かなかったのでしょう。

 ホウネンエビはいつも真ん中あたりを泳いでいるので、肉食のカブトエビに襲われることも少なかったにちがいありません。



3週間をすぎたプランターのカイエビ
3週間をすぎたプランターのカイエビ



 ところが、そのカイエビもいつしか姿が見えなくなりました。

 カイエビを食べるカブトエビはいませんので、環境が合わなくなり死んでしまったのでしょう。

 ただホウネンエビは数匹ですが生き残っていますので、それほどひどく悪化したのではないようです。

 しかしそれは去年と同じ状況。

 水は1日汲み置きしたものを毎多めに入れて、中の水が少しずつ入れ替わるようにしていますが、プランター稲ビオトープではカブトエビやカイエビを何週間も育てることは難しいようです。




2ヶ月くらい生きたホウネンエビ
2ヶ月くらい生きたホウネンエビ




 思い当たる原因としては、溶存酸素量。
 つまり水の中に溶け込んでいる酸素の量です。

 いくつか資料を見ていると、昼間の田んぼは稲も光合成をしていることもあり水中の酸素の量は多いのですが、逆に呼吸だけになる夜の間には極端に酸素の量が減り、酸欠状態になるようです。

 広い田んぼでそうなのですから、小さなプランターでは酸素不足は極端かもしれません。



 それについて一つ気になることがあります。

 バケツ稲。

 バケツ稲には水が悪くなった時に抜くために500mlのペットボトルの底をとったものを逆さまにしてさしてあります。
 飲み口の方はそのままですから、バケツ稲の土と接しているのはほんのわずか。

 そこにも田んぼからもらってきたカイエビを入れたのですが、そのカイエビは長い間生きていたのです。

 バケツに入れたカイエビがすべていなくなっても。



逆さペットボトルを立てた田植え後しばらくたったバケツ稲
逆さペットボトルを立てた田植え後しばらくたったバケツ稲




 水抜き用の逆さペットボトルの中には水が500ml近く。
 もちろん稲はありません。ほんの少しカイエビの餌になるくらいの藻類がある程度。
 バケツ稲の土との接点も10円玉くらい。

 稲が土の中の酸素を使いすぎても、ペットボトルの中は影響がほとんどないでしょう。

 溶存酸素量のことを考えると、ここのカイエビだけが長生きしたのも納得できます。

 となると、来年のプランター稲ビオトープにはなにか手を加えなければならなさそうです。

 ビオトープとして田んぼの状態をプランターに再生しつつも、田んぼと同じようにカイエビやカブトエビが卵を生むまで大きく育てるための方法を。

 あと半年間で答えを出さなければ。



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絶滅危惧種の大顎のカッコいい昆虫もいます!「いきもの いっぱい 大阪湾 ~フナムシからクジラまで~」

特別展でお馴染みの幟
特別展でお馴染みの幟

 大阪湾の生き物と、それにまつわる人々の文化が展示されている大阪市立自然史博物館の「いきもの いっぱい 大阪湾」。

 タイトルが「大阪湾」ですから、海の生き物ばかり、と思うかもしれません。

 それはちょっとだけ正確ではありません。

 大阪湾に接している海岸の陸側に住んでいる生き物も、虫から植物までいろいろ展示されています。



この記事にはの画像があります。





たとえば海岸の松林に生えるキノコのショウロも展示されています
たとえば海岸の松林に生えるキノコのショウロも展示されています



 そんな中に一度野外で出会ってみたいと思っている生き物がいました。

 ヒョウタンゴミムシ。

 オサムシの仲間の肉食甲虫です。

 ただオサムシよりも大顎(おおあご)が発達していて、小型のクワガタかメスのクワガタくらいの感じです。

 ただクワガタと決定的に違うのは体の形。

 胸のところ(前胸と中胸の間)、つまり翅(はね)のないところと翅のあるところの間でくびれていること。
 それがヒョウタンのようだというのが名前の由来。

 これも普通のゴミムシともちがいます。



ヒョウタンゴミムシの標本
ヒョウタンゴミムシの標本




 オスのクワガタとちがってかみつく顎として役に立つレベルでの大きさと、くびれによる体の自由度の高さがヒョウタンゴミムシに惹かれるところ。

 しかし、まだ生きているもの、海岸で動いているものに出ったことがありません。

 「いきもの いっぱい 大阪湾」では甲子園で採取されたオオヒョウタンゴミムシの標本が展示されています。

 体の大きさはもちろん、顎の大きさも他のヒョウタンゴミムシとはちがいます。
 といっても、コクワガタよりも小さいですが。



オオヒョウタンゴミムシの大顎とくびれ
オオヒョウタンゴミムシの大顎とくびれ




 それなら甲子園へ急げ!

 と思うのですが、標本は80年以上昔のもの。

 確かに工業地帯になった今の甲子園にいるとは思えません。

 現在は兵庫県でも大阪府でも絶滅危惧I類(絶滅の危機に瀕している種)。

 しかも夜行性。



80年前のオオヒョウタンゴミムシ
80年前のオオヒョウタンゴミムシ




 ただ、ヒョウタンゴミムシにはいくつも種類があるので、どれかに出会えることはあるかもしれません。

 海岸に行けば。

 大阪はまだ自然海岸が残っているので、いつか会える日が来ることを信じて。

 それにヒョウタンゴミムシの仲間は海岸以外に住む種類もあるということですから、まだまだ機会はあるかもしれません。



 このように、海の中だけでなく、海岸の陸側に住む生き物もいっぱい展示されているのが「いきもの いっぱい 大阪湾」です。



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ハトの刹那の足跡で想像ふくらむ


 暑い夏の長居公園(ながいこうえん)。

 土もカラカラに乾いているので係の方が植木に水やり。

 ところどこにこぼれた水が水たまりを作っています。

 水がほしいのは木だけでないようで、カワラバト(ドバト)が水を飲んでいました。



水たまりから逃げ出したカワラバト
水たまりから逃げ出したカワラバト




 じっと見ているこちらの視線に気づいてのっそのっそと歩いていきます。

 すると乾いた地面の上に足跡が。

 人間の指は5本ですが、多くの鳥は4本。
 鳥は指が1本退化したと考えられています。



地面に残ったカワラバトの足跡
地面に残ったカワラバトの足跡



 目の前でつけたのでカワラバトの(あしゆび)(鳥の指のこと)の跡は前3本、後1本。
 これが鳥の一般的な趾の数です。

 人間に例えると、後ろ向きの趾が第1趾で親指。
 そして内側から順番に第2趾、第3趾、第4趾でそれぞれ人差し指、中指、薬指に相当し、退化しているのが小指ということになります。



カワラバトの足のアップ
カワラバトの足のアップ
前3本と後1本の指がペタリと地面につきます。




 もちろん、哺乳類の指の形や本数にもいろいろあるように、鳥も住む場所や生活の仕方によって色々なパターンがあります。

 例えば地面に住んで木にとまらない鳥は、第1趾が地面につかないところにあって足跡にはめったに残りません。

 鳥の先祖といわれる獣脚類の恐竜も第1趾が上についていて、地面の上に住む鳥と同じです。



ティラノサウルス亜成体「ジェーン」の足(よみがえる地球の覇者!世界大恐竜展)
ティラノサウルス亜成体「ジェーン」の足
(よみがえる地球の覇者!世界大恐竜展)




 そんなことを考えていると、いつの間にか足跡は消えてしまいました。



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干潟ビオトープの常連猛禽のミサゴ 大阪南港野鳥園


 大阪の南港埋立地にあった湿地帯。

 そこに多くの野鳥が集まっているので人口の干潟を整備してできたのが大阪南港野鳥園。
 シギ・チドリネットワークの登録湿地で環境省の「日本の重要湿地500」にも選ばれています。

 大きな展望塔があり、そこから野鳥を観察することができます。

 ただし、遠くから見ることになりますので、カメラは高倍率レンズ、観察には高倍率の双眼鏡や単眼鏡が必要です。

 双眼鏡は展望塔にレンタルがあります。



大阪南港野鳥園の展望塔
大阪南港野鳥園の展望塔




 敷地内には林もありますので野山の鳥もいますが、ここの特徴はやっぱり干潟の鳥。

 サギ類や冬のカモ類のように、どこでも見ることができる鳥も多いですが、シギやチドリのように干潟でしか見ることのできない鳥もいます。

 そして鳥が多いということで、肉食の猛禽(もうきん)も見ることができるのがここの特徴。

 トビやモズ以外の猛禽を見ることができる貴重な場所です。



大阪南港野鳥園の池
大阪南港野鳥園の池




 オオタカやハヤブサもやってきますが、さすがにいつでも出会えるというわけではありません。

 そんななかでいつ行っても見ることができるのが、ミサゴ。

 魚専門のタカ目の猛禽です。



ミサゴ(鶚,雎鳩)

鳥綱 タカ目 ミサゴ科 ミサゴ属
別名:魚鷹(うおたか)
留鳥(一部漂鳥)
カラスより大きい

ミサゴ(鶚,雎鳩)
食事中のミサゴ
食事中のミサゴ
いつ行ってミサゴは池の杭の上に止まっていますが、この日はお食事中でした。




 よく見ると反対側の松林にもミサゴが1羽いました。

 それが野鳥園の中央あたりで時折追いかけ合うように2羽が絡んで飛んでいました。  野鳥園の方が言うには縄張り争いのようです。

 猛禽系肉食の鳥は縄張りを持ちます。

 それでも野鳥園から追い出すところまで行きませんでしたから、とりあえずミサゴ2羽が暮らせるだけの広さのようです。



縄張り争いをするミサゴ
縄張り争いをするミサゴ




 その松林のミサゴが自分より小さいカラスに追われていたので、猛禽といえども強いわけではないようです。

 鳥食じゃなくて魚食だからでしょうか。

 でも、スズメ目のモズは自分よりすっと大きいヒヨドリだって追いかけてるというのに。



カラスに嫌がらせされるミサゴ
カラスに嫌がらせされるミサゴ




 そんなかわいいミサゴに出会えるのが大阪南港野鳥園。

 ただ高倍率の双眼鏡や単眼鏡はあったほうがいいです。

 カメラももちろん高倍率レンズ付きを。



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地上9階の梅田の新しいビオトープ グランフロント大阪


 2013年4月26日に大阪駅の北側で開業したグランフロント大阪。

 「最後の大物商業施設」と呼ばれるだけあってマスコミなどでは日本初出店などのテナントを中心に紹介されています。




梅田スカイビル側から見たグランフロント大阪




 もちろん、このブログで日本初出店のショップを紹介するわけではありません。

 グランフロントは北館と南館の2つの建物にわかれますが、両館とも9階に屋上庭園が作られています。




南館9階の屋上庭園のサルスベリ




 丈の低い草から大きな木までいろいろな種類が植えられています。

 ただ、オープン後3カ月余りということで、木はまだまだ枝葉も少なく、炎天下の屋上には木陰はほとんどないという状態です。

 しかし、何年か後には成長して空中の森が現れることでしょう。




南館の屋上庭園の”将来の森”




 多くの植物には名札がつき、樹木は季節を通して花が楽しめるように配慮されているようです。

 この日も草むらの中からキリギリスの鳴き声が聞こえて来ましたので、すでにビオトープになりはじめているのかもしれません。




南館のシマトネリコのプレートと


南館のシマトネリコの花




 ただ、まわりに遮るものがあまりないビルの9階。

 地上100メートルを超えるタワーから離れると、海の方からの風がそのまま吹き抜けていきます。

 植物には決していい環境とはいえないでしょう。

 将来JR梅田駅跡地に大きなビルが建てばいくらかはましになると思いますが、それまで無事樹木が育っていくかちょっと心配の9階屋上庭園です。




北館の将来の森




9月が楽しみな北館のキンモクセイ




今年はちょっと残念そうな北館の以呂波紅葉




来年の春が楽しみなな北館の啓翁桜




風が抜けていく北館の草原



 日本以外の地域の植物も植えられているので「ビオトープ」と呼ぶのは正しくないかもしれません。

 でも、このまま多くの植物が育ち、周辺から日本にに住む生き物たちがいろいろやってきて、「新しいビオトープ」になるかもしれません。



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七十二候第四十五候「玄鳥去」ですが、ツバメは元気に飛び交っています。


 家の軒先、商店や駅の庇(ひさし)の下など人が生活している場所に巣を作るツバメ。

 スズメ以上に身近な野鳥かもしれません。



空を舞う「玄鳥去」頃のツバメ
空を舞う「玄鳥去」頃のツバメ




 ツバメは春に南の国から日本に帰ってきて、夏に子を育て、秋に南の方へ去っていく渡鳥です。

 一年を72個に分け、それぞれに自然の移り変わりを表した七十二候(しちじゅうにこう)にも4月初旬頃に第十三候「玄鳥至(つばめいきたる)」、ツバメが南の国方帰ってくるというのがあります。

 そして秋分直前に第四十五候「玄鳥去(つばめさる)」があります。

 ちょうど今頃。

 ツバメは南の国へ渡るとき、葦原などに集まり、数千、数万という群れになって一斉に飛び立ちます。
 その時の様子を表したものでしょう。



 稲穂が垂れて黄色く染まりつつある金剛山の麓にある下赤阪(しもあかさか)の棚田、日本の棚田百選に選ばれた棚田です。



ツバメが舞う「玄鳥去」頃の下赤阪の棚田
ツバメが舞う「玄鳥去」頃の下赤阪の棚田




 ここの棚田は農薬も押さえられ丁寧に管理されているようで、自然が豊かで多くの虫が集まります。

 その証拠に田んぼの上ではたくさんのトンボが舞い、その上ではたくさんのツバメも舞っています。



「玄鳥去」頃の下赤阪の棚田の上を舞うツバメ
「玄鳥去」頃の下赤阪の棚田の上を舞うツバメ




 七十二候「玄鳥去」になってもまだ盛んにツバメが舞っています。

 ツバメの集合場所へ行く前に、南の国まで飛んでいくためのエネルギーを蓄えているのでしょう。

 大阪ではまだまだ最高気温が30℃を超える日が続きますが、いきものたちは確実に秋へとかわっていっています。



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秋のお彼岸に入りました。彼岸花


 秋のお彼岸に入りました。



 お彼岸は春分の日と秋分の日を中心に前後3日間のそれぞれ合計7日間のことです。

 この日には「彼岸会(ひがんえ)」と呼ばれ、お供え物などをしてご先祖の霊をなぐさめて成仏を祈る仏教の儀式を行います。

 秋のお彼岸の頃に急に目立ち始めるのがヒガンバナ。

 数日までまで緑色の雑草しかなかったところに、いきなり真っ赤な花が咲くのですから、よく目立ちます。



ヒガンバナ(彼岸花)

単子葉植綱 クサスギカズラ目 ヒガンバナ科 ヒガンバナ属
多年草
散系花序
日本での分布:本州,四国,九州,
原産地:中国から史前帰化?
別名:リコリス,曼珠沙華,

全体に毒があります。
ただ鱗茎(りんけい)はデンプンに富むので、毒抜きをしたあとで食べることができます。
田んぼの畦のような場所を好む植物で、米が不作の時などの食べ物(救荒食)として育てることもあったようです。
また有毒植物によくあるように、石蒜(せきさん)という生薬(しょうやく)になります。




 日本のヒガンバナは実がなることはなく、みんな同じ遺伝子だそうです。

 もちろん最先端のクローン技術で増やしたものではありません。

 ヒガンバナはもともと日本にはない花で、歴史が始まるよりはるか以前に中国から伝わったもの。

 ヒガンバナは鱗茎(球根)ができ、それで増えることができますので、徐々に鱗茎が広がっていたものと考えられています。




下赤阪の棚田のヒガンバナ




 鱗茎は種とちがって遺伝子はまったく親と同じ。
 つまり親そのもの。
 クローンです。

 何千年も時間をかけて日本中に広がったのが、ヒガンハナです。

 北海道の人が見たヒガンバナも、大阪の人が見ているヒガンバナも、沖縄の人がこれから見るだろうヒガンバナも、同じヒガンバナです。

 なんかふしぎでおもしろいすね。



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金剛山が育む棚田の台風一過 下赤阪の棚田2013年9月中旬


 日本各地に様々な被害をもたらした台風18号。

 氾濫した川の水に飲み込まれてしまった田んぼがテレビに写っています。
 川が氾濫しなくても強い風で倒されているものもあるようです。

 日本の棚田百選の下赤阪の棚田はどうなっているでしょうか。

 ということで、台風一過の下赤阪の棚田へ行きました。




 ほんの2週間あまり前の下赤阪の棚田は、やっと穂に色がつき始めたくらいでした。

 そこがもっと黄色くなり、重くなり、みんな葉より下に垂らせています。

 稲穂が重たそうですが、倒れているものはありません。
 みんな元気に育っています。



頭を垂れる9月中旬の下赤阪の棚田の稲穂
頭を垂れる9月中旬の下赤阪の棚田の稲穂




 そして、真っ赤なヒガンバナが咲き始めています。

 名前の通りお彼岸(秋分の日とその前後3日間)の頃に咲く真っ赤な花です。



ヒガンバナと9月の下赤阪の棚田
ヒガンバナと9月の下赤阪の棚田




 棚田が黄金色に染まるまではまだ時間がありますが、真っ赤のヒガンバナと穂を垂れる黄緑の稲もいい感じです。



ヒガンバナが咲く9月の下赤阪の棚田
ヒガンバナが咲く9月の下赤阪の棚田




 これからも稲穂はどんどん重くなり、中ではお米がどんどん大きくなっていくことでしょう。



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貝なのに毛のはえたカタツムリの謎

 大阪と奈良の間を通る二上山(にじょうざん)から屯鶴峯(どんづるぼう)へ向かうダイヤモンドトレールを歩いている時、カタツムリを見ました。
 といっても大阪でよく見るナミマイマイやクチベニマイマイとはちがって平べったいカタツムリ。

この記事にはカタツムリの画像があります。


平たいカタツムリと出会ったあたりのダイヤモンドトレール
平たいカタツムリと出会ったあたりのダイヤモンドトレール

 でもそれ以上に気になるのが、毛。
 貝なのに毛が生えているのです。
 病気とか何かが着生したのではありません。
 そういうかわった殻を持つカタツムリ。
 オオケマイマイです。

毛がはえた平たいカタツムリ
毛がはえた平たいカタツムリ

 カタツムリは海の貝と同様に石灰質の殻の表面をキチン質の殻皮(かくひ)で覆っています。
 その殻皮が毛のようになっているのです。


オオケマイマイ(大毛蝸牛)

軟体動物門 腹足綱 有肺目 オナジマイマイ科
活動時期:4月~11月
棲息環境:低山の林の草の上,
日本での分布:本州(中部以西),四国,

[レッドデータブック]
 環境省RDB:記載なし
 絶滅危惧I類:山口県,
 絶滅危惧II類:愛媛県,

  • 絶滅(EX):我が国ではすでに絶滅したと考えられる種
  • 野生絶滅(EW):飼育・栽培下でのみ存続している種
  • 絶滅危惧I類(CR+EN):絶滅の危機に瀕している種
  • 絶滅危惧II類(VU):絶滅の危険が増大している種
  • 準絶滅危惧(NT):現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
  • 情報不足(DD):評価するだけの情報が不足している種


 ところが普通のカタツムリの殻皮にはすごい秘密があることがわかっています。
 目で見てわからないほどの細かい凹凸があり、ゴミがひっつきにくく、ひっついても雨で流れやすいようになっているのです。
 その構造を応用した汚れにくい外壁のような建築素材などもすでにあります。
 たしかに殻の汚れたカタツムリは見たことないような気がします。

 にも関わらずその汚れにくさを無くして毛を生やす。
 謎のカタツムリです。

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ことしのサトイモの花は……タルサトイモ2013


 去年に続き今年もタルサトイモが蕾を付けました。

 それが8月半ば。



2013年のタルサトイモの蕾
2013年のタルサトイモの蕾




 ところが蕾の成長がそこで止まってしまいました。

 理由はわかりません。



 ただ今年は雨がふらず暑い日が続きました。

 そのためハダニが大発生し、葉が枯れていってしまいました。

 それが原因かもしれません。



咲かずに枯れてしまったタルサトイモの蕾
咲かずに枯れてしまったタルサトイモの蕾




 8月下旬には小さな蕾は枯れてしまい、9月初旬には伸びた蕾も枯れてしまいました。

 サトイモの花。

 なかなかその姿を見せてはくれません。



 今までに咲いたタルサトイモの花はこちら。

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