【 2013年07月】

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山でヘビに出会いました。一度に2種類も


 東海自然歩道。
 大阪の箕面(みのお)と東京の八王子(はちおうじ)を結ぶ長距離自然歩道です。
 その奈良県部分は、春日山(かすがやま)原始林を通ります。



この記事にはヘビの画像があります。




 並行している春日奥山遊歩道は春日山の山腹に、車が走れるように広く平らにならされた林道。

 東海自然歩道は川沿いにぐにゃぐにゃでこぼこの歩道が続いています。
 この部分の東海自然歩道は、剣豪柳生(やぎゅう)十兵衛(じゅうべえ)で有名な柳生の里まで続く柳生街道。

 遊歩道とはまた違った趣です。



柳生街道の東海自然歩道
柳生街道の東海自然歩道




 道の端を流れる水の近くを動くものが。

 ヘビです。

 陰になっていて見えにくいですが、なんだか黄色か黄緑色のようです。

 どんなヘビだろうと家に帰って調べてみると、ピタリと合うヘビは見つかりません。

 いろいろとヘビの画像を見ていると、どうやらヤマカガシ(山楝蛇)のようです。



ヤマカガシ(山楝蛇)

ナミヘビ科 ヤマカガシ属
好む環境:低地から山地,水辺,
日本での分布:本州,四国,九州,※日本固有種

多分水辺が好きなヤマカガシ
多分水辺が好きなヤマカガシ
猛毒動物 最強5025位
毒の投与形態噴出,噛みつき,
※毒牙は口の奥にあり、毒が注入されることは稀。
 首から噴出される毒は50cmも飛ぶことがあり、目に入ったり粘膜に触れると危険。



 ヤマカガシというと、黒地に黄色と赤が散った日本のヘビとしては派手な色です。

 ただ色の変異が多く、必ずしもこの取り合わせではないようです。

 よく見ると、ヤマカガシ標準型から赤を取って黒を薄くすると……
 という感じです。

 腹が黄色いタイプは近畿地方でよく見かけるタイプだそうです。



多分ヤマカガシの頭
多分ヤマカガシの頭




 しばらく歩いていくと谷から水が染み出してくる所に別のヘビが。

 こちらを意識しつつも逃げる素振りは見せずマイペースで進んでいます。

 それほど大きくなく、また長くもありません。

 背中には黒っぽい小判型の模様。

 そう、マムシです。

 ただ日本での学問的な名前は「ニホンマムシ(日本蝮)」。
 図鑑などの索引で調べるときは「マ行」ではなく「ナ行」になります。



ニホンマムシ(日本蝮)

クサリヘビ科 マムシ属
好む環境:低地から山地の水辺や湿気の多い所,
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,※日本固有種

コケの上のニホンマムシ
コケの上のニホンマムシ
猛毒動物 最強5035位
毒の投与形態噛みつき,



 マムシというと北海道から九州までは恐ろしい毒蛇として有名です。

 と言っても自分から人間を襲いに来ることはなく、不意に間近で出会って驚かさなければ、()みつかれることはそうあることではないようです。
 ということで、しばらく写真を撮った後は、そのままどこかへ行きました。



結構こわいニホンマムシの頭
結構こわいニホンマムシの頭




 こんな短い間に2種類の蛇と出会うとは、流石へび年です。

 どちらも毒蛇ですが、日本には人間を食べるヘビはいません。

 つまり、ヘビが人間に噛みつくのは自分を守るため。
 無理やりつかまえようとしなければ、向こうから噛み付きにやってくることはめったに無いそうです。

 ですから、道端でヘビを見かけても近づかず、怖がらずにそっとその場を離れるのが一番のようです。



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タグ: ヤマカガシニホンマムシヘビ春日山原始林東海自然歩道毒蛇春日山原始林の生き物

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珍しくないのに珍しいフナムシもじっくり観察できる「いきもの いっぱい 大阪湾 ~フナムシからクジラまで~」自然史博物館


 大阪市立自然史博物館の2013年夏の特別展「第44回特別展 いきもの いっぱい 大阪湾 ~フナムシからクジラまで~」。

 タイトルにあるクジラは全体のほんの一部だけですが前回紹介しました

 ということで、今回はフナムシ。



この記事にはフナムシの画像があります。




 フナムシは岩場やコンクリートの海岸に行くとよくいる虫です。

 虫といっても足は14本もあるので、昆虫ではありません。

 エビやカニの仲間の甲殻類で、なんとなく見た目が似ているダンゴムシと同じワラジムシ目(等脚目)です。



会場650m手前の長居公園にある看板
会場650m手前の長居公園にある看板




 人口の海岸にもいるくらい海辺では珍しい生き物ではありせんが、すばしっこくて人影を見るとすぐ物陰に隠れてしまうので、じっくり姿を見たことがある人は多くないかもしれません。

 ということで、生きたフナムシも展示されています。

 ガラス越しですが、近くでじっくりと観察することができます。



脱皮しているフナムシ
脱皮しているフナムシ
触角が体の半分以上あるほど長い。
脱皮はワラジムシ目らしく前後で分けて行う。



 生きたまま展示されているのはフナムシとキタフナムシ。

 大阪湾にはフナムシ1種しかいないと思われていたのに2010年に見つかったのがキタフナムシ。

 名前の通り、北海道や東北地方では普通に見られるフナムシだそうです。

 淡路島の洲本市(すもとし)由良町の成ヶ島(なるがしま)でみつかってから大阪湾をいろいろ調べてみると、自然の海岸に広く分布していることがわかりました。

 従来のフナムシと思われていたようです。



触角が体の半分以上あるフナムシ
触角が体の半分以上あるフナムシ




 フナムシよりもキタフナムシのほうが頭から生える第2触角と、尾っぽのように生える尾肢が短いのが特徴のようです。

 生きているものを見比べていると、確かにキタフナムシのほうが触角と尾肢が短いようですが、海岸で岩の隙間に逃げ込むフナムシを見分けるのは、フナムシ初心者にはお手上げです。



確かに触角(第2触角)が短いキタフナムシ
確かに触角(第2触角)が短いキタフナムシ




 海岸ではできないフナムシを接近観察していると、なんかグソクムシっぽく見えます。

 同じワラジムシ目なので当然ですが、



どことなくグソクムシを思わせるフナムシ
どことなくグソクムシを思わせるフナムシ




 もちろんフナムシだけでなく海岸に住む昆虫から植物に海藻、大きなイルカやクジラまで大阪湾の生き物がいろいろ展示されています。

 そして会場の下のネイチャースクエアと本館の第1展示室と第3展示室もおすすめです。

 実は博物館のまえにいる日本最大の近海標本のナガスケも、大阪湾で見つかりました。
 大きすぎて会場に入らなかったようです。



19mのナガスクジラのナガスケ
19mのナガスクジラのナガスケ




 1階のミュージアムショップでは特別展オリジナルのキタフナムシTシャツを販売しています。

 フナムシファンはまずは1着、かも。



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タグ: いきものいっぱい大阪湾フナムシキタフナムシ等脚類大阪湾44

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theme : 博物学・自然・生き物
genre : 学問・文化・芸術

ひなは勉強して大人になるのです『とりぱん』第14巻


 ちょっと遅れましたが『とりぱん』も第14巻が発売です。

 マンガ雑誌「モーニング」に掲載されていつのまにか8年。

とりぱん(14) [ とりのなん子 ]

価格:650円
(2013/7/8 20:49時点)
感想(14件)

 それだけ長く続いたのも、「きれい!」「かわいい!」と人間の好みを勝手に動物に投影したペットマンガではなく、あえて自然の状態の鳥達の姿を人間のような意思を持つように描いた、ファーブル的視点でシートン的描写のマンガだからだと思います。

 もちろん、「きれい」「かわいい」もありますが、その陰に自然の厳しさ(カッコ悪さ)もあります。



 登場鳥も多い14巻は、「ひな話」が目立ちました。

 すずめひな、かるがもひな(カルガモヒナーズ)、からすひな(ハシボソガラス?)、こむくひな(寸づまリーズ)、ひよひな、きじひな。

 「ひな話」はとりぱんの定番ネタですが、今回は結構いろいろ鳥のひな話を見ることができました。




第351羽などに登場のすずめひな(左)とすずめおや(右)




 動物は本能で生きていて、人間とちがって生まれた時から何をするのかわかっているように思う人も少なくないかもしれません。

 確かに昆虫などはそうですが、哺乳類は生きて行くために必要な技術は教わらなければなりません。
 ラッコだってアザラシだってはじめは泳ぐこともできません。

 鳥も同じように親から教わることがいくつもあることがわかります。



 「とりぱん」の特徴は、タイトルとちがって鳥だけにこだわらず、自然の生き物や様子も描くこと。
 特に虫話は、定番になっています。

 中には自然が大嫌なようで虫話に拒絶反応を示す人もいますが、著者の日常で出会う生き物を描いているのですから、虫だって差別はしません。

 が、14巻ではとうとう登場しました!

 第358羽のヤマナメクジ!!
 このブログでも取り上げていないと言うのに、先を越されてしまいました。

 ヤマナメクジは主に山に住むナメクジで、その大きさは10センチ以上。
 著者のなん子さんが出会ったのは18センチ級!

 単行本では7割ほど縮小されていますが、それでも迫力十分。
 これだけの大物はめったに出会えないでしょう。



第370羽に登場のシジュウカラ
第370羽に登場のシジュウカラ
と似ているヒガラ
と似ているヒガラ


 さて、毎巻選んでいる14巻の鳥です。

 14巻も魅力的な鳥がいっぱい。

 日本の国鳥のキジも夫婦親子で出番いっぱい。

 そんな中で14巻の鳥に選んだのは。

 市内某公園のカワセミ。

 カワセミというと、青く輝く構造色の体から「清流の宝石」とも呼ばれる人気のある鳥です。



第360羽などに登場のカワセミ
第360羽などに登場のカワセミ




 カワセミがいるとなれば望遠鏡カメラおやじが集まってくるのはお約束。

 しかし流れの強くない水場なら選ばないのがカワセミ。

 「けっこう人出はあるのに 誰も気がつかないの!?」
 「とにかくいろんなことに気づかない」

 とあるように、近所の小さい川や公園の池が人知れずカワセミ川や池だったりします。

 そういうカワセミに気づくことができるかどうかも、「とりぱん流」自然観察の極意なのかもしれません。



第376羽登場のみそちー(ミソサザイ)
第376羽登場のみそちー(ミソサザイ)




 「とりぱん」はまだまだ続きます。

 15巻は2013年秋発売予定。

 今度はどんな鳥が活躍するのか? 待ち遠しい!



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タグ: とりぱんとりのなん子ひなスズメひなカワセミシジュウカラヒガラミソサザイ

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金剛山の粘菌たち カビでも地衣類でもないよ!


 変形菌(へんけいきん)。

 または粘菌(ねんきん)。

 ちょっとわかりにくい生き物です。

 多くの種類は目で見えるほどの大きさがあり、水滴が広がるように食べ物を探すためにとてもゆっくり動きまわる変形体になります。
 大きさはちがいますがアメーバそっくりです。

 あるとき変形体は動くのをやめ、胞子が詰まった子実体(しじつたい)を作ります。
 カビそっくりです。

 ということで、昔はカビの仲間と思われていましたが、今はアメーバの仲間に入っています。



この記事にはいろいろなカビのようなものの画像があります。





 「粘菌」というのはどちらかと言うと古い言葉で、現在では複数の分類が含まれています。

 そのため「変形菌」という言葉もよく使われているようですが、専門家でなければ馴染みのある「粘菌」方が使いやすいこともあります。

 といってもわかりにくいので、表にしてみました。かなり大雑把ですが。

 ただ変形菌の素人が作ったものですので、参考程度にお願いします。



生物
ドメイン 真核生物 真正細菌 古細菌
アメーボゾア オピストコンタ ア|ケプラスチダ その他

コノーサ その他


粘菌 その他


変形菌 原生粘菌 細胞性粘菌
バクテリアなど
亜綱 真正粘菌
亜綱
ムラサキ
ホコリ亜綱
ツノホコリ亜綱
アメ|バなど 動物やカビなど

メタン菌など

モジホコリなど ムラサキホコリ
など
ツノホコリ
など
タマホコリ
カビ類
アクラシス類

植物など 緑藻など



 変形菌以外はものすごく大雑把です。

 動物はカビと同じでその横が植物。
 反対側にアメーバと一緒にあるのが粘菌。
 その中にあるのが変形菌。

 ただ、「粘菌」という言葉は粘菌自身と同じようにつかみどころのないところがありますので、その時々に応じた解釈をしてください。



 ということで、梅雨の金剛山で出会った粘菌たちです。




いろんな粘菌と出会った金剛山モミジ谷



真正粘菌亜綱

「変形菌」のことで、粘菌として扱われていたものの多くが含まれます。



クダホコリ

クダホコリの若い子実体

クダホコリの子実体が付いていた
朽木

コホコリ目
ドロホコリ科
クダホコリ属

出会った場所:モミジ谷

鮮やかな色がまるで花が咲いたようです。
変形菌ファンはこの美しさに惹かれる人も多いそうです。

子実体が完成したクダホコリの仲間?

子実体が完成したクダホコリの
仲間?がついている木

出会った場所:モミジ谷

この中から黒いつぶつぶの中から胞子が飛び出て増えます。



ケホコリの仲間?

コケの間から顔を出したケホコリの仲間?の子実体?

コケに覆われた朽木についていた
ケホコリの仲間?の子実体

ケホコリ目
ケホコリ科

出会った場所:モミジ谷



ホネホコリの仲間?

ホネホコリの仲間?子実体?変形体?

ケホコリの仲間?と同じ木についていたホネホコリの仲間?

モジホコリ目
カタホコリ科

出会った場所:モミジ谷

カビのようにも見えますが、複雑な形でつながっています。
カビの場合は、一度分かれた菌糸は重なることはあってもつながることはありません。
ですからこれはカビではありません。

また白い色で光合成ができそうにないので地衣類でもありません。

ホネホコリかどうかはわかりませんが、変形菌だと思います。




ツノホコリ亜綱

以前は変形菌でしたが、違うところがあるということで、別の分類になってしまいました。



タマツノホコリ

タマツノホコリの子実体

タマツノホコリの子実体がついていた朽木

ツノホコリ目
ツノホコリ科
ツノホコリ属

出会った場所:モミジ谷



ツノホコリの仲間

ツノホコリの仲間の子実体

ツノホコリの仲間の子実体がついていた朽木

ツノホコリ目
ツノホコリ科

出会った場所:山頂付近


ツノホコリの仲間の子実体

ツノホコリの仲間の子実体がついていた土留めの丸太木

出会った場所:千早本道

胞子はこの細い突起の表面につきます。
変形菌は子実体の中に出来ます。




 梅雨時などの湿気が多い時によく現れる粘菌たち。

 カビのように見えて水っぽい感じがして、菌糸(糸状のもの)が見えなかったら、それは粘菌かもしれません。



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タグ: 変形菌粘菌金剛山梅雨の金剛山クダホコリタマツノホコリツノホコリケホコリホネホコリ

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金剛山が育む棚田の生き物 下赤阪の棚田2013年7月その1


 梅雨も開けた7月の下赤阪の棚田。

 日本の棚田百選の棚田です。

 稲もよく育ち、分げつも進んで、もう田んぼの水面が見えなくなっていました。



2013年7月の下赤阪の棚田
※画像スライドできます ⇒⇒



 ということで、梅雨明けの棚田で出会ったいきものたち。

 文一総合出版の『ポケット図鑑 田んぼの生き物400』を中心に調べてみました。

 その動物編です。



節足動物門
昆虫綱
オオシオカラトンボ(大塩辛蜻蛉)
トンボ目
トンボ科
シオカラトンボ属

掲載:P127

棚田でなくてもいろんな所で見かけるトンボです。


アカトンボ(赤蜻蛉)
トンボ目
トンボ科

「アカトンボ」は赤いトンボの総称で、特定の種類を指すものではありません。
主にアカネ属のトンボを指しますが、それ以外でも赤くなれば「アカトンボ」と呼ばれることがあります。
遠くで赤い色以外よくわからなかったので「アカトンボ」としました。




鰓脚綱
カブトエビ(兜蝦)
背甲目
カブトエビ科
カブトエビ属

掲載:P145

無農薬・減農薬田んぼの象徴のカブトエビも外来種という説があります。
カブトエビが多い田んぼはオタマジャクシが少なく、オタマジャクシが多い田んぼではカブトエビはみかけません。
また、カイエビやホウネンエビはみかけませんでした。
このように田んぼの水の中に住む生き物の偏りはいろんな田んぼで目にする不思議です。




脊索動物門
両生綱
ツチガエル(土蛙)
無尾目(カエル目)
アカガエル科
アカガエル属

掲載:P34


ツチガエル? ブルーシートについているのはカブトエビの卵?
ヌマガエルかもしれません。


トノサマガエル(殿様蛙)
無尾目(カエル目)
アカガエル科
アカガエル属

掲載:P27

ピントが手前のコンクリートに合ってしまいました……


ニホンアマガエル(日本雨蛙)
無尾目(カエル目)
アマガエル科
アマガエル属

掲載:P26

「カエル」と聞けばまず想像するカエルの姿かもしれません。


オタマジャクシ(御玉杓子)
無尾目(カエル目)

上の三種類のカエルのどれかだと思うのですが、オタマジャクシを見分ける図鑑がないのでいまはわかりません。




鳥綱
モズ(百舌,百舌鳥)
スズメ目
モズ科
モズ属

言わずと知れたスズメ目の猛禽。
ちゃんと上の嘴(くちばし)の先は鉤型(かぎがた)に曲がっています。
棚田ではネズミや青虫を食べてくれることでしょう。




 かんたんに田んぼの周りを見回るだけでもこれだけの動物と出会いました。

 ほかにも写真を写せなかったホオジロとかいました。

 稲の間やまわりの草むらなどをじっくり見ると、もっとたくさんの動物たちがいることでしょう。



 植物はまた次の機会に。



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タグ: 7月の下赤阪の棚田の動物昆虫/SA-tanada虫/SA-tanada鳥/SA-tanada両生類/SA-tanada無尾目/SA-tanadaトンボ目/SA-tanadaニホンアマガエル下赤阪の棚田2013下赤阪の棚田201307

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ティラノだけでなく恐竜いっぱいの京セラドーム「よみがえる地球の覇者!世界大恐竜展」


 京セラドーム大阪のスカイホールではじまった恐竜展。

 タイトルは「よみがえる地球の覇者!世界大恐竜展」。

 ティランノサウルス(会場での表記。一般には「ティラノサウルス」)の亜成体「ジェーン」が関西初公開。



会場は京セラドームのキノコの傘のようになってるところ
会場は京セラドームのキノコの傘のようになってるところ




 同じ時期にやっているATCの「大恐竜帝国2013」は地下の会場ですが、こちらはドーム球場の外側を取り巻くようにあるドーナツ型の会場。9階にあります。

 エスカレーターを乗り継いで到着した入口の前では、巨大なスピノサウルスの全身の骨格模型。

 ティラノサウルスを超える肉食恐竜といわれるだけあって、ものすごい大きさです。

 ここはまだ会場の外。

 そんなところからこんな迫力のある展示が登場するとは。



入り口前の大きなスピノサウルス
入り口前の大きなスピノサウルス




 タイムトンネルをくぐって最初に登場するのは2億年前の恐竜が登場した三畳紀コーナー。

 「世界最古の獣脚類」と説明にあるヘルレラサウルスが登場。

 それも骨ではなく、生きていた時の様子を再現したものです。

 他にもエオラプトルやラゴスクスなど、初期の恐竜が羽毛恐竜として復元された姿で展示されています。



「世界最古の獣脚類」のヘルレラサウルス
「世界最古の獣脚類」のヘルレラサウルス




 そして恐竜が繁栄をはじめ大型化したジュラ紀。

 ジュラ紀の大型肉食恐竜のアロサウルスと、全長27mのディプロドクスが出迎えてくれます。

 それから鳥の先祖とも言われるアーケオプテリクス(始祖鳥)の化石と、生きていた姿を復元した生態モデルも。

 鳥のような嘴ではなく、爬虫類のような顎になっているところは、鳥というより羽毛恐竜。

 そしてその上には翼竜。
 先が菱形になった細長い尾はランフォリンクス?



鳥というよりトカゲのアーケオプテリクスの生態モデル
鳥というよりトカゲのアーケオプテリクスの生態モデル




 そしてティランノサウルスが登場した白亜紀。
 中生代の最後の紀で恐竜が絶滅した時代です。

 始祖鳥のように復元されたミクロラプトルや、鎌のように長く鋭い爪を持ったテリジノサウルスの仲間のノスロニクスなど、今までよりも多くの恐竜たちが出迎えてくれます。



 そして進んでいくと、ティランノサウルスの亜成体ジェーンが生きていた時の姿で待っていました。

 そして、動いています。

 そして、目が会います。

 そして、かみつこうとしてきます。



吠える亜成体ティランノサウルスのジェーン
吠える亜成体ティランノサウルスのジェーン




 となりには骨格のジェーン。

 筋肉や皮がついていると無いのとではまったく別の生き物のようです。

 骨格だけの復元でも時代によって大きく変わってくるというのに、生きていた時の状態にするというのは、ほとんど想像の世界になってしまうかもしれません。

 でも、骨を見るよりも生きている姿は想像しやすくなります。

 生きていた時の姿の学術的な復元が進むことを願っています。



雰囲気が変わった骨格のジェーン
雰囲気が変わった骨格のジェーン




 同じ時期に南港ATCでも「大恐竜帝国2013」が開かれています。

 2013年の夏の大阪は恐竜だらけになってしまったようです。



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棚田を二本足で歩きまわる大きなキジ


 大阪唯一の村の千早赤阪村(ちはやあかさかむら)。
 大阪に二つしか無い棚田百選のひとつ、下赤阪(しもあかさか)の棚田があります。



 田植えが終わった下赤坂の棚田では「ケーン、ケーン」とキジの鳴き声が聞こえます。

 キジは平地の藪のあるところにも住みます。
 田畑と雑木林が残るようなところだと、住宅街のそばでも住んでいたりします。

 でも地面の上で生活する大きな鳥のためか、鳴き声は聞こえても姿はあまりみかけません。

 下赤阪の棚田のまわりは雑木林や果樹林に覆われているので、声は聞けても姿は見えないでしょう。



6月の日本の棚田百選の下赤阪の棚田
6月の日本の棚田百選の下赤阪の棚田




 そう思いながら棚田をロケハンしていると、反対斜面のみかん畑に動くものが。

 タヌキ? イノシシ?
 とおもったら、鳥です。
 キジです。

 赤い顔に黒いからだに灰青色と茶褐色の羽。

 オスのキジです。

灰青(はいあお)茶褐色(ちゃかっしょく)
日本の伝統色 和色大辞典



棚田のとなり斜面のキジ
棚田のとなり斜面のキジ



 棚田の周りにはまだキジがいるようで、ロケハンの途中でばったり出くわしました。

 キジは飛ぶのが嫌いなのか走って藪の中に逃げて行きました。

 オスのキジの全長(背中をまっすぐに伸ばした時のくちばしの先から尾の先までの長さ)は80cm。

 それが田んぼの中を走っていく姿は迫力があります。



キジ(雉子,雉)

キジ目 キジ科 キジ属
カラスより大きい
留鳥
生育環境:林のある草原,林のある農耕地,
日本での分布:本州,四国,九州,
日本の国鳥


長い尾羽を尻尾に見立てると獣脚類の恐竜に……見えない。
いや、オビラプトルの仲間に見えないこともない?
大きさはアビミムスくらい?



 イヌやネコのように体全身を使って走るのではなく、二本足を使って「たったったっ」と走っていく姿は、同じくらいの大きさの鳥のアオサギ(全長90cm)とちがって、重さを感じる迫力があります。

 でも食べ物は基本植物。
 動物は食べても昆虫くらい。

 見た目の割に気が弱そうです?



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今年はむずかしいエビ伝説 カブトエビ2013


 プランター稲のカブトエビ観察を続けながら、今年もエビ伝説に挑戦します。

 一昨年はちゃんと卵を生むまで成長させ、さらにその卵から育てることもできました。

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 ところが去年は生まれても一ヶ月もたたずに死んでしまい、卵を産ませるまで育てることができませんでした。

 エビ伝説は毎年マイナーチェンジを続けていますが、去年からウッドチップが廃止。

 数週間成長させることはできましたので、原因はほかのところにあるのでしょう。



今年のエビ伝説
今年のエビ伝説




 ところが、今年はカブトエビの形になるまで育てることができません。

 原因ははっきりしませんが、水槽の中に発生したカビのようなものに絡まって死んでいることがありました。
 見つけ次第スポイドでとっていましたが、わずか数時間でカブトエビよりも大きくなってしまうのです。

 汲み置きした水道水に数日でカビのようなものができるとは思えません。

 考えられるのは、卵と同時に入れる「カブトエビの栄養」。



 「カブトエビの栄養」の主成分はドライイーストとも言われています。

 イーストは酵母のこと。

 水槽の中で増えてカビの菌糸のようなにったのでしょうか。
 それとも酵母を栄養としてカビが増えたのでしょうか。

 よくわはかりませんが、栄養の量や入れるタイミングは考える必要はありそうです。



誕生したノープリウス幼生
誕生したノープリウス幼生
底が見やすいようにフタを台にしています。




 それ以外に考えられるのはカルキ。

 一昨年よりも強くなって一日では十分抜けない、とか。

 次は念の為に2日間放置してから卵を入れることにしましょう。

 説明書に頼らず、色々と試してみたいと思います。



 まだまだ暑い間はエビ伝説に挑戦し続けます。



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タグ: エビ伝説カブトエビエビ伝説2013

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タイトル通りの「第44回特別展 いきもの いっぱい 大阪湾 ~フナムシからクジラまで~」〈大阪市立自然史博物館〉


 大阪市立自然史博物館の2013年夏の特別展へ行ってきました。

 タイトルは「第44回特別展 いきもの いっぱい 大阪湾 ~フナムシからクジラまで~」。

 なんだか親近感を持ってしまうタイトルです。

 ブロガー招待に当選したので、開催前日の内覧会の日。
 会場は海のいきもの好きでいっぱい。
 館長をはじめ学芸員の方が展示の説明をしてくれるのですが、見ている人の話も勉強になります。



公開前の内覧会だったので「予定」の文字がある案内板
公開前の内覧会だったので「予定」の文字がある案内板




 大阪市立自然史博物館は地球上のあらゆるいきものと、そのいきものが暮らす大地がテーマの博物館。

 その博物館が大阪湾をテーマにするのです。

 タイトル通り小さなフナムシから大きなクジラまで色々ないきものがところ狭しと展示されています。

 いや、フナムシよりももっと小さないきものもいっぱいです。



 それだけではありません。

 自然科学の博物館ですが、人間の暮らしや日本の歴史と深くかかわってきた大阪湾。

 歴史や民俗に関する人文科学の展示もあります。

 なんということか、人間もひっくるめて大阪湾に関係する“いきもの”について展示してしまおうということのようです。

 すごい!



大漁旗が出迎えてくれる入り口
大漁旗が出迎えてくれる入り口




 会場の入口にいきなり大漁旗。

 もうこれでただの自然博物館の展示でないことがわかります。

 大阪湾の歴史と地理に合わせてそこに住んでいるいきものの標本などが展示されています。

 そこをぐっとまわると海藻の展示もあって、今回の大きな見どころ。

 マッコウクジラの骨格標本。



愛称募集中のマッコウクジラ
愛称募集中のマッコウクジラ
まさか「マコスケ」?




 大阪湾で漂流していた死体を標本にしたものです。

 標本にするときにいろいろ調査されたのですが、胃の中からはタコやイカの顎板(くちばし・カラストンビ)が見つかっています。
 その数およそ1800匹分。

 つまり、このマッコウクジラは死ぬ直前に大量のイカやタコを食べていたのです。



 その顎板の中には、深海に住むイカでもタコでもないコウモリダコや、なんと最大のイカのダイオウイカのものも混ざっていました。

 ということは、大阪湾には深海があってそこにコウモリダコやダイオウイカが住んでいる!?

 というわけでなく、どうやら太平洋で食べていたようです。

 大阪湾にダイオウイカがいないのは残念ですが、すくなくとも大阪の近くにダイオウイカやコウモリダコが住む海があるというのは、わくわくものです。



マッコウクジラの胃から見つかったダイオウイカの顎板
マッコウクジラの胃から見つかった
ダイオウイカの顎板
下の小さいのはヤワライカの仲間
(よくあるサイズ)
マッコウクジラの胃から見つかったコウモリダコの顎板
マッコウクジラの胃から見つかった
コウモリダコの顎板


 ところで、マッコウクジラはハクジラの仲間で、細い下あごに対して大きな四角い頭が特徴です。

 ところが骨格は真ん中がへこんだ丸い頭に細長いくちばし。
 まるで別の生き物のよう。

 もちろん、その理由もちゃんと解説されています。



 クジラも見終わってぐるっと回って出口……とおもいきや、そこは入り口。
 まるで魚が回遊して生まれた場所へ戻ってくるように。

 もしかして、これも展示の一部?

 ともあれ、ここで2周めに突入。
 全体の展示を見たあとのおさらい。



気が付かない人もいる?サメのドタブカの剥製
気が付かない人もいる?サメのドタブカの剥製




 最後に忘れてならないのは、図録。

 普通、博物館などの図録は展示物のカタログのようになっていますが、ここのは「解説書」。

 立派な展示の一部です。

 特別展が終わったら貴重な資料になります。

 大阪湾岸の生き物観察スポットが解説されているのでフィールドワークには大切な1冊。

 博物館のミュージアムショップが通販もしているので、特別展に来ることができなかった人にはお勧めです。



 他にも大和川編、淀川編とありますので、大阪周辺の水域フィールドワーク三部作になっています。



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うすたびがのまゆはからから


 冬や春や夏に開けた山を歩いているとときおり目にするのが薄緑色のちょっと変わった形の(まゆ)
 ウスタビガ(薄手火蛾)の繭です。



 といっても、ウスタビガの羽化は秋。

 当然中は空。

 落ちで時間のたっているものは踏まれてぺっちゃんこですが、落ちたてのものはまた形を保っています。

 そういうのは振るとカラカラ音がすると教えてもらいました。



ウスタビガの繭が落ちていた奈良公園の春日山遊歩道
ウスタビガの繭が落ちていた奈良公園の春日山遊歩道



 ということで、奈良公園の春日山(かすがやま)の遊歩道を歩いている時に見つけたウスタビガの繭を耳の近くで振ってみると。

 微かにカラカラと音がします。
 多分幼虫と(さなぎ)の抜け殻が入っているのでしょうが、見てみたい!

 しかしどこにも穴はあいていません。
 それに繭は丈夫で手で破ることもできません。



落ちていたウスタビガの繭
落ちていたウスタビガの繭




 よく考えると、どこかにウスタビガの成虫が出て行った穴があるはずです。
 それがみつかりません。
 もしかしたら、羽化に失敗した繭なのでしょうか。

 どうしようと思っていたら、まっすぐになっている繭の上の部分に隙間があるのをみつけました。

 両端をつまんで押してみると、貝口のようにパクリと蓋が開きました。



 繭は外敵から蛹を守るために丈夫でなければなりません。

 しかし丈夫すぎると羽化した成虫が出ることができません。

 ということで、この貝口の部分は最初から糸がかけられて無く、ただピタリと合わさっているだけなのでしょう。

 きっと。



貝口のように開いたウスタビガの繭
貝口のように開いたウスタビガの繭




 ファーブルさんは虫たちが巣や卵を産み付ける「ゆりかご」を設計図もなしで巧みに作り上げる姿を見て、職人と呼んでいました。

 ウスタビガの幼虫も生まれながらの貝口職人のようです。



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