【 2013年05月】

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〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

奈良公園の今年の最初のルリセンチコガネ


 神の使いとしてシカが大切にされている奈良公園。
 シカがたくさんいるので、(ふん)があちこちに転がっています。
 ということで、哺乳動物の糞を食べる糞虫(ふんちゅう)の楽園でもあります。

この記事にはコガネムシの画像があります。






 動物の糞を食べるセンチコガネ。

 日本には2種類います。

 小さなセンチコガネ(雪隠黄金虫)と大きなオオセンチコガネ(大雪隠黄金虫)。

 オオセンチコガネは住んでいる地域によって色が変わります。

 奈良や紀伊半島では青くて「ルリセンチコガネ」。
 京都や滋賀では緑色の「ミドリセンチコガネ」。
 その他の地域では赤色。

 ということで奈良公園はルリセンチコガネです。



奈良公園の鹿苑の近くの林
奈良公園の鹿苑の近くの林



 以前、奈良公園の国立博物館と春日大社に挟まれた飛火野(とびひの)のあたりではちょっと歩くだけで山ほどルリセンチコガネを見かけました。
 しかし去年の春は飛火野ではほとんど見かけることはなく、今度は鹿苑(ろくえん)のあたりに山ほどいました。

 今年の春は残念ながら飛火野や鹿苑で見かけることはありませんでしたが、鹿苑のはずれでやっと出会うことができました。



奈良公園の鹿苑の近くのルリセンチコガネ
奈良公園の鹿苑の近くのルリセンチコガネ




 気候が変わったのか、鹿の糞の量が変わったのか、何が変わったのかわかりませんが、奈良公園のオオセンチコガネがいるところは移り変わっているようです。



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タグ: ルリセンチコガネオオセンチコガネセンチコガネ糞虫奈良公園

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兼六園でコケ見物しました。マイクロフォレスト4


 日本三大名園の一つ、石川県金沢市の兼六園(けんろくえん)

 江戸時代「加賀百万石」と言われた加賀藩の藩主前田家の庭です。



兼六園の徽軫灯籠と霞ヶ池
兼六園の徽軫灯籠と霞ヶ池





 梅にもまだ早く、雪も解けてしまった3月の兼六園。

 雪も花もない兼六園で、IWO(いきもの は おもしろい!)的見どころをみつけました。

 それは「コケ」。

 ということで、3月頭の兼六園で見つけたコケです。



まるで森のような蘚類のコケ
まるで森のような蘚類のコケ



タイガのようなスギゴケの仲間?のコケ
タイガのようなスギゴケの仲間?のコケ



ふわふわのキンシゴケの仲間?のコケ
ふわふわのキンシゴケの仲間?のコケ



森林限界のようなスギゴケの仲間?のコケ
森林限界のようなスギゴケの仲間?のコケ



古い桜の幹の蘚類のコケ
古い桜の幹の蘚類のコケ




 兼六園というと大きな木や広い池など、武家の庭園らしく大きさばかりに目がいってしまいがちですが、低い視点で見てみると、またちがった兼六園の姿が見えて来ました。



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タグ: コケ微小森林兼六園マイクロフォレスト

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今年も播種、そして苗代へ バケツ稲2013


 5月。
 (こよみ)の上では夏。

 今年もバケツ稲の季節です。

 「バケツ稲」と言いつつメインはプランター稲。
 もちろんバケツ稲もペットボトル稲も作る予定です。




 土は去年のものを使います。

 普通野菜は同じ土を使っていると連作障害を起こしてうまく育たなくなってしまいます。

 しかし稲は連作障害を起こさない作物。

 ということで、土は使い回し。減った分だけ小粒の赤玉土と肥料を足すだけ。

 同じ土を使うので、プランター稲とバケツ稲カブトエビとホウネンエビの孵化も期待出来ます。



去年のプランター稲の種籾
去年のプランター稲の種籾




 もちろんバケツ稲に一番必要なものは、稲。
 今年も前の年の(もみ)を使います。

 ただ、去年は不作だったので念の為に稲栽培キットの自分米も用意しました。


 さあ、播種(はしゅ)(種まき)です。

 まずは籾を水に付けます。

 籾全体が浸る程度。
 水は朝夕交換して待つこと3日。

 発芽が始まりました。



発芽した種籾
発芽した種籾




 ただ気になることが。

 黒いカビのようなものが籾につき始めました。

 なにもないところから増えたわけですからカビなのは間違いないでしょう。
 とりあえず、カビが繁殖しているものは取り除き、芽を痛めないように水で洗いました。



種籾にできた黒いカビみたいなもの
種籾にできた黒いカビみたいなもの




 発芽したら早いもので、翌日には根も伸びて来ました。
 ここまできたら苗代(なわしろ)に植えましょう。

 苗代といっても田んぼに植えるわけではありませんので、3号くらいのプラ鉢に赤玉土と“窒素6:リン酸9:カリ6”の肥料をひとつまみ混ぜたものをいれます。

 それを水槽に入れ、水を張ります。

 去年はプラカップに入れましたが、こうすると水の調整がしやすくなりますから。



 苗代に籾が入るほどの穴を開けてそこに芽を上にして籾を入れます。

 そして土をかけますが、浅すぎると伸びた根が籾を押し上げまっすぐ伸びなくなっていましますから、浅過ぎないよう、深過ぎないよう、調節が必要です。



ミニ苗代でスクスク育つバケツ稲の苗
ミニ苗代でスクスク育つバケツ稲の苗




 これから毎日芽と根が出た籾を苗代に植えていき、本葉が数枚になったら、田植えです。



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タグ: バケツ稲バケツ稲2013プランター稲2013ペットボトル稲2013播種プランター稲の播種

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初夏の六甲山のハチボール


 ゴールデンウイークの六甲山の尾根の道路。

 最高峰のちょっと南西。

 有馬温泉へ抜ける紅葉谷道に入った所で、ぶんぶんと虫の羽音、それも蜂の羽音が聞こえました。
.


この記事にはミツバチの画像があります。








 スズメバチだとちょっとやっかいかも、と思ったら、飛んでいるのは小さな蜂。
 ミツバチ?

 よく見ると道の脇の木の幹が膨らんでます。

 数多くのミツバチが集まって団子になっているのです。
 いや、団子というよりボールです。

 色がちょっと黒っぽ感じがする野生のミツバチ。
 このミツバチはニホンミツバチ(日本蜜蜂)。
 昔から日本にいる在来種です。

 普通、花の蜜を集めるために飼われているのは外来種のセイヨウミツバチ(西洋蜜蜂)。



ハチでふくらんだ木
ハチでふくらんだ木




 このニホンミツバチの塊は、女王蜂を守るために働き蜂がボールになっているもので、「分封蜂球(ぶんぽうほうきゅう)」と言います。
 どうしてそんなことになっているかというと、新しい女王蜂が誕生したので、女王蜂が働き蜂を引き連れて巣から出てきたのです。
 これを「分封(ぶんぽう)」といいます。

 巣から出てきたのは古い女王。
 およそ半分の働きバチを連れて出てくるそうです。

 今は働き蜂を四方八方へ派遣して、新しい巣になる場所を探しているところ。



集まっているニホンミツバチ
集まっているニホンミツバチ




 たくさんのミツバチが集まっている様子を怖く感じる人も少なくないと思いますが、ニホンミツバチは自分から人を刺すことはほとんどないと言われます。

 ですから道端でミツバチの塊を見つけてもそっとしておいてあげてください。
 新しい巣の場所が見つかるまでの短い間のことですから。



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タグ: ニホンミツバチ六甲山の昆虫六甲山ミツバチハチ

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紫色の小さい野草 高野山のフデリンドウ


 毎年、桜と紅葉の季節にいっている高野山。

 春の楽しみの一つは、不動坂のフデリンドウ。

 春に咲く小さなリンドウです。



極楽橋駅から女人堂まで続く不動坂
極楽橋駅から女人堂まで続く不動坂




 毎年見かけるところが違っているので不動坂の広い範囲に生えているようです。

 リンドウは秋に咲きますが、こちらは春。

 大きさもリンドウよりずっと小さいので、うっかりすると見逃しそうです。

 でも、花の色が鮮やかな青色ですので注意して歩いていれば目に付くでしょう。



不動坂で咲いていたフデリンドウ
不動坂で咲いていたフデリンドウ




フデリンドウ(筆竜胆)

リンドウ科 リンドウ属
越年草
生育環境:日当たりのいい山野
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,

フデリンドウ(筆竜胆)
[レッドデータブック]
 環境省RDB:記載なし
 絶滅危惧II類:東京都,奈良県,
 準絶滅危惧種:京都府,
 その他:鹿児島県

  • 絶滅(EX): 我が国ではすでに絶滅したと考えられる種
  • 野生絶滅(EW): 飼育・栽培下でのみ存続している種
  • 絶滅危惧I類(CR+EN): 絶滅の危機に瀕している種
  • 絶滅危惧IA類(CR): ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種
  • 絶滅危惧IB類(EN): IA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種
  • 絶滅危惧II類(VU): 絶滅の危険が増大している種
  • 準絶滅危惧(NT): 現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
  • 情報不足(DD): 評価するだけの情報が不足している種




小さなフデリンドウ
秋に咲くリンドウ(花の文化園)
秋に咲くリンドウ(花の文化園)



 高野山の不動坂は軽自動車が走れるほどの広さがあり道も平らです。

 登山道というよりは林道ですが、清不動のところに車止めがあるので、極楽橋側には車は走って来ません。

 清不動から先も車はほとんど走って来ません。

 しかしほとんどの場所で片側が崖でガードレールもありませんから、歩くときには十分な注意が必要です。



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タグ: フデリンドウ高野山春の高野山春の花高野山の花紫色の花高野山の植物

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「発掘! モンゴル恐竜化石展」7000万年前のフィールドサインで恐竜のくらしを発見する!



 残り一ヶ月を切った大阪市立自然史博物館の「発掘! モンゴル恐竜化石展」。



3月からの新入り口にかかっている幕
3月からの新入り口にかかっている幕




 名前の通りモンゴル国の広大なゴビ砂漠で見つかった化石が、恐竜のものを中心にいろいろな化石が展示されています。



「発掘! モンゴル恐竜化石展」の記事をまとめてみるのならこちら

〔発掘!モンゴル恐竜化石展〕



10,000mから見たゴビ砂漠
10,000mから見たゴビ砂漠
*展示されていません




 「化石」といっても恐竜の体の一部分だけではありません。

 生き物が残した「(あと)」も立派な化石です。

 それを「生痕化石(せいこんかせき)」といいます。



 会場で展示されている生痕化石は、足跡(あしあと)

 恐竜の足跡です。
 足跡とそれをつけた恐竜が一緒に見つかることはないので、大きさと形、近くからで見つかっている化石などから推測します。



タルボサウルスのものと思われる足跡凸型化石
タルボサウルスのもの
と思われる足跡凸型化石
タルボサウルスの足の化石
タルボサウルスの足の化石



 展示されているタルボサウルスと思われる足跡化石。

 前の方に指が3本伸びているのは、鳥の足跡に似ています。
 そもそも鳥はタルボサウルスと同じ獣脚類(じゅうきゃくるい)の恐竜から分かれたものと言われていますので、足跡が似ているのも当然かもしれません。



河原に残ったダイサギの足跡(凹型)
河原に残ったダイサギの足跡(凹型)
*展示されていません
「ホネホネたんけん隊」で展示されていたダチョウの足の骨
「ホネホネたんけん隊」で
展示されていたダチョウの足の骨
*展示されていません


 ただよく見ているときれいに3本揃っている鳥とちがって妙に真ん中の指だけが長くなっているように見えます。

 それは指の付け根までを地面に付けないで、指の付け根を浮かせるように歩いていた証拠と考えられています。

 現在のダチョウに似ているそうです。だた、ダチョウの指は2本ですが。

 つまり、タルボサウルスは巨体にもかかわらずダチョウのように走るのが得意だったのかもしれません。



スプリンターだったかもしれないタルボサウルス
スプリンターだったかもしれないタルボサウルス



 ダチョウとタルボサウルスの足跡が似ているのは、鳥と恐竜がとても近い存在だからでしょうか。

 ところが、ダチョウは飛ぶ鳥から分かれた飛ばない鳥。

 ということは、タルボサウルスと似ているのは平行進化、かもしれません。

 もちろんといっても、体の基本的な作りが似ているからこそよく似たのでしょう。



 鳥は今いる生き物の中では、恐竜から分かれたと考えられている唯一の動物です。

 骨格以外にも卵や足跡など鳥と比べてみると、いろいろとおもしろい発見があるかもしれません。



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タグ: 発掘!モンゴル恐竜化石展タルボサウルス化石恐竜フィールドサイン大阪市立自然史博物館ダイサギダチョウ足跡

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和歌山の雑賀崎のリスは加害者? 被害者?


 和歌山の雑賀衆(さいかしゅう)で有名な雑賀崎(さいかざき)に行った時のことです。

 曲がりくねった道を歩いていると「カゴバ台場」と書いてある看板が目につきました。
 なにやら遺跡のようです。

 ちょっと気になるので行ってみました。



紀州藩海上防衛砲台跡のカゴバ台場(雑賀崎台場遺跡)
紀州藩海上防衛砲台跡のカゴバ台場(雑賀崎台場遺跡)





 人間の姿を見た動物があわてて動く音のようです。

 しかし鳥にしてはちょっと重い。

 かといってネコというには軽すぎる。

 音がした方をみてみると……



 樹の幹を何かが動きました。

 リス?

 高倍率のカメラでみてみると。

 ネズミよりも大きいほっそりとした体にふわふわの尻尾。

 リスです。

 そのまま写真を数枚写したところでで木を駆け登って行ってしまいました。

 ここは和歌山の海岸線。
 冬になっても葉を落とさない照葉樹。
 葉が茂っている中には入れると、もう見つけることはできません。



細い木々の向こうに見えるリス
細い木々の向こうに見えるリス




 家に帰って画像を確認してみます。

 丸い頭にほっそりとしたからだ。ふわふわ尻尾は、リスです。

 日本には数種類のリスがいますが、和歌山の海岸線にいる可能性があるのは、ニホンリス(日本栗鼠)。

 しかしそれは在来種の話。
 外来種では、クリハラリス(栗腹栗鼠)が日本各地にいます。

 ペットなどとして連れて来られたものが野生化し、増えているのです。

 さあ、どちらのリスでしょう。



 クリハラリスは名前の通り栗色の腹をしていますが、残念ながら写真には背中しか写っていません。

 またニホンリスのほうが小さいようですが、一匹だけでは比べようがありません。

 ほかのちがいは耳。

 ホンドリスのほうが大きく先が尖っていて、くりはらリは小さくて丸い。

 果たしてこのリスは……

 クリハラリスでした。



耳が小さいクリハラリス
耳が小さいクリハラリス




 食べ物が日本在来種のニホンリスと似ているところがあるため、ニホンリスの数が減ってきている原因の一つといわれることもあります。

 また樹木や農作物をかじったり食べたりすることから、特定外来生物に指定されています。

 雑賀崎はあちこちに木が生えているとはいえ、車が走り、人が住み、休みには観光客がやってくるようなところです。

 ニホンリスは住んでいないでしょう。

 そんなところにでも住めるのですから、クリハラリスが特定外来生物に指定されるのも頷けます。



 しかし、人間のすぐそばでも生活できるクリハラリスに対して、どちらかと言うと森林の中が好きなニホンリス。

 食べ物はよく似ていても、生活する場所が違っているような気がします。

 もしかするとニホンリスの数が減ったのは、生活できる森林が減ったためで、クリハラリスとはあまり関係ないかもしれません。


 じゃあ、ニホンリスが減っている原因は何?



 多分、人間でしょう……



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タグ: クリハラリスリス特定外来生物雑賀崎和歌山

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晩春の金剛山のお花畑のニリンソウと


 ゴールデンウイークころの金剛山は、野草の花のシーズンです。

 なかでも「お花畑」として有名なカトラ谷のニリンソウを見に行ってきました。



ニリンソウのお花畑がある金剛山の谷
ニリンソウのお花畑がある金剛山の谷




 ゴールデンウイークのお花畑ということで多くの人が登っていましたが、あいにくの曇空。

 ニリンソウの群生地につきましたが、みんな花を閉じています。



ほとんど開いていない曇りのニリンソウ
ほとんど開いていない曇りのニリンソウ




 天気がいい日でないと開かないと聞いたことがあるので、しかたありません。

 開いたニリンソウを見るのは、また来年。

 これを楽しむのが自然のおもしろさ。


ニリンソウ(二輪草)

キンポウゲ科 イチリンソウ属
多年草
ニリンソウ(二輪草)
一つの茎から花が二輪咲くことが名前の由来。
でも名前に反して1輪から2輪咲くと言われますが、やっぱり2輪が目立つような気がします。
キンポウゲ科ですので、白い花びらのようにみえるのは、萼です。




 一面のニリンソウの中にも所々で違う花が咲いていました。



 まずはエンゴサクの仲間。
 おそらくはヤマエンゴサク。


ヤマエンゴサク(山延胡索)

ケマンソウ科 キケマン属
多年草
ヤマエンゴサク(山延胡索)
ケマンソウ科ですので、花には(きょ)があります。




 そしてエンレイソウ。

 3枚の葉の中央からひとつの花が咲いています。

 緑色の花弁が地味ですが、実はこれも萼。
 花弁はありません。


エンレイソウ(延齢草)

ユリ科 エンレイソウ属
多年草
別名:タチアオイ
エンレイソウ(延齢草)



 花弁がないのがエンレイソウの仲間の特徴かというとそうではありません。

 同じ日のちはや園地では植えられたオオバナノエンレイソウが咲いていました。

 緑の部分は萼ですが、白い部分は花びら。

 なぜか近い仲間のエンレイソウは花弁をなくしたようです。



オオバナノエンレイソウ(大花延齢草)

ユリ科 エンレイソウ属
多年草
オオバナノエンレイソウ(大花延齢草)



 金剛山の初夏の花シーズンはまだ続きます。

 クリンソウの季節ももうすぐです。



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タグ: ニリンソウ金剛山金剛山の花カトラ谷春の金剛山エンレイソウヤマエンゴサク青い花緑色の花萼の花

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足跡は大切な情報源です。フィールドサイン


 「フィールドサイン」。

 「フィールド」の「サイン」。

 それは生き物が活動した跡のこと。

 具体的に言うと、(ふん)・足跡・食痕など。

 夜行性の生き物や擬態して見つけにくい生き物などの行動や生活の様子を知るためには重要な情報になります。



 大阪の北東部、交野市(かたのし)私市(きさいち)にある大阪市立大学理学部附属植物園。




大阪市立大学理学部附属植物園の事務所棟
大阪市立大学理学部附属植物園の事務所棟



 入口入って左手には熱帯の植物を育てている温室があります。
 温室の中は公開していませんが、その前には熱帯のスイレンなどを展示するプールがあります。

 その日はまだ4月ということで、プールにはスイレンはもちろん水もありませんでした。

 プールの底にはスイレンを植え付けるための泥がありましたが、ちょうどいい感じに水分を含んでいました。

 ということで、探してみました。

 フィールドサインの足跡を。




 まずは鳥類の足跡。




泥の上の鳥類の足跡
泥の上の鳥類の足跡




 鳥の足跡というと細い指が3本というイメージがありますが、これは前向きに3本後ろ向きに1本の計4本。
ダイサギと思われる足跡
ダイサギと思われる足跡


ダイサギ(大鷺)
コウノトリ目 サギ科 アオサギ属


 これは木にとまる鳥の特徴で、枝をがっしりつかむためのものでしょう。

 見るからに大きいのでダイサギかアオサギ、そしてコウノトリなどが考えられそうです。

 この足跡は前三本の指の開き具合がおおよそ90度。

 アオサギは90度よりも狭く、コウノトリは90度よりも広い。
 ただダイサギだけが90度。

 大阪北部なのでコウノトリの可能性も0ではありませんが、ダイサギ(大鷺)に決定。




 次は哺乳類(ほにゅうるい)の足跡。




泥の上の哺乳類の足跡
泥の上の哺乳類の足跡



 特徴は人間のように前足と後足の形がまったく違う動物。

 指も5本見えるので、人間のように足をベッタリとつけて歩く蹠行性(しょこうせい)の哺乳類。
 キツネヤタヌキのようなネコ目(食肉目)ではありません。

 人間の手のような跡と、人間よりも指が長い足跡。

 該当するのは、アライグマ(洗熊)。




アライグマの左前足と思われる足跡
アライグマの左前足と思われる足跡
アライグマの左後足と思われる足跡
アライグマの左後足と思われる足跡
アライグマ(洗熊)
哺乳綱 食肉目 アライグマ科 アライグマ属




 もちろんアライグマは北米原産で日本にはいないはずの動物です。

 アニメがきっかけとなってペットとして流行。
 しかしアニメとちがい荒い気性が災いして飼い主が手に負えず、屋外に放されるなどして野生化してしまいました。

 今では特定外来生物に指定されています。



 最後は、謎の足跡。

 おそらく、どんなフィールドサインの図鑑にも載っていないでしょう。
 アメリカの図鑑なら載ってそうな気もしますが。




謎の足跡
謎の足跡

哺乳綱 霊長目 ヒト科 ヒト属?





 野生の動物と野山で出会うのはなかなか難しいものですが、こういった「生活の跡」は野山にいる哺乳動物のことを知ることができます。

 場合によっては生きている動物を見るよりも多くののことがわかる貴重な情報の宝庫なのです。




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タグ: フィールドサイン足跡ダイサギアライグマ市大付属植物園特定外来生物

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春の岩湧山の小さな花


 山頂がススキに覆われ、まわりには杉が植林されている岩湧山(いわわきさん)

 一部には広葉樹などが残り、様々な山野草を見ることができます。

 そんな中で春の岩湧山で出会った山野草です。



山焼で真っ黒になった春の岩湧山(滝畑ダムより)
山焼で真っ黒になった春の岩湧山(滝畑ダムより)




 まずはセンボンヤリ。



岩湧山のセンボンヤリ
岩湧山のセンボンヤリ




 秋には60センチにもなるそうですが、春は10センチほど。

 花も小さいのでうっかり見落としてしまいそうです。

 秋にも花ができますが、蕾のまま開かない閉鎖花。
 長く伸びた閉鎖花が何本も並ぶ姿が名前の由来だそうです。



センボンヤリ(千本槍)

キク科 センボンヤリ属
多年草
別名:ムラサキタンポポ,
生育環境:丘陵・山地の草地
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,

[レッドデータブック]
 環境省RDB:記載なし
 準絶滅危惧種:鹿児島県,




 そしてスミレ。

 花は普通のスミレのようですが、葉っぱが細かく切れ込んで入れうのが特徴です。

 葉が切れこむスミレにはエイザンスミレ(叡山菫)やナンザンスミレ(南山菫)がありますが、葉の切れ込みが深く幅が狭く乾燥気味なところに生えていたのでヒゴスミレではないかと思います。
 といってもそれほど自信はなく、エイザンスミレかもしれません。



岩湧山のヒゴスミレ?
岩湧山のヒゴスミレ?




 名前の「ヒゴ(肥後)」は、熊本県のことですが、特に熊本県にに多いというわけではないようです。



ヒゴスミレ(肥後菫)

スミレ科 スミレ属
多年草
生育環境:乾燥気味の登山道や草地
日本での分布:本州,四国,九州,

[レッドデータブック]
 環境省RDB:記載なし
 絶滅危惧Ⅰ類:宮城県 ,山形県,石川県,高知県,
 絶滅危惧II類:秋田県,東京都,新潟県,鹿児島県,
 準絶滅危惧種:栃木県,埼玉県,鳥取県,山口県,
 その他:福井県,静岡県,大阪府,




 大阪と奈良・和歌山の府県境に連なる山々のなかでも、個性的な山頂の岩湧山で春に出会った花でした。



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