【 2013年04月】

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〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

「発掘!モンゴル恐竜化石展」大阪名物と思ったら……恐竜のたまご



 モンゴルの恐竜化石の実物がいっぱい展示されている「発掘! モンゴル恐竜化石展」。



3月までの旧展示の会場入口看板
3月までの旧展示の会場入口看板




 会場入口だけでなくチラシがいつの間にかリニューアル。

 裏面を見ると……

 「大阪名物、たこ焼き?」??



展示されている「大阪名物、たこ焼き?」
展示されている「大阪名物、たこ焼き?」




 化石展が開かれている大阪に合わせてモンゴル恐竜型のたこ焼きでも作ったのでしょうか?!

 チラシの写真では恐竜型をしていませんが、たしかにココアパウダーをまぶしたたこ焼きのようです。

 本当にたこ焼き!?

 と思いながらも、すでに実物を見ていますから、これがなにか知っています。



 なんとたこ焼きのように見えたのは、恐竜の卵の化石でした。

 それがたこ焼きのように丸い形のまま固まって化石になったものが展示されているのです。



エクレア風の? 細長い獣脚類の卵
エクレア風の? 細長い獣脚類の卵




 この卵はまるのですがほかにも長細いものなどいろいろ展示されています。

 10メートルをこえる大きさにまで成長する恐竜ですから、卵も人間くらいの大きさ……と想像していましますが、ここにあるのはせいぜいソフトボールよりもちょっと大きいかな、というくらい。

 意外にも小さい卵です。

 ただ、どの恐竜の卵かはっきりとわからないものも多いので、小さな恐竜の卵、という可能性もありますが。



オブラプトルの仲間の胎児の骨も残っている卵の殻
オブラプトルの仲間の胎児の骨も残っている卵の殻
長い骨は足の骨




 ただ、大きくても数十センチ。1メートルをこえるような大きな卵は見つかっていないようですので、小さく生まれて大きく育つのが、恐竜の特徴なのでしょう。

 ほかにも卵の中に残っていた孵化する前の赤ちゃんの化石や、あかちゃん恐竜も展示さているので、小さな卵から生まれた恐竜が大きく育っていく様子も想像できる「発掘! モンゴル恐竜化石展」。

 いつの間にか残り一ヶ月余りになってしまいました。



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タグ: 恐竜の卵発掘!モンゴル恐竜化石展大阪市立自然史博物館恐竜

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今年最初のイモハンは


 桜も終わり、大分暖かくなってきました。

 どこかに隠れていた虫たちも活動をはじめました。



この記事にはケムシの画像があります。





 どれもこれも同じに見えてしまうイモムシ。

 それを見分けることができるのが文一総合出版の『イモムシ ハンドブック』。

 通称「イモハン」。



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 そして野山にいいるイモムシを見つけるのが「イモムシ・ハント」。

 略して「イモハン」。



 今年最初のイモハンは、これ ↓



クワゴマダラヒトリ(桑胡麻斑灯蛾)
クワゴマダラヒトリ(桑胡麻斑灯蛾)
鱗翅目 ヒトリガ科
食草・食樹:ヤナギ類,ウツギ,サンゴジュ,クワ,コナラ,アラカシ,
分布:北海道,本州,四国,九州,




 いろんな植物の葉を食べますが、名前の通り(くわ)の害虫の一つです。

 このとき食べていたのは、アジサイの葉。

 ところがアジサイには毒があると言います。

 人間が食べると、食中毒をおこすそうです。



 ということは、クワゴマダラヒトリにとってアジサイは無毒なのでしょうか。

 生き物の中には体に毒を持って食べられないようにする生き物がいます。
 例えば、フグ。

 フグは自分で毒を作っているのではありません。
 毒を持つ生き物を食べてその毒をためているのです。

 と言うことは、クワゴマダラヒトリはアジサイの毒を持っているのでしょうか。




マイマイガっぽいですが頭は小さいクワゴマダラヒトリ




 クワゴマダラヒトリは「イモハン2」に載っていますが、毒はないようです。

 もっともこの場合の毒は毛虫の毛の毒で、食べた時の毒ではありません。

 まあ、毒がなかったとしてもこの毛虫を食べる人はいないでしょうから、それは心配しなくていいと思います。

 ただ、毛に毒はないといってもアレルギーなどを起こすこともありますので、無闇にさわらないほうがいいかもしれません。



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タグ: クワゴマダラヒトリイモムシイモムシハンドブック

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現在の野田藤の名所は野田のとなりの玉川に


 ソメイヨシノの花が終わって八重桜が咲き始めた今は、ちょうど藤の花の季節でもあります。



 藤は(つる)植物でほかの木なとに巻きついて成長します。

 その性質を利用してブドウのように棚にはわせて「藤棚(ふじだな)」をつくり、(ふさ)になって下がる花を楽しむことが昔から行われています。



ノダフジの花(春日神社)
ノダフジの花(春日神社)




 そういった観賞用の藤の多くは「ノダフジ」と呼ばれる種類。

 その名前の由来となったのが、今の大阪市福島区の野田。
 室町時代にはすでに藤の名所だったようです。

 残念なことに今はコンクリートとアスファルトに囲まれ、藤の名所だったとはとても信じられません。

 そんなビルだらけの中に小さな神社があります。



小さい春日神社
小さい春日神社




 人間が入れないほど小さな建物ですから(ほこら)と言うほうがわかりやすいかもしれません。

 その小さな神社には野田節発祥の地の碑があり、小さな境内いっぱいに藤棚があり、藤の花房(はなぶさ)が下がっていました。



春日神社境内いっぱいの藤棚
春日神社境内いっぱいの藤棚




 そしてとなりのビルには車の出入りスペースに屋根のような藤棚がつくられています。

 けっして広くはないものの一面に藤の花房が下がっている様子は、野田藤発祥の地にもうなずけます。



春日神社向かいの野田藤棚
春日神社向かいの野田藤棚




 藤の名所と(うた)われていたころより小さくなっても、今でも藤の名所です。


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タグ: ノダフジ春の花晩春の花紫色の花

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八重がいっぱい 造幣局の桜の通り抜け


 今年も大阪の春の風物詩、造幣局(ぞうへいきょく)の通り抜けが始まりました。

 もちろん、大阪のソメイヨシノは、もう終わっています。

 ということで、メインは八重桜です。



八重桜の定番で造幣局でも大定番の関山(かんざん)
八重桜の定番で造幣局でも大定番の関山(かんざん)




 この暖かさは予想外だったのか、満開をすぎたサクラや花が完全に終わった桜も目につきます。

 が、ちょうど見頃のさくらもいっぱい。



花の色が変わる鬱金(うこん)
花の色が変わる鬱金(うこん)




八重の花が鈴生り普賢象(ふげんぞう)
八重の花が鈴生り普賢象(ふげんぞう)




小ぶりで黄緑がかった中に赤い御衣黄(ぎょいこう)
小ぶりで黄緑がかった中に赤い御衣黄(ぎょいこう)




葉が少なくて小ぶりの八重が鈴生りの簪桜(かんざしざくら)
葉が少なくて小ぶりの八重が鈴生りの簪桜(かんざしざくら)




 毎年1種類の桜が「今年の桜」に選ばれますが、今年桜は「天の川」。



上向きに咲く珍しい天の川
上向きに咲く珍しい天の川




上から見た天の川の花
上から見た天の川の花




 560メートルの桜の小道でした。



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タグ: 造幣局関山(桜)鬱金(桜)普賢象(桜)御衣黄(桜)簪桜天の川(桜)春の花造幣局通り抜け

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たった1,000,000歳の若い山 六甲山


 兵庫県の南。
 大阪湾に立ちふさがるように海抜0メートルから一気に900m以上盛り上がっている山。

 六甲山(ろっこうさん)



 ただ、「六甲山」という頂上は存在せず、一つながりとなった山々を合わせて「六甲山」と呼ばれます。

 実際、大阪から眺めてみても、真ん中あたりが一番盛り上がっているように見えますが、金剛山のようにわかりやすい頂上はみあたりません。



金剛山から見た六甲山
金剛山から見た六甲山




 六甲山は花崗岩(かこうがん)でできた山。
 花崗岩は地中深くで作られる岩石です。

 つまり、六甲山は地中深くの岩盤が地上900mまで盛り上がってできた山なのです。

 どうして地面の下でできた岩盤が盛り上がったのかというと、地面のずれです。
 地面がずれて断層ができるとき(断層運動)には地震が起きます。

 六甲山は地震のときに盛り上がってできた山、いや六甲山が盛り上がるときには地震が起きたのです。



 断層運動で盛り上がってできたことや花崗岩でできているところは近くの金剛山と同じです。

 しかし金剛山と六甲山にはいろいろなちがいがあります。
 その一つが盛り上がるスピード。

 六甲山ができ始めたのは100万年ほど前と考えられています。

 100万年前というと、人類(ホモ・サピエンス)はまだ登場していなくて、「原人(げんじん)」と呼ばれやっと二本足で歩きはじめたくらいのころです。

 人間の一生と比べられないほど長い時間ですが、それでも山としてみればまだまだ若い山。

 今でも百年に30センチずつ高くなっていると言われています。




断層が見える布引貯水池の布引断層(中央の縦の筋)

地層がずれたたところが変質してもろくなったため他よりも風化されるのでへこんで見えます。




 六甲山の中央付近にある「六甲山最高峰」。

 そこには平成5年7月の日付が記された一枚のプレートが置かれ、その地点の標高「931.13メートル」が記されています。

 ところがその下に平成7年3月の日付が記された新しいプレートが貼られています。
 そこには「931.25m」。
 阪神・淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震後に更新された高さです。

 もちろんこれは計測間違いではなく、地震後標高が12センチ高くなったのです。



六甲山最高地点の一等三角点にあるプレート
六甲山最高地点の一等三角点にあるプレート

その三角点のプレートのアップ
その三角点のプレートのアップ

そこに追加されたプレートのアップ
そこに追加されたプレートのアップ




 これを繰り返して六甲山は大きくなってきたのです。

 いや。六甲山だけでなく、日本の山の多くが断層運動や火山噴火という「災害」で出来上がったものなのです。

 地震や噴火という地球の活動によってできあがった日本の豊かな自然。

 地球の時間と人間の時間は尺度がちがいます。
 一生のうちに地震災害や火山災害に何度も遭うかもしれませんし、一度も遭わないかもしれません。

 美しい自然の日本に住む限りは、そういう自然災害はあるものとして、日頃の備えが大切なのかもしれません。



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タグ: 六甲山地六甲山阪神・淡路大震災大震災断層六甲・淡路島断層帯兵庫県南部地震断層運動

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真っ黒になった岩湧山山頂 年に3回色が変わります。


 何度も延期になった2013年の岩湧山(いわわきさん)茅場(かやば)の山焼き、やっとおわりました。

 冬には黄金になっていた岩湧山山頂が、真っ黒になっています。



真っ黒になった岩湧山山頂
真っ黒になった岩湧山山頂




 この岩湧山山頂は「茅葺屋根(かやぶきやね)」などに使われる(かや)(岩湧山の場合はススキ)の伝統的な栽培地となっています。

 瓦屋根(かわらやね)があたりまえになった今でも、神社や古い建物などの茅葺屋根に使うために守られています。



滝畑ダムから見上げた黄金色の冬の岩湧山の茅場
滝畑ダムから見上げた黄金色の冬の岩湧山の茅場




 ススキ原を維持するためには手入れが必要です。

 空き地や荒地でもそこに生える植物はどんどん入れ替わっていきます。

 そしてもうこれ以上変わり様がないという状態に落ち着きます。
 その状態を「極相(きょくそう)」といいます。

 木や草もないような荒地には、まず草が生え、そして木が生え、極相に向って木の種類が変わっていくのが普通です。



緑色の初夏の岩湧山山頂西尾根
緑色の初夏の岩湧山山頂西尾根




 ススキは草原の終わりくらいに生える植物で、次第に木が生え森に変わっていきます。

 もちろん茅場もほっておけば木が生えてススキがなくなってしまうでしょう。

 ですから冬にススキを刈り取った後を焼いて木が生えないようにしているのです。

 ススキは冬に枯れますので、地面の上を焼いても平気です。
 しかし木は地面の上の部分が燃えてしまいますので成長することができません。



燃えた後の岩湧山山頂付近
燃えた後の岩湧山山頂付近




 とはいえ、木は冬になって葉を落としていても生きていますので、枝や幹には水が詰まっています。

 よく見ると、所々で燃え残っています。

 そこで刈払機(かりはらいき)で燃え残った木を刈り取っていました。



 夏には緑色、冬には黄金色になるススキ原も、人が手を加えているからこそ維持できる風景なのです。



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タグ: ススキ岩湧山春の岩湧山茅場

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二上山上の緑提灯 ウスタビガの繭


 立春を過ぎたといっても、まだ冬が残っている二上山(にじょうざん)

 大阪と奈良の府県境の山。

 寄り添うようにあるおわん型の二つの山です。



錦織公園から見た二上山
錦織公園から見た二上山
右が雌岳(めだけ)で左が雄岳(おだけ)




 ちょっとだけ低い方の山、雌岳の頂上に登る階段の脇に生えている樹の枝に黄緑色の小さいものが垂れ下がっていました。

 アルファベットの「U」に蓋をつけたみたいな形は、そう、ウスタビガ(薄手火蛾)(まゆ)にちがいありません。

 ついているのは、縦の裂け目がいっぱいついた樹皮なのでコナラ(小楢)でしょう。
 コナラはウスタビガの幼虫が食べる葉の一つです。



ウスタビガの繭
ウスタビガの繭




 しかしコナラは落葉樹。
 冬には一枚の葉も残っていません。

 そこに黄緑色の繭。
 とてもよく目立ちます。
 シジュウカラに見つかったら、いや見つからないわけがないでしょう。



 とおもったら、ウスタビガの羽化は10月から11月。
 もう、「(もぬけ)(から)」でしょう。

 しかしウスタビガは卵で越冬するらしいので、成虫になってもそう長い間は生きていなさそうです。



ウスタビガの繭がぶら下がっていたコナラ
ウスタビガの繭がぶら下がっていたコナラ




 「ウスタビガ」を漢字で書くと「薄手火蛾」。

 「手火」とは提灯(ちょうちん)のことだそうです。

 ウスタビガの幼虫が食べるのは落葉樹ばかり。
 葉を落とした枝から空になった繭がぶら下がっているのはよく目立ちますし、確かに薄っぺらい提灯にも見えます。
 しかも成虫の命はとても短い。

 成虫でも幼虫でもなく、繭が名前の由来になるのもうなづけます。



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ちょっと遅れて八重桜もいいですね。大阪市立大学理学部附属植物園


 今年は早めに咲いた桜。

 といってもそれはソメイヨシノを中心とした桜のこと。

 生駒山地(いこまさんち)の北にある大阪市立大学理学部附属植物園のサクラ山では、何種類もの八重桜が咲きいていました。



鬱金(うこん)
鬱金(うこん)

薄い黄色の花が咲くのが特徴の八重桜です。


鬱金の花
鬱金の花

近くで写すと白っぽくなってしまいました。





楊貴妃(ようきひ)
楊貴妃(ようきひ)

世界三大美女の名前がついています。


楊貴妃の花
楊貴妃の花

薄いピンク色の花です。


あでやかな楊貴妃
あでやかな楊貴妃

木全体が薄ピンクに染まる(あで)やかな姿が名前の由来だそうです。





関山(かんざん)?
関山(かんざん)?

名札がないのでまちがっているかもしれません。


関山?の花
関山?の花

関山は八重桜の定番です。





 遅咲きの桜に間に合いました。



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標高100mのカタクリの花 大阪市立大学理学部附属植物園


 大阪の北西部、生駒山地(いこまさんち)の北にある交野市(かたのし)私市(きさいち)

 そのダブル難読地にあるのが「大阪市立大学理学部附属植物園」。

 大学の研究施設が一般に公開されているのです。

 この植物園の特徴は山あり谷ありの広い敷地に日本の森林のモデル林があることです。



大阪市立大学理学部附属植物園の暖帯型落葉樹林
大阪市立大学理学部附属植物園の暖帯型落葉樹林




 そんなモデル林の暖帯型落葉樹林と温帯北部型落葉樹林のところで、ひっそりとカタクリ(片栗)が咲いていました。



大阪市立大学理学部附属植物園のカタクリ
大阪市立大学理学部附属植物園のカタクリ

大阪市立大学理学部附属植物園のカタクリの花
大阪市立大学理学部附属植物園のカタクリの花




 標高が900m以上ある大和葛城山(やまとかつらぎざん)ではこれからのようですが、標高が100mもないここではもう終わりかけ。

 かろうじて間に合いました。



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巨樹・古樹・老樹 その13 糺の森の瀬見の小川の紅葉橋のほとりの欅


 歴史が古いといわれる京都の中でも平安京以前からある古い神社の一つ、下鴨神社(しもがもじんじゃ)

 この「下鴨神社」は通称で、正しくは「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」といいます。

 賀茂川と高野川に挟まれたような形の社殿から南へ伸びる表参道はニレ科を中心に多くの木々が茂り、「(ただす)(もり)」と呼ばれています。
 社格の高い神社のものとして大切に守られたためか、樹齢の高い木々が数多くあります。

 しかしその多くは昭和初期の大水害後に植えられた樹木になります。

 古いものが多いというイメージが強い京都ですが、幾度も戦乱や大火に見舞われていますので、意外と古いものは少なかったりします。



社殿のまわりは常緑樹の下鴨神社
社殿のまわりは常緑樹の下鴨神社




 糺の森の参道に並ぶように小川が流れています。
 鴨長明(かものちょうめい)も歌に詠んだ瀬見(せみ)小川(おがわ)です。

 表参道の入り口付近には下鴨神社の摂社(せっしゃ)の河合神社があり、そちらへ向かって小さな石橋の紅葉橋かけられています。

 この辺りには大きはケヤキ(欅)が並んでいます。



糺の森の瀬見の小川の紅葉橋のほとりの欅(2013年1月)
糺の森の瀬見の小川の紅葉橋のほとりの欅(2013年1月)




 ケヤキは街路樹としてよく植えられていますが、日本在来の樹木で山地や丘陵地帯に生えていました。

 糺の森でもよく生えている樹木のひとつですが、参道に並んだケヤキは植えられたものでしょう。



樹皮がはがれた跡が波打つように見えるケヤキ
樹皮がはがれた跡が波打つように見えるケヤキ

葉の鋸歯が先が尖ったノコギリの歯のようになっているケヤキ
葉の鋸歯が先が尖ったノコギリの歯のようになっているケヤキ




 京都の町中に残る原生林の糺の森。
 世界文化遺産「古都京都の文化財」の一部です。

 しかし「森」といいつつも木々が残るのは参道のまわりだけ。
 外には京都の普通の住宅街が広がります。

 しかしそれは現在のこと。
 昔はほんとうに神社のまわり一帯が森でした。

 それが明治政府に取り上げられ、今のように小さな森になってしまったのです。



落葉樹が目立つ冬の糺の森の表参道
落葉樹が目立つ冬の糺の森の表参道




 「鎮守(ちんじゅ)の森」という言葉があるように古来日本の神社には森がつきものでした。

 しかし明治政府による神社の領地の没収のため、下鴨神社だけでなく日本中の神社から森が消えていったのです。

 その後日本中の神社の統廃合が行われ、さらに鎮守の森が消えていきました。
 それに反対した人の一人が博物学者の南方熊楠(みなかたくまぐす)さんです。

 その活動が功を奏し神社の統廃合はおわりますが、すでに多くの神社と森が失われていました。

 その後、それに逆行するような形で東京の広大な土地に人工的に作られたのが、明治神宮の森。

 糺の森は明治神宮よりもはるかに広かったそうですので、そういうことがなかったとしたら本当の巨樹や老樹の宝庫になっていたことでしょう。



巨樹(大きな木)・古樹(樹齢の高い木)・老樹(年老いて見える木)」とはIWO(いきもの は おもしろい!)が以下の独自基準で選んだものです。
1.一般に「巨樹」「古樹」「老樹」と認知されている樹木
2.見た目が「巨樹」「古樹」「老樹」を感じさせる樹木
3.見た目が小さくてもその種として「巨樹」「古樹」「老樹」な樹木
4.地域の自然を愛する組織や団体などが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木
5.その他IWOが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木




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