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奈良公園の鹿には気をつけろ! 特に話しかけてくる牝鹿には!!『鹿男あをによし』


 デビュー作から次々と映画化ドラマ化マンガ化される人気作家、万城目(まきめ)(まなぶ)さん。

鹿男あをによし (幻冬舎文庫)

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 デビュー作『鴨川ホルモー』に続く長編第2作です。



 タイトルの「あをによし」は万葉集の歌などに使われた奈良を表す枕詞で、「あをによし」とあれば、次は奈良のことが書かれます。

 ということで、タイトル通り奈良盆地が舞台の作品です。
 さらに「鹿」とあるように、奈良公園周辺で物語は進みます。



鹿がいっぱい奈良公園
鹿がいっぱい奈良公園




 ちょっとした事情があって奈良市の私立の女子校に教師として赴任することになった主人公。

 奈良にやってきてすぐ奈良公園で鹿に話しかけられ、ある役目を担わされます。

 日本を地震災害から守るために大(まなず)(しず)める道具を狐の使いから受け取って欲しいというのです。

 このあたりは京都で行われる謎の競技「ホルモー」(『鴨川ホルモー』参照)と同じように大昔から行われる伝統で細かいことはわからないという、民俗学的リアリティがあります。




 大鯰鎮めの道具は、偶然なのか京都にある姉妹校の人間から受けとることになります。

 しかし受け取りに失敗、顔が鹿になるという呪いをかけられてしまいます。
 呪いを解くために大鯰鎮めの道具を取り返さなければらないと主人公は考えます。

 幸い周りの人間には普通の人間のままに見えますが、鏡に映る自分の顔は日々鹿へと変化していきます。

 焦る主人公。

 はたして大鯰鎮め道具を取り返して人間の顔に戻れるのか。



奈良公園の牝鹿
奈良公園の牝鹿




 顧問になってしまった剣道部の手に汗握る試合や、主人公の周りのいろいろな人間関系の変化など、エピソード盛りだくさん。

 ホルモー競技の1シーズン(2年)を追いかけることに専念した(せざるを得なかった?)『鴨川ホルモー』よりもページ数が増えた以上に読み所も増えています。

 物語が進んでいくうちに散らばっているように見えたエピソードが一点に集まってくるところが、万城目作品。



 奈良公園の鹿は春日大社に祀られる武甕槌命(たけみかづちのみこと)の使い、神使(しんし)
 その鹿に話しかけられます。

 奈良公園に行ったことがない人にとっては『もののけ姫』のような世界を想像するかも知れません。

 確かに春日大社周辺には神社の杜があって伐採も立ち入りも禁止されていますので、鬱蒼(うっそう)とした広葉樹の森が広がっています。

 しかし奈良公園の多くは鹿が下草を食べてしまうので、日当たりのいいところは在来種の芝が覆い、林の中はただ落ち葉と鹿の糞が落ちているだけ。



奈良公園の牝鹿と仔鹿
奈良公園の牝鹿と仔鹿




 この作品でも鹿に話しかけられるのはとなりで遠足の小学生がワイワイとおべんとうを食べるようなところ。
 『もののけ姫』とちがいなんか世俗まみれた感じがします。

 しかし、人間を恐れず、なにか言いたげにこちらをじっと見つめる奈良公園の鹿たちを見ていると、『鹿男あをによし』が実際のあったことで、となりにいる鹿から今にも話しかけられそうな錯覚を感じます。



小学生がお弁当を食べる奈良公園
小学生がお弁当を食べる奈良公園




 この作品も2008年に玉木宏さん主演でテレビドラマ化されています。

 ただ中心のスタッフが奈良や近畿出身者でないためか、せっかく奈良公園でロケーションしているのに奈良らしさがまったく感じられず、どこか関東のような感じがする、残念な作品になってしまいました。

 それなら千葉や埼玉などに舞台を移しても良かったような気がしますが、人間の姿を見ると逃げていってしまうような鹿が話しかけてくることに「もしや」と思わせるところは、日本でも奈良公園以外は、ないのかもしれません。



まだ袋角の奈良公園の牡鹿
まだ袋角の奈良公園の牡鹿




 前作の『鴨川ホルモー』、そしてこの『鹿男あをによし』、長編3作目の『プリンセス・トヨトミ』(映画はまったくちがう作品と思ってください)と、常識ではありえない話です。

 それなのに、京都、奈良、大阪の舞台となった土地に行くと、現実のことかもしれないと思えてくる妙なリアリティーを感じる作品です。

 ただ、京都で「ホルモ~~~~~」と言う叫び声を探したり、大阪城の謎の地下施設探したりするのとはちがい、奈良公園へ行く時には近寄ってくる鹿にはご注意ください?



 余談ですが。

 物語に大きく関わってくる女子高生の顔が魚を連想させるとあるので、もしや「イスマス面」で、地震はオオナマズでなく千匹の山羊が起こしているのかと思ったのですが、この作品ではただの「魚を連想させる顔」だったようです。



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「発掘! モンゴル恐竜化石展」タルボコタルボ 小さなタルボサウルスも立って待っています。〈大阪市立自然史博物館〉



 大阪市立自然史博物館で行われている「発掘! モンゴル恐竜化石展」。

 2012年12月22日から子供のタルボサウルス(()タルボ)の生きていた時の姿勢を化石で復元したものが展示されています。

 ちょうど大人のタルボサウルス((おお)タルボ)と並んでいるので、比べてみることもできます。

花と緑と自然の情報センター直前の看板
花と緑と自然の情報センター
直前の看板



 会場入ってすぐのところに石に埋もれた小タルボの化石があります。
 これは見つかった時の状態をかたどった産状(さんじょう)レプリカです。

 体の80%の部分が残っていたとても貴重な化石です。

 この小タルボを組み立てたものが新たに展示に加わったのです。



小タルボの産状レプリカ「発掘! モンゴル恐竜化石展」
小タルボの産状レプリカ「発掘! モンゴル恐竜化石展」




 産状レプリカの隣にはこの小タルボの実物の頭の化石が置かれています。
 その先には大人のタルボサウルス、大タルボの化石があるので比べてみると、ちょっと違和感を感じます。

 鼻先が(とが)り気味で鳥のクチバシのような感じ、どちらかというとヴェロキラプトルのようなドロマエオサウルス科に近いような気がします。

 それに対して大タルボはティラノサウルスの仲間らしく長方形で肉食哺乳類の口のように力強さを感じます。



スマートな小タルボの頭「発掘! モンゴル恐竜化石展」
スマートな小タルボの頭「発掘! モンゴル恐竜化石展」

力強そうな大タルボの頭「発掘! モンゴル恐竜化石展」
力強そうな大タルボの頭「発掘! モンゴル恐竜化石展」

とんがったヴェロキラプトルの頭「発掘! モンゴル恐竜化石展」
とんがったヴェロキラプトルの頭「発掘! モンゴル恐竜化石展」




 この自然史博物館で去年の3月からやっていた「新説・恐竜の成長」では同じ恐竜でも大人と子供でちがう恐竜と思われるほどちがっていたことが展示されていました。

 ですから見た目がちょっと違っていても、共通している部分があります。

 例えば頭の骨にはいくつか穴が並んでいますが、小タルボも大タルボもその一番後ろ(側頭窓(そくとうそう))が「B」のような形になっています。
 これはティラノサウルス科の特徴です。

 でもこれだけだと小型のティラノサウルス科の恐竜の可能性もあります。

 ところが、このこタルボには子供恐竜の特徴があるので、モンゴルのティラノサウルス科の子供の恐竜、つまりタルボサウルスの子供だということがわかったのです。

 詳しくは博物館でじっくり確認できます。



新登場の小タルボ復元骨格「発掘! モンゴル恐竜化石展」
新登場の小タルボ復元骨格「発掘! モンゴル恐竜化石展」




 新しい小タルボは最後のコーナー。
 腹ばい大タルボの前にちょこんと立っています。

 同じポーズではありませんが、その大きさの違いはひと目で分かります。
 確かにいきなりこの2つを見せられたら、ちがう種類の恐竜と思ってしまうでしょう。

 この小タルボは2歳。

 ではこの大タルボはいったい何歳なのでしょうか?

 生まれてたった2年で人間くらいの大きさになるですから、意外と若いのかもしれません。



タルボコタルボ「発掘! モンゴル恐竜化石展」
タルボコタルボ「発掘! モンゴル恐竜化石展」
※画像スライドできます ⇒⇒




 ほかにも会場にはいろいろな化石が展示されています。

 実物もたくさんあります。

 実物をじっくり観察してみると、研究者も見落としていた新しい発見があるかもしれません?



 気になる人は、さあ、急げ!



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住宅街の里山 錦織公園でキクイタダキ


 梅の状況を見に行った錦織公園(にしこおりこうえん)

 せっかく公園に来たのだから尾根道を歩きました。
 鳥と出会うためです。

 ススキがないすすきの丘に来た時、1羽の鳥が。



小さい体に細い嘴に短い尾はヤブサメ?
小さい体に細い嘴に短い尾はヤブサメ?




 小さくてせわしなく動くのメジロかと思ったのですが、たった1羽。
 時折ホバリングするように飛ぶ姿はメジロではありません。

 青空を背景にして、ちょっと離れた松の木のまわりを飛ぶので、よく見えません。

 しかもこちらを意識しているようで、常に木の向こう側にいます。



羽と目の周りに色の薄い部分があるからヤブサメでもメジロでもない!
羽と目の周りに色の薄い部分があるからヤブサメでもメジロでもない!




 少し離れたところからよく見える位置にやって来るチャンスを狙っていると、向こうから人が。
 しかもリードをつけていない犬が2匹。

 さすがに犬2匹が隣を通っていったので、小さな鳥は藪の奥の方へ飛んでいってしまいました。



 あきらめて家に帰ってパソコンで画像をみてみると……

 遠くて小さく写っていることと、木の陰の方ばかりにいたので、色がはっきりしません。

 拡大しなから色を調整していると、体の模様が見えて来ました。

 図鑑で探すと……個性的な飛び方、模様、大きさがピタリと当てはまる鳥が。



 キクイタダキでした。

 東日本では越冬するようですが、大阪では冬鳥。
 日本では一二を争う小さな鳥です。
 針葉樹が好きな鳥らしく、松の枝の間を飛び回っていました。



キクイタダキ(菊戴)

キクイタダキ(菊戴)

スズメ目 キクイタダキ科 キクイタダキ属
漂鳥
スズメより小さい鳥

[レッドデータブック]
 環境省RDB :記載なし
 絶滅危惧I類 :三重県,
 絶滅危惧II類 :奈良県,長崎県,
 準絶滅危惧種 :山形県,滋賀県,鳥取県,
 その他 :東京都,神奈川県,





 こういう鳥に出会えるとは、さすが錦織公園。



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タグ: キクイタダキ錦織公園初春の鳥冬鳥スズメより小さい鳥錦織公園の鳥漂鳥レッドデータ

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theme : 散策・自然観察
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海遊館の大水槽のとなりの深海の生き物 タカアシガニとオオグソクムシ


 もう説明の必要のないほど有名な水族館。海遊館。

 開館した1990年から大水槽で泳ぐジンベイザメがシンボルになっています。



1990年開館の海遊館
1990年開館の海遊館




 その後日本各地に大水槽を持つ水族館が開館しましたが、それでも多くの人を惹きつけ、なんと入場者の過半数がリピーター。

 ただ、展示が魚や海獣といった脊椎動物が中心で、ナマコやエビ・カニのような無脊椎動物の展示が少ないことが、ちょっと不満。

 それでもまた来たくなるので、この思い切りが海遊館の魅力なのでしょう。



海遊館の大水槽を泳ぐジンベイザメともっと大きなイワシ(の群れ)
海遊館の大水槽を泳ぐジンベイザメともっと大きなイワシ(の群れ)




この記事にはカニダンゴムシの仲間の画像があります。





 海遊館の数少ない無脊椎動物の中でも興味を引くのが「日本海溝」にいます。

 その名のとおり、日本の太平洋沿岸の深海に住む生き物が集められています。

 もちろん魚もいるのですが、目を引くのは今生きている節足動物の中で最大のタカアシガニ(高脚蟹)。

 成長すると3mを超える大きさにまでなる超巨大ガニです。

 といってもほとんどは脚の長さで、体は40cmくらいですが、目の前で動いている姿を見ると、結構迫力があります。



巨大節足動物の海遊館のタカアシガニ
巨大節足動物の海遊館のタカアシガニ




 3mの大きさがあると言われつつも体は40cm。

 体の大きさではもっと大きい50cmもあるといわれるのがダイオウグソクムシ(大王具足虫)。
 しかし住んでいるのは日本から遠く離れた大西洋周辺ですが、日本の近くにも同じスナホリムシ科の生き物がいます。

 それが海遊館にもいるオオグソクムシ(大具足虫)。



向こうを向いてしまった海遊館のオオグソクムシ
向こうを向いてしまった海遊館のオオグソクムシ




 ダイオウグソクムシが「大王具足虫」だから「王具足虫」かとおもったら「オオグソクムシ」。
 「オウグソクムシ」ではありません。

 ダイオウグソクムシより小さいとはいえ、大きさは15cm。

 見た目の通りダンゴムシやワラジムシとおなじ等脚目(ワラジムシ目)です。

 なかなかかわいい深海ダンゴムシです。


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やっぱり、つぐみんはいいよねっ。『とりぱん』第13巻


 出版されてからだいぶん時間がたっていますが、野鳥マンガ『とりぱん』の13巻です。

 年に2冊しか出版されないというのに、もう13冊。

 「とりぱん」好きはかなり多そうです。

とりぱん(13) (ワイドKC)

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 東北に住む作者、とりのなん子さんが日常生活で出会う数々の野鳥の様子を描いたマンガです。

 ただ、人間の勝手な綺麗なイメージを動物に植え付けるようなよくある動物ものではありません。
 それは、弱肉強食の世界に生きている野鳥のリアルな姿が描かれています。

 けっして「きれい」でも「カワイイ」わけでもない野生の鳥たちを、それでいてたのしく描いているのが「とりぱん」。



いつもかわいそうな役回りのコゲラ
いつもかわいそうな役回りのコゲラ




 冬編ということで、ツグミの「つぐみん」とT松の池の狂暴白鳥の出番が多いのですが、おなじみの鳥たちが登場します。

 そういった野鳥たちに接近する秘技が公開。

 それは「つぐみさんがころんだ」。

 野鳥が他に気を取られているうちに接近し、こちらに気付きそうになった時にピタリと止まる。

 それを繰り返しながら少しずつ野鳥に接近するのです。

 確かに写真を撮る時よく使う技でしたが、まさか「つぐみさんがころんだ」という名前がついているとは知りませんでした(正しくは、対象になる鳥によって名前は変わります)。



とりぱんの主人公?のつぐみん
とりぱんの主人公?のつぐみん




 さて、いつもの勝手に選ぶ13巻の鳥です。

 この巻もいろんな鳥が大活躍するのですが、やっぱりつぐみん。

 たとえば突然開けた窓の手すりで固まったり。
 いつも通りの要領悪い食べ物バトル。

 その様子を見てとりのなん子さんは「打たれ強い弱腰」。

 しかし、とりぱん殿堂入り的実力派なのでここは辞退していただいて……
 メジロのめめじろーとめめ子ご夫妻に決定!

 同じカップルなのに、図太いコムクドリのバカップルと違い、小さくマイペースで要領よく餌場を回る姿に「砂漠のオアシス!」と。

 コムクドリを見たことがないので比べることはできませんが、確かにメジロはかわいい!



小さくってかわいいメジロ
小さくってかわいいメジロ




 検索の上位に引っかかるブログが「とりぱん」の虫ネタについて信じられないようなことを書いていたので心配していたのですが、虫ネタも健在。

 ワラジムシの裏側を描いちゃうほどなので安心しました。

 虫ネタ、木の実試食ネタの「よりぬきとりぱん」(どこにも「とり」も「ぱん」もないけれど)なんてのも欲しいな、と思ってしまいます。
 もちろん、鳥ごとの「よりぬきとりぱん」もあったらいいな、です。

 ともあれ、ゴキブリだって差別しないで画像のっける「いきもの は おもしろい!」は、「とりぱん」の虫ネタ応援してます!



 もちろん、鳥ネタが一番です。



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今年も梅の花が咲き始めました。錦織公園の梅の里


 大阪の南河内地域にある大阪府営の公園、錦織(にしこおり)公園。

 立春を過ぎて梅の里でもちらほら咲き始めています。



梅の花見にはまだまだの立春を過ぎた錦織公園の梅の里
梅の花見にはまだまだの立春を過ぎた錦織公園の梅の里




花もきれいな実梅の定番の南高
花もきれいな実梅の定番の南高




錦織公園のツイッターによると未開紅の可能性大
錦織公園のツイッターによると未開紅の可能性大




緑色っぽので緑萼?
緑色っぽので緑萼




 木によっては花を沢山つけているものもありますが、ほとんどはまだつぼみ。

 2月23日と24日には「梅まつり」が予定されていますので、その頃には見頃になるのでしょう、きっと。

 もちろん、自然のものですからそれまでの気候天候で大きく変わることもありますから、ご注意を。



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2012年のセンチコガネ・オオセンチコガネのまとめ その3 高野山(紀伊山地北部)


 紅葉真っ盛りの11月の高野山。

 寺院群を囲む巡礼の道の女人道(にょにんみち)を歩いているとき、出会いました。

 オオセンチコガネに。



この記事にはコガネムシ動物のフンの画像があります。





高野山の女人道から見た紀伊山地の山々
高野山の女人道から見た紀伊山地の山々




 近くに哺乳動物のものと思われる(ふん)がありました。

 みるみる地面をはって近づいていきます。

 そしてかぶりつき。



 さっきまでいた大門の近くにある電光掲示板には「10℃」。

 木が伐採された南向き斜面で日が当たっているとはいえ、昆虫にとっては体を動かすのもつらそうなこんな温度でも、食欲の前には障壁にならないようです。

 奈良公園が鹿の糞だらけにならないのも、こんなセンチコガネのおかげなのかもしれません。

 少なくとも春から初冬のまでの間は。



糞にかぶりつくオオセンチコガネ
糞にかぶりつくオオセンチコガネ




 体長2センチ前後のオオセンチコガネから推測して糞の幅は2センチほど。
 ホンドテン(本土貂)には大きすぎ、タヌキ(狸)には小さすぎ。

 ということで、ニホンアナグマ(日本穴熊)かハクビシン(白鼻芯)ではないかと思います。

 最終的には出会ったのが和歌山なので日本在来種のニホンアナグマ、ということにしておきましょう。



うんちへ急ぐオオセンチコガネ
うんちへ急ぐオオセンチコガネ
(ルリセンチコガネ)
オオセンチコガネが食べていたニホンアナグマ?のうんち
オオセンチコガネが食べていた
ニホンアナグマ?のうんち



 六甲山地にはセンチコガネ、金剛山地・和泉山脈もセンチコガネ、奈良公園はオオセンチコガネばかり目立ちます。

 そして高野山はオオセンチコガネ。

 金剛山や和泉山脈でオオセンチコガネを見たことがないのと同じように、高野山ではセンチコガネを見たことがありません。

 ということで、大阪周辺の山々ではセンチコガネとオオセンチコガネはなぜだか住み分けているようです。


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冬の京都府立植物園の観覧温室にはチョコレートとお菓子がいっぱい?


 冬。

 草は枯れ、落葉樹は葉を落とし、花も極端に減ってしまう冬。

 植物園にとっても文字通り冬。

 そんな冬の京都府立植物園。
 観覧温室では冬もなんのその。
 いろいろな植物が葉を茂らせ、花を咲かせています。

 そんな温室でチョコやお菓子に関係する植物がありました。



京都府立植物園の観覧温室
京都府立植物園の観覧温室
※画像スライドできます ⇒⇒




 まずはカカオ。

 言うまでもなくチョコレートの原料です。

 熱帯有用作物室でいくつもの実をつけていました。




カカオ

アオイ目 アオイ科 カカオ属

カカオ




 カカオの実は幹や太い枝につくのが特徴で、枝も葉もない太い幹に鈴なりになっているのは、なんか妙な感じです。



幹になっているカカオの実
幹になっているカカオの実




 この実の中に入っている種を発酵させて作るのがチョコレートの原料のカカオマス。

 カカオマスから脂肪分を取り除いたのが、ココアになります。

 カカオの花の方はこちらに。
【ラグビーボールみたいな実がチョコレートになるまで★カカオとココアとチョコレート】



 次はバニラ。

 アイスクリームの「バニラ」のバニラです。
 チョコレートに使われることは多くありませんが、洋菓子にはよく使われる材料です。

 バニラは蘭の仲間で、種が使われます。



バニラ プラニフォリア ヴァリエガタ

ラン目 ラン科 バニラ属

バニラ プラニフォリア ヴァリエガタ




 といっても甘い香り付けのためで味付けではありません。

 バニラの種もカカオと同じように食材にするためには発酵させることが必要です。

 ラン室・アナナス室でみがなっていました。



茎のように見える緑色の棒状のものがバニラの実
茎のように見える緑色の棒状のものがバニラの実




 そしてバニラと同じラン室・アナナス室の出口近くにあるオンシディウム(オンシジューム、オンシジウム)。
 その園芸品種のシャーリイ・ベイビー‘スイート フレグランス’。

 お菓子に使う植物でありません。

 でも、花が「チョコレートの香り」がすると書いてあります。



オンシディウム シャーリイ・ベイビー‘スイート フレグランス’

ラン目 ラン科 オンシジューム属

オンシディウム シャーリイ・ベイビー‘スイート フレグランス’




 確かに甘い香りがします。

 となりの別のオンシジウムは香りはしません。
 この品種独特のようです。

 ただ、甘いもののカカオ特有のコクのある香りはなく、チョコレートと言うよりもチョコ風味のお菓子の香りと言った感じです。



オンシディウム シャーリイ・ベイビー‘スイート フレグランス’の花
オンシディウム シャーリイ・ベイビー‘スイート フレグランス’の花




 京都府立植物園にかぎらず、冬は植物園の温室に行ってみると、なにか面白いことをやっているかもしれません。



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金剛山の凍った滝の氷漬けの植物の3 ツツジオ谷二ノ滝2013


 もうすぐ立春だというのにまだまだ寒かった1月下旬の金剛山。

 滝が凍り始めたらしいとい噂を聞いて行ってきました。

 金剛山で凍る滝(氷瀑(ひょうばく))で有名なのはツツジオ谷の二ノ滝と、紅葉谷本流第六堰堤(えんてい)



 行ったのはツツジオ谷の二ノ滝。

 凍り始めているものの、「氷瀑」というにはまだ遠い二ノ滝。



凍りはじめの二ノ滝
凍りはじめの二ノ滝




 滝はまだ凍ってないものの、左右の壁には厚い氷が。

 今年も植物が氷の下に。

 名前はわかりませんが、種子植物と(こけ)のようです。



氷の下の植物
氷の下の植物




 一日や二日では融けそうにない氷。

 その下で何日も耐えることができる植物。
 すごい生き物です。


 でも、今年は去年とちがい、冬になっても何度も雨が降っています。
 滝の氷結はどこまで進むのか気になります。



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ヴェロキラプトルと一緒なのはティラノサウルス……じゃなかったタルボサウルス!「発掘! モンゴル恐竜化石展」〈大阪市立自然史博物館〉


会場まで直進の看板
会場まで直進の看板
 中生代白亜紀末のモンゴルにいたティラノサウルス科の恐竜、タルボサウルスだらけの「発掘! モンゴル恐竜化石展」。

 実は、ヴェロキラプトルだらけだったりもします。



 ヴェロキラプトルはタルボサウルスと同じように中生代のモンゴルにいた、人間よりちょっと小さいくらいの肉食恐竜。

 ただ、体を地面と並行にするT字立ちの状態だと、人間よりも背が低くなり、ほっそりした体は体重も軽そうに見えます。

 しかし鋭い歯が並んだ大きな口、ナイフのような爪がはえた長い手や足などを見ていると、人間よりもずっと強そう。



全身復元されたヴェロキラプトル「発掘! モンゴル恐竜化石展」
全身復元されたヴェロキラプトル「発掘! モンゴル恐竜化石展」
足元はプロトケラトプス




 映画「ジュラシック・パーク」シリーズでは大型肉食恐竜から逃れるために入った建物の中で人間を追いかけ、ティラノサウルスやスピノサウルス以上に恐怖を煽る存在として登場します。

 あれ?

 ヴェロキラプトルと一緒に映画に出ていたのはタルボサウルスじゃなくて、ティラノサウルス。
 これはどういうこと?



翼竜を食べたまま化石になったヴェロキラプトル「発掘! モンゴル恐竜化石展」
翼竜を食べたまま化石になったヴェロキラプトル
「発掘! モンゴル恐竜化石展」
翼竜の骨はお腹の中に




 それは。

 「ジュラシック・パーク」はSF作家マイクル・クライトンさんの小説をスティーヴン・スピルバーグさんが監督した作品で、現代に中生代の恐竜を蘇らせた話。
 つまり、創作。

 ですから映画に登場する恐竜は、生きていた時代も場所もばらばら。
 タイムマシンがあって中世代に戻ることができたとしても、映画のようなシーンは見ることができないのです。

 もう一つ加えるのならヴェロキラプトルは現在は羽毛恐竜と考えられることが多く、復元された姿はやたらスマートで体のバランスが妙で飛べなさそうな鳥といった感じで、「ジュラシック・パーク」のものとはまったく違っています。

 もちろん大きさもあんなに大きくありません。



プロトケラトプスと格闘しながら化石になったヴェロキラプトル「発掘! モンゴル恐竜化石展」
プロトケラトプスと格闘しながら化石になったヴェロキラプトル
「発掘! モンゴル恐竜化石展」
手前で横になっているのがヴェロキラプトルで奥の塊がプロトケラトプス




 会場ではヴェロキラプトルとタルボサウルスが並ぶことはありませんが、プロトケラトプスの体に爪を突き立てている格闘化石など、小型の肉食恐竜らしさ満載。

 ただ残念なのは、実物大で生きていた時の姿を復元したものがないこと。
 小さい絵はありますが。

 会場でヴェロキラプトルを見ても、「ジュラシック・パーク」は思いださないようにしたほうがいいかもしれません。

 少なくとも会場から出るまでは。



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