【 2013年01月】

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ビオトープ
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〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

イモリだって外を歩いてみたい! 春日山原始林のアカハライモリ


 10月末、紅葉にはまだ早い時期の奈良市の春日山(かすがやま)原始林。

 原始林のまわりにある春日山遊歩道を歩いていると、排水用のコンクリートの溝にへばりついている黒いトカゲが。

 いや、コンクリートの垂直の壁にへばりついているのでヤモリでしょうか。



この記事にはイモリの画像があります。





春日山原始林
春日山原始林




 珍しいと思い、手にとって見ると体の表面は鱗はなくザラッとした感じ。
 トカゲじゃなくてヤモリっぽい感じですが、目はヤモリのように大きくなく違和感があります。



コンクリートにへばりつく黒いヤモリ?
コンクリートにへばりつく黒いヤモリ?




 体をひっくり返してみると、オレンジ色。

 まるでアカハライモリ(赤腹井守)です。



おなかがオレンジ色のアカハライモリ?
おなかがオレンジ色のアカハライモリ?




 しかしイモリは両生類。
 水の中に住んでいます。

 ところがこの黒くてオレンジ色の生き物がいたのは乾いたコンクリートの壁。

 水のないところで体も乾いています。

 トカゲもヤモリも陸上で生活する爬虫類。
 イモリは水辺から離れられない両生類。

 するとこの黒オレンジの生き物は爬虫類に進化しつつある両生類新種イモリなのでしょうか。



 日本の本州に住むイモリはアカハライモリの一種だけ。

 アカハライモリは生まれたときはエラがあって水の中でないと生きることができません。
 しかし成長してエラがなくなり大人と同じ体になると、水辺から離れてミミズや昆虫などを食べる生活をするそうです。

 出会ったのは大人(成体)になる前の子供(幼体)のアカハライモリなのかもしれません。



この角度で見るとなかなかカッコいいアカハライモリ
この角度で見るとなかなかカッコいいアカハライモリ




 ちなみに、イモリを触ると手が腫れる、と言われることもありますが、実際体の表面には毒があるそうです。

 黒い背中と対照的な赤い腹は毒を持っていることを知らせる警告色(警戒色)と考えられています。

 毒はフグとおなじテトロドトキシン。

 触るだけでは問題ありません。
 ただイモリを触った手でつかんだものを食べたり、粘膜、例えば目をこすったりすると体の中に入るかもしれないので危険です。

 注意しましょう。



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タグ: アカハライモリ毒生物春日山原始林の生き物警告色両生類春日山原始林春日山遊歩道

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2012年の初冬も高野山のハナワラビでした


 春と秋、年に2回高野山へ行きますが、秋の楽しみの一つはハナワラビ(花蕨)。

 名前の通り“花が咲く”ワラビです。



 と書くと「ええ?!」と思う人もいるでしょう。

 ワラビはシダ植物です。

 シダ植物は花を咲かせず種もできない植物で、胞子(ほうし)で増えていきます。

 ということは、シダに似た花を咲かせる植物なのでしょうか。

 いいえ、ハナワラビはシダ植物です。



高野山のオオハナワラビ
高野山のオオハナワラビ




 秋から冬にかけて葉と別に胞子(ほうし)がつまった袋(胞子嚢(ほうしのう))をいっぱいつけた柄を伸ばします。

 金色の胞子嚢をいっぱいつけた様子は、まるで花が咲いてるよう。

 「ハナワラビ」という名前に納得できます。



高野山のオオハナワラビの“花”
高野山のオオハナワラビの“花”




 高野山の花ワラビポイントは奥の院。
 特に歴史の教科書に出てくるような大名家の墓碑(ぼひ)が並んでいるあたり。

 ここでは毎秋ハナワラビを見かけます。



 なかでもハナワラビが多いのが薩摩藩の島津家の墓碑。
 金色の胞子嚢をいっぱいつけたハナワラビがいっぱい咲いています。

 ハナワラビにはいくつか種類がありますが、よく似ているのはオオハナワラビ(大花蕨)とフユノハナワラビ(冬の花蕨)。

 ここのは葉の切れ込み(鋸歯(きょし))が細かくいっぱいあるのでオオハナワラビのようです。



高野山のオオハナワラビ 高野山のオオハナワラビ
六甲山のフユノハナワラビ
六甲山のフユノハナワラビ



高野山奥の院の薩摩藩島津家の墓碑のオオハナワラビ
高野山奥の院の薩摩藩島津家の墓碑のオオハナワラビ




 まずは墓碑にお参りして、ハナワラビを堪能させてもらいました。



 また次の秋にもハナワラビに会いに来たいと思います。



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《ビオトープとは? その2》IWO的「ビオトープ」


 「ビオトープ」。

 「ビオ」と「トープ」という2つのドイツ語を組み合わせたもの。

 「ビオ」は生命のこと。
 「トープ」は場所のこと。

 つまり、生き物の視点で捉えた場所のことです。

 もうちょっとわかりやすく書くと、いろんな生き物がお互いに関係して生きているひとまとまりの場所のことです。



水辺のビオトープ状態のシーズンオフの長居植物園のアジサイ園
水辺のビオトープ状態のシーズンオフの長居植物園のアジサイ園
植物園は鳥や昆虫のビオトープになっていることがよくあります。




 「場所」という視点が重要なビオトープですが、その「場所」の範囲が重要です。
 『生態学事典』などでは「周りとのちがいがはっきりして、生きものたちを育むことができる最小の単位」とされています。
 そう「最小の単位」なのです。

 そしてビオトープは人工的に作られた場所だけを指す言葉ではありません。

 自然の中でもまわりと区別できる環境のところも一つのビオトープです。

 つまり、都市の中の公園は自然から孤立した単独のビオトープ、人が立ち入らないような原生林は自然の中はいくつも連なり重なりあったビオトープ、ということができるかもしれません。



 生き物は生きていく上で必要な環境というのがあります。
 淡水の水辺、乾燥したところ、日当たりのいいところ、日当たりの悪いところ、など。
 そういった環境それぞれで住む生き物が変わってきます。

 もちろん、そういう環境は周りの多くの環境によって支えられているわけで、そこだけ独立して成り立っているわけではありません。

 ですから、「最小の単位」といいつつビオトープの境界をはっきりさせることは難しそうです。



多くの釣人がいる淀川の城北ワンド
多くの釣人がいる淀川の城北ワンド
土砂を取り除いたところも時間がたてば立派なビオトープになります。




 そこでIWO(いきもの は おもしろい!)では生き物に近い視点で、自然・人工にとらわれず、生き物が生きていく上で直接関係していくひとまとまりの環境のことを「ビオトープ」と呼ぶことにします。

 つまり、同じ場所でも視点によってビオトープの範囲は広がりもすれば狭まりもします。

 ただ複数の生きものたちが互いに関係しあって生きている場所ということは同じです。

 もちろん、それは「その1」で書いたように人間が餌やりや水やりをしていない場合にかぎります。


 ビオトープ。

 どのように解釈するかで変わってきますが、大きく解釈すると、そこらじゅう、日常生活のありとあらゆる所にビオトープはありそうな気がします。

 今は気づいていないだけで。

 ちょっとだけ注意してみると、意外なところに意外なビオトープがあるのかもしれません。



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金剛山にこの冬も樹氷の季節がやってきました。山毛欅編


 杉編から1ヶ月もたち、滝も氷結を始め、金剛山もすっかり冬野景色になったようです。

 とはいえ、標高が低い金剛山。

 樹氷はちょっと太陽が照っただけで融けてしまうこともあります。

 (はかな)いのが、金剛山の樹氷。



12月の金剛山山頂北側斜面のブナ林
12月の金剛山山頂北側斜面のブナ林




 自然現象で木についた氷のことを「樹氷」と言いますが、気象関連の言葉としては「樹氷」は空気中の水分が氷となってきにひっついたものの内、白っぽいもののこと。
 木につく氷にはほかにも「粗氷(そひょう)」や「樹霜(じゅそう)」があります。

 「粗氷」は樹氷と同じようにしてできたものの内、半透明や透明なもののこと。

 「樹霜」は木にできた霜です。

 そして「樹氷」「粗氷」「樹霜」をあわせて「霧氷」。

 つまり、「霧氷」は一般に言われる「樹氷」のことになります。



12月の霧氷に覆われた金剛山山頂北側斜面のブナの大木
12月の霧氷に覆われた金剛山山頂北側斜面のブナの大木




 金剛山山頂付近には断続的にブナ林があります。

 なかでも山頂北側斜面のブナ林は、日当たりが悪いためか霧氷がきれいです。



 山頂付近で40センチも積雪がある今は、もっと立派な樹氷ができていることでしょう。

 早く見に行きたいな。



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《ビオトープとは? その1》よく聞けけど、「ビオトープ」って何?


 「ビオトープ」。

 学校の校庭の片隅ある田んぼや池のこと。

 のような気がしますが、それでいいのでしょうか?



 「ビオトープ(biotop)」はドイツ語。英語で書けば「バイオトープ(biotope)」。
 「ビオ」とは「バイオ」のことだったのです。
 これでほんの少しわかりやすくなったかもしれません。

 日本語では「生物生息空間」と訳されますが、「ビオトープ」と書かれることのほうが圧倒的に多いでしょう。

 でも漢字を見ると大分わかりやすくなります。

 なんとなくわかるように無理やり短く説明すれば、ビオトープとは「様々な種類の生きものたちが一緒に生活している場所」のことです。



金剛山から見た錦織公園
金剛山から見た錦織公園
住宅街の中の山は立派なビオトープの塊




 学校の片隅につくたれた草が囲む池などが「ビオトープ」と言われます。
 まさに植物や虫や魚など多くの動植物がひとつにまとまっていますから、これが「ビオトープ」で正解!

 ではありません。

 ビオトープはもう一歩踏み込んで、人間か餌やりや水やりなど積極的に世話をしないでも成立している必要があるのです。

 つまり、人間と関係なく動植物などの生き物が生き続けている場所です。



 となると人間が近寄ることがない絶海の孤島や密林のジャングルだけがビオトープなのでしょうか。

 そうではありません。

 たとえば田んぼ。

 説明する必要がないほど人間が自然に手を加えて管理しているところです。
 元の自然が壊されていると言う意味では、ビルが建っているところと同じです。

 しかし、ビルはビオトープではありませんが、田んぼはビオトープです。



金剛山から見た狭山池
金剛山から見た狭山池
冬にはカモ類がいっぱいやってくる日本一古い溜池のビオトープ




 田んぼには人間が管理している稲が生えていますが、それ以外にも多くの生き物がいます。
 しかし人間はそういう生き物の管理はしていません。管理しているのは稲だけです。

 人間が稲を育てるために整えて維持している環境が好きな生き物が集まっているだけです。
 だからビオトープになるのです。



 同じように人間が森や林をつくりかえた「里山」があります。

 ここもカブトムシなど様々な生き物たちが生きていますが、人間にはそういう生き物を育てるつもりはありません。
 それでも多くの生きものたちがいます。

 だからビオトープになるのです。



倉庫街の大阪南港野鳥園
倉庫街の大阪南港野鳥園
埋立地に作られた野鳥がいっぱいの干潟のビオトープ




 つまり、生き物が生きていく環境を整えるなど間接的に人間が生き物と関わるのはビオトープですが、えさなどをあげるなど直接関わるものはビオトープではないのです。

 ということで、雑草が生えた近所の空き地もビオトープかもしれませんし、いつも通る道の溜池もビオトープかもしれません。

 実はビオトープは身近なところにもいっぱいあるのです。

 そういう身近なビオトープを眺めてみると、何か新しい発見があるかもしれません。



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おっと忘れちゃいけないサウロロフスの復元化石骨格もど~んとあります。「発掘! モンゴル恐竜化石展」〈大阪市立自然史博物館〉


 タルボサウルスやベロキラプトルのことばかり書いていますがほかの恐竜もいます。

 目立つのはやっぱりサウロロフス。
 タルボサウルスと同じ時代の草食恐竜です。

 大きさもタルボサウルスと同じくらい。



ネイチャーホールと植物園の分岐点にある看板
ネイチャーホールと植物園の分岐点にある看板




 特徴はなんといっても頭のとさか。

 といっても化石に残るだけのしっかりとした骨があるのですから角のほうが近いのでしょうか。

 でも後ろ向きなので、ウシやサイの角のような役割は果たしそうにありません。

 昔は水中に潜った時に呼吸するためのシュノーケルだったと言われたことがありますが、ちょっと無理がある説明だったのか、今では今はメスにモテるために膨らませたとか、音を出すために使ったとか言われています。



結構大きいサウロロフス「発掘! モンゴル恐竜化石展」
結構大きいサウロロフス「発掘! モンゴル恐竜化石展」
※画像スライドできます ⇒⇒



サウロロフスの向かいのタルボサウルス「発掘! モンゴル恐竜化石展」
サウロロフスの向かいの
タルボサウルス
「発掘! モンゴル恐竜化石展」

 さすがにこれだけ大きくなるとヴェロキラプトルに襲われて食べられることはなかったと思いますが、同じくらいの大きさのタルボサウルスには食べられたようです。

 タルボサウルスがあれだけ大きくなれたのも、大きなサウロロフスがいたからかもしれません。

 またはサウロロフスが大きくなったからタルボサウルスも大きくなった。
 それともタルボサウルスが大きくなったから簡単に襲われないようにサウロロフスも大きくなった。

 それとも他の理由?



 大きなサウロロフスとタルボサウルスを眺めていると、いろいろ想像が膨らみます。



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2012年のセンチコガネ・オオセンチコガネのまとめ その1 六甲山地


 2012年ももうおわってしまいました。

 ということで、今年出会ったセンチコガネとオオセンチコガネをまとめてみました。



この記事にはコガネムシの画像があります。





 どうしてこんなことをするのかというと、【金剛山地のセンチコガネとオオセンチコガネの謎】で書いたように大きさと色が違うだけのように見えるセンチコガネとオオセンチコガネは住み分けしているような気がするからです。

 ということで、地域別に出会ったセンチコガネ・オオセンチコガネをまとめてみることにしました。

 ただ、文字の通り出会ったセンチコガネたちを書いているだけです。
 トラップを仕掛けて集めたわけではありませんので、その地域にいるセンチコガネやオオセンチコガネの種類や数を表しているわけではありません。



布引ハーブ園から見た神戸の街並みと大阪湾
布引ハーブ園から見た神戸の街並みと大阪湾




 神戸を中心として兵庫県の南に東西に伸びる六甲(ろっこう)山地。

 だいたい年に2回行きますが、内1回は初冬ですので、センチコガネの季節は終わっています。

 ということで、出会うチャンスは年1回。
 ですが、意外と出会いません。

 じめて出会ったのが今年の5月。
 場所は布引(ぬのびき)ハーブ園からのびるハイキングコースです。



六甲山地のセンチコガネ
六甲山地のセンチコガネ




 黒くちょっとマット仕上げな体は典型的なセンチコガネ。

 六甲山地ではじめて出会ったセンチコガネです。

 日本の本州にはオオセンチコガネ属が2種います。
 その一つがセンチコガネで、もう一つがオオセンチコガネ。



頭を覆う頭楯が半円形なのでセンチコガネ
頭を覆う頭楯(とうじゅん)が半円形なのでセンチコガネ
オオセンチコガネは台形(ゆるい三角)




 センチコガネとオオセンチコガネ。
 どちらも哺乳類の(ふん)を食べ、よく似た暮らしをしているようです。

 となるとどちらも同じようにみかけるような気がしますが、実際はそうではありません。

 同じ場所には同じ環境、同じ食べ物、同じ時間帯に活動できる生き物は1種類しか生きることができない、という(おきて)が自然界にはあります。

 これは「ガウゼの法則」や「競争排除の法則」とも呼ばれています。

 厳密には自然はそこまで厳しくはないようですが、納得できることもよくあります。



 大阪周辺では、オオセンチコガネを見かけるところではセンチコガネを見かけず、逆にセンチコガネを見かけるところではオオセンチコガネを見かけない、というIWO(いきもの は おもしろい!)的経験則があります。

 それも山地や山脈などの地形の“かたまり”ごとにわかれるような気がしているのです。

 例えばオオセンチコガネのほうが体が大きいのでセンチコガネを追い出してしまう、とするとどこでもセンチコガネがめずらしい種類になるはずです。
 センチコガネが生活できる場所があるのなら、オオセンチコガネも生活できるはずだからです。

 同じようなものを食べ見た目もよく似ているのに、センチコガネとオオセンチコガネはどこかに好き嫌いの別れるところがあるのでしょうか。


 謎です。



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ヘビはトカゲの仲間ですが、トカゲの足が無くなっただけではありません。

 2013年の最初の記事です。
 ということで、ヘビが登場します。

この記事にはヘビの画像があります。


 ヘビは爬虫綱(はちゅうこう)有鱗目(ゆうりんもく)に分類されます。
 この有鱗目はトカゲの仲間も含まれますので、身近な爬虫類の集まりと言えるかもしれません。

 爬虫類の登場は古く、今から3億年ほど前の古生代の後期にはいろいろなタイプに分かれていきました。
 有鱗目が登場するのは今から2億年くらい前の中生代の三畳紀の後期。
 すでに恐竜やワニの先祖が繁栄をはじめていました。
 その後いろいろな爬虫類が現れては絶滅しながら陸海空の食物連鎖の頂点に立ちます。

トカゲ亜目のフトアゴヒゲトカゲ〈天王寺動物園〉
トカゲ亜目のフトアゴヒゲトカゲ〈天王寺動物園〉

 そしてヘビが現れたとかんがえられるのはのはもっとあとの白亜紀
 今から1億年くらい前の中生代の最後の紀で、恐竜が絶滅したときでもあります。
 ヘビは爬虫類の中でもかなり後輩のようです。

ヘビ亜目のボールパイソン(ボールニシキヘビ)〈開運・世界のへび祭り〉
ヘビ亜目のボールパイソン(ボールニシキヘビ)〈開運・世界のへび祭り〉

 ヘビはトカゲに近いなかまでですから、トカゲが足をなくしたものといえるかもしれません。
 ただ、アシナシトカゲという足をなくしたトカゲもいますので、トカゲからヘビへの道のりはただ足をなくすだけではありません。
 例えばトカゲにはまぶたがあるのにヘビにはない、トカゲは「音」を聞くことができますがヘビは振動を感じるだけ、など。
 実は、足のあるなしはトカゲとヘビのちがいではなかったのです。

トカゲ亜目のアシナシトカゲ〈開運・世界のへび祭り〉
トカゲ亜目のアシナシトカゲ〈開運・世界のへび祭り〉
やっぱりトカゲっぽい顔のアシナシトカゲ

 魚がヒレを足にすることで両生類となって水辺に進出。
 足をもっと頑丈にして水辺から離れて爬虫類となって、節足動物くらいしかいなかった乾いた陸上で繁栄をします。
 この順番で考えると、足をなくしたヘビはトカゲよりも動きまわることが苦手そうです。
 ところが。
 ヘビは土に潜り岩を上り木にも登って海や川を泳ぐこともできます。
 意外なほど機動力を発揮して空以外のあらゆる場所へ進出しました。

 ただ、恐竜のようにほかの爬虫類を圧倒して繁栄しているわけではないようなので、スリムで柔軟な体を生かしてニッチ(生き物が生活する場所や時間帯)の隙間に入り込んだのかもしれません。
 ヘビはなかなかしたたかな動物のようです。

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フィールドワーカーのノートが生き物たちとの出会いを書いています。

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