【 2013年01月】

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ビオトープ
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イモリだって外を歩いてみたい! 春日山原始林のアカハライモリ


 10月末、紅葉にはまだ早い時期の奈良市の春日山(かすがやま)原始林。

 原始林のまわりにある春日山遊歩道を歩いていると、排水用のコンクリートの溝にへばりついている黒いトカゲが。

 いや、コンクリートの垂直の壁にへばりついているのでヤモリでしょうか。



この記事にはイモリの画像があります。





春日山原始林の地図
春日山原始林
春日山原始林




 珍しいと思い、手にとって見ると体の表面は鱗はなくザラッとした感じ。
 トカゲじゃなくてヤモリっぽい感じですが、目はヤモリのように大きくなく違和感があります。



コンクリートにへばりつく黒いヤモリ?
コンクリートにへばりつく黒いヤモリ?




 体をひっくり返してみると、オレンジ色。

 まるでアカハライモリ(赤腹井守)です。



おなかがオレンジ色のアカハライモリ?
おなかがオレンジ色のアカハライモリ?




 しかしイモリは両生類。
 水の中に住んでいます。

 ところがこの黒くてオレンジ色の生き物がいたのは乾いたコンクリートの壁。

 水のないところで体も乾いています。

 トカゲもヤモリも陸上で生活する爬虫類。
 イモリは水辺から離れられない両生類。

 するとこの黒オレンジの生き物は爬虫類に進化しつつある両生類新種イモリなのでしょうか。



 日本の本州に住むイモリはアカハライモリの一種だけ。

 アカハライモリは生まれたときはエラがあって水の中でないと生きることができません。
 しかし成長してエラがなくなり大人と同じ体になると、水辺から離れてミミズや昆虫などを食べる生活をするそうです。

 出会ったのは大人(成体)になる前の子供(幼体)のアカハライモリなのかもしれません。



この角度で見るとなかなかカッコいいアカハライモリ
この角度で見るとなかなかカッコいいアカハライモリ




 ちなみに、イモリを触ると手が腫れる、と言われることもありますが、実際体の表面には毒があるそうです。

 黒い背中と対照的な赤い腹は毒を持っていることを知らせる警告色(警戒色)と考えられています。

 毒はフグとおなじテトロドトキシン。

 触るだけでは問題ありません。
 ただイモリを触った手でつかんだものを食べたり、粘膜、例えば目をこすったりすると体の中に入るかもしれないので危険です。

 注意しましょう。



◆関連タグ◆ 〔両生類〕 〔春日山原始林〕


■外部リンク■
奈良市観光協会公式ホームページ
奈良公園へようこそ - 奈良公園ガイド・東大寺、春日大社、若草山の観光スポットや国宝指定・世界遺産案内


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タグ: アカハライモリ毒生物春日山原始林の生き物警告色両生類春日山原始林春日山遊歩道

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2012年の初冬も高野山のハナワラビでした


 春と秋、年に2回高野山へ行きますが、秋の楽しみの一つはハナワラビ(花蕨)。

 名前の通り“花が咲く”ワラビです。



 と書くと「ええ?!」と思う人もいるでしょう。

 ワラビはシダ植物です。

 シダ植物は花を咲かせず種もできない植物で、胞子(ほうし)で増えていきます。

 ということは、シダに似た花を咲かせる植物なのでしょうか。

 いいえ、ハナワラビはシダ植物です。



高野山のオオハナワラビ
高野山のオオハナワラビ




 秋から冬にかけて葉と別に胞子(ほうし)がつまった袋(胞子嚢(ほうしのう))をいっぱいつけた柄を伸ばします。

 金色の胞子嚢をいっぱいつけた様子は、まるで花が咲いてるよう。

 「ハナワラビ」という名前に納得できます。



高野山のオオハナワラビの“花”
高野山のオオハナワラビの“花”




 高野山の花ワラビポイントは奥の院。
 特に歴史の教科書に出てくるような大名家の墓碑(ぼひ)が並んでいるあたり。

 ここでは毎秋ハナワラビを見かけます。



 なかでもハナワラビが多いのが薩摩藩の島津家の墓碑。
 金色の胞子嚢をいっぱいつけたハナワラビがいっぱい咲いています。

 ハナワラビにはいくつか種類がありますが、よく似ているのはオオハナワラビ(大花蕨)とフユノハナワラビ(冬の花蕨)。

 ここのは葉の切れ込み(鋸歯(きょし))が細かくいっぱいあるのでオオハナワラビのようです。



高野山のオオハナワラビ 高野山のオオハナワラビ
六甲山のフユノハナワラビ
六甲山のフユノハナワラビ



高野山奥の院の薩摩藩島津家の墓碑のオオハナワラビ
高野山奥の院の薩摩藩島津家の墓碑のオオハナワラビ




 まずは墓碑にお参りして、ハナワラビを堪能させてもらいました。



 また次の秋にもハナワラビに会いに来たいと思います。



◆関連タグ ハナワラビ オオハナワラビ 高野山 初冬の高野山 ◆

■外部リンク■
高野山真言宗 総本山金剛峯寺
高野山宿坊組合・高野山観光協会ホームページ
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《ビオトープとは? その2》IWO的「ビオトープ」


 「ビオトープ」。

 「ビオ」と「トープ」という2つのドイツ語を組み合わせたもの。

 「ビオ」は生命のこと。
 「トープ」は場所のこと。

 つまり、生き物の視点で捉えた場所のことです。

 もうちょっとわかりやすく書くと、いろんな生き物がお互いに関係して生きているひとまとまりの場所のことです。



水辺のビオトープ状態のシーズンオフの長居植物園のアジサイ園
水辺のビオトープ状態のシーズンオフの長居植物園のアジサイ園
植物園は鳥や昆虫のビオトープになっていることがよくあります。




 「場所」という視点が重要なビオトープですが、その「場所」の範囲が重要です。
 『生態学事典』などでは「周りとのちがいがはっきりして、生きものたちを育むことができる最小の単位」とされています。
 そう「最小の単位」なのです。

 そしてビオトープは人工的に作られた場所だけを指す言葉ではありません。

 自然の中でもまわりと区別できる環境のところも一つのビオトープです。

 つまり、都市の中の公園は自然から孤立した単独のビオトープ、人が立ち入らないような原生林は自然の中はいくつも連なり重なりあったビオトープ、ということができるかもしれません。



 生き物は生きていく上で必要な環境というのがあります。
 淡水の水辺、乾燥したところ、日当たりのいいところ、日当たりの悪いところ、など。
 そういった環境それぞれで住む生き物が変わってきます。

 もちろん、そういう環境は周りの多くの環境によって支えられているわけで、そこだけ独立して成り立っているわけではありません。

 ですから、「最小の単位」といいつつビオトープの境界をはっきりさせることは難しそうです。



多くの釣人がいる淀川の城北ワンド
多くの釣人がいる淀川の城北ワンド
土砂を取り除いたところも時間がたてば立派なビオトープになります。




 そこでIWO(いきもの は おもしろい!)では生き物に近い視点で、自然・人工にとらわれず、生き物が生きていく上で直接関係していくひとまとまりの環境のことを「ビオトープ」と呼ぶことにします。

 つまり、同じ場所でも視点によってビオトープの範囲は広がりもすれば狭まりもします。

 ただ複数の生きものたちが互いに関係しあって生きている場所ということは同じです。

 もちろん、それは「その1」で書いたように人間が餌やりや水やりをしていない場合にかぎります。


 ビオトープ。

 どのように解釈するかで変わってきますが、大きく解釈すると、そこらじゅう、日常生活のありとあらゆる所にビオトープはありそうな気がします。

 今は気づいていないだけで。

 ちょっとだけ注意してみると、意外なところに意外なビオトープがあるのかもしれません。



◆関連タグ ビオトープとは ビオトープ ◆

■外部リンク■
(公財)日本生態系協会
日本ビオトープ協会 | 日本ビオトープ協会

大阪市立長居植物園
淀川河川事務所


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タグ: ビオトープとはビオトープ

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金剛山にこの冬も樹氷の季節がやってきました。山毛欅編


 杉編から1ヶ月もたち、滝も氷結を始め、金剛山もすっかり冬野景色になったようです。

 とはいえ、標高が低い金剛山。

 樹氷はちょっと太陽が照っただけで融けてしまうこともあります。

 (はかな)いのが、金剛山の樹氷。



12月の金剛山山頂北側斜面のブナ林
12月の金剛山山頂北側斜面のブナ林




 自然現象で木についた氷のことを「樹氷」と言いますが、気象関連の言葉としては「樹氷」は空気中の水分が氷となってきにひっついたものの内、白っぽいもののこと。
 木につく氷にはほかにも「粗氷(そひょう)」や「樹霜(じゅそう)」があります。

 「粗氷」は樹氷と同じようにしてできたものの内、半透明や透明なもののこと。

 「樹霜」は木にできた霜です。

 そして「樹氷」「粗氷」「樹霜」をあわせて「霧氷」。

 つまり、「霧氷」は一般に言われる「樹氷」のことになります。



12月の霧氷に覆われた金剛山山頂北側斜面のブナの大木
12月の霧氷に覆われた金剛山山頂北側斜面のブナの大木




 金剛山山頂付近には断続的にブナ林があります。

 なかでも山頂北側斜面のブナ林は、日当たりが悪いためか霧氷がきれいです。



 山頂付近で40センチも積雪がある今は、もっと立派な樹氷ができていることでしょう。

 早く見に行きたいな。



◆関連タグ 霧氷 冬の金剛山 ブナ 金剛山のブナ ◆

■外部リンク■
冬季限定毎日更新 金剛山山頂付近の積雪・樹氷・気温等の情報
金剛山積雪情報

金剛山登山道情報(金剛山のホームページ)


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2012年のセンチコガネ・オオセンチコガネのまとめ その2 和泉山脈


 センチコガネは名前の通りコガネムシの仲間。
 4枚の羽の内、前の方の2枚を固くして防御に使うようになった甲虫(こうちゅう)です。

 体の形もずんぐりむっくり。
 移動するのも逃げるのもまずは歩き。
 飛ぶのは苦手そうです。



この記事にはコガネムシの画像があります。





和泉山脈とほぼ中央にある和泉葛城山




 そんな遠出が嫌いな虫だからでしょうか。
 所によって見かけるセンチコガネが違ってきます。

 日本にいる糞を食べるセンチコガネは2種類。
 体が大きく鮮やかな色のオオセンチコガネと、黒っぽく輝きぐあいがちょっと落ちるセンチコガネ。

 この2種類は住んでいるところも食べ物も同じなのに、両方一緒に見かけることはほとんどありません。
 必ずどちらか一つだけ。

 不思議です。



オオセンチコガネ(奈良公園)
オオセンチコガネ(奈良公園)




 たとえば奈良公園では圧倒的にオオセンチコガネ。
 奈良公園から奈良盆地を隔てた金剛山地ではセンチコガネ。いまだオオセンチコガネを見たことはありません。
 金剛山地から大阪平野を隔てた六甲山地では数は少ないですが、センチコガネ。いまだにオオセンチコガネに出会ったことはありません。
 そして金剛山地から中央構造線の大断層を隔てた高野山ではオオセンチコガネばかり。

 ということは、金剛山地の南西に連なる紀泉山脈ではどうでしょうか。

 山がつながる金剛山からやってきたセンチコガネか、それとも中央構造線をひとまたぎしたオオセンチコガネか。



 はたして。

 当然のことながら山がつながっている金剛山地と同じセンチコガネでした。今のところ。



岩湧山麓の滝畑ダムのセンチコガネ
岩湧山麓の滝畑ダムのセンチコガネ




和泉葛城山から鍋谷峠の間の尾根道のセンチコガネ
和泉葛城山から鍋谷峠の間の尾根道のセンチコガネ




頭楯(頭の上の平らな部分)が半円形なのでセンチコガネ
頭楯(頭の上の平らな部分)が半円形なのでセンチコガネ
オオセンチコガネは台形




 このちがいったいどこから来るのはよくわかりませんが、山地の切れ目で住み分けがされているようです。

 オオセンチコガネとセンチコガネ。

 色と少し大きさがちがうだけだと思っていたのですが、この住み分けにはなにか秘密がありそうです。



◆関連タグ センチコガネ オオセンチコガネ ◆


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《ビオトープとは? その1》よく聞けけど、「ビオトープ」って何?


 「ビオトープ」。

 学校の校庭の片隅ある田んぼや池のこと。

 のような気がしますが、それでいいのでしょうか?



 「ビオトープ(biotop)」はドイツ語。英語で書けば「バイオトープ(biotope)」。
 「ビオ」とは「バイオ」のことだったのです。
 これでほんの少しわかりやすくなったかもしれません。

 日本語では「生物生息空間」と訳されますが、「ビオトープ」と書かれることのほうが圧倒的に多いでしょう。

 でも漢字を見ると大分わかりやすくなります。

 なんとなくわかるように無理やり短く説明すれば、ビオトープとは「様々な種類の生きものたちが一緒に生活している場所」のことです。



金剛山から見た錦織公園
金剛山から見た錦織公園
住宅街の中の山は立派なビオトープの塊




 学校の片隅につくたれた草が囲む池などが「ビオトープ」と言われます。
 まさに植物や虫や魚など多くの動植物がひとつにまとまっていますから、これが「ビオトープ」で正解!

 ではありません。

 ビオトープはもう一歩踏み込んで、人間か餌やりや水やりなど積極的に世話をしないでも成立している必要があるのです。

 つまり、人間と関係なく動植物などの生き物が生き続けている場所です。



 となると人間が近寄ることがない絶海の孤島や密林のジャングルだけがビオトープなのでしょうか。

 そうではありません。

 たとえば田んぼ。

 説明する必要がないほど人間が自然に手を加えて管理しているところです。
 元の自然が壊されていると言う意味では、ビルが建っているところと同じです。

 しかし、ビルはビオトープではありませんが、田んぼはビオトープです。



金剛山から見た狭山池
金剛山から見た狭山池
冬にはカモ類がいっぱいやってくる日本一古い溜池のビオトープ




 田んぼには人間が管理している稲が生えていますが、それ以外にも多くの生き物がいます。
 しかし人間はそういう生き物の管理はしていません。管理しているのは稲だけです。

 人間が稲を育てるために整えて維持している環境が好きな生き物が集まっているだけです。
 だからビオトープになるのです。



 同じように人間が森や林をつくりかえた「里山」があります。

 ここもカブトムシなど様々な生き物たちが生きていますが、人間にはそういう生き物を育てるつもりはありません。
 それでも多くの生きものたちがいます。

 だからビオトープになるのです。



倉庫街の大阪南港野鳥園
倉庫街の大阪南港野鳥園
埋立地に作られた野鳥がいっぱいの干潟のビオトープ




 つまり、生き物が生きていく環境を整えるなど間接的に人間が生き物と関わるのはビオトープですが、えさなどをあげるなど直接関わるものはビオトープではないのです。

 ということで、雑草が生えた近所の空き地もビオトープかもしれませんし、いつも通る道の溜池もビオトープかもしれません。

 実はビオトープは身近なところにもいっぱいあるのです。

 そういう身近なビオトープを眺めてみると、何か新しい発見があるかもしれません。



◆関連タグ ビオトープ ◆

(公財)日本生態系協会


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奈良公園の鹿は名実共に特別です!?


 「“奈良”と聞いてイメージする動物は?」と聞かれたら、行ったことがない人も含めて「鹿」という答えが多いのではないでしょか。

 意見はいろいろあるでしょうが、少なくとも鹿は奈良のイメージの一つなのはまちがいないでしょうし、奈良一番の観光地ともいえる奈良公園へ行って鹿に気付かない人はいないでしょう。

 ところがこの奈良公園の鹿、普通の鹿とはちょっとちがうのです。



奈良公園の飛火野の芝の上のシカたち
奈良公園の飛火野の芝の上のシカたち




 奈良公園の鹿の分類は、動物界-脊索動物門-哺乳綱-鯨偶蹄目-シカ科-シカ属。

 種としてはニホンジカ。

 本州などの山間部に住んでいる普通の鹿です。

明治初期の奈良公園の様子もあります。
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 どこがちがうかというと、奈良公園内にあるおよそ1300年の古い歴史を持つ春日大社に祀られている神、武甕槌命(たけみかづちのみこと)の使い(神使(しんし))なのです。

 しかし奈良公園には柵はありませんのでよその鹿が混ざることも、奈良公園の鹿がよそへ行くこともありえます。

 ということで、奈良公園の鹿がすべて武甕槌命の神使の鹿かどうかはわかりません。



 ともあれ。

 そういうわけで奈良公園の鹿は昔から手厚く保護され、お寺や神社を訪れる参拝者にもなついていたようです。

 奈良公園の鹿というと鹿せんべいが有名ですが、明治初期に奈良公園を訪れたイギリス人女性のイザベラ・バードさんの旅行記にも、今と同じように人々が鹿せんべいをあげる様子が描かれています。



鹿せんべいにかぶりつく奈良公園のシカ
鹿せんべいにかぶりつく奈良公園のシカ




 そのように大切にされてきた奈良公園の鹿ですが、江戸時代には鹿を殺してしまったら死刑になるほどの大罪を科せられるようになり、「奈良の寝倒れ」という言葉が生まれた、とか。

 大阪の美味しい食べ物をいっぱい食べ過ぎて破産してしまう「大阪の食い倒れ」。
 京都の美しい着物をいろいろ買いすぎて破産してしまう「京の着倒れ」。
 神戸のいろいろな靴を買いすぎて破産してしまう「神戸の履き倒れ」。

 そして奈良は遅くまで寝ていると玄関先で鹿が死んでいるのに気づかず鹿殺しの罪を着せられて死刑になってしまうのが「奈良の寝倒れ」。



奈良公園の牡鹿と牝鹿
奈良公園の牡鹿と牝鹿




 神の使いといっても鹿は生き物です。いつかは死にます。

 夜に間にたまたま家の前で死なれてしまうと、鹿殺しの冤罪(えんざい)を着せられてしまうのです。

 そこで奈良の人々は早起きをして家の前をチェックし、もし鹿が死んでいたらまだ寝てる人の家の前にこっそり移動させます。
 それが繰り返されて、一番寝坊の人の家の前で鹿が死んだことになります。

 ということで、奈良の人は早起きだといわれます。

 しかしよく考えてみるとおかしな事ばかりですから、これは奈良の歴史的都市伝説なのかもしれません。



奈良公園の母子のシカ
奈良公園の母子のシカ




 またいくら神の使いと言っても問答無用で死罪になるのはおかいということで、「鹿政談(しかせいだん)」と言う落語が生まれました。

 おからを食べに来た鹿を犬と間違えた豆腐屋の主人が、追い払うつもりで投げた棒で殺してしまいます。

 問答無用で死罪になるところを、現在のような西洋的法律運営ではありえないような名裁きを奉行が見せると言う物語です。



 これらは創作だったり昔の話だったりしますが、ある意味今でも変わっていません。

 奈良公園の鹿は天然記念物とされています。
 地域によっては野山を荒らす害獣扱いされこともあるのに、ものすごい差です。

 普通、野生の動物を傷つけてしまったときは動物愛護法が適用されますが、対象となるのはごく一部の種類。
 鹿は動物愛護法の対象外。
 可能性があるのは山林の持ち主のものとしての器物破損でしょうか。

 しかし奈良公園の鹿の場合は文化財保護法の適用になり、場合によっては罪が重くなります。



ツノが立派になった秋の牡鹿
ツノが立派になった秋の牡鹿




 奈良の鹿愛護会のホームページによると2012年の奈良公園のシカの頭数は1,079頭。
 日本有数の観光地でもあるので、鹿の交通事故があとをたちません。

 奈良公園の鹿は天然記念物ですから殺してしまうと文化財保護法違反となって処罰される。
 ということで、ひき逃げになることが多いそうです。

 もちろん故意に危害を加えたときは文化財保護法違反で5年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金になりますが、過失の交通事故の場合は、そうではないそうです。

霊力を持った奈良公園の鹿が登場します。
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 とはいえ、バイクで鹿と衝突して運転していた人間が死亡したこともあるそうですので、奈良に車で行くときはご注意ください。



 自然の生きものたちと関係を持って生きていくことを「共生」といいます。

 奈良公園の何百年も続く人間と鹿の関係は、特殊な共生関係なのかもしれません。

 奈良公園に鹿が住み着くようになった頃にはなかった車が走るようになった現在。
 時代にあったたらしい共生の形を作り上げていくのか、人間と生活空間を別にするという鹿本来の生活に戻すべきか。

 それを考える必要があるかもしれません。



■参考外部リンク■
奈良市観光協会公式ホームページ
奈良公園へようこそ - 奈良公園ガイド・東大寺、春日大社、若草山の観光スポットや国宝指定・世界遺産案内
奈良公園管理事務所/奈良県公式ホームページ
財団法人 奈良の鹿愛護会

文化庁 | 国指定文化財等データベース


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おっと忘れちゃいけないサウロロフスの復元化石骨格もど~んとあります。「発掘! モンゴル恐竜化石展」〈大阪市立自然史博物館〉


 タルボサウルスやベロキラプトルのことばかり書いていますがほかの恐竜もいます。

 目立つのはやっぱりサウロロフス。
 タルボサウルスと同じ時代の草食恐竜です。

 大きさもタルボサウルスと同じくらい。



「発掘! モンゴル恐竜化石展」の記事をまとめてみるのならこちら

〔発掘!モンゴル恐竜化石展〕



ネイチャーホールと植物園の分岐点にある看板
ネイチャーホールと植物園の分岐点にある看板




 特徴はなんといっても頭のとさか。

 といっても化石に残るだけのしっかりとした骨があるのですから角のほうが近いのでしょうか。

 でも後ろ向きなので、ウシやサイの角のような役割は果たしそうにありません。

 昔は水中に潜った時に呼吸するためのシュノーケルだったと言われたことがありますが、ちょっと無理がある説明だったのか、今では今はメスにモテるために膨らませたとか、音を出すために使ったとか言われています。



結構大きいサウロロフス「発掘! モンゴル恐竜化石展」
結構大きいサウロロフス「発掘! モンゴル恐竜化石展」
※画像スライドできます ⇒⇒



サウロロフスの向かいのタルボサウルス「発掘! モンゴル恐竜化石展」
サウロロフスの向かいの
タルボサウルス
「発掘! モンゴル恐竜化石展」

 さすがにこれだけ大きくなるとヴェロキラプトルに襲われて食べられることはなかったと思いますが、同じくらいの大きさのタルボサウルスには食べられたようです。

 タルボサウルスがあれだけ大きくなれたのも、大きなサウロロフスがいたからかもしれません。

 またはサウロロフスが大きくなったからタルボサウルスも大きくなった。
 それともタルボサウルスが大きくなったから簡単に襲われないようにサウロロフスも大きくなった。

 それとも他の理由?



 大きなサウロロフスとタルボサウルスを眺めていると、いろいろ想像が膨らみます。



「発掘! モンゴル恐竜化石展」の記事をまとめてみるのならこちら

〔発掘!モンゴル恐竜化石展〕



■外部リンク■
特別展 発掘!モンゴル恐竜化石展|大阪市立自然史博物館
ようこそ大阪市立自然史博物館へ


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頭の上にもへびがいる?!さすが巳年だ!「開運 世界のヘビ祭り」〈大阪ビジネスパーク円形ホール〉


 大阪ビジネスパークの円形ホールで2013年1月14日まで行われている「開運・世界のへび祭り」。

 一箇所に何種類ものヘビが集まっているだけでなく、面白い展示がされているのが特徴です。



この記事にはヘビの画像があります。





 ひとつがヘビガーデン。

 板で囲まれた家の庭を思わせる場所に、何匹ものボールパイソン(ボールニシキヘビ)が名前の通り丸まったり、地面をはったりしています。

 ここはほかのヘビ展示とちがい、板で区切られているだけでガラスもアクリル板もありません。
 手を伸ばせば触れるところに何匹ものヘビがいます。



 このヘビガーデンはそれだけではありません。

 囲いの一部がぐっと中に入り込んで、そこだけ柵になっているのです。大きな隙間の開いた。

 つまりそこだけヘビガーデンの中に入ることができるだけでなく、ヘビが外に出られるようになっているのです。

 ちょっとどきっとしますが、ボールパイソンは毒はありませんし、おとなしいと言うよりも怖がりなヘビです。
 それにスタップが目を光らせているので逃げ出すことはありません。



木の上のボールパイソン その1
木の上のボールパイソン その1




 さらにヘビガーデンには木が置かれていて、枝の分かれているところにボールパイソンが丸まっていたりします。

 間近で、しかもガラスも透明アクリルも無く、下からヘビを見ることができるという、珍しい展示です。



木の上のボールパイソン その2
木の上のボールパイソン その2




 一度に10種類以上ののヘビが展示される機会というのも大阪でそんなにあるものではないでしょう。

 おめでたい国の天然記念物の岩国のシロヘビも展示されています。

 ヘビ好きはもちろん、縁起物好きなどなど、いろいろな人が楽しめそうな今年の干支大集合のイベントです。



木の上のボールパイソン その3
木の上のボールパイソン その3




◆関連タグ 開運・世界のへび祭り ヘビ ◆

■外部リンク■
開運・世界のへび祭り


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クリフハンガースネーク 金剛山シマヘビ


 金剛山の登山道の一つ、道。

 山頂近くにいくつか花の群生地があり、晩春から初夏には大勢訪れる道でもあります。

 メジャーな千早本道(ちはやほんどう)の登山口から分かれた黒栂(くろとが)谷の道を進んでいき、最後の方で分岐するのがカトラ谷の道です。



この記事にはヘビの画像があります。





 9月のまだ暑さが残っているころ。

 この夏に砂防堰堤(さぼうえんてい)の工事をしたようで、いつの間にか開けた谷になっていました。

 崖は切り崩したばかりで、法面にはまだコケもほとんど生えていません。

 そこににょろっと動く影が。

 ヘビです。



カトラ谷道の新しい砂防堰堤
カトラ谷道の新しい砂防堰堤




 金剛山をつくっている花崗岩(かこうがん)が風化した赤茶けた真砂(まさ)に溶け込む黄土色のヘビ。
 以前千早本道で出会ったジムグリのようですが、今度ははっきりとした黒い縦縞があるのでシマヘビ(縞蛇)です。

 そのヘビがいるところは真砂が堆積した手がかりのないくずれやすいほとんど垂直の壁。

 反対側には人間。

 シマヘビ的には絶体絶命と感じていることでしょう。

 さあ、どう逃げるのでしょうか。



崖を見上げる絶体絶命?のシマヘビ
崖を見上げる絶体絶命?のシマヘビ




 と思っていたら、壁面をするすると登って行くではありませんか。
 垂直になっていることなど関係無いように。

 崩れやすい真砂をものとせず、まるで滑るように登っていきます。
なんでもないように登るシマヘビ
なんでもないように登るシマヘビ

 もちろん道具は一切使いません。
 人間なら梯子でもなければ、こんな崩れやす垂直の壁を登ることなどできないでしょう。



 山登りで岩場のような危険なところを移動ずる時の基本の一つに「三点支持」というものがあります。

 これは岩場を登ったりするときには、両手両足のうち少なくとも3つは地面に接していなさい、ということです。

 それを何事もなかったかのようにするすると登っていく

 恐るべき、超クライマーのシマヘビです。




日本のカメ・トカゲ・ヘビ
山溪ハンディ図鑑

税込価格:2,940円
出版社:山と溪谷社

◆関連タグ◆ 〔ヘビ〕 〔金剛山〕


■参考外部リンク■
金剛山登山道情報(金剛山のホームページ)
金剛山を歩く
金剛山愛好会
金剛山 金剛山登山道・金剛山ハイキングコース
金剛山四季と風景の写真



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タグ: シマヘビヘビ金剛山の脊椎動物カトラ谷道

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