ぽつんと咲いていた初冬の白い竜胆
紅葉が見頃を迎えた11月初旬の高野山。
高野山上の寺院群を囲む山々をつなぐ巡礼の道、
歩きながらふと足元に目をやると、小さな白い花が。
大門のところの温度表示は10℃を示していました。
もう秋の花も終わりつつあります。
そんな時期に目にした小さな白い花を咲かせる野草です。

冬のはじまりの高野山女人道で咲いていた野草
先が広がった筒状の花は花弁が5枚、茎の先で咲いています。
葉っぱらしい
リンドウ(竜胆)に似ていますが、その花の色は白。リンドウは紫色です。

リンドウ〈花の文化園〉
白いリンドウのシロバナリンドウ(白花竜胆)のようですが、花弁には斑点がありません。
いろいろ調べてみると、どうやらシロバナササリンドウ(白花笹竜胆)のようです。

高野山のシロバナササリンドウ
紅葉を見るために高野山に集まった人々からちょっと離れてみたら、きれいな花と出会えました。
と書いて公開したのですが、これはツルリンドウではないか、という指摘を受けました。
「ツルリンドウ」というキーワードをもとに画像を検索、この時写した写真と比較してみると、確かにツルリンドウの可能性が高そうです。

蔓っぽいのが見えるツルリンドウ
この花にかぎらず、種の多い野草を調べるのは一苦労。
ひとつの属に種がひしめいているような場合、見た目で区別するのが難しいことがよくあります。
市販されている一般向け図鑑ではそんな細かいところまで載っているものは少なく、図鑑のニッチを開拓しているいつもお世話になってる文一総合出版ですら、出版されているのはほんのわずか。
今回もそうで、はじめに花のつくりがリンドウに似ていると思い調べてみるも、山野草の本にはリンドウの種類は少なく、ネット検索するもののなかなかピタリと合致するものが見つけられません。
情報が多いと言われるインターネットにしても手がかりの少ないところから珍しい植物の探すのは至難の技。
しかし、そんなややこしい植物でも専門家の方はきっちり見分けることができるのですからすごいものです。
願わくば、そういった人たちがインターネット上に図鑑としてその知識を公開してくれれば……
なんですが、専門家の知識はとても価値のあるもの。
無料でインターネットに公開できるようなものではありません。
あとは自分を研鑽するだけ。
がんばらねば。

タグ: シロバナササリンドウ リンドウ 初冬の花 女人道 高野山 初冬の高野山 高野山の花

- 関連記事
-
- ちょっと遅い春がやって来てキンポウゲ科の花がいろいろ咲いています。花の文化園 (2013/03/02)
- ぽつんと咲いていた初冬の白い竜胆 (2012/12/26)
- 秋の七草 金剛山の葛花 (2012/10/02)