【 2012年12月】

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「ぞわぞわ系」のルーツを探る!『ぞわぞわした生きものたち 古生代の巨大節足動物』金子隆一 著


 サイエンス・アイ新書『ぞわぞわした生きものたち 古生代の巨大節足動物』。

 この本は「ぞわぞわ」した生き物について書かれた本です。

 「ぞわぞわ」になんとなく嫌な予感がした人はこの本は手にしないほうがいいかもしれません。

 そうです。

 この本は、虫の本です。



この記事にはさまざまな虫の画像があります。





 著者は金子隆一さん。

 一般向けの科学関係の本を多く書かれてるのいで肩書きはサイエンスライターとなっていますが、英語の論文も読んでしまうという研究者のような方です。



ぞわぞわした生きものたち
古生代の巨大節足動物
サイエンス・アイ新書

金子 隆一
税込価格:1,000円
出版社:ソフトバンククリエイティブ
 「虫」というのは漠然とした言葉で、昔はヘビなども含まれていました。
 というか、「虫」という文字自体がヘビの象形文字で、本来「ムシ」は「蟲(小さいムシが集まっているさまを表す文字)」と書いていました。

 この本で扱っているのは無脊椎動物(むせきついどうぶつ)の中の節足動物(せっそくどうぶつ)と呼ばれる昆虫だけでなくクモやムカデなど(から)で覆われた体を持つ生きものたちで、ヘビやミミズなどは登場しません。

 この本は珍しい節足動物ばかりを集めたよくあるインターネット的な「イカモノ本」のように見えるかもしれませんが、そうではありません。



 節足動物というのは、動物の種類が爆発的に増えた約5億年前のカンブリア紀に登場し、現在に至るまで環境に合わせて変化し繁栄を続けている動物です。
 はじめて陸上に上がった動物でもあり、はじめて空を飛んだ動物でもあり、海や陸で食物連鎖の頂点に立ったこともある動物です。


カンブリア紀の次のオルドビス紀のホエカスピス(三葉虫・古生代オルドビス紀)の化石[大化石展・2011年]
カンブリア紀の次のオルドビス紀のホエカスピス
(三葉虫・古生代オルドビス紀)の化石[大化石展・2011年]



 多くの場所で食物連鎖の頂点を脊椎動物に譲った今でも、深海から空中、砂漠から雪の中までどこにでもいます。

 そういった節足動物の分類をして、それぞれ巨大化した種類を中心に虫たちの解説が続きます。



 といっても、基本的に節足動物が巨大化したのは大昔。
 みんな化石になっています。

 そして、大きな生き物ほど完全な化石はなかなか出ないという現実が立ちはだかります。

 さらに骨や貝殻のような化石になりやすい部分を持たない多くの節足動物の化石に残りにくいのです。

 そんな悪条件の中、著者は世界中の関連する論文の中から最新の巨大生物の情報を探し出します。



 現在の最大の節足動物は甲殻類のタカアシガニと言われています。
 幅は3メートルを超えますが、そのほとんどは細い脚。
 体そのものは40センチほど。


タカアシガニ(現代)の標本[OCEAN! 海はモンスターでいっぱい・2011年]
タカアシガニ(現代)の標本[OCEAN! 海はモンスターでいっぱい・2011年]



 超巨大ダンゴムシとして有名なダイオウグソクムシでも長さが50センチくらい。


ダイオウグソクムシ(現代)の標本[ナンダーランド~ふしぎで遊ぶ夏休み~・2010年]
ダイオウグソクムシ(現代)の標本
ナンダーランド~ふしぎで遊ぶ夏休み~・2010年]



 これが現在の大きな節足動物です。



 タカアシガニもダイオウグソクムシもサワガニやダンゴムシと比べるととてつもなく大きいですが、大昔にはそれをはるかに超える「ぞわぞわ系」がいました。

 たとえば、海には2m50cmのウミサソリや陸の上には2mのヤスデがいたと考えられています。

 ただし、それがその頃の最大の動物ということになりますから、クジラやゾウがいるいる現在よりも「ちっちゃな生き物だらけ」なのかもしれませんが。



2mはないけど結構大きなミクソプテルス(ウミサソリ・古生代シルル紀)の化石[OCEAN! 海はモンスターでいっぱい・2011年]
2mはないけど結構大きなミクソプテルス(ウミサソリ・古生代シルル紀)
の化石[OCEAN! 海はモンスターでいっぱい・2011年]



 生き物が大きくなるためにはいろいろな無視できない制約が立ちふさがります。

 巨大化のキーワードの一つが酸素の量。

 節足動物の体は、大きくなりすぎると酸素が足りなくなるようなつくりになているのです。
 だからクジラやゾウのように大きくなれないのです。

 それでも人間以上に巨大化できたのにはひみつがあり、それをわかりやすく解説してくれています。



 以前このブログで紹介した『恐竜はなぜ鳥に進化したのか』では恐竜の誕生、つまり爬虫類の二足歩行化には酸素が薄くなったことが関係したとありましたが、虫の巨大化にも酸素がかかわっていたというのは、とても興味深ことです。

 酸素が多ければ、巨大化が苦手な虫だって巨大化できる。

 生物の絶滅・繁栄・進化と酸素。
 これからも目が離せないテーマだと感じさせてくれます。



 この本はイカモノっぽい虫を集めながらも節足動物の栄枯盛衰を通して地球と生き物の歴史を書いています。

 それと同時に節足動物全般についても解説してくれている、ムシ好きにはたまらない一冊です。



◆関連タグ◆ 〔化石〕 〔地質年代表〕


絶滅した生き物を中心に
節足動物大集合の一冊!

ぞわぞわした生きものたち
古生代の巨大節足動物
サイエンス・アイ新書

金子 隆一
税込価格:1,000円
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ぽつんと咲いていた初冬の白い竜胆


 紅葉が見頃を迎えた11月初旬の高野山。

 高野山上の寺院群を囲む山々をつなぐ巡礼の道、女人道(にょにんみち)

 歩きながらふと足元に目をやると、小さな白い花が。

 (こよみ)の上ではもう冬。
 大門のところの温度表示は10℃を示していました。
 もう秋の花も終わりつつあります。

 そんな時期に目にした小さな白い花を咲かせる野草です。



冬のはじまりの高野山女人道で咲いていた野草
冬のはじまりの高野山女人道で咲いていた野草




 先が広がった筒状の花は花弁が5枚、茎の先で咲いています。
 葉っぱらしい披針形(ひしんけい)の葉は2枚向き合ってつく対生(たいせい)

 リンドウ(竜胆)に似ていますが、その花の色は白。リンドウは紫色です。



リンドウ(花の文化園)
リンドウ〈花の文化園〉




 白いリンドウのシロバナリンドウ(白花竜胆)のようですが、花弁には斑点がありません。

 いろいろ調べてみると、どうやらシロバナササリンドウ(白花笹竜胆)のようです。



高野山のシロバナササリンドウ
高野山のシロバナササリンドウ




 紅葉を見るために高野山に集まった人々からちょっと離れてみたら、きれいな花と出会えました。







 と書いて公開したのですが、これはツルリンドウではないか、という指摘を受けました。

 「ツルリンドウ」というキーワードをもとに画像を検索、この時写した写真と比較してみると、確かにツルリンドウの可能性が高そうです。



蔓っぽいのが見えるツルリンドウ
蔓っぽいのが見えるツルリンドウ




 この花にかぎらず、種の多い野草を調べるのは一苦労。

 ひとつの属に種がひしめいているような場合、見た目で区別するのが難しいことがよくあります。

 市販されている一般向け図鑑ではそんな細かいところまで載っているものは少なく、図鑑のニッチを開拓しているいつもお世話になってる文一総合出版ですら、出版されているのはほんのわずか。

 今回もそうで、はじめに花のつくりがリンドウに似ていると思い調べてみるも、山野草の本にはリンドウの種類は少なく、ネット検索するもののなかなかピタリと合致するものが見つけられません。

 情報が多いと言われるインターネットにしても手がかりの少ないところから珍しい植物の探すのは至難の技。



 しかし、そんなややこしい植物でも専門家の方はきっちり見分けることができるのですからすごいものです。

 願わくば、そういった人たちがインターネット上に図鑑としてその知識を公開してくれれば……
 なんですが、専門家の知識はとても価値のあるもの。
 無料でインターネットに公開できるようなものではありません。

 あとは自分を研鑽するだけ。

 がんばらねば。



■外部リンク■
高野山真言宗 総本山金剛峯寺
高野山宿坊組合・高野山観光協会ホームページ
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南海電鉄
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世界のヘビが大集合!あっちにもこっちにもヘビだらけ「開運 世界のヘビ祭り」〈大阪ビジネスパーク円形ホール〉


 2012年は毎年夏にOBPでやっていた動物シリーズがなくなってしまいました。

 そのリベンジでしょうか、なんと12月から1月にかけて、新しい企画が登場しました。

 その名は「世界のヘビ祭り」。

 名前の通り2013年の干支にちなんだヘビを展示しちゃおうという企画のようです。



この記事にはヘビの画像があります。





 会場はもちろん大阪ビジネスパークの円形ホール。

 決して広くはない会場ですから展示されている数は多くないかもしれません。

 しかし、そのほとんどがヘビ!

 ホールの入口には「コーンスネーク48」と銘打って様々な色のコーンスネークが並んでいます。

 会場に来た人はまずはここに張り付きカメラやスマホで撮影。



 そしてホールの中に入ると真っ白なヘビが迎えてくれます。

 岩国のシロヘビといって、アオダイショウの体が白くなったもので、国の天然記念物になってます。



天然記念物の岩国のシロヘビ
天然記念物の岩国のシロヘビ




 ヘビの多くは水槽に入っているのですが、「ヘビガーデン」のボールパイソンは大きな板囲いの中で放し飼い状態。

 囲いの一部がぐっと囲いの中に入り込んでいて、そこに立つとまるでヘビに囲まれているようです。

 その部分だけは柵だけなので、うっかりしているとヘビが足元まで出てきてしまいます。

 ヘビ監視のスタッフがすぐ中に戻すので、逃げ出すことはありませんが。

 ふれあいはできませんが、なかなかおもしろい展示です。



うっかりすると出てきてしまうヘビガーデンのボールパイソン
うっかりすると出てきてしまうヘビガーデンのボールパイソン




 また、巨大な世界最長のヘビのタイガーレティックのケージは半地下のようなところにあり、上からも下からも巨大ヘビを見ることができます。

 なかなか見方も工夫していて楽しいイベントです。

 やってくる人がヘビ好き前提なので思い切った展示ができるのでしょう。



上からも横からも見られる巨長ヘビのタイガーレティック
上からも横からも見られる巨長ヘビのタイガーレティック




 ほかにも有料のヘビとの記念撮影コーナーもありますので、まだ年賀状ができていない人にはちょうどいいかも?

 ほんとにヘビがギュっと詰まった「ヘビ祭り」です。



 2013年の干支はヘビ。

 世界のいろいろなヘビに願いをかけるとご利益も世界規模?



◆関連タグ ヘビ ◆

■外部リンク■
開運・世界のへび祭り


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タグ: 開運・世界のヘビ祭りヘビ岩国のシロヘビ天然記念物爬虫類

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小タルボ登場! 大タルボだけに任せておけない?!「発掘! モンゴル恐竜化石展」〈大阪市立自然史博物館〉


植物園入り口と特別展会場入口の分岐にある看板
植物園入り口と
特別展会場入口の分岐にある看板
 アジアのティラノサウルス科の恐竜、タルボサウルスがいっぱい展示されている大阪市立自然史博物館の特別展「発掘! モンゴル恐竜化石展」。

 なんと大人のタルボサウルスの復元骨格が2体。

 そして子供のタルボサウルスが見つかった状態のレプリカなどいろいろいっぱい。

 タルボサウルスだらけっ!
 タルボ祭り状態。

 ティラノサウルス科の恐竜の化石がこれだけ集まるのも珍しいことかもしれません。



「発掘! モンゴル恐竜化石展」の記事をまとめてみるのならこちら

〔発掘!モンゴル恐竜化石展〕



会場出口近くにいる伏せ大タルボ
会場出口近くにいる伏せ大タルボ




 そんな中で2012年12月22日から()タルボ(子供のタルボサウルス)の復元された全身骨格が展示されるそうです。

 それも(おお)タルボ(大人のタルボサウルス)と並べて。

 同じ自然史博物館で今年の3月からやっていた「新説・恐竜の成長」の展示では、同じ恐竜でも大人と子供でちがう恐竜と思われるほどちがっていました。

 それがタルボサウルスで確認できる!



小タルボが見つかった状態の化石のレプリカ
小タルボが見つかった状態の化石のレプリカ




 実は大タルボの復元された骨格が2体もあるのに小タルボがないのを残念に思っていました。

 それが登場。

 さすが半年以上続く特別展。
 開催中にもどんどん進化しています。

 さあ、次は何が登場するか?


 っとそのまえに、小タルボを見に行かなければ!



「発掘! モンゴル恐竜化石展」の記事をまとめてみるのならこちら

〔発掘!モンゴル恐竜化石展〕


◆関連タグ 発掘!モンゴル恐竜化石展 タルボサウルス 恐竜 ◆

■外部リンク■
特別展 発掘!モンゴル恐竜化石展|大阪市立自然史博物館
子どものタルボサウルス骨格組上げの公開 - 最新情報|特別展 発掘!モンゴル恐竜化石展
ようこそ大阪市立自然史博物館へ


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金剛山にこの冬も樹氷の季節がやってきました。杉編


 金剛山にも樹氷の季節がやってきました。

 といってもとなりは大阪の奈良県。
 標高も1100m。

 ちょっと寒気が緩んだだけでとけてしまう(はかな)い樹氷。

 まだまだ寒さ本番というわけではありませんので、この樹氷も太陽があたったらとけてしまうかもしれません。



 というわけで、樹氷杉編です。



山頂広場の上の樹氷杉の軍団
山頂広場の上の樹氷杉の軍団




 金剛山は歴史の古い信仰の山です。
 それも役小角(えんのおづぬ)ゆかりと言われる修験道(しゅげんどう)の山。



山頂広場の上の樹氷杉
山頂広場の上の樹氷杉




 山頂は大きな杉に覆われています。

 スギは常緑の針葉樹ですので、深緑(ふかみどり)の葉に白い氷がついて白でも緑でもないなんとも言えない青碧(せいへき)色になります。
青壁(せいへき)
日本の伝統色 和色大辞典



近くで見ると先が尖って鳥よけ?
近くで見ると先が尖って鳥よけ?
よく見ると雪か粗氷(そひょう)らしいものもついています。




 これからしばらくの間、金剛山のたのしみが増えました。



◆関連タグ 樹氷 冬の金剛山 金剛山


■外部リンク■
冬季限定毎日更新 金剛山山頂付近の積雪・樹氷・気温等の情報
金剛山積雪情報

金剛山登山道情報(金剛山のホームページ)
金剛山を歩く

日本の伝統色 和色大辞典 - Traditional Japanese Color Names




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2012年の初つぐみん


 「つぐみん」。

 冬鳥のツグミのこと。

 野鳥マンガ「とりぱん」で使われている愛称です。
とりぱん 13

ワイドKCモーニング
とりの なん子 著
税込価格:630円




 寒くなるとシベリアからやってきて、暖かくなるとシベリアへ去っていく渡り鳥。

 都市の中でも木が多く植えられている広い公園なら、いることもあります。

 地面に落ちている種などを食べるのですが、気が弱く人影を見るとすぐ隠れてしまいます。
 ですから気づかないことも多いかもしれません。



 毎年つぐみんを見かけるのは12月ごろ。

 今年も12月に入ったころくらいから見かけていましたが、やっと初つぐみん写真を撮ることができました。



こちらの動きを気にしてる今年の初つぐみん
こちらの動きを気にしてる今年の初つぐみん




ツグミ(鶇)

鳥綱 スズメ目 ツグミ科 ツグミ属
冬鳥(夏はシベリアで繁殖)
ハトより小さい

ツグミのつぐみん
ツグミのつぐみん




◆関連タグ つぐみん ツグミ 冬鳥



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干し柿、今年は揉むのと揉まないの


 北風が吹く寒い冬。
 今年も干し柿の季節がやって来ました。

 毎年いろいろテーマを決めていますが、今年のテーマは「()む・揉まない」です。

 田舎の親戚の話では、干し柿は揉んで作るもの。

 ということで今まではまったく揉まないで作っていましたが、今年は揉むと揉まないとでどれだけ差があるか、ということをテーマにすることにしました。



 農産物を中心に売っている店で一袋渋柿(しぶがき)を買い、皮をむいてヘタにヒモを結んで10秒ほど沸騰(ふっとう)したお湯の中につけます。
 消毒をしなくても天気を読めばカビは生えないことは去年わかりましたが、今年は念を入れて熱湯消毒することにしました。


1日目

●皮をむく前の渋柿
皮をむく前の渋柿

 今回も干し柿の基本として教わったように皮をむく前にきれいな乾いたふきんで柿を磨くように拭きました。
 もちろん水に濡らしません。
 濡らさないのはカビ防止のためです。

 それからひもを結ぶときに花柄(かへい)がとれてしまったものがあるので、それは串を刺すことにしました。
 この方法で串にカビを生やしてしまったので、今年は刺す前に串を沸騰したお湯に10秒ほどつけました。

●皮をむいた渋柿
揉む予定の柿
揉む予定の柿
揉まない柿
揉まない柿
串を刺した柿
串を刺した柿


4日目
揉む予定の柿
揉む予定の柿
揉まない柿
揉まない柿

 表面も十分乾いて干し柿っぽくなってきました。



5日目
●揉む前
揉む予定の柿
揉む予定の柿
揉まない柿
揉まない柿

 ということで干し柿っぽくなたので揉みはじめることにしました。

 この時点ではどちらも見た目の干し柿具合のちがいはありません。

●揉んだ後
揉んだ柿
揉んだ柿

 皮をむいたときは柿らしく堅かったのに、たった4日干しただけで揉めるほど柔らかくなっていました。

 両手の親指地人差し指で上から下に揉んで、指を横にずらしてまた上から下に揉むを一回り繰り返します。

 揉み終わるとちょっとくたっとした感じになりました。



7日目
揉んだ柿
揉んだ柿
揉まない柿
揉まない柿

 毎日1回揉むだけなので、まだはっきりとした違いはないようです。

 心なしか揉んでいるほうはくたっとした「干柿感」が出てきているようにも見えます。



10日目
揉んでいる柿
揉んでいる柿
揉まない柿
揉まない柿
揉まない串柿
揉まない串柿

 ここまでくると揉む揉まないの違いがはっきりとでてきました。

 ためしに味見用をかじってみると、どちらも渋みを感じなくなり同じ味になっていました。
 今までも揉まなくても10日くらいで渋みがなくなっていましたからいつも通り。
 渋みが無くなったら出来上がりと考えるのなら、干し柿完成。

 揉むと揉まないで渋味の違いはないようです。
 じゃあ、揉む揉まないの違いは何かというと水分の抜け方のようです。

 保存食としての干し柿を考えるのなら揉んだほうがずっと早いということ。



 ということで、今年は保存が効く水分が減って粉を吹く状態までかんばってみようと思います。



関連タグ ◆干し柿

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タグ: 干し柿2012干し柿渋柿

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冬すみれ 巡礼の道 伽藍見て


 紅葉が見頃を迎えた11月初旬の高野山。

 標高が1000m近いので、冷え込みも厳しくいなっています。

 高野山上の寺院群を囲む山々をつなぐようにある巡礼の道を整備して、今でも歩けるようにしてあります。
 名前は「女人道」。



 その南側の道、ちょうど密教の教えを画像化した胎蔵曼荼羅(たいぞうまんだら)を模したと言われる壇上伽藍(だんじょうがらん)の南、南海電鉄の駅においてある地図で「急な上り」と書いてある辺り。

 杉がバッサリ切られてまだ若木が十分育っていないのでハゲ山のように見える斜面を登っていきます。

 振り向くと木々の間から壇上伽藍のシンボル根本大塔の屋根が見えます。



木々の間から見える高野山壇上伽藍の中心の根本大塔
木々の間から見える高野山壇上伽藍の中心の根本大塔




 細い道を登りながらふと足元を見ると。

 スミレが咲いていました。

 季節はずれのスミレの花。

 冬菫。



高野山女人道の冬スミレ
高野山女人道の冬スミレ




 ちょっと元気が無いようですが、花と葉の形からタチツボスミレの仲間のようです。

 花を支える花柄につく小さな葉(小葉)が下の方についているのでタチツボスミレ(立坪菫)ではないようです。

 縮れていてわかりにくいですが、細長い形のようですのでナガバノタチツボスミレ(長葉の立坪菫)でしょうか。



小葉が下の方についているスミレ
小葉が下の方についているスミレ
ちょっと細長めの葉
ちょっと細長めの葉



 スミレは春から初夏にかけて咲く野草。ところによっては雑草。

 でもどういうわけか、冬に咲くこともあります。

 もしかしたら、単純に春と同じ気温だからと間違えて咲くのかもしれません。

 冬スミレは、あわてんぼう?



■外部リンク■
高野山真言宗 総本山金剛峯寺
高野山宿坊組合・高野山観光協会ホームページ
悠誘高野山へようこそ
南海高野ほっと・ねっと お山の魅力まるわかりガイド 南海電鉄
スルッとKANSAI

※「おでかけ・レジャー」⇒「ハイキング情報」⇒「ぼちぼと&てくてくMAP」で
女人道のコースマップがダウンロードできます。
南海電鉄


◆関連タグ◆ 〔冬すみれ〕 〔初冬の高野山〕 〔高野山〕


花の色や形、葉の形から調べられる索引。
日本のスミレ全種掲載!

スミレハンドブック

山田 隆彦著
税込価格:¥1,470
出版:文一総合出版



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巨樹・古樹・老樹 その12 奈良公園春日山原始林の405番モミ近くのモミ

アウトドア&スポーツ ナチュラム

 奈良の春日大社(かすがたいしゃ)の後ろ側、若草山の右隣りにこんもりとしたあまり大きくない山があります。

 いくつかの小さな山がありますが、それらをまとめて「春日山(かすがやま)」と呼ばれています。

 長いあいだ春日大社の神域として大切に守られてきました。
 そのため多くの人が生活する都市の隣にありながら原生林(原始林)となっています。

 ということで特別天然記念物に指定されています。

 そして世界遺産でもありますが、こちらのほうは奈良の寺院群などと一緒になった「自然遺産」ではなく「文化遺産」です。



遊歩道から見た春日山原始林
遊歩道から見た春日山原始林




 今回も「巨樹に親しむ会」の『奈良公園の巨樹』をもとにしています。

 春日山にはぐるりと囲むように道が整備されています。

 その「春日山遊歩道」の北側、遊歩道の入り口からしばらく行って車止めから100mほど行ったところにまっすぐ天をつくように木が生えています。

 モミ(樅)の木です。




大きな地図で見る
奈良公園春日山原始林の405番モミ近くのモミの場所




 そのような木は遊歩道のあちこちに生えていますが、遊歩道の木の切れ間の谷側にまっすぐ立っているので、目立ちます。

 『奈良公園の巨樹』の405番のモミを探そうとして、出会ったのはこのモミ(樅)の木。
 はじめはの405番のモミだと思っていたのですが、帰ってから地図で確認してみると、少し場所がずれているようなので、どうやらの405番モミではないようです。

 とはいえ、齢を重ねた立派なモミなのはまちがいないでしょう。



奈良公園春日山原始林の405番近くのモミ(2012年10月)
奈良公園春日山原始林の405番近くのモミ(2012年10月)




 モミは針葉樹。
 針葉樹といっても松のような針型ではなく、少し平たく細長い形をしています。
 同じような葉の木にカヤがありますが、葉の先が別れているのがモミの特徴です。

 下に落ちている葉をひろってみるとなんと先が二股に分かれていません。

 年老いたモミの木の葉は先が丸まってくるといいます。

 大きさからもわかるようにこの木は長い間ここに立っているようようです。



奈良公園春日山原始林の405番モミ近くのモミの葉
奈良公園春日山原始林の405番モミ近くのモミの葉

比叡山の若いモミの葉
比叡山の若いモミの葉




 モミは日本ではクリスマスツリーとして有名です。
 ですからとがった円錐形の形でイメージされることが多いでしょう。

 葉や枝を落としクリスマスツリーには程遠い形は、原生林の中多くの木々と戦って勝ち残った証なのかもしれません。



巨樹(大きな木)・古樹(樹齢の高い木)・老樹(年老いて見える木)」とはIWO(いきもの は おもしろい!)が以下の独自基準で選んだものです。
1.一般に「巨樹」「古樹」「老樹」と認知されている樹木
2.見た目が「巨樹」「古樹」「老樹」を感じさせる樹木
3.見た目が小さくてもその種として「巨樹」「古樹」「老樹」な樹木
4.地域の自然を愛する組織や団体などが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木
5.その他IWOが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木




■外部リンク■
奈良市観光協会公式ホームページ
「MAP・パンフレット」から「奈良公園の巨樹(PDF)」がダウンロードできます。

奈良公園へようこそ - 奈良公園ガイド・東大寺、春日大社、若草山の観光スポットや国宝指定・世界遺産案内
文化庁 | 文化財 | 文化財の紹介 | 記念物
世界遺産と無形文化遺産 文化遺産オンライン(古都奈良の文化財)


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地瀝青 とけぬ初雪 雪の虫


大阪最大規模の滝畑ダム
大阪最大規模の滝畑ダム
 雪虫。

 雪のようにふわふわと飛ぶ小さな虫です。

 北海道ではこの虫が舞いはじめると、初雪が近いといわれるそうです。

 近畿地方の平野部ではちょうど今頃、11月の終わり頃から12月の初めの頃によく見かけます。

 今年は雪虫見かけないなぁ、と思っていたら、先日ふらっと寄った河内長野(かわちながの)市にある大阪最大規模のダム、滝畑(たきはた)ダムで出会いました。



この記事にはの画像があります。





 雪虫というのアブラムシの一種で、冬に羽を生やして飛び立ちます。
 交尾をして越冬のための卵を生むためです。

 体に白い綿毛のようなものをつけているので、フワフワと飛んでいる姿が雪のように見えるのです。



飛んでいるところを写すのが難しい雪虫
飛んでいるところを写すのが難しい雪虫




 カメラを持って追いかけていると、雪虫が一つ、アスファルト(地瀝青(ちれきせい))の上に落ちました。

 雪ならあっという間にとけてしまいますが、もちろん雪虫はとけません。



アスファルトの上に落ちてもとけない雪の虫
アスファルトの上に落ちてもとけない雪の虫




 さすがに大阪では雪虫を見かけても初雪はまだ先。

 それでももう秋には戻らないほど寒くなってきたことはまちがいありません。



■外部リンク■
滝畑ダム/河内長野市ホームページ



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