巨樹・古樹・老樹 その11 高野山奥の院参道の特別母樹林661の三本杉
和歌山県の北部、
1200年以上前に

高野山金剛峯寺の根本大塔
明治時時代の激しい改革の結果多くが失われてしまいましたが、古いお寺や神社の周りでは、今でも昔の森が残されていることがあります。
もちろん高野山もそうで、特に奥の院参道周辺には古くて大きな杉が何本も生えています。
さすがに屋久島にはかないませんが樹齢数百歳の杉が何本もあり、古樹・巨樹・老樹の宝庫でもあります。
ただ残念なことに個性的な名前が付けられているものはないようです。
確かに高野山奥の院へ杉を見に来る人は少数派。
多くの人は歴史上の人物の墓碑を見に来ているのでしょう。

高野山奥の院参道付近
樹齢千歳を超えないと認められない屋久島杉ほどの太い幹周りの老木は見当たらないものの、天をつくような巨樹は何本もあります。
そんな中の一つが、奥の院近くにある三本が根元で一つになった杉です。
奥の院の大きな杉には管理のためか小さな標識がついているものがります。
その杉の標識には「特別母樹林661」とあります。
ということで勝手に「特別母樹林661の三本杉」と命名しました。
特別母樹
樹木を増やすための種をとったり穂をとったりするために適した木として農林水産大臣が指定した木のこと。
高野山の特別母樹林661の三本杉(2012年5月)
杉はほかに杉とくっつきやすいのか、それとも根元からいくつも芽を出しやすいのか、このように数本の杉が根元で一つになっているものはよく見かけます。
といってもそれは高野山や金剛山山頂付近のような伐採が禁じられた神域・聖域などで、植林されている林業地帯の杉ではそのようなものは見かけません、
これはひとつの杉が根元で別の芽を出したのではなく、2つの杉の木がひとつになったのかもしれません。
ということは、この特別母樹林661の三本杉は三本の杉がひとつになったものということになります。
奥の院参道の杉は植えられたものもあると聞きます。
しかし大きな切り株の上などに小さな杉が芽を出しているところもあります。
お墓もあり多くの人が訪れるところですので、杉が自由に育つことはできないでしょう。
育てる杉の選定の基準はわかりませんが、高野山が続く限りはこの巨樹の森は続いていくにちがいありません。
「巨樹(大きな木)・古樹(樹齢の高い木)・老樹(年老いて見える木)」とはIWO(いきもの は おもしろい!)が以下の独自基準で選んだものです。
1.一般に「巨樹」「古樹」「老樹」と認知されている樹木
2.見た目が「巨樹」「古樹」「老樹」を感じさせる樹木
3.見た目が小さくてもその種として「巨樹」「古樹」「老樹」な樹木
4.地域の自然を愛する組織や団体等が「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木
5.その他IWOが「巨樹」「古樹」「老樹」と認めた樹木


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