【 2012年06月】

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〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

巨樹・古樹・老樹 その5 和泉葛城山の石仏ブナ


 大阪と和歌山の府県境で最も高い山、和泉(いずみ)葛城山(かつらぎざん)

 頂上にはこのあたりでは数少ないブナ(山毛欅)の森が残っています。

 ブナはあまり暖かいところを好まず、ここは「日本で最も南にあるブナ林」と言われ、国の天然記念物に指定されています。



 山頂から北側、大阪に向かっての斜面がブナ林となっていて、保護活動が行われています。

 山頂の祠を抜けて階段を少し下ったところから右手に道が整備されていて、ブナ林の中を横切っていくことができます。

 ここにはブナの大木が何本もあります。

 その中のひとつ。木道の展望デッキ近くのブナ。
 根元の近くに小さな石仏があります。



ブナの近くの石仏
ブナの近くの石仏




 そこで和泉葛城山の「石仏ブナ」と勝手に名付けました。



和泉葛城山の「石仏ブナ」(2012年3月)
和泉葛城山の「石仏ブナ」(2012年3月)




 ブナは樹皮がはがれにくく表面がつるりとしています。

 しかしそこは地衣類、特にシミのように薄く広がる痂状地衣類(かじょうちいるい)がいくつも輪になって張り付いています。

 それがまるでブナの模様のようです。

 幹に地衣類が張り付いてできる模様は、ブナが生まれ持った模様ではありませんが、ブナの大木には必ずといっていいほどあるので、巨木ブナ特有の模様です。



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タグ: ブナ巨樹・古樹・老樹和泉葛城山天然記念物

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梅雨の金剛山 文殊尾道のギンリョウソウとちっちゃな花たち


 ギンリョウソウを見に行った金剛山の千早本道。

 下りも同じ道ではもったいない。
 どの道にと思っていると、金剛山へ行く時よく参考にしている気まぐれ写遊人さんのブログ「金剛山を歩く」文殊尾根(もんじゅおね)でギンリョウソウが咲いていたとあったので、下りは文殊尾道に決定。



 文殊尾根の面白いところは、植林された針葉樹林と様々な広葉樹林の境界を通ること。
 簡単に言うと植林と天然林ということになるでしょうが、金剛山のように人里に近く歴史の古い山では広葉樹林が純粋な天然林でないことも少なくないようです。



 そんな文殊尾道で出会ったギンリョウソウと、丈が低くて小さい花たちです。

 すべて山の木々の下、直射日光が当たらないようなところに咲く花です。



金剛山文殊尾道のギンリョウソウ


ギンリョウソウ(銀竜草)

ツツジ科 ギンリョウソウ属
多年草
別名:ユウレイタケ。
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,沖縄,

[レッドデータブック]
 環境省RDB:記載なし
 絶滅危惧I類:千葉県,
 その他:鹿児島県,
 不明:埼玉県,東京都,

先がすぼまっているのは開花前のギンリョウソウのツボミ
先がすぼまっているのは開花前のギンリョウソウのツボミ
咲いているギンリョウソウの花
咲いているギンリョウソウの花
光合成を行わない腐生植物(ふせいしょくぶつ)
といっても腐ったものから栄養をとっているのではなく、根に共生している菌類から栄養をもらっています。





ギンリョウソウ以外の金剛山文殊岩道の小さな花


キクムグラ(菊葎)

アカネ科 ヤエムグラ属
多年草
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,

[レッドデータブック]
 環境省RDB:記載なし
 絶滅危惧II類:高知県,
 準絶滅危惧種:岩手県,秋田県,埼玉県,愛知県,鹿児島県,
 情報不足:山形県,東京都,
 地域個体群:新潟県,

キクムグラ(菊葎) キクムグラ(菊葎)
ヤエムグラ属は見た植物が多いのでまちがっているかもしれません。
4枚の輪生、見に生えたトゲの先が曲がっているものがあったこと、たまご型の葉の先が尖っていることでキクムグラとしました。


イナモリソウ(稲森草)

アカネ科 イナモリソウ属
多年草
日本での分布:関東南部以西の本州,四国,九州,

[レッドデータブック]
 環境省RDB:記載なし
 絶滅危惧I類:神奈川県,京都府,山口県,佐賀県,
 絶滅危惧II類:鳥取県,福岡県,
 準絶滅危惧種:三重県,滋賀県,大阪府,奈良県,島根県,熊本県,
 情報不足:東京都,
 その他:静岡県,鹿児島県,

イナモリソウ(稲森草)
三重県の稲森山で発見されたことが名前の由来とされていますが、それまで誰も存在を知らなかったのではなく、「和名を登録した人が」“発見”したところなのでしょう。
図鑑などでは花びらの縁が波打っているのですが、花の色や中に見える雄蕊(おしべ)雌蕊(めしべ)?の形、葉のつき方や形などが一致していると思いますので、イナモリソウとしました。


タニギキョウ(谷桔梗)

キキョウ科 タニギキョウ属
多年草
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,

[レッドデータブック]
 環境省RDB:記載なし
 絶滅危惧I類:千葉県,
 情報不足:東京都,

タニギキョウ(谷桔梗) タニギキョウ(谷桔梗)
白くて小さく細長い花びらなのでチゴユリの仲間かと思いました。
ところが花びらは5枚。
ユリ科の花びらは6枚。
キンポウゲ科とも思いましたが、丸い葉にちょっと違和感。
結局キキョウ科でした。
山間部の木々の陰になったところで、湿気の多いところで咲きます。


フタリシズカ(二人静)

センリョウ科 チャラン属
多年草
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,

[レッドデータブック]
 環境省RDB:記載なし
 その他:鹿児島県,

フタリシズカ(二人静)
小さくて白い粒が“花”です。(つぼみ)ではありません。
さらに白いのは花びらではなく雄しべ。
花びらはありません。
小さな花をいっぱいつけた(穂状花序(すいじょうかじょ))軸(主軸)が2本出るのが名前の由来ですが、必ずしも2本ではありません。
この場所では1本のものが目立ちました。


オカタツナミソウ(丘立浪草)

シソ科 タツナミソウ属
多年草
日本での分布:関東以西の本州,四国,

[レッドデータブック]
 環境省RDB:記載なし
 絶滅危惧I類:宮城県,東京都,高知県,
 準絶滅危惧種:埼玉県,
 情報不足:福島県,

オカタツナミソウ(丘立浪草)
同じタツナミソウ属のタツナミソウにそっくりですが、こちらは花の集まり(花穂(かすい))を支える軸が短く対生(たいせい)の葉のすぐ上で咲きます。
葉の形もシソのようなゆるい三角形のところも特徴です。




 金剛山の花というと大きな目立つものばかり有名ですが、このように多くの人が通る登山道の脇にもいっぱいあります。

 山を歩くときには、足元にも目をやってみてください。


 ただし、足場の悪い道を歩くときなどは歩くことに集中し、メリハリをつけて安全な登山・トレッキングを。



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初夏の高野山で出会った花2012 弁天岳・奥の院の花編


 ちょっと遅目の桜を見に行った世界遺産の高野山。

 その時出会った花たち。

 その高野山上の弁天岳と奥の院参道の花編です。



※「花」の色で分けましたが、「花」は学術的な生殖器官としての「花」ではなく、様々な色や形に変化した苞や萼も含む「見た目の花」を指します。
※色についてはIWO(いきもの は おもしろい!)が独自に分類したものですので、分類には個人差があります。




▲弁天岳


高野山の霊場を囲む八葉(はちよう)の峰の一つ。
標高986m。
女人堂(にょにんどう)と大門の間をつなぐトレッキングコースでもあります。
トータル40分ほどの短い道ですが、女人堂からは杉の根が絡みあった歩きにくい道、大門からは急坂で歩きにくい道ですので、歩きやすい靴や格好が必要です。



  白い花 


チゴユリ(稚児百合)

ユリ科 チゴユリ属
多年草
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,

チゴユリ(稚児百合)
花はユリ科ぽいですが、丈も低く小さな花ですので、うっかりすると見落とすかもしれません。


ニョイスミレ(如意菫)

スミレ科
多年草
別名ツボスミレ
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,

ニョイスミレ(如意菫) ニョイスミレ(如意菫)
ニョイスミレ(如意菫)
他のスミレが終わってから咲き始める遅咲きのスミレです。


ニガイチゴ(苦苺)

バラ科 キイチゴ属
落葉低木
日本での分布:本州,四国,九州,

ニガイチゴ(苦苺)
木のイチゴです。
実には苦い部分がありそれが名前の由来です。




  紫色の花 


タチツボスミレ(立坪菫)

スミレ科 スミレ属
多年草
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,沖縄,

タチツボスミレ(立坪菫) タチツボスミレ(立坪菫)
タチツボスミレ(立坪菫)
丸い葉と立ち上がる茎が特徴の日本でよく見られるスミレの一つ。
スミレは変種が多く見た目で区別しにくいところがありますので、まちがっているかもしれません。





▲奥の院参道


高野山を開いた空海(くうかい)入定(にゅうじょう)の地、奥の院に通じる参道。
歴史の教科書に出てくる人から企業や個人までいろいろな墓碑が並んでいます。
ほとんどの場所が杉の巨木に覆われ、日陰と湿気を好む植物が多いところです。



  白い花 


ショウジョウバカマ(猩々袴)

ユリ科 ショウジョウバカマ属
多年草
日本での分布:北海道,本州,四国,九州,

ショウジョウバカマ(猩々袴)
人里から高山まで幅広く分布しています。
奥の院参道ではあちこちで咲く花ですが、ほとんどのショウジョウバカマが花は終わっていました。
そんななかでかろうじて間に合ったものです。


オトメスミレ(乙女菫)

スミレ科 スミレ属
多年草
分布:北海道~沖縄,

オトメスミレ(乙女菫) オトメスミレ(乙女菫)
オトメスミレ(乙女菫)
花の色はほとんど白。距だけが心なしか薄い紫色。色以外の見た目はタチツボスミレ。
ということで、オトメスミレとしました。
タチツボスミレの白花品種のようですので、タチツボスミレに似ていることもうなづけます。





  紫色の花 


ムラサキサギゴケ(紫鷺苔)

ゴマノハグサ科 サギゴケ属
多年草
日本での分布:本州,四国,九州,

ムラサキサギゴケ(紫鷺苔)
花はトキワハゼによく似ています。
茎が立ち上がるトキワハゼに対して、ムラサキサギゴケは地面をはうような感じです。


タチツボスミレ(立坪菫)

スミレ科 スミレ属
多年草
分布:北海道~沖縄,

タチツボスミレ(立坪菫) タチツボスミレ(立坪菫)
タチツボスミレ(立坪菫)
丸い葉と立ち上がる茎が特徴の日本でよく見られるスミレの一つ。
スミレは変種が多く見た目で区別しにくいところがありますので、最近はある程度形が似ていればとりあえず「タチツボスミレ」にしています。





  その他 

オオハナワラビ(大花蕨)

マツバラン綱 ハナヤスリ目 ハナヤスリ科 ハナワラビ属
冬緑性シダ植物
日本での分布:本州,四国,九州,

オオハナワラビ(大花蕨)
花を咲かさないシダの仲間です。
ただしフユノハナワラビは秋から冬にかけて葉が茂り、夏には枯れる冬緑性なので、ちがう種類かもしれません。





 「山」といっても宗教都市でなおかつ1000年以上の歴史のある高野山。

 今回は4箇所に分けて花をまとめてみましたが、それぞれ個性が違いました。

 それにしても不動坂は本当に花が多い場所でした。



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タグ: 高野山の花初夏の高野山で出会った花2012高野山初夏の花白い花紫色の花オトメスミレムラサキサギゴケニガイチゴチゴユリ

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田植え?それともプランター植え?バケツ植え?バケツ稲2012


 カブトエビの絶滅再生があり、すっかり遅れてしまったプランターの田植えが終了しました。

 50粒の籾から発芽したのは49粒。
 全く選別もせず、無作為に50粒選んだだけというのに98%とという発芽率。

 プランターに水を張ってからカブトエビを優先していたので遅れましたが、稲はもう小さなカップでは窮屈そうです。


田植え前の苗
田植え前の苗


 プランターは4箇所、それぞれ5本ずつ植えました。
 残り29本。

 ということで、去年使ったバケツを用意、残していた去年の土に赤玉土と肥料を足して水を張って3箇所、合計15本植えました。
 残り14本。

 この14本は見るからに成長が悪いものを除いた10本ほどをペットボトルに植えました。



 植え替えてなくてもわかっていたのですが、カップの中は根でぎゅうぎゅう。
 植え替えた時にわかったのですが、土がちょっと臭っていました。

 もっと大きくて穴の開いた苗ポットにすればよかったと反省。

 来年は苗ポットを深いトレーに入れて水を張って育てようと思います。



田植え直後のプランター稲
田植え直後のプランター稲




 田植えして10日ほど。

田植え直後のバケツ稲
田植え直後のバケツ稲

 この間、自分米も説明書通りに大きなカップに植え付けました。

 全く様子が変わらなかったプランターとバケツの稲も、少しずつ成長し始めているようです。

 やっと根が落ちついてきたのでしょう。

 根本を元気にカブトエビが泳いでいます。
 今のところは。



 播種は早かったものの、プランターカブトエビの影響で結局まわりの田んぼと同じになった田植え。

 今年のお米はどうなるでしょうか。



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梅雨と言ったら銀竜草(ギンリョウソウ)!


 岩湧山(いわわきさん)山頂の北側の山腹にある「四季彩館」から急坂の道を行く途中、頂上尾根の近くでギンリョウソウ(銀竜草)を見ました。

 ギンリョウソウは梅雨の頃の山で咲く真っ白な花です。

 しかしそのギンリョウソウは少し黒っぽく、咲き終わっているようでした。



もう実がふくらんでいる岩湧山きゅうざかの道のギンリョウソウ
もう実がふくらんでいる岩湧山きゅうざかの道のギンリョウソウ




 ギンリョウソウのシーズン終わりかけ?!



 ギンリョウソウは毎年ちがうところで咲くようで、なかなか思うようには出会えません。

 金剛山ではシーズン中にかならずといっていいほどギンリョウソウと出会える場所は千早本道(ちはやほんどう)

 ということで自分に最も都合のいい天気予報を好意的に解釈して梅雨の金剛山へ行って来ました。

 ということで、千早本道へ。

 しかし、千早本道はまだシーズンになっていないのか、ギンリョウソウは殆ど見かけません。



 と思っていると、八合目から九合目までのまっすぐ道の途中で見つけました!
 ギンリョウソウがまとまって咲いています。

 上のほうで咲いているのでちょっと気づきにくいですが。



金剛山千早本道8合目付近のギンリョウソウ
金剛山千早本道8合目付近のギンリョウソウ

ギンリョウソウの花
ギンリョウソウの花




 ギンリョウソウは木々の下に積もった落ち葉の中でよく咲いているので、以前は腐葉土(ふようど)から栄養をとっていると思われていました。

 実はそうではなく、根が菌類(きんるい)と一緒になる「菌根(きんこん)」を作って共生(きょうせい)しているのです。
 共生といっても、葉緑素がなく根も貧弱なギンリョウソウが菌類となにかを交換しているとは考えにくいので、片方だけが得をする片利共生(へんりきょうせい)なのかもしれません。

 そしてその菌類は別の樹木と菌根を作っているということですので、ギンリョウソウは菌類を使って樹木の栄養をとっているのでしょうか。

 ということで、ギンリョウソウと腐葉土は関係なさそうです。

 実際、千早本道では、土留めの丸太の下の栄養も何もなさそうな花崗岩(かこうがん)が風化した真砂土(まさど)の中から生えていることもあります。



真砂土のギンリョウソウ(千早本道四合目付近2011年6月)
真砂土のギンリョウソウ(千早本道四合目付近2011年6月)

上のギンリョウソウをちょっと離れてみてみると
上のギンリョウソウをちょっと離れてみてみると




 登山道のなにもないところからも生えるギンリョウソウ。

 ということは、地面の下にはギンリョウソウと共生する菌類のネットワーク、そしてその菌類と共生する樹木の根のネットワークが張り巡らされているのでしょう。


 地面の下には見えない世界が広がっているようです。



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タグ: ギンリョウソウ金剛山岩湧山梅雨の金剛山白い花梅雨の花金剛山の花岩湧山の花千早本道

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カブトエビの卵が孵化する条件とは?カブトエビ2012


 プランターの土を混ぜ返して、2日後。

 小さなプランクトンがいっぱい動いていました。

 土を混ぜ返すことによって、土の中にあったため孵化(ふか)していなかった卵が孵化したのだと思います。



 単純に考えて、土の中にある卵は水と温度の条件がそろっても無駄に孵化しないのでしょう。
 孵化しても動くことができずすぐ死んでしまいますから。

 ですからそういった卵を土の表面に持ってくれば、孵化するにちがいない、と考えたのですが、どうやらその通りだったようです。




小さながらももう泥の上を這っているカブトエビ
土の上の筋は小さなカブトエビが這った跡




 ということは、カブトエビなどの田んぼの小さな甲殻類(こうかくるい)の卵が孵化するためには、水と温度だけでなく、もうひとつ土の中かどうかがわかる条件が必要だと思います。

 それが何かはわかりませんが、もしかしたら光ではないかと思います。

 それを確かめるために実験をしなければなりません。


 その前に実験方法を考えなくては。



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ワラジムシのようでワラジムシでない。それはニホンヒメフナムシ。


 生きている姿を自然の中で見てみたい動物があります。

 中には「なんだそれ?」と知名度のないマイナーな動物もあると思います。
 もちろん知名度が高くて多くの人も共感してくれる動物もあるでしょう。
 そして「どうして?」と不思議に思われる動物もあると思います。

 多分「どうして?」と言われる動物の一つが、ニホンヒメフナムシ(日本姫船虫)です。



この記事には虫(ワラジムシやフナムシ)の画像があります。





 名前のとおりフナムシの仲間ですが、住んでいるのは海から遠く離れた山。
 落ち葉の下にいる小さな虫です。

 住んでいるところも食べ物も大きさも形も、簡単に言うとワラジムシ(草鞋虫)。
 でもフナムシです。

 それほど珍しい生き物ではないようですが、見たことがありません。
 だから今までダンゴムシやワラジムシと思っていた虫の中に紛れ込んでいたのではないか、と気になっていたのです。



ツルツルピカピカのワラジムシ?
ツルツルピカピカのワラジムシ?




 そのニホンヒメフナムシにやっと出会うことができました。

 錦織(にしこおり)公園ですみれを探していたとき。
 遊歩道のために切りくずして崖になった面をはいまわるワラジムシを見つけました。

 しかし、そのワラジムシの背中はなんだかつるつるしていて光沢があります。

 そしておしりの部分から長いヒゲのような尾脚(びきゃく)が2本生えています。
 これもワラジムシっぽくありません。

 どちらかと言うと、フナムシに似ています。

 まさか?!



フナムシ[矢倉干潟]
節足動物門-甲殻亜門-エビ綱-等脚目-ワラジムシ亜目
     -フナムシ科-フナムシ属 フナムシ[矢倉干潟]




 ということで追いかけて写真を何枚も取りました。

 その日はスミレ仕様の用意で、虫を観察する道具は持ってきていません。
 小さい穴の中に隠れるまで何枚も写真を撮りました。

 家で確認してみると……

 はたして、ニホンヒメフナムシでした。



ニホンヒメフナムシ[錦織公園]
節足動物門-甲殻亜門-エビ綱-等脚目-ワラジムシ亜目
     -フナムシ科-ヒメフナムシ属 ニホンヒメフナムシ[錦織公園]




 ワラジムシによく似ているヒメフナムシのわかりやすい特徴は、つるつるした背中、頭の白い模様、そして長く伸びた2本の尾脚。

 尾脚は近い仲間のワラジムシやダンゴムシにもありますが、短いのです。
 フナムシは長いのが特徴。

 ニホンヒメフナムシもフナムシの仲間ですので、この尾脚が長いのです。



ワラジムシ
節足動物門-甲殻亜門-エビ綱-等脚目-ワラジムシ亜目
     -ワラジムシ科-ワラジムシ属 ワラジムシ




 これでワラジムシによく似たフナムシを見ることができました。

 次はダンゴムシによく似たタマヤスデ探しです。



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梅雨の金剛山のキツネノエフデ


 梅雨の金剛山(こんごうざん)

 金剛山一多くの人が歩く千早本道(ちはやほんどう)
 この時期の楽しみの一つが、透き通るような白いギンリョウソウと、スッポンタケ科のキノコ。

 キノコというと、シイタケのような傘を開いた形のイメージが強いかもしれませんが、スッポンタケは棒状のキノコ。

 高級中華料理食材のキヌガサタケもスッポンタケ科のキノコです。



 千早本道で見たことがあるのは、キツネノエフデとスッポンタケ。

 特にキツネノエフデは毎年見かけています。



2012年6月中旬 千早本道九合目

キツネノエフデ2012年6月中旬 千早本道九合目

キツネノエフデ2012年6月中旬 千早本道九合目
外皮に包まれたキツネノエフデ(多分)
上のキツネノエフデの隣にありました。
この白い皮を破ってキツネノエフデが飛び出してくるはずです。


2011年6月下旬 千早本道八合目付近

キツネノエフデ2011年6月下旬 千早本道八合目付近
根元の方に破けた外皮(ツボ)が残っています。
キノコになって時間がたつのかちょっとしおれています。


2010年7月中旬 千早本道八合目付近

キツネノエフデ2010年7月中旬 千早本道八合目付近
こちらほうが根本の外皮(ツボ)がわかりやすくなっています。





 キツネノエフデのシーズンは秋まで。

 運が良ければまだまだ出会えるかもしれません。



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プランターカブトエビの異変。カブトエビ2012


 去年の土にちょっとだけ土と肥料を足した今年のプランター稲。

 田植えの前に水を張りました。

 そして二日後の夜。
 変化がありました。



小さな生き物が動いています

 プランターの水の中で小さな小さな生き物動いているのです。
 去年プランターで育てていた生き物たちが卵を産んでいて、半年の乾燥を経て水の中で誕生したのです。

 去年プランターにいたのはエビ伝説のアメリカカブトエビ、地主さんの田んぼからもらってきたカイエビとホウネンエビ。
 そしてそれについてきたプランクトン。

 産まれたのはどれでしょうか。



カブトエビの幼生

 大きさや動きからみて甲殻類の幼生のようです。
 よく見てみると、大きいのと小さいのの2種類。

 孵化の差はあっても1日。
 大きさの違いは種類の違いでしょう。

 そして大きい方は、見慣れた姿、見慣れた大きさ。

 アメリカカブトエビ。生まれたてのようです。
 ホウネンエビも生まれたてはカブトエビと同じくらいの大きさらしいので、ホウネンエビかもしれませんが。

 小さい方は、おそらくカイエビかもしれません。



カブトエビ?のノープリウス幼生
カブトエビ?のノープリウス幼生
写真を写しやすいようにプランターから取り出しています。




大きな変化

 カブトエビの成長は早く、生まれて3日目にもなると小さいながらもカブトエビの形になってきました。
 そしてホウネンエビの形もわかるようになって来ました。

 そして、4日目に、また大きな変化が起きました。

 カブトエビが全滅したのです。

 実は2日目、3日目と数えると数が減っていくのです。
 そして4日目に一つも数えられなくなってしまいました。

 また大絶滅を起こしてしまいました。



大きい幼生(左)と小さい幼生(右)
大きい幼生(左)と小さい幼生(右)
写真を写しやすいようにプランターから取り出しています。




原因は?

 原因はよくわかりません。

その1。
 去年の段階でカブトエビに良くない成分が溜まっていた。
その2。
 肥料が「完熟」と書かれていたとはいえ、有機肥料なので水中で分解され、カブトエビに良くない成分が発生した。
その3。
 気温が下がったので水温もカブトエビに良くない温度に下がった。

 どれにしても、すぐ改善するのはむずかしそうです。

 やれることをやる。



できることを

 ということで、水を何度かに分けて入れ替えました。

 そして、土を混ぜました。
 だいたいプランターの上1/3から半分くらいを。

 理由は、卵の掘り起こし。
 土は充分混ぜられ、卵も同じように混ぜられているはず。
 そして真ん中や底の卵は水分があっても、今回の孵化は見送っているはず。
 そんなところで孵化しても土の上に出られず、死んでしまうでしょう。



 そして2日後……



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トウカイコモウセンゴケの花が咲いています。


 今年もコモウセンゴケの花の季節がやって来ました。

 暖かくなると同時に冬の間縮かんでいた葉が広がり、あっという間にいつもの姿になりました。



葉挿しのトウカイコモウセンゴケの花
葉挿しのトウカイコモウセンゴケの花




 気の早いコモウセンゴケは冬の間にすでに小さな花軸(かじく)をつけていました。

 そうでないものも暖かくなると一気に花軸を生やし、そして伸ばして小さなピンク色の花を一つずつ咲かせます。



実生のトウカイコモウセンゴケの花
実生のトウカイコモウセンゴケの花




実生のトウカイコモウセンゴケ
実生のトウカイコモウセンゴケ
 一昨年の秋に発芽したコモウセンゴケも、やっと花を咲かせています。

 葉挿(はざ)しで増やしたコモウセンゴケは、もう普通のコモウセンゴケです。

 ただ、オジリナルのコモウセンゴケは冬に枯れてしまいました。
 これで2つあったオリジナルコモウセンゴケはなくなりましたが、葉挿しで増やしたものがありますので、オリジナルの遺伝子は残されています。

 まあ、近くにコモウセンゴケはないでしょうから、種で増やしたの(実生(みしょう))も遺伝的にはオジリナルと同じだと思いますが。



 コモウセンゴケの花は小さくで綺麗ですので、今年は苔玉に挑戦してみようかな、と思っています。



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二十四節気・七十二候
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都会の植え込みから自然あふれる山まで。
フィールドワーカーのノートが生き物たちとの出会いを書いています。

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