一年でも最も花が少ない冬の植物園。
花の季節が終わったということは、つまり実の季節がはじまったということです。
ということで、11月から1月までの冬の間に訪れた植物園で出会った赤い木の実、その常緑樹編です。
【冬の植物園の赤い木の実 落葉樹編】
高木(樹高が4mを超える木)
クロガネモチ
黒鉄黐
バラ亜綱 ニシキギ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑高木
実:直径6mm 球形
花期:5月~6月
分布:関東以西の本州~四国~九州~南西諸島,台湾,朝鮮半島,中国,インドシナ,
花の文化園 2011年12月
都市部でよく街路樹として植えられています。
ナナミノキ
七実の木
バラ亜綱 ニシキギ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑高木
実:長さ10mm 楕円形
花期6月
分布:静岡県以西の本州~四国~九州の山地
花の文化園 2011年12月
実がたくさん付くことが「七実の木」の由来といわれています。また、枝を折ると斜めに割れるので「ナナメノキ」とも呼ばれます。
ソヨゴ
冬青
バラ亜綱 ニシキギ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑高木
実:直径7mm 球形
花期:5月~6月
分布:新潟県以南の本州~四国~九州,中国,台湾,
花の文化園 2011年12月
別名「フクラシバ(膨らし葉)」。樹木を伐採した時などの後にできる林(二次林)でよく見る種類です。
シナヒイラギ
支那柊
バラ亜綱 ニシキギ目 モチノキ科 モチノキ属
常緑高木
実:直径10mm 球形
花期:4月~5月
原産地:中国東北部,朝鮮半島南部,
花の文化園 2011年12月
別名「ヤバネヒイラギモチ」。「ヒイラギ」とついていますが、ヒイラギは「ゴマノハグサ目モクセイ科」なのでちがう植物です。
カナメモチ
要黐
バラ亜綱 バラ目 バラ科 カナメモチ属
常緑高木
実:直径5mm 球形
花期:5月
分布:東海地方以西の本州~四国~九州の暖地
花の文化園 2012年1月
固いので扇の束ねた骨をとめるところ(要)に使われたことが名前の由来といわれています。
低木(樹高が4m以下の木)
ピラカンサ
Pyracantha
バラ亜綱 バラ目 バラ科 ピラカンサ属
常緑低木
実:長さ6mm 楕円形
開花期:4月~6月
原産地:中国,ヨーロッパ南部,
花の文化園 2011年12月
別名「トキワサンザシ(常盤山櫨子)」。鉢植えから地植えまで病気にかかりにくく手間がかからない植物なので、庭木や街路樹としてよく見かけます。
花の文化園では、実がオレンジ色のピラカンサも植えられていました。

オレンジ色のピラカンサ
イチゴノキ
ビワモドキ亜綱 ツツジ目 ツツジ科 イチゴノキ属
常緑低木
花期:11月~12月
原産地:地中海地方,西ヨーロッパ北部,アイルランド,
花の文化園 2011年12月
実がイチゴに似ていることが名前の由来。実が熟すころに花が咲くのが特徴。

イチゴノキの花
マンリョウ
万両
ビワモドキ亜綱 サクラソウ目 ヤブコウジ科 ヤブコウジ属
常緑低木
花期:7月
分布:関東以西の本州~四国~九州~沖縄,東アジア~インド,
花の文化園 2011年12月
よく似た「千両センリョウ」よりも実が多いことが「万両」の由来といわれています。
冬には葉を全部落としてしまう落葉樹は赤い実に目がいきますが、冬でも葉が茂っている常緑樹では赤い実は目立たないのでしょうか。
たしかに木全体を覆う葉っぱに目がいって実は目立ちません。
しかし一度実を見つけると、緑地に赤という目立つ色の組み合わせで、背景に溶け込んでしまう落葉樹よりもよく目立ってきます。
果樹の王様バラ科が目立つ落葉樹に対して、モチノキ科が目立つのが常緑樹。
モチノキ科は常緑の定番街路樹の木が多く含まれ、名前は知らないけど道で見たことがある木が多いのが特徴。
モチノキ科は樹皮に粘りがある成分を持つ種類が多く、
鳥黐をつくるのに利用され名前に「モチ」がつく樹木がいくつかあります。
鳥黐は鳥や虫などを捕まえるために使われたものです。
棒の先にねばねばした鳥黐をつけ、木などにとまっている鳥やセミなどに引っ付けてつかまえます。
昔は小鳥の猟や子供の虫取りなどに使われていました。
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冬の植物園の赤い木の実
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