琵琶湖。
琵琶湖がある滋賀県の面積のおよそ6分の1を占める巨大な湖です。
河川法上は一級水系「淀川水系」に属する一級河川で、水鳥の生息地として国際的にも重要な湿地を定めるラムサール条約の登録湿地でもあります。
ラムサール条約に登録されるわけですから、なにかほかには無い特徴があるわけです。
日本最大の湖ですが、世界の淡水湖の中ではトップ100にも入っていません。
琵琶湖の特徴は大きさよりもほかにあります。
琵琶湖がつくられたのは今から400万年前ごろ。
恐竜が滅んだのが6400万年前ですから、それから比べるとかなり新しい湖のように感じます。
しかし実は世界で3番目です。
そう、3番目に古い湖と考えられているのです。
実は湖というのは周辺から土砂が流れ込み、次第に埋められていずれなくなってしまうものなのです。
多くの湖の寿命は1万年くらいと考えられています。

坂本ケーブル延暦寺駅の展望デッキから見た琵琶湖(北湖)
といっても、琵琶湖も今の場所で400万年続いているのではなく、もとは今の三重県の
伊賀市いがしのあたりにできたものが、地殻変動などで今の位置に落ち着いたそうです。
ですから、地理的な水のたまったへこみとしてではなく、多くの生き物が住む水のかたまりとしての歴史が400万年連続しているということなのでしょう。
世界で3番目に古いということで、日本でも、というか世界でもここだけにしか住んでいない生き物が数多くいます。
その数は61種。
世界でも琵琶湖にだけしかいない生き物が61種です。
琵琶湖は周囲を山に囲まれています。
その中でも有名な山の一つが京都との境にある
比叡山ひえいざん。
滋賀側の坂本ケーブルのケーブル
延暦寺えんりゃくじ駅の展望デッキから琵琶湖を見ることができます。
しかしそこから見える琵琶湖は、北岸が見えず、ずっとずっと向こうまで湖が続いて、まるで水平線が見えて海のようです。
琵琶湖の古い名前「
近淡海ちかつあわうみ((京都から)近い方の淡水の海)」の通り塩辛くない海がどこまでも広がっているように見えます。
しかし名前の由来になった日本の古い楽器「琵琶」の形には見えません。
それほど琵琶湖は広いのです。

琵琶湖を見下ろせる比叡山
京都府立植物園北門前から
人工衛星どころか飛行機もなかった昔の人が、どうして琵琶湖が琵琶の形に似ているとわかったのでしょうか。
宇宙人の円盤から見たのでしょうか。
まるでナスカの地上絵のようです。
もしかすると「琵琶湖」の名前はオーパーツの一つかもしれません(「物」ではないので本当はオーパーツではありませんが)。
ところが。
どうやら測量技術が発達した江戸時代の後期ごろから湖の形が琵琶に似ていることがわかり、「琵琶湖」の名前が定着したようです。
ちょっと一安心。
それともがっかり?
61種の琵琶湖の固有種もオーパーツではありませんでしたが、大切にしていかなければならないことはかわりません。
世界的にも貴重な琵琶湖が、水だけでなく生き物もふくめて1万年も2万年も続くように。
■外部リンク■
琵琶湖/滋賀県
国土交通省 近畿地方整備局 琵琶湖河川事務所 HOME
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長さも、眺めも、日本一。坂本ケーブルで比叡山へ。
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