【 2010年12月】

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時代劇の馬は本当は?[六甲山牧場]

六甲山牧場の北ゲート
六甲山牧場の北ゲート

 兵庫県南部、神戸市から宝塚(たからづか)市にまたがる六甲山地。
 その真ん中あたりにあるのが神戸市立六甲山牧場。

 動物園ではなく牧場なので種類は多くありませんが、いろいろな動物を見ることができます。
 牧場ですので乳牛や綿羊がたくさんいます。そして馬も。

 ただ、普通の馬ではありません。


 日本の馬です。


 日本にはたくさんの馬がいます。
 テレビの競馬中継で映し出される動物は馬ですし、時代劇にもよく登場します。

 それらは日本で生まれた馬かもしれませんが、多くは競走馬のサラブレッドやアラブ種のような欧米からやってきた大柄な種類の馬です。

 日本に古くからいた馬はもっと小柄。ちがう種類です。

 しかし明治以後盛んにヨーロッパ系の馬が導入され、特に戦後はトラクターやトラックなどの機械が発達して農耕や運搬に馬が使われなくなったこともあり、日本在来(ざいらい)の馬は絶滅の危機に(ひん)しています。


 現在、日本の在来馬はつぎの8種です。

北海道和種(俗称「道産子(どさんこ)」 北海道)
木曽馬(きそうま)(長野県 木曽(きそ)・岐阜県 飛騨(ひだ)
御崎馬(みさきうま)(宮崎県 都井岬(といみさき)
対州馬(たいしゅうば)(長崎県 対馬(つしま)
野間馬(のまうま)(愛媛県 今治(いまばり)
トカラ馬(鹿児島県 トカラ列島)
宮古馬(みやこうま)(沖縄県 宮古島)
与那国馬(よなぐにうま)(沖縄県 与那国島)

 その中で六甲山牧場にいるのは「道産子」、木曽馬、与那国馬の3種。

六甲山牧場の道産子
六甲山牧場の道産子



六甲山牧場の木曽馬
六甲山牧場の木曽馬



六甲山牧場のポニーパドックの馬たち
六甲山牧場のポニーパドックの馬たち




 テレビドラマなどで戦国武将がスマートで背の高い馬にまたがっている姿は勇壮ですが、実際はこのような馬にまたがっていたにちがいありません。

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タグ: 日本在来馬道産子木曽馬六甲山牧場六甲山地

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百日紅と真鶸

サルスベリの花(8月)
サルスベリの花(8月)

サルスベリの紅葉(11月)
サルスベリの紅葉(11月)

 夏にきれいな紅色の花を咲かせていたサルスベリ。

 秋には深紅の紅葉を見せてくれたサルスベリ。

 今はその名の由来となったつるつるした樹皮を見せているだけです。

 と思っていたら花を咲かせた枝の先に黒いつぶつぶが。


 サルスベリノ実です。


 ある晴れた日。

 小鳥が何羽もサルスベリにとまっていました。
 実を食べています。

 大きさ色あい群れになって木の実を食べているからカワラヒワでしょう。

 カメラを持ってサルスベリへ。

 カワラヒワは雀と同じくらいすぐ逃げます。
 そっと近づかなければなりません。

サルスベリの実を食べている小鳥
サルスベリの実を食べている小鳥


 でもサルスベリの実を食べるのに一生懸命なのか、意外と逃げません。
 このチャンスを逃さないようにシャッターを押します。

 写しながらモニタで確認していると、カワラヒワというのはちょっと変です。

ちょっとカワラヒワとはちがう小鳥
ちょっとカワラヒワとはちがう小鳥


 カワラヒワは背中もお腹も茶色、場合によっては黒っぽく見えます。

 しかしこの鳥のお腹は白と黄色です。
 さらにカワラヒワの羽にある黄色い部分がありません。
 逆に頭のところにモヒカンのような黒い帯があります。

頭にモヒカンのような黒い帯がある小鳥
頭にモヒカンのような黒い帯がある小鳥


 大きさや嘴の太さ、全体の雰囲気はカワラヒワですが、色と模様がちがいます。


 部屋に戻って調べてみると、どうやらマヒワ(真鶸)のようです。

サルスベリの実をついばむマヒワ
サルスベリの実をついばむマヒワ


 冬鳥のようなので、長い旅をしてきてサルスベリの実をいっぱい食べているのでしょうか。


 みんなで忙しく食べている姿をしばらく眺めていました。



マヒワ(真鶸)

スズメ目アトリ科カワラヒワ属
スズメくらいの大きさ
冬鳥
左:マヒワ♂(多分) 右:マヒワ♀(多分)
左:マヒワ♂(多分) 右:マヒワ♀(多分)


カワラヒワ(河原鶸)

スズメ目アトリ科
スズメくらいの大きさ
留鳥
コンクリートの上のカワラヒワ(7月)
コンクリートの上のカワラヒワ(7月)
全体的に黒っぽい中に羽の明るい黄色と、目隠しのような目のところの黒い線(眼線)が特徴。




サルスベリの実
サルスベリの実
サルスベリの種
サルスベリの種



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タグ: マヒワサルスベリカワラヒワ冬の鳥冬鳥冬の実茶色い実スズメくらいの鳥渡り鳥

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theme : 野鳥の写真
genre : 写真

初冬の高野山 茸編


 自然が豊富な高野山上。
 いろいろな植物と出会うことができました。

 今回は植物ではなく、キノコとの出会いです。

キノコが食べるもの


 キノコは植物のように自分で栄養を作ることはできません。動物のように“食べ”なければなりません。
 しかしキノコは動物のように動くことができません。植物のようにその場で成長しなければなりません。
 ですから、キノコが生えるのはキノコの食べ物の近く、ということになります。

 生きている木や枯れ木から生えているキノコは木を食べるのだろうとわかります。そういうキノコは「腐朽菌(ふきゅうきん)」呼ばれます。
 しかし地面から生えるキノコは何を食べるのかわかりにくいところがあります。

 地面か生えるキノコの食べ物は大きく分けると三つ。でもこの三つは見た目で簡単に分けるのは難しそうです。


三つのキノコ


 一つは地面に落ちた木の枝や落ち葉を食べるもの。これは「腐朽菌(ふきゅうきん)」と呼ばれて、倒木から生えるものと同じ仲間です。
 土が見えないほどたまった落ち葉の中から生えているものは、この可能性が考えられます。ここでは落ち葉がたまっている場所を「腐葉土(ふようど)」としています。

 そして木の根と栄養の交換をしているもの。これは「菌根菌(きんこんきん)」と呼ばれて、木と共生していると考えられています。
奥の院参道の入り口
奥の院参道の入り口

 最後は地面の下にある動物の遺骸(いがい)やうんちやオシッコを食べるもの。これは「アンモニア菌」と呼ばれていますが、生える場所が限られているので出会える機会は少なそうです。

 この三つは見た目の区別はとても難しそうです。
 腐葉土から生えているといっても、下に木の根や動物の糞があれば菌根菌やアンモニア菌かもしれません。
 ただ腐葉土の無い砂や砂利の中から生えているとすれば、菌根菌の可能性が高くなりそうです。


不動坂


 南海高野線(なんかいこうやせん)の終着「極楽橋(ごくらくばし)」駅から高野山上の入り口の一つ女人堂(にょにんどう)まで続く登山道のことです。

こげ茶色のキノコ

場所:腐葉土
いかにもキノコっぽいこげ茶色のキノコ
いかにもキノコっぽいこげ茶色のキノコ
こげ茶色のキノコの裏
こげ茶色のキノコの裏
土が見えないほど落ち葉がたまっているので腐朽菌だと思います。




弁天岳


 高野山を囲む八葉の峰の一つで、女人堂と大門を結ぶ登山道です。


キシメジ科?のキノコ

場所:倒木
かわいいキシメジ科?ノキノコ
かわいいキシメジ科?ノキノコ
キシメジ科?ノキノコの傘の裏
キシメジ科?ノキノコの傘の裏
倒木なので腐朽菌だと思います。
杉林なので杉の倒木だと思います。


ケショウハツ

場所:生きているスギの根元の土
見るから毒キノコっぽいケショウハツ
見るから毒キノコっぽいケショウハツ
ケショウハツの傘の裏
ケショウハツの傘の裏
生きている木のそばの土ですので、菌根菌の可能性が高いと思います。




奥の院参道


 高野山を開いた弘法大師(こうぼうだいし)御廟(ごびょう)へとつづく参道。
 杉の古木と数多くの墓碑(ぼひ)に囲まれたところです。

スギの切り株に生えたキノコ

場所:スギの切り株
ソンブレロのように中央が盛り上がったキノコ
ソンブレロのように中央が盛り上がったキノコ
ソンブレロのようなキノコの傘の裏
ソンブレロのようなキノコの傘の裏
奥の院参道ですので、スギだと思います。
奥の院参道のスギは木材として伐ることが許されていませんが、年をとり倒れる危険のあるスギは安全のために伐られています。
このようにスギの太い切り株は参道のあちこちにあり、多くはコケに覆われ、中には若いスギが生えているものもあります。


ヒメカバイロタケ

場所:スギの切り株
しおれかけた?ヒメカバイロタケ
しおれかけた?ヒメカバイロタケ
ヒメカバイロタケが生えている様子(中央)
ヒメカバイロタケが生えている様子(中央)


スギヒラタケ

場所:スギの切り株
白くて柔らかそうなスギヒラタケ
白くて柔らかそうなスギヒラタケ
スギヒラタケの傘の裏
スギヒラタケの傘の裏


サルノコシカケ科?

場所:スギの枯れ木
色が白いサルノコシカケ科のキノコ
色が白いサルノコシカケ科のキノコ
ヒダの変わりに小さなくぼみがあるサルノコシカケ科のキノコの傘の裏
ヒダの変わりに小さなくぼみがあるサルノコシカケ科のキノコの傘の裏


シロソウメンタケ科?

場所:生きたスギの根元
キノコというより妙な物体のシロソウメンタケ科?のキノコ
キノコというより妙な物体のシロソウメンタケ科?のキノコ
シロソウメンタケ科?のキノコの生えている様子
シロソウメンタケ科?のキノコの生えている様子
生きたスギの根元の厚いコケの間から生えていたきのこです。
緑のコケの下に枯れたコケの腐葉土層があるのか、スギの皮が腐っているのかわかりませんが、腐朽菌ではないかと思いますが、


ネズミシメジ?

場所:生きたスギの根元
鼠色のネズミシメジ?
鼠色のネズミシメジ?
ヒダがもろもろのネズミシメジ?の傘の裏
ヒダがもろもろのネズミシメジ?の傘の裏
上のシロソウメンタケ科?と同じ生きているスギの根元のコケの中から生えていました。


スギの菌根菌?

場所:杉林の砂利の上
ジャリの上に生えたキノコ
ジャリの上に生えたキノコ
ジャリの上に生えたキノコの傘の裏
ジャリの上に生えたキノコの傘の裏
砂利が敷かれていますが、ここは参道の杉林の中。
なのでスギの菌根菌ではないかと思います。




キノコと奥の院


 意外にキノコが多い奥の院参道。

 もちろん不動坂も弁天岳も森の中に入っていけばキノコは豊富でしょう。
 しかし歩いていて目につくのは草花ばかり。

 奥の院はスギの巨木が立ち並び、昼でも薄暗く、いたるところコケや地衣類(ちいるい)に覆われているくらいなので湿気も多いことでしょう。
 菌類がキノコを作りやすい環境かもしれません。
 それにスギの切り株や古木が多いことも腐朽菌にとってはありがたい環境でしょう。


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師走。百舌鳥太郎の季節がやってきました。


百舌鳥太郎の季節


 12月。

 冬はモズの季節。

 大阪ではモズは一年中いる留鳥(りゅうちょう)ということになっています。
 実際一年中、住宅街ではモズを見ることができます。

 しかし、あまり人間を恐れないモズの百舌鳥太郎(もずたろう)はどういうわけか現れるのは冬から春の間だけ。
 子育ての季節だけです。

 ということで、彼は季節で住む場所を変える漂鳥(ひょうちょう)なのかもしれません。


漂鳥と渡り鳥


 「漂鳥(ひょうちょう)」は夏は山、冬は平地というふうに季節によって住む場所を変える鳥のことです。

 移動する鳥というと渡り鳥。
 「渡り鳥」は数千キロから長いものなら数万キロも移動する鳥です。
 日本の場合は、海を超えて移動する鳥、と考えていいかもしれません。

 しかし漂鳥はそんなに移動しません。
 たとえば山頂付近と(ふもと)付近というように、比較的近い範囲で「低←→高」と垂直方向に短距離移動する鳥のことです。
 「北←→南」と水平に長距離移動するのが渡り鳥です。


百舌鳥太郎のお腹


 先日、NHKのBSハイビジョンでモズの番組をやっていました。
 1時間半の番組の中で、前半はタカ目タカ科のサシバ、後半がスズメ目モズ科のモズ。

 百舌鳥太郎が見せてくれたモズの生活を再確認できる番組でした。

 しかし、一つ驚いたことがあります。

 それはオスのモズのお腹に(うろこ)模様があったのです。

 百舌鳥太郎は近くで何度も見ていますし、写真もいっぱいとっています。
 でも、お腹の鱗は見た記憶はありませんし、写真にも写っていません。

鱗模様が見えない百舌鳥太郎♂のお腹
鱗模様が見えない百舌鳥太郎♂のお腹


 お腹に鱗模様があるのは、メスのモズです。

胸の辺りに鱗模様が見える百舌鳥太郎の奥さん2010♀
胸の辺りに鱗模様が見える百舌鳥太郎の奥さん2010♀
眼のところの線が薄いのでメスです。



大阪のモズと埼玉のモズ


 番組のモズは埼玉(さいたま)県の武蔵野(むさしの)のモズ。

 もしかすると、大阪のモズとは(しゅ)がちがうとまではいかなくても、亜種(あしゅ)くらいのちがいがあるのでしょうか。

 謎です。




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お茶の実の季節はじまりました。〈お茶栽培日記〉


 お茶の花が咲き、冷え込んできました。

 ということでお茶の実の季節です。

 開花からなんと1年。じっくりと熟した果皮が割れて、なかから丸い実が転がり出ます。

 お茶の実は乾燥に弱く、地面の上に転がったまま時間がたってしまうと芽が出ません。
 実際、今までも年を越してから集めた実はたいてい芽が出ません。
 しかし落ちたところをすぐ集めた実の発芽率は決して低くありません。

 ということで、今頃の季節はお茶の木の下を毎日チェック。
 落ちていた実や果皮が割れている実を集めます。

この冬のお茶の実
この冬のお茶の実



 実はとりあえず植木鉢に入れた土の中に埋めて、植物を育てているように土が乾かないようにときどき水をやります。

 桜が咲き始めることにはもう根を伸ばし始めまていすので、それよりも早めにちゃんとしたところに実を埋めなおせば、とりあえず大丈夫。
 もちろんすでにお茶を育てる場所が決まっているのなら、最初からそこに埋めるのが一番でしょう。
 実の乾燥にさえを気をつけていれば発芽率は悪くないと思います。
 もっとも、水のやりすぎもよくないでしょうから、土が乾かない程度がいいでしょう。


 今年の春に芽を出したお茶は、忙しくて土の用意ができなかったので、生長はいまひとつ。
 さらに植木鉢で育てたので夏の水の管理が難しく、思うように育ちませんでした。
 なかなか苦戦しています。

 ということで、この冬の実にはちゃんと土を用意して、水の管理のしやすい大き目のプランターにしようなかと思っています。


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