【 2010年08月】

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夏の金剛山で出会ったいきものたち ダイヤモンドトレール編

今回は山の生き物の記事です。
の画像もあります。
が苦手な方は【記事の下へ】をクリックしてください。
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ダイヤモンドトレールをゆく


金剛山山頂のバス停?
金剛山山頂のバス停?

 千早(ちはや)本道から無事金剛山(こんごうざん)登頂に成功したので、今度は下山。もちろんロープウエイは使いません。
 下るのは伏見(ふしみ)峠の道。そこまでは尾根伝いに歩いていきます。

 途中、葛木神社(かつらぎじんじゃ)転法輪寺(てんぽうりんじ)の社寺や、ちはや園地やちはや星と自然のミュージアムのような観光施設、そして宿泊できる香楠荘(こうなんそう)などいろいろな施設が並んでいます。

 山頂から伏見峠まではいくつか道がありますが、その一つがダイヤモンドトレール。
 大阪と奈良・和歌山の府県境にまたがる山々の尾根伝いにつながる全長約50kmの道。

 もちろん歩くのはその中のほんのわずかな区間です。


シダ


 山頂広場の木にシダ(羊歯)が着生していました。
 平地なら間違いなくノキシノブなのですが、葉の裏のツブツブがないので違う種類のようです。

木に着生している金剛山のシダ
木に着生している金剛山のシダ




使徒襲来!? いやいやザトウムシ?


 同じく山頂広場にいた脚の長いクモ……
 にしてはなんかヘンです。

 クモは頭と胸が一緒になって脚が生えた頭胸部(とうきょうぶ)と腹部でできていますが、この虫は丸い体全体から脚が生えているように見えます。
 脚が4本なのでクモの仲間のようですが。

 どうやらこの奇妙なクモはザトウムシ(座頭虫)のようです。

 アニメをよく見る方は何となくどこかで見たことがあるような気がするかもしれません。

 丸い体から四方八方へ長い足が伸びている姿は、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(TV版)の第9使徒マトリエルそっくりです。
 ザトウムシをモチーフのデザインをしたと言われています。

 ともかく得体のしれない怪生物のように見慣れぬすごい形をしている虫、かもしれません。

 ザトウムシはクモ綱ザトウムシ目ということで、クモには近い仲間のようです。
 確かにちょっと違和感を感じるクモといった様な姿です。

金剛山のザトウムシ
金剛山のザトウムシ





ブナの林


 金剛山山頂付近というと、ブナ(山毛欅)の林が有名です。

 ブナ林というと東北を中心とする東日本や中部日本の山岳部が有名ですが、近畿ではなかなか目にすることはありません。
 そんな中でかろうじてブナ林が残っているところの一つが、この金剛山山頂付近です。

 高く伸び、葉を茂らせているブナ林の様子はまるでジャングルです。

 幹には多く生き物が着生しています。
 地衣類(ちいるい)蘚苔類(せんたいるい)(コケ)、シダ類。

 木に地衣類がつくと枯れてしまうという人がいますが、そんなことを一気に否定していまうほど、ブナ林は茂っています。

 ブナ林は地衣類から哺乳類まで幅広い生き物たちに食料や住処を提供している豊かな森の象徴のようなところです。

金剛山のブナの大木
金剛山のブナの大木




菌糸束?


 道端の朽ち果てた倒木に何やら白い紐のようなものがからみついていました。
 カビのようにも見えますが、ちょっと太すぎます。

 これはおそらく菌糸束(きんしそく)でしょう。
 菌類、つまりキノコが育つために栄養を求めて張り巡らせた菌糸の束です。

 こういうキノコたちのおかげで、命を終えた木が分解され、また新たな命を支える栄養になるのです。

倒木を這う金剛山の菌糸束?
倒木を這う金剛山の菌糸束?




ホタル??


 道端のシダに何か虫が飛んできました。
 なんか(ほたる)のようです。
 昼間なのに活発に活動する蛍。

 しかしよく見るとなんか違和感を感じます。
 なんか偽物っぽい感じがしてなりません。

 蛍の中には毒を持つものがあり、そのため昆虫が身を守るために蛍に似せた擬態(ぎたい)をしている例がいくつかあります。

 毒を持つ虫に擬態する例をベイツ型擬態といいいいます。
 そいう虫でしょうか。
 なら逆説的にいえば毒がないはずですから、そういう意味では安全です。

 でも擬態には毒を持つ生き物がお互いを似せてしまうミュラー型擬態というのもありますので、擬態しているから毒がなという保証にはなりません。

 とにかく写真だけとって調べてみたら、なんと蛍でした。
 その名オオオバボタル(大姥蛍)。
 昼間活動するあまり光らないホタルです。
 そして幼虫は陸上で生活します。

 やっぱりゲンジボタルやヘイケボタルとはちょっと違う蛍のようです。

シダの上の金剛山のオオオバボタル
シダの上の金剛山のオオオバボタル




地衣類


 標高1000mの山の上ということだからでしょうか、都市部には生えない地衣類がありました。
 基本的に天然の土地ということだからでしょうか。高野山ほど多くは目にしません。

金剛山のセンシゴケ(ウメノキゴケ科)?
金剛山のセンシゴケ(ウメノキゴケ科)?



金剛山のヤリノホゴケ(多分)
金剛山のヤリノホゴケ(多分)




声はすれども姿は……ウグイス


 山の中は野鳥を見るのにはあまりいい環境ではありません。
 行動が制限され、障害物が多いからです。

 よくウグイスの声を聞いていたのですが、なかなか姿を見ることはできません。
 そんな中でやっと写すことができたウグイス、のおしり。

金剛山のウグイスのおしり
金剛山のウグイスのおしり




植物


 山頂から登山道まで、いたるところでホタルブクロ(蛍袋)が咲いています。
 今が花の季節なのでしょう。

金剛山のホタルブクロ
金剛山のホタルブクロ




 ギンリョウソウ(銀竜草)はいたるところというわけではありませんが、たまに目にします。
 いろいろな人口の施設がありながらもまだ豊かな森があることの証でしょうか。

金剛山のギンリョウソウ
金剛山のギンリョウソウ




 展望台へ向かう道の途中、なんとドクダミが生えていました。
 都市部でも生きていける結構タフな植物だと思っていたのですが、このような山で見られるとはなんか意外です。

金剛山のドクダミ
金剛山のドクダミ




大和二山?


 展望台からは奈良の大和三山(やまとさんざん)が見えます。
 大和三山とは、平坦な奈良盆地の南にあるきれいな円錐形の、香具山(かぐやま)畝傍山(うねびやま)耳成山(みみなしやま)の三つの山です。

 この角度では香具山がちょっと離れてしまいますので、畝傍山と耳成山の大和二山をアップで写しました。

展望台から見た畝傍山(手前)と耳成山(奥)の大和二山
展望台から見た畝傍山(手前)と耳成山(奥)の大和二山




 そして、伏見峠に到着。
 ダイヤモンドトレールとわかれて下山です。


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タグ: 金剛山ザトウムシブナオオオバボタルホタルブクロギンリョウソウドクダミダイヤモンドトレール夏の金剛山陸棲ホタル

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ヤンマ&ヤンマ? 大泉緑地の大泉池の大きなトンボ

今回はトンボの記事です。
トンボの画像もあります。
トンボが苦手な方は【記事の下へ】をクリックしてください。
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 大阪の堺市にある大泉緑地の大泉池のまわりにはいっぱいトンボが飛んでいました。

 その大きさや早さからヤンマの一種ではないかと思いますが、ヤンマらしくまったくとまってくれません。
 いつも目の前をすごいスピードで飛んでいきます。

ものすごいスピードで飛び回っている大泉緑地の大きなトンボ
ものすごいスピードで飛び回っている大泉緑地の大きなトンボ


 デジカメで写そうと思うのですが、飛んでいる虫を種類がわかるほどの大きさで写すのは結構、というかかなり大変です。

 カメラの設定を変えながら何度も挑戦しましたが、きれいに映っているものは1枚もありません。
 トンボだというのがわかるのはいいほうで、何がなんだからわからないものやトンボが写っていないものがほとんどです。

 それでもなんとかトンボだとわかるもの数枚を見てみると、きれいな黄緑色の体で胸と腹の境きれいな水色があります。

 このふたつがポイントです。
 ギンヤンマに違いありません。

ギンヤンマと思われる大泉緑地の大きなトンボ
ギンヤンマと思われる大泉緑地の大きなトンボ



 そして別の場所。

 今度は木の枝の先にヤンマのような大きなトンボが止まっています。
 逆光になってしまうので細かい模様などはわかりません。
 でも、今度はじっとしてくれるのでいろいろな角度で写真を撮ることができました。

 拡大して確認してみると、黒地に黄色というか、黄色地に黒というか、とにかくこの2色の網目模様をもった大きなトンボです。

 ということで、これはオニヤンマ! と思ったのですが、一つ気になるところがあります。

 尻尾の先が膨らんでいるのです。
 というか、尻尾の先に半円形のものが付いているという感じです。
 ということは、これはウチワヤンマ?

 どうやらそのようです。

 調べてみると、ウチワヤンマはギンヤンマのようなヤンマ科ではなく、サナエトンボ科。
 サナエトンボの仲間は木とか草によくとまることがあるそうです。

 ヤンマなのにじっと木の枝に止まっているのは珍しいな、と思ったのですが、ヤンマ科ではなくサナエトンボ科だったからでしょう。たぶん。

ウチワヤンマと思われる大泉緑地の大きなトンボ
ウチワヤンマと思われる大泉緑地の大きなトンボ



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い~い砂だな スズメの砂あび



砂の上きもちいいな~
砂の上きもちいいな~




 スズメが砂浴びしています。

 体についた寄生虫を落とすためとかいわれていますが、よくわかりません。

 理由はどうであれ、気持ちよさそうです。



砂浴びきもちいいな~
砂浴びきもちいいな~




 写真はおなじみ長居(ながい)植物園。入り口を入ってまっすぐ、大池の手前にある植え込みの根元。

 乾いた砂が好きなスズメは、こういう雑草が生えていない植え込みのある辺りや、砂場をよく選びます。



頭も砂の中~
頭も砂の中~




 もし砂に意味不明のお茶碗くらいの丸い凹みがあったら、スズメの砂浴び場かもしれません。



植え込みの土の上の意味不明のお茶碗くらいの丸い凹み
植え込みの土の上の意味不明のお茶碗くらいの丸い凹み




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トウカイコモウセンゴケを増やしてみよう! その1 ちっちゃなねとねと葉っぱ


 去年2鉢買った小さなモウセンゴケ。
 その小さく丸く葉が広がるトウカイコモウセンゴケ(東海小毛氈苔)はお気に入りです。


 1鉢は冬越しに失敗したのか春に枯れてしまいました。
 残り1鉢ではそれが枯れたらトウカイコモウセンゴケが無くなってしまうのでもう少し増やしたいと思っていました。

 いろいろ調べてみると、モウセンゴケの殖やし方は実で増やす実生(みしょう)と、葉をさして育てる葉挿(はさ)しの二通りあるようです。

 トウカイコモウセンゴケがどちらに合うのかわかりませんが、まずはすぐにはじめられる葉挿しをしてみることにしました。
 ただ、モウセンゴケの場合は土に挿さずに、よく水を含んだミズゴケの上に置くだけですので、「置き葉」といったほうがいいかもしれませんが。


腐葉土にわいた小バエを食べてくれるトウカイコモウセンゴケ
腐葉土にわいた小バエを食べてくれるトウカイコモウセンゴケ




 観察日記には3種類の葉挿しを並べて書いています。
 それぞれべつの日に切り取ったものですが、葉挿ししてから成長していく様子を比較できるように、時間経過をそろえて書きました。






初日


 葉挿しにするためモウセンゴケの葉を切り取りました。
 どの葉を選ぶのかというのは問題です。

 あまり若すぎず、かと言って元気のないものでもなく、1回くらいは虫を捕まえたことがありそな真ん中くらいのところから切り取りました。

 最初に切りとったのをA、次をBとします。
 その後に試験的に小粒鹿沼土(かぬまつち)100%を用土にしたのがCです。


初日のA
初日のA




 小さな苗用のポットに水を含ませたミズゴケを詰めてから上に切り離したモウセンゴケの葉を置きます。
 毎日たっぷりと水をやり、ポットの下の受け皿に十分な量の水をため(腰水)、ミズゴケが乾かないようにしました。

 ポットを置いたところはあまり直射日光があたらないけど明るいところ。
 Cも用土が鹿沼土ということ以外は同じ条件です。

 最初は緑色だった葉もしだいに赤くなり元気がなくなってきているのがわかります。
 本当に芽が出るのかと半信半疑のまま時間が過ぎて行きました。


26日目


B.小さいイボのようなものが葉のなんかなあたりに数箇所できているのを発見。


小さな芽が現れた26日目のB
小さな芽が現れた26日目のB




31日目


C.葉が赤くなってきたのでもうだめかと思っていたのですが、柄のところに小さなこぶができました。
 ミズゴケでなくて鹿沼土(かぬまつち)でもいけるのかもしれません。


鹿沼土でも小さな芽ができた31日目のC
鹿沼土でも小さな芽ができた31日目のC




34日目


A.葉の柄のところ小さな何かができているのを発見。植物の芽のようです。

B.イボは小さいながらもモウセンゴケの形になっています。


葉の上に小さなモウセンゴケができた34日目のB
葉の上に小さなモウセンゴケができた34日目のB




41日目


A.小さな芽が枯れてしまいました。葉も半分くらい枯れているのでその影響でしょう。

B.葉に生えた小さなモウセンゴケの葉にはねばねばもついていて、大きさ以外はもう立派なモウセンゴケのようです。


見た目は完全にモウセンゴケになった41日目のB
見た目は完全にモウセンゴケになった41日目のB




 しかし不思議なことにこの状態になってもまだ根がありません。。
 トウカイコモウセンゴケはハエトリグサと同じように1株に根はあっても1本か2本、根毛も無くひょろひょろと伸びるだけですので、もともと根が吸い上げる水は当てにしていないのでしょう。
 ということは、葉全体で水を吸収するのにちがいありません。


結構育っているように見えてもまだ根が無い41日目のBの裏
結構育っているように見えてもまだ根が無い41日目のBの裏




48日目


A.小さな芽だけでなく元の葉自体が半分以上枯れたのでもうだめでしょう。

B.元になった葉が見えないほど小さなねとねと葉っぱを広げていますが、ものすごく小さいまま、普通の大きさの葉を広げるようになるのはまだまだ時間がかかりそうです。
 この小さなモウセンゴケがどれくらい大きくなるのか楽しみですが、まだ根もないこんな小さな葉がちゃんと成長してくれるのとても心配です。


小さなねとねと葉っぱをいっぱい広げた48日目のB
小さなねとねと葉っぱをいっぱい広げた48日目のB





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タグ: トウカイコモウセンゴケモウセンゴケ食虫植物

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超巨大ダンゴムシならぬ超巨大ワラジムシ? ナンダーランド

今回はダンゴムシの仲間の記事です。
ダンゴムシの仲間の画像もあります。
ダンゴムシの仲間が苦手な方は【記事の下へ】をクリックしてください。
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背中は大きなダンゴムシのダイオウグソクムシの標本[ナンダーランド]
背中は大きなダンゴムシの
ダイオウグソクムシの標本
[ナンダーランド]

もっと大きなダンゴムシを


 いろいろなふしぎを集めた大阪夏のイベントナンダーランド。

 深海のふしぎのコーナーではオオグソクムシが生きたまま展示されていました。

 大きさが10cmを超える水中大ダンゴムシ。

 でもそんなに大きいダンゴムシがあるのなら、もっと大きいダンゴムシが見たくなるのが人間です。


超深海ダンゴムシ


 その人間の欲望を神が聞き届けたのか、もっと大きななダンゴムシがいました。
 その名はダイオウグソクムシ。オオグソクムシよりもさらに大きい深海ダンゴムシです。

 しかし、残念ながら生きたまま展示はされていません。
 そう、生きたままは。

 つまり、標本の展示はされています。

ワラジムシの足にエビの尻尾のダイオウグソクムシ[ナンダーランド]
ワラジムシの足にエビの尻尾の
ダイオウグソクムシ
[ナンダーランド]

丸くなれ?


 オオグソクムシの水槽の隣。
 透明の保存液の中につかっています。

 それも2体用意されていて、背中と腹を見ることができます。

 とても近い種類のオオグソクムシと本当んよく似ています。
 それから同じ等脚類のダンゴムシとも似ています。
 何本もの脚がおなかから下に伸び、関節で真横に曲がる様子もそっくりです。

 生物としていろいろちがいはあるのでちょっと見ただけでは、そのままオオグソクムシを大きくしたようです。


どこかにいるかも?


 体の構造からするとダンゴムシのように真ん丸にはならないと思いますが、新しい生き物がどんどん見つかる深海です。

 真ん丸になる大きなグソクムシもどこかにいるかもしれません。

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カナブンがぶんぶん集まる木


「ぶんぶんぶん」


 多丘公園(おおおかこうえん)の森の中の道を歩いていると「ぶんぶんぶん」という(はね)の音が聞こえてきました。

 どうやらあたりを虫が飛んでいるようです。
 しかもハエなどよりもかなり大きいそれなりの重さのある虫です。

 まさかハチ、しかもスズメバチ?!
 それが群れ飛んでいる?

 背筋に冷汗が流れる――ような感じがしました。

 スズメバチは、毒針で刺されると死ぬこともある恐ろしい昆虫です。


この記事にはの画像があります。






「金蚊」


 しかし羽音を聞いているとスズメバチよりもさらに重いような気がします。

 ふと木を見上げると、羽音の主が群れていました。木の幹に。
 それはカナブン(金蚊)。
 関西地方では「ぶいぶい」と呼ばれることもある甲虫です。
 その名の通り「ぶいぶいぶい」と集まってきます。
 樹液を吸いにきているのでしょう。

樹液を吸いに集まっているカナブン
樹液を吸いに集まっているカナブン


 葉の形からすると、コナラ(小楢)でしょうか。
 虫が大好きな樹液を出す木の一つで、日本の温帯地域では平野から山地まで人の住んでいるところではよく植えられていた木です。


量で勝つ? 昼間で勝つ?


 無数のカナブンが限られた樹液の出てくる場所を奪い合っています。

 カブトムシやクワガタムシよりも小さい体ですが、相手も同じ大きさ。場所の取り合いです。
 「ガリガリ」「バリバリ」とケンカしている音が聞こえてきます。

 見ている間にもあちこちからカナブンが飛んできます。

 よく見ると、ほかの場所にも数匹群がっています。数が少ないので樹液の出がよくないのでしょうか。

 よく見るとクワガタもいます。

樹液を吸っているクワガタムシのおしり
樹液を吸っているクワガタムシのおしり


 さすがのクワガタもカナブンの数に勝てないのか、それとも昼間なので元気がないか。
 おとなしく樹液を吸っているようです。

大アゴ内側のキバが頭よりにあるので多分ヒラタクワガタ
大アゴ内側のキバが頭よりにあるので多分ヒラタクワガタ



退散


 これだけ樹液が出てくるのなら、夜になるとカブトやクワガタの樹液レストランになるのでしょう。

 コナラなどの樹液が好きな昆虫はカナブンやクワガタムシ、カブトムシだけでなく、チョウやハチ、しかもスズメバチもいます。

 ということで、恐ろしいスズメバチがやってくる前に退散しました。



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タグ: カナブン多丘公園ヒラタクワガタコナラクワガタムシ

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季節はずれで咲いてます。藤の花


緑の葉の中で咲いている一房の藤の花
緑の葉の中で咲いている一房の藤の花


 藤が咲いています。
 もう立秋だというのに。

 毎年ゴールデンウイークごろに咲く藤です。
 今年もその頃咲いていました。

 毎年今頃咲いていたかは、わかりません。
 まったく意識していませんでした。

 でも、連日真夏日を記録している今、咲いています。



 謎です。


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タグ: 夏の花紫色の花

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カブトエビも大きくなりました。そしていろいろありました。 エビ伝説

今回はカブトエビの記事です。
カブトエビの画像もあります。
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6日目


 2匹いたホウネンエビが1匹になりました。
 跡形もありません。
 魚のように水から飛び出したとは思えません。

 考えられるのはひとつ。

 カブトエビが食べたのです。
 カブトエビは雑食性。共食(ともぐ)いもします。

 しかし捕食に適したハサミも大アゴももっていませんので、おなかに並んでいる食溝に偶然捕らえられてしまったのかもしれません。

 運の悪いホウネンエビです。

生き残ったホウネンエビ
生き残ったホウネンエビ




10日目


 最後に残ったホウネンエビもいなくなりました。
 きっとカブトエビに食べられてのでしょう。

いなくなる数時間前のホウネンエビ
いなくなる数時間前のホウネンエビ



 狭くて小さな水槽です。
 食べられてしまう確率も小さくないと思います。

 ホウネンエビも同じように雑食かもしれませんが、体が大きくなる速度が圧倒的にカブトエビのほうが早く、さらに防御用と思える甲羅がありますのでホウネンエビが一方的に食べられるばかりにちがいありません。
 これも自然の摂理です。

 どことなくアノマロカリスとオパビニアを足して2で割ったような姿をしているだけにもうちょっと育ってくれるのかと思っていました。
 早い段階で別の水槽に移すべきでした。

 残念です。

エサを食べるカブトエビ
エサを食べるカブトエビ
このお腹の中央にある食溝でホウネンエビを捕まえた?




13日目


 とうとうカブトエビの卵を確認しました。なぜか小さいほうです。
 といってもまだ産卵はしていません。

 名前の由来となったと思われる甲羅の終わりあたりの団扇のような鰓脚(さいきゃく)に小さな白い粒がいっぱい入っています。

卵を鰓脚に持ったカブトエビ
卵を鰓脚に持ったカブトエビ



 これから注意して、卵を産んだらすぐ別の水槽に移さなければなりなりません。
 ホウネンエビですら食べるのですから自分の卵も食べてしまうでしょう。きっと。


 そんなこんなで、2匹のカブトエビだけは今も元気です。

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