【 2010年03月】

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みつまたの花 さいてました


大阪府の公園


 大阪府営の公園のページがあります。

 どこに行けばどの植物が見れるのかとか、花のシーズンはいつかとか、調べるのに使っています。

 それで、ある公園でミツマタの花が咲いているという記事を目にしました。


ミツマタ


 「ミツマタ」は漢字では「三椏」と書きます。
 何かわからなくてもなんか聞いたことがあるように感じる人も多いかもしれません。

 「コウゾ・ミツマタ」と言えば、思い出す人も増えるでしょう。
 多分、学校の社会の授業で一度は聞いたことがある名前だと思います。
 「コウゾ」は漢字で「楮」と書き、ミツマタともに日本の伝統的な紙、和紙の原料となる木です。

 ということでミツマタの花を見に公園へ行ってきました。


ミツマタの黄色い花

錦織公園の迷路


 ミツマタの花が咲いている公園は錦織(にしこおり)公園。大阪南部の山側、いわゆる南河内(みなみかわち)地方の富田林(とんだばやし)市にある公園です。

 この公園はもとからあった山林をそのまま使っているようなところで、駅からも遠く不便なところにあります。
 しかし植林して作られた大阪城公園などとちがい、大阪南部の山林の植生をかなり残しているようです。

 園内には舗装された太い道がいくつもあるものの、起伏の激しい地形に細い山道が縦横に走っていて、遭難しそうなほど迷路になっています。


ミツマタの黄色くまるい花


 そんな公園の中、河内(かわち)地方の農家を再現した「河内の里」の一角にミツマタは植えられていました。

 まだ葉がでていない枝の先が、名前の由来になったといわれるように三つに枝分かれして、それぞれの先に黄色い小さい花が、まるでくす玉のように丸くなっています。

三つに分かれた枝先のミツマタの花
三つに分かれた枝先のミツマタの花


 色も黄色に若干白が混ざっているような、ほんのちょっとだけパステル調の黄色。決して鮮やかでも派手でもありません。

 でも、細く枝分かれした先につく黄色い小さい花でできたくす玉。
 とてもきれいだと思います。

ミツマタの黄色いくす玉
ミツマタの黄色いくす玉



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タグ: ミツマタ錦織公園春の花黄色い花

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桃の花とミツバチ〈大阪城公園 桃園〉

今回はミツバチの記事です。
ミツバチの画像もあります。
ミツバチが苦手な方は【記事の下へ】をクリックしてください。
記事の下にジャンプします。



大阪城の桃の花


 そろそろ桜が咲き始めた大阪城公園。

 桜の前には桃の花が咲きます。
 大阪城公園の北側の北外堀と寝屋川(ねやがわ)第二寝屋川(だいにねやがわ)に挟まれたところに桃園(とうえん)があります。

 十日ほど前の桃園です。
 もうハチが飛び回っていました。
 きっと冬眠していたはたらきバチが暖かくなって動き始めたのでしょう。

関白(花桃)とミツバチ
関白(花桃)とミツバチ




二つのミツバチ


 日本には大きく分けて2種類のミツバチがいます。

 一つはセイヨウミツバチ。
 名前のようにヨーロッパのミツバチで、花の蜜を集めるために明治時代に日本に持ち込まれました。

 もう一つはニホンミツバチ。
 名前の通り日本に昔からいるミツバチです。

 ニホンミツバチも蜂蜜を採るのに使われていましたが、セイヨウミツバチの方が大量に蜜を集めるということで、今ではほとんど使われなくなったそうです。

 ということは、桃の花にいるミツバチはセイヨウミツバチでしょうか。

寒緋(花桃)とミツバチ
寒緋(花桃)とミツバチ




どっちのミツバチ?


 まちがいなく日本にいるミツバチはセイヨウミツバチの方が多いでしょう。
 でもセイヨウミツバチは人間に管理されている虫の家畜です。
 それにヨーロッパにはミツバチの天敵のスズメバチがいないため、対スズメバチの戦術がなく巣が襲われると全滅することもあります。

 そういうわけで、あまり野生化していないそうです。

 そしてミツバチを見かけたのは、人が多くて花が少ない都市の真っ只中。
 どう考えても養蜂業者(ようほうぎょうしゃ)が近くにいるとは思えません。

 となると、ニホンミツバチでしょうか。

 大阪城公園にはニホンミツバチが生きていける程度の自然は残っていそうです。


セイヨウミツバチとニホンミツバチのちがいは?


 セイヨウミツバチとニホンミツバチのちがいは何でしょうか。

 その第一は腹の色のようです。
 セイヨウミツバチは黄色く、ニホンミツバチは黒っぽい。

 と書かれているブログやホームページは多いのですが、わかりやすく写真が並んでいるのはなかなか見つかりません。

 しかたないのでいろいろなページの画像を見比べてみると、ハチの腹の最初のほうが黄色なのがセイヨウミツバチ。
 黒いのがニホンミツバチのようです。

 ということは、大阪城公園桃園を飛び回っていたミツバチは、ニホンミツバチのようです。

矢口(花桃)とニホンミツバチ(多分)
矢口(花桃)とニホンミツバチ(多分)



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タグ: ミツバチニホンミツバチ寒緋(桃)関白(桃)矢口(桃)大阪城公園ハチ

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沖縄のツツジ 台湾のツツジ 日本のツツジ

平戸躑躅


 ヒラドツツジ。

 漢字で書くと平戸躑躅(ひらどつつじ)
 見たとおり、長崎県の平戸(ひらど)のツツジだそうです。

 江戸時代の初期、長崎の平戸にはオランダやイギリスの商館が置かれ外国に開かれた数少ない港として栄えました。

 ツツジは北半球に分布していて日本特産というわけではないのですが、日本には多くの野生種があります。
 それだけ身近で多様性があるからでしょうか、江戸時代には多くの園芸種が作り出されました。

沖縄のヒラドツツジ(提供:Yaraさん)
沖縄のヒラドツツジ(提供:Yaraさん)




誕生、平戸躑躅


 もちろん平戸でも多くのツツジが栽培されていたそうです。

 そのような状態で沖縄原産のケラマツツジや台湾原産のタイワンヤマツツジ、そして日本本土のモチツツジなどが自然交配(しぜんこうはい)し、生まれたのがヒラドツツジだといわれています。

 日本のツツジと沖縄、台湾のツツジの特徴が受け継がれるツツジが生まれたのは、鎖国時代に外国に開かれていた平戸らしいことだ思います。


沖縄でもへっちゃら


 沖縄と台湾。南国のツツジの遺伝子を持つからでしょうか、ヒラドツツジは現在の沖縄でよく植えられるツツジの一つだそうです。

 ツツジを市区町村の花にしている自治体は北は北海道から南は沖縄まで数えきれないほどあります。

 日本の花というと桜のイメージがありますが、日本中に生えているツツジも十分日本の花だと思います。


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タグ: ヒラドツツジツツジ平戸沖縄モチツツジ

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モズはおしどり?


モズとオシドリ


モズ(鵙、百舌鳥、百舌)
 鳥綱 スズメ目 モズ科 モズ属

オシドリ(鴛鴦)
 鳥綱 カモ目 カモ科 オシドリ属


 見てのとおりモズとオシドリの間には「鳥」以外はまったくちがう種類の鳥です。

 では、なぜモズがおしどりなのでしょうか。


おしどりでないオシドリ


 ヒントは、「オシドリ」ではなく「おしどり」です。

 「おしどり」とは仲のよい状態を表すことばで、たとえば仲のよい夫婦に対して「おしどり夫婦」などと使われます。

 オシドリは一度つがいになると、同じベアで一生添い遂げるため、仲がよいことを表す言葉に使われるようになりました。

 ところが実際は繁殖期ごとにちがう相手とペアになり、子育てが終わると分かれてしまい、まったく「おしどり」ではありません。


一方モズは


 さて、モズの話です。

 2010年の百舌鳥太郎(もずたろう)ですが、2月初め頃からペアで現れるようになったそうです。
 1羽で一つの縄張を持つモズがこの時期にほかのモズを一緒にいるというのは、つがいにちがいありません。
 そろそろ1回目の子育ての季節です。

 残念ながらまだメスに会っていませんのですべて証言なのですが、なかなかおもしろい話を聞くことができました。

 それは、百舌鳥太郎と一緒にいるモズも投げたエサを食べる、というものです。

百舌鳥太郎夫妻(2009年)
百舌鳥太郎夫妻(2009年)
右上が百舌鳥太郎 左下は百舌鳥太郎妻




重要なポイント


 一見なんでもなさそうですが、重要なポイントです。

 まず、モズは基本的に人間に近寄ってきません。
 人間が近寄ると逃げます。

  1. つまり近寄ってくるのはすでにある程度は人間になれている証拠です。

  2. そこで、ここ4年の百舌鳥太郎妻の状況を書いてみます。

    1年目:百舌鳥太郎妻の姿確認できず。いたかもしれませんがオスメスの区別がつくほど近寄ってこない。
    2年目:1年目と同じ。
    3年目:離れた電線の上から見ている。近寄ると逃げる。投げたエサを食べるときと食べないときがある。
    今 年:近寄ってきて投げたエサを食べる。

結論


 そこで、1と2から導き出される答えは――

 百舌鳥太郎の奥さんはここ3年ほど同じモズかもしれない。
 少なくとも、今年の奥さんは去年の奥さんと同じという可能性は、高い。


 もしかすると、モズはおしどりかもしれません!

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タグ: 百舌鳥太郎モズオシドリ

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寄生と共生と着生と


「寄生」ってなに?


 このブログでも何度か取り上げたことがあるヤドリギは、寄生(きせい)植物です。
 もう少し細かく言えば、半寄生植物です。

 半分だけの寄生植物。

 なんかわかるようなわからないような。

 そもそも「寄生」ってなんでしょうか。


「寄生」とは


 寄生か寄生でないかを厳密に分けることはなかなか難しいようです。
 それでも簡単に言ってしまうと。

 ある生き物がほかの生き物から一方的に栄養などを取ることで、取られるほうは損ばかりで得が無いことです。
 つまり、一方が得しているのに対価を支払っていない状態のことになります。

 ヤドリギは水や栄養を取り付いた木からもらっていますが、その木に何も対価を払っていないので寄生なのですが、緑色の葉を持っていて自分で光合成で栄養を作ることもできるので「半寄生」といわれるのです。



ポプラから生えたヤドリギ
ポプラから生えたヤドリギ



「相利共生」


 それでは、取り付いている生き物が何か対価を支払えばどうなるのでしょうか。
 つまり、どちらも何か得をする、もちつもたれつの関係の場合です。

 たとえばこのブログでも取り上げている地衣類(ちいるい)は一つの生き物ではなく、菌類(きんるい)藻類(そうるい)という二つのいきものが一つになって生きています。
 藻類は自分が作った栄養を菌類に提供し、菌類は藻類の住処を提供します。

 これを相利共生(そうりきょうせい)といいます。

ケヤキの幹についたロウソクゴケ(地衣類)
ケヤキの幹についたロウソクゴケ(地衣類)



木の幹から生えているちがう植物


 そういえば、神社などの大きな木の枝や幹からどう考えてもちがう種類の植物が生えていることがあります。
 ヤドリギのような木ではなく、細長い葉っぱです。

 それはノキシノブというシダの仲間で、もちろんその木とはまったくちがう植物です。

クスノキの幹についたノキシノブ
クスノキの幹についたノキシノブ


 ということはそれは寄生か相利共生のどちらなのでしょうか?

 実はそのどちらでもないと考えられています。


「着生」


 ノキシノブは木に引っ付いていますが、その木から水や栄養をもらっているわけではありません。
 そして木はノキシノブがついて得することはありません。かといってノキシノブのせいで枯れるわけではありません。

 簡単に言えば、ノキシノブが取り付いた木は損も得もしていませんので、寄生でも相利共生でもありません。

 しかしノキシノブは木に取り付くことで生える場所を手に入れました。これを着生(ちゃくせい)といいます。
 そしてノキシノブのような植物を着生植物といいます。

 ちなみに、木の表面についている地衣類は、着生している相利共生の生き物、ということができます。

あいまいですが


 寄生(きせい)相利共生(そうりきょうせい)着生(ちゃくせい)。その境界はあいまいできっちりと分けることはできません。
 しかしこれらは本質はまったくちがうものですので、区別することは大切だと思います。

 多くの生き物を理解していく上で、きっと役に立つことでしょう。



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タグ: 寄生共生相利共生着生ヤドリギロウソクゴケノキシノブ地衣類

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山菜って山の野菜?


「山菜」とは


 「山菜」という言葉はよく使いますが、一体なにをさすのでしょうか?

 事典辞書の類に書かれていることを総合すると、山や野原に自生している植物のうち、食用にされるもののこと、のようです。

 念のために農林水産省のホームページ確認してみましょう。


 残念ながら農林水産省でも林野庁でも「山菜」の定義を見つけることができなかったのですが、「山菜」という言葉はふつうに使われていましたので、国語的な定義でいいのでしょう。

 「山菜」は、「山や野原に自生している食用にされる植物」のことでいいのでしょう。
 「植物」ですので、キノコは含まないようです。菌類ですから。

ポピュラーな山菜のツクシ
ポピュラーな山菜のツクシ

野菜と山菜


 でも、そうなるとタラの芽やフキノトウなどスーパーなどで売っている栽培されているものは「山菜」でしょうか、「野菜」でしょうか。

 見た目も変わらない同じ植物を栽培と自生で分けるのは書くほうも読むほうもややこしそうですし、それほど区別する意味はなさそうです。

 このブログでは基本的に「山菜」として扱われているものは山菜ということにします。
 もともと野生の植物が消費に対応するために栽培されるようになったものも山菜として扱います。
 ポイントは、野生種そのものか極めて近い、ということです。

 野菜は字を見ているといかにも野性っぽい感じがしますが、実は野生種から遠いどころか、多くは野生種がどれかわからないほど人間が変化させたものです。

ポピュラーな山菜のフキノトウ
ポピュラーな山菜のフキノトウ



ご注意を!


 意外と探してみるとそこらへんに生えている雑草のなかにも山菜が多いことに気づきます。
 しかし実は私たちの周りには自生しているものだけでなく植樹されているもや園芸用に栽培されているものも含めて有毒のものが結構あります。
 自生しているものを食べるときには、山菜と有毒の植物をまちがえないように注意をしましょう。

 また、自然のままのように見える場所でも誰か所有者がいます。
 勝手に進入し、勝手に生えている植物を持ち帰ることは犯罪になることもありますので、ご注意ください。

 そのほか、山菜取りのマナーを大切に。


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タグ: 山菜ツクシフキノトウ

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