「地衣類」は「ちいるい」です
あまり聞かない言葉ですが、「ちいるい」は、漢字では「地衣類」と書きます。
漢字を見ても地面と服にかんけいがありそうなことしかわかりません。
結論を先に言うと、服ではありません。いきものです。
でも動物ではありません。植物でもありません。ではなんでしょう?
「地衣類」です。
![まるでしみや汚れのような痂状(かじょう)地衣類ヘリトリゴケ(多分)[高野山]](http://blog-imgs-41.fc2.com/i/k/i/ikimono8000/023101.jpg)
まるでしみや汚れのような
痂状(かじょう)地衣類ヘリトリゴケ(多分)[高野山]カビやキノコ?
地衣類と呼ばれるいきものの基本は
菌類です。
簡単に言うと、カビやキノコの仲間です。
カビやキノコというのは、動物のように動きませんので、植物の仲間と考えられていました。
しかし光合成をしない、つまりは自分で栄養を作り出せない生き物なので、植物とは違ちがう生き物と考えられるようになりました。
![コケの苔類みたいな葉状(ようじょう)地衣類のウメノキゴケ(多分)[高野山]](http://blog-imgs-41.fc2.com/i/k/i/ikimono8000/023102.jpg)
コケの苔類みたいな
葉状(ようじょう)地衣類のウメノキゴケ(多分)[高野山]菌類の食事 地衣類の食事
ではどうやって栄養を得ているのでしょう。
カビやキノコは他の生き物や生き物だったものに取り付いてそれを分解するなどをして栄養をとりこんでいます。
こういうところは食べ物を消化吸収する動物に似ているかもしれません。
しかし同じ菌類であっても地衣類は違うのです。
それは体の中にほかの生き物がいて、その生き物がつくりだした養分をもらっているのです。
その生き物は
藻類。
藻類は光合成によって養分を作り出せます。
そういう点では動物のサンゴにちょっと似ています。
![コケの蘚類みたいな樹状(じゅじょう)地衣類のヤリノホゴケ(多分)[高野山]](http://blog-imgs-41.fc2.com/i/k/i/ikimono8000/023103.jpg)
コケの蘚類みたいな
樹状(じゅじょう)地衣類のヤリノホゴケ(多分)[高野山]コケのようでコケでない
地衣類が住んでいるのは森の中から高い山の岩場に南極まで。
人間以外の多細胞の生き物の中では、もっとも広い範囲に住んでいると言われています。
ということで実は珍しくもなんともない生き物。ただ気にとめていないだけです。
日当たりがちょっとわるい木の幹や、いつも湿っているようなコンクリート上にいるものがよく目につきます。
地面や岩の上などにべったりと広がっている様子から名前に「コケ」と付いているものが多く、確かに見た目もコケと見分けがつかないものも少なくありません。
しかしコケは植物、地衣類とは全然違う生き物です。
実は今までコケと思っていた中にも地衣類はいるのかもしれません。
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