【 2009年04月】

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穀雨。春雨降りて百穀を生化すればなり



雨がかわってきました


 もうすっかり春です。
 桜も終わりました。
 雨も冷たくなくなってきました。

 ということで、穀雨(こくう)です。

咲きはじめた藤の花
咲きはじめた藤の花




「百穀春雨」


 だいたい毎年4月の21日ごろ。
 「百穀春雨(ひゃっこくはるさめ)」といい、農作物が盛んに成長する頃です。

 植物、特に草を育てていると実感できますが、この時期、ひと雨ごとに目立って大きく育つのです。
 冗談でも誇張でもなく、ほんとうです。

 一日雨が降り続くような日、翌日畑にいってみるとびっくり。
 定規で測らなくても、明かに二日前より成長しています。

 その雨が穀雨なのでしょう。


南方? 北方?


 いままで二十四節気(にじゅうしせっき)は南の方、大体長江(ちょうこう)揚子江(ようすこう))付近、日本でいうと鹿児島くらいから南の気候に合わせているような気がすると書いてきました。
 でも、穀雨(こくう)についてはちょっと雰囲気が違います。

 それは「穀」という字です。

 穀物となれば主食になる食べ物のことを指しますが、お米以外にも麦や大豆など幅広い食べ物が含まれます。

 
長江(ちょうこう)
流域から南の主食というとお米ですから、それなら「米雨(べいう)」になるような気がします。


「穀」


 そこで調べてみると、中国語の「(グゥ)」は『穀物』と同時に『(殻をとっていない)(あわ)』という意味があるようです。
 なんか、南方の言葉っぽくありません。

 しかし『(方言として)(いね)(もみ)』の意味もあるそうです。

 その方言がどこの方言かはわかりませんが、「穀=お米」ということもありそうです。

 やはり二十四節気は南方で作られたことの証でしょうか?

 いやいや、結論は早すぎます。


もうすぐ夏


 こくう()の終り頃には日本の童謡にも歌われた「八十八夜(はちじゅうはちや)」がやってきます。
 その八十八夜(はちじゅうはちや)をすぎると、立夏(りっか)。もう夏です。

藤の花にやってきたクマバチ
藤の花にやってきたクマバチ


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タグ: 穀雨二十四節気クマバチ

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清明。万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれるなり


「清明」


 読み方は「せいめい」。毎年だいたい4月5日ごろ。

 「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」の略。

 「清らか」で「明らか」な様ということで「晴明(せいめい)」。
 長い冬が終わり春本番になったことを表す言葉のようです。



 その名の通り春の花が咲き始め、桜の開花や満開の話題が飛びかい、日本の多くの地域ではお花見シーズンになります。
 (こよみ)の上ではすでに春ですが、やっと本格的な春らしさが訪れる時期かもしれません。

 もっとも、沖縄ではもう初夏になりつつあるかもしれませんし、北海道ではまだまだ春は遠いかもしれませんが。



熊本城の不開門の桜
熊本城の不開門(あかずのもん)の桜




「チン ミン ジエ」


 中国では「清明節(チンミンジエ)」と呼び、祖先の墓を(まい)り、掃除(そうじ)する日だそうです。発音は「チン ミン ジエ」。
 また、郊外に出て酒宴(しゅえん)、つまり酒を飲む宴会をおこなう踏青(とうせい/タァチン)の時期だったとか。
 それだけ暖かくなってくる季節ということなのでしょう。

 それ以外にも中国では特別な日のようで、清明節(せいめいせつ)に近い時期に()まれた緑茶は、香りと甘みがあり高級なのだとか。

 ただし、中国の緑茶は日本の緑茶とは作り方がちがいますし、味もちがいます。



熊本城の空堀の桜
熊本城の空堀の桜




「しーみー」


 沖縄県では「清明(せいめい)」を「しーみー」と発音して、中国と同じく墓参(はかまい)りをし、墓の前で親類がそろって食事を楽しむ風習(ふうしゅう)があるそうです。
 これが清明祭(せいめいさい)

 そしてこのの時期に()みとり製茶(せいちゃ)した新茶を特別に清明茶(しーみーちゃ)と呼びます。

 本土では童謡(どうよう)にあるように「八十八夜(はちじゅうはちや)」といってゴールデンウイークのころが新茶(しんちゃ)の季節です。 およそ1ヶ月の差。ほんと、日本は南北に長い国です。

摘むにはまだ早い清明のころのお茶の新芽
摘むにはまだ早い清明のころのお茶の新芽




沖縄のお茶は誰が飲む?


 しかし、この清明茶(しーみーちゃ)は沖縄で作られたお茶ではないのです。

 沖縄でもお茶は栽培(さいばい)されていますが、それは沖縄の人たちが日常的に飲むためではなく、本土へ日本一早い新茶(しんちゃ)を送り出すためのもの。

 沖縄では本土同様伝統的にお茶を飲んでいますが、それは中国産のお茶です。清明茶(しーみーちゃ)もしかり。
 よく飲まれているさんぴん茶は、日本では普通「ジャスミン茶」と呼ばれているお茶で、多くの場合、烏竜茶(うーろんちゃ)をベースに作られたジャスミン茶です。



南の季節


 本土よりも1ヶ月早い新茶(しんちゃ)。それも中国福建省(ふっけんしょう)からのお茶。
 その新茶(しんちゃ)(たっと)習慣(しゅうかん)がある中国と沖縄。

 こういうことろからも、二十四節気(にじゅうしせっき)が南方で作られた気がしてきます。


 ちなみに、有名な陰陽師(おんみょうじ)は「晴明(せいめい)」。ちょっとだけ字がちがいます。


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タグ: 二十四節気清明お茶沖縄中国ソメイヨシノ

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