「清明」
読み方は「せいめい」。毎年だいたい4月5日ごろ。
「
清浄明潔」の略。
「清らか」で「明らか」な様ということで「
晴明せいめい」。
長い冬が終わり春本番になったことを表す言葉のようです。
その名の通り春の花が咲き始め、桜の開花や満開の話題が飛びかい、日本の多くの地域ではお花見シーズンになります。
暦こよみの上ではすでに春ですが、やっと本格的な春らしさが訪れる時期かもしれません。
もっとも、沖縄ではもう初夏になりつつあるかもしれませんし、北海道ではまだまだ春は遠いかもしれませんが。

熊本城の不開門あかずのもんの桜
「チン ミン ジエ」
中国では「
清明節チンミンジエ」と呼び、祖先の墓を
参まいり、
掃除そうじする日だそうです。発音は「チン ミン ジエ」。
また、郊外に出て
酒宴しゅえん、つまり酒を飲む宴会をおこなう
踏青とうせい/タァチンの時期だったとか。
それだけ暖かくなってくる季節ということなのでしょう。
それ以外にも中国では特別な日のようで、
清明節せいめいせつに近い時期に
摘つまれた緑茶は、香りと甘みがあり高級なのだとか。
ただし、中国の緑茶は日本の緑茶とは作り方がちがいますし、味もちがいます。

熊本城の空堀の桜
「しーみー」
沖縄県では「
清明せいめい」を「しーみー」と発音して、中国と同じく
墓参はかまいりをし、墓の前で親類がそろって食事を楽しむ
風習ふうしゅうがあるそうです。
これが
清明祭せいめいさい。
そしてこのの時期に
摘つみとり
製茶せいちゃした新茶を特別に
清明茶しーみーちゃと呼びます。
本土では
童謡どうようにあるように「
八十八夜はちじゅうはちや」といってゴールデンウイークのころが
新茶しんちゃの季節です。 およそ1ヶ月の差。ほんと、日本は南北に長い国です。

摘むにはまだ早い清明のころのお茶の新芽
沖縄のお茶は誰が飲む?
しかし、この
清明茶しーみーちゃは沖縄で作られたお茶ではないのです。
沖縄でもお茶は
栽培さいばいされていますが、それは沖縄の人たちが日常的に飲むためではなく、本土へ日本一早い
新茶しんちゃを送り出すためのもの。
沖縄では本土同様伝統的にお茶を飲んでいますが、それは中国産のお茶です。
清明茶しーみーちゃもしかり。
よく飲まれているさんぴん茶は、日本では普通「ジャスミン茶」と呼ばれているお茶で、多くの場合、
烏竜茶うーろんちゃをベースに作られたジャスミン茶です。
南の季節
本土よりも1ヶ月早い
新茶しんちゃ。それも中国
福建省ふっけんしょうからのお茶。
その
新茶しんちゃを
尊たっとぶ
習慣しゅうかんがある中国と沖縄。
こういうことろからも、
二十四節気にじゅうしせっきが南方で作られた気がしてきます。
ちなみに、有名な
陰陽師おんみょうじは「
晴明せいめい」。ちょっとだけ字がちがいます。
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