【 2009年03月】

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ちょうだい! ちょうだいっ!!


ちょうだいサイン


 鳥のヒナは親から(えさ)をもらうとき、口を大きく開け、羽をバタバタさせて、ピーピーと鳴きます。
 もちろんすべての鳥のヒナがそうするわけではないでしょうが、テレビを見ていても親から(えさ)をもらうヒナはみんなそうしているようです。

 このヒナの「ちょうだいサイン」を見ると親は無性(むしょう)(えさ)をあげたくなるようです。
 ということは、ちょうだいサインが下手(へた)な鳥は、兄弟に(えさ)を取られて生きていけないかもしれません。

 「ちょうだいサイン」は自分で(えさ)をとれないヒナにとっては必要な能力(のうりょく)のようです。

百舌鳥太郎の子(♂)2008のちょうだいサイン
百舌鳥太郎の子(♂)2008
のちょうだいサイン
百舌鳥太郎の子(♀?)2007のちょうだいサイン
百舌鳥太郎の子(♀?)2007
のちょうだいサイン


モズのヒナも


 もちろんモズのヒナもちょうだいサインを出します。
 巣の中のヒナの様子はまだ見たことはありませんが、巣立ち前のヒナがそうしているところは何度も見ています。

 モズはこのブログでも書いているように(えさ)を運んでヒナを育てます。
 それも2羽から3羽育てます。

 兄弟の中で(えさ)をもらっていかないといけないわけですから、モズのヒナにとっても「ちょうだいサイン」は重要な技でしょう。


百舌鳥太郎が……


 かなり()れてきた百舌鳥太郎(もずたろう)は、こちらの姿を見るといつの間に近くにやってきます。時には一歩進んで手を伸ばせば(とど)くようなところにいることもあります。

 ある日、というか最近、百舌鳥太郎(もずたろう)の様子がおかしいのです。

 百舌鳥太郎(もずたろう)はこちらに向かって体を丸くし、羽をばたつかせて口を大きく開けます。
 そして、ピーピーピー!

 ちょうだいサインです。

百舌鳥太郎2009のちょうだいサイン
百舌鳥太郎2009のちょうだいサイン



一体何が?


 もちろん百舌鳥太郎(もずたろう)は何度も子育てをしているいい大人です。
 しかも相手は()みの親どころか育ての親でもなんでもない、そもそもモズどころか鳥ですらない人間です。

 親になったモズは(えさ)は自分で取ります。縄張を持つモズはちょうだいサインをしても近寄ってくれる鳥もいないでしょう。

 でも親鳥のちょうだいサインです。

 ヒナのときのことをおぼえているのでしょうか。


「思い出した」理由


 しかも、百舌鳥太郎(もずたろう)の奥さん? 彼女? もちょうだいサインをするようになりました。
 ただ、彼女はまだまだ近寄れないので、電線の上で誰もいないほうを向いてやっているだけですが。

 百舌鳥太郎(もずたろう)がちょうだいサインを「思い出した」理由も気になりますが、彼女まで思い出した理由も気になります。


ファーブルはかく語りき


 モズは人間のように発想(はっそう)とか推理(すいり)想像(そうぞう)ということはできないでしょうから、何かのきっかけで封印(ふういん)されていたヒナの時の本能(ほんのう)がよみがえってきたのでしょうか。

 ファーブルは虫の「本能(ほんのう)」について、人間が見るととても巧妙に思える行動もきっちりと順番が決まっていて、それを外れてしまうともうやり直すことはできない、といっていましたが、鳥はそうではないようです。

 もちろん脳といえるほどの器官(きかん)が無い昆虫と、立派な脳を持っている鳥と単純に比べることはできませんが。


動物行動学


 このヒナへの逆戻りとも見えるモズの行動は、動物行動学者(どうぶつこうどうがくしゃ)ではないのでよくわかりません。

 でも、事実は事実。

 こうした百舌鳥太郎(もずたろう)の行動は、謎も多いですが楽しみも多くなってきました。


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タグ: 百舌鳥太郎モズ動物行動ファーブルひな

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啓蟄。陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ずればなり



啓蟄です


 春分のおよそ2週間前。毎年3月6日頃です。

 この頃になると、冬眠していた虫が眼をさまし、地中からはい出してくることから啓蟄(けいちつ)と呼ばれます。

 などと本にはよく書いていますが、「啓蟄」という漢字を見ていても、虫が出てくるというイメージが持てません。というか、「蟄」という字は一体何でしょうか。
 「虫」という字が使われているので、虫に関係ありそうですが。

春を待つチョウセンカマキリ?の卵)
春を待つチョウセンカマキリ?の卵




漢和辞典登場!


 そこで漢和辞典を引いてみました。

 :開く。陽の気が開く。

 (かく)れる。(こも)る。

 つなげると、「(こも)っていたモノが隠れ家の扉を開ける」という意味でしょうか。
 「蟄」という字には「虫」が使われているので、虫のことを表わすとすれば、たしかに「啓蟄」です。


中国の「啓蟄」


 それに中国では「啓蟄」という文字を使うのでしょうか。

 日中辞典で調べてみると、中国の啓蟄は「“驚”蟄」でした。ただし「驚」は今の日本の漢字と字形がちがいます。

 中国語の「驚」は日本語の「驚」の意味と同じです。
 そう考えると、「啓蟄」よりももっと意味が離れてしまったようにも感じます。

春を待つシデコブシの芽
春を待つシデコブシの芽




ちょっと早いような


 毎年この季節になると、土の中に冬眠していた虫たちが外へ出てくる。ということですが、それにはまだまだ寒いように感じます。
 歴史的、地理的に日本の南北の真ん中くらいにある京都や東京でも、虫が動き出すような温度とは思えません。
 南の地方で考え出された言葉なのでしょうか。

 確かに北京以前に都があったところの一つ、南京などは日本では鹿児島・宮崎あたりで、なんとなく春が早いなという気もしないではありませんが、それでも虫が活動を始めるのにはちょっと早いような気がします。


謎だらけの啓蟄


 中国で今までの数百年の間、ほとんどの国で首都が置かれた北京は、日本の秋田・岩手と同じくらいの緯度にあります。

 とすると、日本の京都や東京に比べるともっと寒いはずです。
 その土地で作られた暦に、3月の頭に虫が動き始めると書かれているというのは、とても不思議な感じがします。

 謎だらけの啓蟄です。

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タグ: 啓蟄二十四節気

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