【 草花】

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〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

個性的な青紫色の花に思わぬところで出会う かわちぶし

 9月中旬の大阪の低山。
 思わぬところで花と出会いました。
 この山には自生していますし、終わりかけですが花期ですので不思議はありませんが、予想もしていないところでした。

Aconitum grossedentatum

 青紫のおもしろい形の花。
 トリカブト。
 色が少し薄く、花のてっぺんが黄色くなっているので、カワチブシでしょうか。

 カワチブシはトリカブトの仲間で、金剛山で発見されたことが由来。
 金剛山は大阪と奈良の境の山で、大阪の部分が旧国名で河内国になります。
 きっと大阪側でみつかったのでしょう。
 ところが金剛山の固有種というわけではなく、関東から近畿の太平洋岸から四国にかけて分布しているようです。

河内附子

 トリカブトの花の面白いところは個性的な形。
 なんとも表現しづらい形の花は、実は花びらではなく、萼(がく)。
 花びらは萼の中で外からは見えにくくなっています。

 トリカブトはキンポウゲ科。
 キンポウゲ科は萼が花びらのようになっている種類が多いですが、花らしい形をしたものばかり。
 トリカブトはキンポウゲ科の中でも個性的です。

カワチブシ

カワチブシ
河内附子
Aconitum grossedentatum (Nakai) Nakai
キンポウゲ目 キンポウゲ科 トリカブト属
多年草

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タグ: カワチブシトリカブトキンポウゲ科秋の花青い花青紫色の花紫色の花

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theme : 山野草
genre : 趣味・実用

野良百合は場所を選ばないけど、いずれ消える らしい

 ちょうど今頃。
 野山や花壇で咲いてそうなユリが、野良状態で白い花を咲かせています。

 それらは、たぶん、タカサゴユリ。

 台湾の固有種のユリですが、園芸用に栽培され、そこから逃げ出したのが野良百合としてあちこちで咲いています。
 こんなにあちこちで咲いていたら特定外来種に指定されそうですが、今のところはされていません。
 同じ場所で長期間育つことはできず、一時的に増えても数年で消えてしまうそうなので、対象になっていないのかもしれません。

石垣で咲いてた野良百合
タカサゴユリ

 学名はLilium formosanum Wallace。
 命名はアルフレッド・ラッセル・ウォレスさん。
 19世紀から20世紀にかけのてイギリスの博物学者。
 東洋とオーストラリアの間の生物分布の境界のウォレス線の発見者。
 そしてダーウィンさんとは別に生物進化の仕組みを考えたひと。
 マレー諸島で標本採集を行っていたので、そのときに台湾まで来たのでしょうか?

 テッポウユリとの雑種にシンッテポウユリがあり、花被片の外側の赤紫色の部分の有無で区別されます。
 赤紫の筋があればタカサゴユリ、真っ白ならシンテッポウユリ。
 ところが園芸植物として栽培されたためか、赤紫色の濃さにもバリエーションがあり、見た目では簡単に区別できないようです。

赤紫の筋がとても薄いタイプ
高砂百合

濃いの薄いのいろいろ
Lilium formosanum

タカサゴユリ
高砂百合
Lilium formosanum Wallace
単子葉類 ユリ目 ユリ科 ユリ属 テッポウユリ亜属
台湾固有種の多年草

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タグ: タカサゴユリユリ白い花初秋の花外来種

theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

草か木かと言う前に意外な植物 バナナ

 タビビトノキのように木みたいな草。
 身近な植物ではバナナがあります。
 黄色い実を食べるあのバナナです。

咲くやこの花館のバナナ(センナリバナナ)

 熱帯の植物なので身近で生えていることは少ないでしょうが、植物園の温室ではけっこう見かけます。
 種類にもよるでしょうが、見上げる大きさで、大きな葉をいくつもつけています。


 バナナの木ともよばれるほどですが、木ではなく草と言われます。

実がなっていないのでバナナと言っても説得力がないセンナリバナナ

 それだけではありません。
 地面の上にすっくと生えている部分は、茎でも幹でもなく、葉なのです。

 何枚もの葉の柄のような部分が重なって太い幹のように見えているだけ。
 偽茎と言います。
 植物園で展示されていた輪切りになっているバナナの偽茎を見ると、たしかに何枚もの葉が重なっているだけで芯はありません。

咲くやこの花館のバナナの偽茎

 草か木かという以前に、見えてる部分は葉っぱだったのです。

 草か木かと考えるだけで、生き物の想像を超えた多様な姿が見えてきます。

バナナ
甘蕉、実芭蕉
Musa spp.
単子葉類 ショウガ目 バショウ科 バショウ属

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タグ: センナリバナナバナナ単子葉植物咲くやこの花館

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

生き物を育てることの責任ときれいな花

 公園を歩いていると、草刈りからしばらくたった立入禁止のゆるい斜面に突然ピンク色の花が。


 葉は無いか目立たなく、細い花茎の先に6枚の大きな花被片。
 ヒガンバナ科の園芸品種?

 サフランモドキのようです。
 キジカクシ目ヒガンバナ科、中南米の原産で観賞用に栽培されます。
 この場所ではじめて見ましたし、なんか違和感があります。


 24時間出入り自由なため、だけかが勝手に植えたものかもしれません。

 公園管理者を困らせようと思って植えたわけではいないでしょう。
 むしろきれいな花が増えればと、善意だったかもしれません。
 でもそれは植物を育てる責任を放棄していることになります。
 さらに他人に無理やり押しつけていることにも。
 公園デザインの調和は崩れるし、植えられた植物にとってもいい環境ではないかもしれません。
 人工的な環境の維持は、計画的な管理が大切です。

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タグ: サフランモドキヒガンバナ科夏の花ピンク色の花桃色の花

theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

ドラマのキーとなったムジナモを植物園でじっくり見ることができました。

 植物園でムジナモ見てきました。


 ムジナモはナデシコ目モウセンゴケ科ムジナモ属の多年性浮漂植物。
 漢字では貉藻、狢藻。
 学名はAldrovanda vesiculosa L.。
 分類学の祖、カール・フォン・リンネ(L.)さんの命名。
 南北アメリカと南極を除く世界中から見つかっているものの、分布は点々として決して多くはないようです。

京都府産ということは深泥池?

 日本ではじめてムジナモを発見したのが朝ドラらんまんの主人公のモデル、牧野富太郎さん。
 すでにリンネさんに見つかっていたので、学名に「Makino」はついていません。

ドラマにも出てきた牧野さんが描いたムジナモのスケッチの複写

 モウセンゴケ科からもわかるように食虫植物。
 ナデシコ目モウセンゴケ科は食虫植物界でも一大勢力。
 モウセンゴケ属のねとねと葉っぱ系と、ハエトリグサ属の二枚貝型系があります。
 ムジナモはどちらでもないムジナモ属ですが、ハエトリグサと同じ二枚貝型系。
 ただハエトリグサのように湿地に生えるのではなく、水に浮かぶ水草。


 牧野さんに見つけられて百年ちょっと。
 残念なことに日本では野生種がほぼ絶滅状態。
 植物園では見ることができるのに。


 ドラマでは主人公の大発見から大学の出入り禁止につながる大きなポイントになります。
 ドラマは熱狂的なファンも多いようです。
 休日の植物園の牧野富太郎コーナーはさぞかし大勢の人が聖地ととりかこみ、じっくり観察することはできないでしょう。

 と思ったら、だれもいません。
 時々通りかかる人も、少し立ち止まるくらい。
 ここは大阪市の咲くやこの花館。
 地下鉄でアクセスでき、入園者も少なくありません。
 間が悪かったのでしょうか。


 ドラマの主人公の名前は槙野万太郎。
 ものすごく史実に似ていますが、創作。
 ファンの方はムジナモも創作上の架空の植物と思っているのでしょうか。

 ドラマも残すはあと1ヶ月ちょっと。
 牧野富太郎コーナーもドラマに合わせて終了するかもしれません。
 牧野さんが名付けたり見つけたりした植物は身近にもいろいろあります。
 でもわかりやすく実物を見られるのはやっぱり植物園。
 ドラマをきっかけにそういう植物を知ることになれば。
 今ならめずらしい植物をじっくり見られるかもしれません。

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タグ: ムジナモ食虫植物モウセンゴケ科浮漂植物水草咲くやこの花館植物園

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

低山の林床で咲くなんかおもしろい形の花ハグロソウ ここにも牧野さんが

 7月の低山で出会った花。

ハグロソウ

 ハグロソウ。

 膝までもないほどなのに、不似合いな大きな葉。
 その葉にまた不似合いな小さな花。
 花びらは上下に分かれ、間からはメシベとオシベが飛び出ます。
 おもしろい形。

葉黒草

 学名は「Peristrophe japonica (Thumb.) Bremek.」ですが、異名には朝ドラらんまんの主人公のモデル牧野富太郎さんの名前が。
 「Dicliptera japonica (Thunb.) Makino」。
 異名はシノニムと言われ、命名した後にいろいろあって正式な学名にはなれなかったもの、でしょうか。
 牧野さんはツンベルクさん(Thunb.)が命名したときの分類を変えたようですが、現在はブレメカンプさん(Bremek.)の分類に定着したようです。
 牧野さんの命名は1500種以上と言われますが、このように異名となったものも含まれてるのでしょうか。
 どちらでもすごい方です。

Peristrophe japonica

ハグロソウ
葉黒草
Peristrophe japonica (Thumb.) Bremek.
シソ目 キツネノマゴ科 ハグロソウ属
多年草

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タグ: それでも身近な植物の多くは牧野さんではなく、外国人

theme : 山野草
genre : 趣味・実用

タビビトノキ? タビビトノクサ?

 温室が中心の大阪市の植物園、咲くやこの花館。
 温室があるということは、大阪の平野部では育たない植物がたくさん、というかそのような植物が中心の植物園です。

 一年中育つことができる熱帯の植物を集めた熱帯花木室。
 その中でも大きく、まるで扇子のように葉を広げているのがタビビトノキ。
 マダガスカル固有のショウガ目ゴクラクチョウカ科の単子葉植物。

葉を扇子のように広げたタビビトノキ
Ravenala madagascariensis

 木と言いながらも、左右に扇状に広がった葉は草という感じですが、見上げる大きさなのでやっぱり木。
 でも、木じゃなくて草かもしれません。

葉をを広げたところは木には見えません
旅人の木

 木のように大きくなる単子葉植物の幹は、普通の木のようには太くなりません。
 身近な木のような単子葉植物にはヤシやシュロがあります。
 どちらの幹もほとんど同じ太さで伸びています。
 ケヤキやコナラのような双子葉植物、スギやマツなど針葉樹は根元のほうが太く、先の方が細くなっているはずです。
 毎年太くなリ続けるのが木。
 という定義があります。

天井に届きそう
タビビトノキ

 タビビトノキの幹はヤシやシュロのように同じ太さで続いています。
 ということは、木じゃない?
 タビビトノクサ。

幹は同じような太さ

タビビトノキ
旅人の木
Ravenala madagascariensis
単子葉植物綱 ショウガ目 ゴクラクチョウカ科 タビビトノキ属

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タグ: タビビトノキ単子葉植物の木咲くやこの花館植物園植物館

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