そろそろ冬も終わり 最後の霜柱
氷柱や凍った植物と出会ったのと同じ日。
尾根道。
霜柱がありました。

気温が氷点下になったときに地面の水分が徐々に凍って小さな柱になったもの。

東京ではさほど珍しくもない霜柱も、土の質が違う大阪ではなかなか出会えないもの。
冬の低山くらい。

このシーズン、最後の霜柱でしょう。
あたたかくなってきました。


動物や植物など、人間以外のいきものについて、見たこと聞いたこと感じたこととかいろいろと書いています。
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氷柱や凍った植物と出会ったのと同じ日。
尾根道。
霜柱がありました。
気温が氷点下になったときに地面の水分が徐々に凍って小さな柱になったもの。
東京ではさほど珍しくもない霜柱も、土の質が違う大阪ではなかなか出会えないもの。
冬の低山くらい。
このシーズン、最後の霜柱でしょう。
あたたかくなってきました。
久しぶりに行った万博記念公園。
ここにくると寄りたくなるのが、ソラード。
木と同じ高さで森を見ることができる、空中歩道。
突然、森の中にソラードの入り口、木登りタワーが現れます。
1970年に開催された万国博覧会の会場跡地に整備された万博記念公園。
そこに100ヘクタールに260種60万本の樹木が植えられ森がつくられました。
その森の林冠付近をつなぐ通路がソラード。
木登りタワーから空中の通路を歩いていきます。
開園40年を過ぎ作られたソーラードも設置後20年ほどで、多くは林冠の中。
それでも普通は見上げるしかない樹木の葉が迫ってくるのは新鮮。
一方通行ですが、ところどころに階段が設置され、地上に下りることができます。
ソラードが続く方向しか視界が開けず、しかもジグザグなのでまったく先が見えないワクワク感。
小さな吊り橋も。
ほんのちょっとゆれます。
枝が迫ってくるので、プロペラのようなモミジの実が目近に。
年老いた樹木を倒れる前に伐っているようで、ところどころギャップができています。
樹冠が開けたところに大きなユーラシア原産のギンドロ。
ポプラの仲間。
森が割れてソラード終点の展望タワーが現れました。
以前はもうちょっと手前から見えていましたが、森が成長したようです。
展望タワーの高さは19メートル。
林冠のずっと上。
階層状になっているのでいろいろな高さで森を見ることができます。
森の中に消えるソラード。
屋上から千里丘陵が一望。
左手の奇妙な形の建物群は国立民族学博物館。
右手の白いものは太陽の塔。
常緑樹だけでなく、落葉樹もあるので、秋や冬にはまたちがう林冠を見ることができるでしょう。
ただ回廊がせまく、立ち止まってゆっくり観察できるところが少ないのが残念。
もうちょっと観察デッキがほしいな。
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赤いキノコと出会った同じ日、キノコだらけの木がありました。
樹皮からサクラ、おそらくソメイヨシノ。
キノコはシロハカワラタケ?
幹の下の方からキノコは生えていますが、上の方の枝には緑の葉がついているので、まだ枯れてはいません。
でも、幹にキノコが付きはじめているので、遠くない未来に枯れてしまうでしょう。
キノコに覆われた木をどう見るか。
それは立場で変わるでしょう。
木の側から見ると、キノコに木が蝕まれているので、サクラを助けるためにキノコを駆除しなければ。
となるかもしれません。
キノコの側から見ると、朽ちかけた木を土に返すことができる。
となるかもしれません。
人間とは随分ちがいますが、木にも病原菌などから体を守る仕組みがあります。
健康ならば普通キノコは生えません。
弱ってくると、キノコを防げなくなってきます。
キノコで弱ったのか、弱ったのでキノコが生えたのか。
キノコに覆われたサクラのまわりを見てみます。
すぐとなりにはアラカシ。
反対にヤマモモ。
アラカシは幹を伸ばし、上の方で枝を広げてサクラを日陰にしています。
ヤマモモはアラカシほど高くはありませんが、密に枝を伸ばして、まるで壁のようにサクラを圧迫しています。
どういう経緯でこんな狭い範囲に3種類の木が育つことになったのかはわかりません。
ただ、育つためには太陽の光がたくさん欲しいサクラに対して、ちょっとくらい日陰でもガンガン成長していくアラカシとヤマモモ。
この3種が並んで生えていればサクラはアラカシとヤマモモに負けてしまうのは当然。
キノコに覆われたサクラをまわりの木々も含めた「環境」でみると、アラカシとヤマモモに邪魔をされて弱ったところにキノコがやってきた。
ように見えます。
ということは。
サクラについたキノコを駆除するのではなく、もっと前にアラカシとヤマモモの成長を抑える.かべきだったでしょう。
大切なことは、日々木が育っている環境を観察し、悪くなる前に早めに対処すること。
生き物は、樹木だけ、チョウだけ、鳥だけ、と特定の種類だけで生きていることはありません。
もっと多くの生き物、目に見えない生き物も含めて、多数の生き物とそれらを包む環境のもとで複雑な関係を結んで生きています。
キノコに覆われたサクラも、サクラとキノコだけの関係だけではなく、となりのアラカシやヤマモモとの関係の結果、キノコとの関係ができたのかもしれません。
生き物のことを知るためには、広い視野と深い観察と多くの知識のもとに、豊かな想像力を働かせることが必要になる、と感じます。
シロハカワラタケ
白歯瓦茸
Trichaptum elongatum
坦子菌門 ハラタケ綱 タマチョレイタケ目 タマチョレイタケ科 シハイタケ属
タグ: シロハカワラタケ ソメイヨシノ 茸 白いキノコ タマチョレイタケ
theme : 博物学・自然・生き物
genre : 学問・文化・芸術
2021年。
大阪府河内長野市の岩湧山。
1000メートルに満たない低山。
山頂は茅場としてすすきの原が維持されています。
すすきは枯れ、春の刈り取りを待つばかり。
下の方ではまだかろうじて白い毛が生えた実は残っています。
でも、風が吹き抜ける上の方ではみんな飛んでしまい、ふわふわした感じがなくなりちょっと寒々しく見えます。
岩湧山山頂は一年の間に何度も姿を変えます。
次は3月。
茅の刈り取りが始まるまで、すすきが風にゆらぐ姿が見られます。
その後は、山焼きで真っ黒になり、その後すぐわらびやすみれが芽吹きます。
そのころも登れるようになっていてほしいと思います。
2月下旬の岩湧山山頂。
ここは広い茅場になっていて、前に大きな山がないため、南河内地方からは四季を通じてススキの色の変化が目を楽しませてくれます。
毎年4月初旬ころに山焼きが行われます。
それに向けてカヤの収穫が始まっていましたが、茅場は広いのでまだその途中。
虎刈りになっています。
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