【 恐竜と化石爬虫類】

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「恐竜博2016」ティラノサウルスとスピノサウルスの骨からわかることもたくさんあります!〈大阪文化館・天保山〉

 いよいよ大阪会場の閉会が近づいてきました。
 しかも日本最後の開催地ということで、泳ぐスピノサウルスと出会えるのもあとわずか。
 グッズショップでは海洋堂フィギュアのガチャガチャを4種類コンプリートのセット販売もはじめていました。
 もしかしたら、ほかにもお得なセットがあるかもしれませんが、きっと早い者勝ち! でしょう。

 今までスピノサウルスのことばかりだったのですが、大人気のティラノサウルスもいます。
 カナダで見つかった最大のティラノサウルス「スコッティ」。
 大阪会場ではスピノサウルスと同じ部屋、向き合うように展示されていますので、二大肉食恐竜を見比べる事ができます。

大阪港駅から会場までの幟

 概ね同じ“大きさ”の獣脚類肉食恐竜。
 でも片方は陸上を二足歩行し、恐竜を食べる。
 片方は水中を泳ぎ、魚を食べる。
 同じ獣脚類の恐竜ですが、まったくちがう生活を送っています。
 生活のあり方は、動物の姿を決めます。
 ティラノサウルスとスピノサウルスの復元骨格にも生活のちがいが表れているか、くらべてみました。

 まず全体を見ると、T字型に立っているティラノサウルスと、寝そべったような形のスピノサウルス。
 2つの恐竜の生活のちがいをはっきりと表した姿です。

T字立ちのティラノサウルス「スコッティ」


泳ぐスピノサウルス


 全体の雰囲気は、重量級のティラノサウルスと、ちょっと華奢というかスリムなスピノサウルス。
 ということは、ティラノサウルスよりもスピノサウルスのほうが軽いのでしょうか。
 恐竜は大きな体を支えるため骨に空洞を多くして軽量化していますが、スピノサウルスは例外的に骨がつまっています。
 これは水中での行動時間が長い鳥のペンギンや、哺乳類のカバなどに似た特徴。
 これもスピノサウルスが水中で生活していた証拠の一つ。
 ということは、意外と同じくらいの重さか、もしかしたらスピノサウルスのほうが重いかもしれません。

 獣脚類の体重を支える2本の足(後肢)。
 骨盤から大腿骨(ふともも)にその下の脛骨(けいこつ)・腓骨(ひこつ)に指と、足の骨は全体がティラノサウルスのほうが太くて大きい。
 「スコッティ」とちがってスピノサウルスはいろいろな化石の寄せ集めで、足りない部分は近い種類の恐竜の化石を使い、それでも足りないところは予想して作られたもの。
 ですから本当に足が細かったのかと疑ってしまいまそうですが、骨盤と足の骨が一緒に見つかったので、体に対して小さいことがわかっています。

ティラノサウルスの骨盤(左)とスピノサウルスの骨盤(右)
 

 ほかにも人間でいうと足の甲のところにある中足骨(ちゅうそくこつ)。
 獣脚類の恐竜には3本ありますが、ティラノサウルスは3本が一体化し、真ん中だけが細くなっています。
 これは重い体重で二足歩行する恐竜の特徴。
 ところが、スピノサウルスはまとまっていますが、、真ん中はティラノサウルスほど細くはなっていません。

ティラノサウルスの中足骨(左)とスピノサウルスの中足骨(右)
 

 足に対して小さな手(前肢)のティラノサウルスと、足とそれほどかわらない長さのスピノサウルス。
 ティラノサウルスはどう考えても歩くのには使っていたとは思えません。
 それどころか、巨体にこの大きさでは使える用途は限られるでしょう。
 それに対してスピノサウルスは足と手がよく似た大きさなので、水から出たときは四足で歩いていたと考えられます。

ティラノサウルスの手と頭


スピノサウルスの手と頭


 恐竜を最も特徴つける、頭。
 これも圧倒的に大きなティラノサウルス。
 すべての方向に大きく、見るからに頑丈そう。
 スピノサウルスは、長さはそれほど変わらないものの、小さく、特に幅が狭く、先の方へ細くなっていきます。
 口の先まで太いのがティラノサウルス。

 恐竜の頭蓋骨(頭骨)にはいろいろな穴が開いていますが、その一番後ろの穴は顎を動かす筋肉が通る側頭窓(そくとうそう)。
 この穴のおかげで顎を動かす筋肉がたくさんつき、顎を大きく開けられたり噛む力が強くなったりします。
 ティラノサウルスはこの穴が大きいのですが、スピノサウルスはそれほど大きくはありません。
 ティラノサウルスは大きな恐竜の肉を噛み切るため強い力が必要で、スピノサウルスは小さな魚を丸飲みするのでティラノサウルスほど大きい必要はなかったでしょう。

逆B形のティラノサウルスの側頭窓


小さいスピノサウルスの側頭窓


 そしてスピノサウルスの特徴、背中の長い骨。神経棘(しんけいきょく)。
 ティラノサウルスは、特に目立つほど大きくはありません。
 恐竜によっては重い尾が垂れないように支えるため、神経棘を大きくして筋肉をたくさんつけることもあります。
 しかし、人間の身長を超えるような骨をたくさんつけたスピノサウルスは、いくらなんでも全体に筋肉がついていたとは考えられません。
 いろいろな説がありつつも、まだ謎が解けていないところの一つ。

小さいティラノサウルスの神経棘


ものすごく長いスピノサウルスの神経棘


 雌にアピールするためとも言われますが、いくらなんでも大きすぎるでしょう。
 しかもみんな骨。無駄が多すぎるように思います。
 ですから、体温がどんどん逃げていく水中にいるので、太陽の光を受けて体を温めるほうが理にかなっているように思えます。
 しかし骨に血管が通る穴や筋が少ないので否定されています。
 いや、血を温めて全身に送るのなら、血管は骨の中じゃなくて皮膚の表面の方がいいのでは。
 スピノサウルスの時代は、陸上にも神経棘を大きくした恐竜が現れました。
 暖かいと言われる中生代でも寒冷化した時期ですので、体を温めた説は完全な外れ、ではないと思うのですが。

スピノサウルスの近縁のイクチオヴェナトルの神経棘

 わからないこともありますが、骨は生き物の生活の様子を表し、化石からでもわかることは少なくありません。
 ティラノサウルスとスピノサウルスの骨を比べてみると、まったくちがう生活をしていたことがよくわかります。

 ただ、ちょっと気をつけなければならないこともあります。
 展示されているのは化石の復元骨格。
 もちろん、専門家が復元したのですから、ちゃんとした理由があってのこと。
 しかし専門家とはいえ、生きている恐竜を見たことがありませんので、100%真実の姿というわけにはいきません。
 その証拠に、私たちが知っている恐竜の姿は、常に変わり続けています。
 たとえば尻尾を浮かせてT字型に立つティラノサウルスの姿も、昔は尻尾を引きずった「ゴジラ立ち」でした。
 そのティラノサウルスも今では羽毛が生えてることもあります。

恐竜博2016では羽毛なし復元図

 最新の研究成果による復元ですが、恐竜博2016のびっくりするようなスピノサウルスも、数年後にはもっとびっくりする姿に変わっているかもしれません。
 その時にはきっと「恐竜博20XX」があるでしょう。

■参考外部リンク■
恐竜博2016

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タグ: スピノサウルス  ティラノサウルス  スコッティ  恐竜博2016  大阪文化館・天保山  恐竜  化石 

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「恐竜博2016」最大の肉食恐竜スピノサウルスの姿をいろいろ想像してみるとおもしろい!〈大阪文化館・天保山〉

 「恐竜博2016」でびっくりしたのが、スピノサウルスの復元された姿。
 足より手が大きく、水かきを持った足で泳ぐスピノサウルス。
 水中で魚を食べることは知っていましたが、ここまで水中に適応した姿だったとは思ってもいませんでした。


 ただ、いろいろな動物とくらべてみて不思議に思うところもあります。
 後脚の水かき。
 恐竜に水かきがあるのは水中生活しているのなら不思議ではありません。
 恐竜から進化した鳥にもありますから。
 ただ、小さな後脚にあることが気になります。
 巨体を抵抗の多い水中で動かすためには強い力が必要。
 にも関わらず、手よりも小さな足、ひかえめに言っても手とたいしてかわらない大きさの足。
 なんかしっくりしません。

手と足どちらが大きいでしょうか
※画像スライドできます ⇒⇒

 スピノサウルスを含む獣脚類の恐竜は二足歩行で、手(前脚)は全体重を支える足(後脚)より小さくなります。
 それが逆になったスピノサウルスは、足の負担が減る水中で生活していたからだと言われます。
 確かに納得できそうですが、手が大きくなった理由にはなりません。
 スピノサウルスの細い口は、水中でも抵抗が少なく動かしやすいため、と考えられてます。
 つまり、魚を捕まえるのは手でなく口。
 手が大きくなる理由は、泳ぐ以外に想像できません。
 手を水をかいていたと考えると、足が小さいことも手が大きいこともうなづけます。


 一旦陸上に適応してから水中に適応した四肢動物の多くが泳ぐため使うのは、尾(+胴)か手(前脚)。
 鳥も水中に適応したペンギンは、手(翼)を使います。
 首長竜も主に前脚を使っていたとする研究もあります。
 クジラやイルカは足が退化してなくなっています。
 意外と泳ぎに足(後脚)は使われないことが多いのです。
 こういうところからも、スピノサウルスは泳ぐのに使っていたのは足ではなく手かもしれません。
 もし水かきが付いているのなら、手のほうがはるかにしっくりくると思います。

 また、鳥の水かきには指の間に広がる膜の「蹼足(ぼくそく)」と、「弁足(べんそく)」と呼ばれるものがあります。
 蹼足はカモや白鳥の足にある普通イメージする水かき。
 弁足は指のところの皮膚が左右に広がったもので、蹼足のようにつながらず、水をかくときに広がり、ます。
 鳥の蹼足は「目」のような大きなグループに共通して現れる特徴ですが、弁足は種類も少なく「属」のような小さなグループに現れます。
 ということは、スピノサウルス類の多くに蹼足がないのなら、弁足の可能性があるかもしれません。


 まだまだスピノサウルスの泳ぎ方には気になるところがあります。
 それは長い尾。
 獣脚類は尾が長いのが特徴です。
 それは二本脚で歩くので大きな筋肉をつけるためと、上半身の重さと釣り合わせるため。
 ですから、獣脚類は腰のあたりに重心がきます。
 ところが、スピノサウルスの重心は腰よりも前。
 水中で生活し、陸上では前足も使って四足歩行するスピノサウルスにとっては、あんな長い尾は必要でしょうか。
 もしかしたら、スピノサウルスは、足でも手でもなく、尾を使って泳いでいたのかもしれません。

 想像していなかった新しい姿でびっくりさせてくれたスピノサウルス。
 でも、その姿を見ていると新しい疑問がいくつも湧いてきました。
 これからの研究がたのしみです。
 ただ、スピノサウルスの全身骨格の前に化石の展示ケースが置かれ、横から見ると手足が隠れてしまいます。
 天井が低くて展示しにくいのはわかりますが、一番の見所なのですから、もう少し展示に工夫をしてほしかったと思います。
 残念です。

■参考外部リンク■
恐竜博2016

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「恐竜博2016」最大の肉食動物スピノサウルスの真実がそこにある!?〈大阪文化館・天保山〉

 国立科学博物館で行われた「恐竜博2016」。
 大阪にもやって来ました。
 最新の恐竜学が紹介されています。
 が、やっぱり一番目を引くのがスピノサウルスの復元全身骨格。
 スピノサウルスの全身骨格が見られるのはもちろん珍しいのですが、その姿が驚きです。
 もちろん、最新の復元です。

会場 右に見えるのは海遊館

 スピノサウルスの名前と姿を広めたのは、やっぱり映画「ジュラシックパークIII」でしょう。
 川の中に住み、時々陸上に上がってくる。
 太い2本足と十分攻撃に使える手。
 背中には大きな帆があり、長い尾。
 迫ってくる大きな口(というイメージ)のティラノサウルスにたいして、体全体を巧みに使った攻撃を行う(というイメージの)スピノサウルス。
 なんて無責任に思っていたりします。

 ところが、今、スピノサウルスの姿が、変わってしまっているのです!
 それが、恐竜博2016で展示されているスピノサウルス。
 2014年に発表された論文がもとになっています。
 それをまとめるて、こんな感じになります。

細長い頭に細長い口
歯もティラノサウルスよりも小さい

大きな手
ティラノサウルスよりもずっと大きく、まるで怪獣のようなバランス

手よりも小さな足
スピノサウルスのからだからすると、小さく両足では体を支えられそうにない

長い尾
ティラノサウルスよりも華奢

たくさん並ぶ長い背中の骨
骨の列は真ん中あたりがへこむ

全体のイメージは、恐竜というよりもヨーロッパの伝承などに出てくるドラゴンのよう。
泳ぐ姿?に復元されたスピノサウルス
※画像スライドできます ⇒⇒

 スピノサウルスの基本的な姿は変わりませんが、目を引くのは大きな手と小さな足。
 いや、足より大きな手と、手より小さな足といったほうがいいかもしれません。
 これはスピノサウルスやティラノサウルスが含まれる獣脚類の恐竜では異例なこと。
 いや、二足歩行型から進化した恐竜は、四足歩行型でも前足が後ろ足より小さいのが普通。
 特に2本脚で歩く獣脚類の恐竜は、もちろん足のほうが大きく頑丈になっています。
 大きな体を支えるために。
 脚より大きな手と手より小さな足は、とても不思議な姿です。

 ということは、華奢な脚のスピノサウルスはどうやって歩いていたのでしょうか。
 前脚を地面につけて、獣脚類では特異な4つ足で歩いていたと言われています。
 しかし、前足の指は長く、長い爪が曲がり、どうみても歩くための形ではありません。
 ですから、陸上よりも水中の移動が中心だったようです。
 水の中では浮力で体が軽くなるので、太くて頑丈な足は必要ありません。
 ただ、時には陸に上がることもあり、そのときは手をついて「四足歩行」に。

正面から見る魚のような体の断面

 そして、復元図の方で目を引くのは、両足の水かき。
 足の指の間に膜があります。
 水かきの化石が残っていたのではなく、主に水中で活動していた様子からの想像のようですが、妙でもあり、納得もでき、とても不思議な復元図です。
 恐竜の一部、それもスピノサウルスと同じ獣脚類の恐竜が進化した鳥には、足に水かきを持つものがたくさんいます。
 それも、進化の系統とは関係なく水かきをもちますので、獣脚類の恐竜に水かきができるのも、ある意味あたりまえのことかもしれません。

スピノサウルスの最新復元図

 そして化石展示意外で見逃せないのが、スピノサウルスのCG映像。
 会場からちょっと離れた大阪城そばの大川にスピノサウルスが現れます。
 大阪の大川を遊覧する水上バスのアクアライナーに乗りかかり、108人乗りのアクアライナーが小さく見えます。
 そして、なんと、会場隣の海遊館の大水槽の中をスピノサウルスが泳いでいます。
 ものすごくリアル!
 恐竜展を出たらそのままスピノサウルスを見に海遊館に行きたくなります。
 東京ではじまって北九州とすでに2つの会場で行われています。
 そちらの会場では、どこをスピノサウルスが泳いだのか気になります。

 そんな従来のスピノサウルスどころが恐竜のイメージも変えてしまうようなリアルな復元。
 ただ、じっくりと見ているといろいろと気になるところも出てきますが、それは次回に。

■参考外部リンク■
恐竜博2016
大阪水上バス

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特別展「スペイン 奇跡の恐竜たち」で恐竜の「肉球」は“ぷにぷに“か考えてみました!〈大阪市立自然史博物館〉


 大阪市立博物館では、残すはあと1日となってしまった「スペイン 奇跡の恐竜たち」。

 展示されている化石は貴重なものばかり。

 そんなものの一つが、背中にコブがある肉食恐竜、コンカベナトールの「肉球」のあとがのこった化石の実物。



◆「スペイン 奇跡の恐竜たち」の記事をまとめてみる
 【大阪ではじまりました!】
 【恐竜にも肉球があるのか見てみました!】
 【でっかい恐竜が歩く姿を想像してみました!】
 【恐竜と鳥の境界をさがしてみました!】
 【と長居植物園で恐竜時代の植物たちを探してみました!】




花と緑と自然の情報センター前の案内




 恐竜の学問上で「肉球」がどういうものを指すのかわかりませんが、思わず想像してしまうのが、イヌやネコの肉球。

 「肉球」はもともと哺乳類の食肉目、イヌやネコやクマの仲間の足の裏にある、“ぷにぷに”の柔らかい部分のこと。

 食肉目は狩りをする肉食動物が多いので、足音を消す役割があると言われています。

 確かに、肉球を持つ動物の足跡は、足のあとではなく、肉球と爪のあとが残ります。




イヌの足跡
※展示されていません

ネコの足跡
※展示されていません
「足」のあとではなく、「肉球」のあとになってます。
ネコは爪のあとが残りません。



 イヌやネコは、人間にたとえると人差し指から小指までの指と指の付け根だけを地面につけて歩いています。

 その部分に柔らかい組織の肉球がついています。

 指を自由に動かすためでしょうか、それぞれに指の肉球は一つだけ、そして付け根の肉球とつながっていません。

 ですから、指の裏側が柔らかくなったというよりも、指の裏に柔らかい組織が新しくできた、という感じです。



 そこで恐竜の肉球。

 残念ながら、恐竜の肉球を見たことがある人も触ったことがある人もいません。

 恐竜は絶滅して、残っているのは化石だけ。

 でも、化石で残るのは骨ばかり。

 肉球どころか肉の部分は残りません。




生体復元されたコンカベナトール〈スペイン 奇跡の恐竜たち〉




 ところが。

 水中に石灰質がたまってできたラス・オヤスの地層では、皮膚の化石が残っていたのです。

 足の裏も。

 それで恐竜の足の裏のウロコのパターンが、鳥の足の裏の脚鞘と言われる部分とよく似ていることがわかったのです。




コンカベナトールの指先の「肉球」化石〈スペイン 奇跡の恐竜たち〉




 脚鞘は鳥の足の裏にある柔らかい組織のこと。

 ということは鳥の肉球?!

 言うまでもなく、鳥は獣脚類の恐竜から進化しました。

 「現在まで生き残った恐竜」と言われることもあります。

 それが恐竜にもあったのです。

 ということは恐竜の肉球?




ヤマドリの足跡
※展示されていません

キジバトの足跡
※展示されていません
イヌやネコとちがっておおむね足(指)のあとになってます。



 恐竜の足の裏に「肉球」があったのかどうかは、「肉球」の定義次第。

 ただ、恐竜や鳥の足跡を見ると、指の形が残っています。

 鳥や恐竜の「肉球」は、イヌやネコの「肉球」とは、ちょっとちがうようです。

 もしかすると、恐竜の「肉球」は“ぷにぷに”でないかもしれません。




獣脚類恐竜の足跡
〈スペイン 奇跡の恐竜たち〉

アロサウルスの足跡
〈本館 第2展示室〉
やっぱりイヌやネコよりもとり鳥に近いあしあと。



 いやいや、恐竜が生きていた時のことはだれにもわかりません。

 会場にあるのはコンカベナトールの肉球の化石と、コンカベナトールかも知れない恐竜の足跡化石。

 実物をじっくり観察して、仮説を立てて、実験は無理かもしれなけど、考察してみましょう。

 恐竜の肉球はどんな感じだったのかを。



 それから、実物ではありませんが、恐竜の足跡は本館の第2展示室にもあります。

 そちらもぜひ!



タグ♦ スペイン 奇跡の恐竜たち 恐竜

■参考外部リンク■
スペイン 奇跡の恐竜たち/2015年3月21日(土・祝)~5月31日(日)/大阪市立自然史博物館
ようこそ大阪市立自然史博物館へ


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特別展「スペイン 奇跡の恐竜たち」ででっかい恐竜が歩く姿を想像してみました!〈大阪市立自然史博物館〉


 大阪市の長居公園にある自然史博物館で開催中の「スペイン 奇跡の恐竜たち」。

 スペインで見つかった恐竜をはじめ、いろいろな白亜紀の生き物が展示されています。



◆「スペイン 奇跡の恐竜たち」の記事をまとめてみる
【特別展「スペイン 奇跡の恐竜たち」が大阪ではじまりました!】
【特別展「スペイン 奇跡の恐竜たち」で恐竜にも肉球があるのか見てみました!】



あと500m?それとも0.5km?
あと500m?それとも0.5km?




 中心はドン・キホーテで有名なカスティーリャ=ラ・マンチャ州の「ラス・オヤス」と「ロ・ウエコ」の2大恐竜化石発掘地からやってきた恐竜たち。

 「ラス・オヤス」からは、腰に小さいひれ(こぶ)がある獣脚類の肉食恐竜コンカベナトール。

 「ロ・ウエコ」からは、巨大竜脚類のティタノサウルス類の恐竜。

 ティタノサウルス類は竜脚類の中でも巨大な種類を含む一群で、ギリシア神話に登場する巨人族の名前に由来しています。

 やってきたのは「イベリア半島最後の巨人」。

 まだ名前が決まっていないようで、展示も「ティタノサウルス類の恐竜」。



ティタノサウルス類のマラウイサウルス全身復元骨格
「イベリア半島最後の巨人」のかわり?の
ティタノサウルス類のマラウイサウルス全身復元骨格




 ロ・ウエコではたくさん見つかているので、体中の化石が展示されています。

 全長は16m。ゾウよりもずっと大きい!

 博物館の入口にあるナガスクジラのナガスケは19m。

 大きさではちょっと負けてしまいますが、ナガスケとちがって地面の上を歩いていました。

 そう考えると、本当に大きい、ちょっとした怪獣サイズなのがわかります。

 もっとも、全長20mを超えるティタノサウルス類の中では、これでも小柄ですが。



 ということで、何ケースにも分けて並べられています。



「イベリア半島最後の巨人」の脳函(脳が入っていたところ)
「イベリア半島最後の巨人」の脳函(脳が入っていたところ)

「イベリア半島最後の巨人」の首の部分(右が脳函で左が胴)
「イベリア半島最後の巨人」の首の部分(右が脳函で左が胴)

「イベリア半島最後の巨人」の胴の部分(右が首で左が尾)
「イベリア半島最後の巨人」の胴の部分(右が首で左が尾)

「イベリア半島最後の巨人」の尾の部分(右が胴)
「イベリア半島最後の巨人」の尾の部分(右が胴)




 こんな大きさの恐竜が、スペインの大地を歩いていたのです。



 全身復元されていないので、ケースの上にティタノサウルスの復元されたイラストがあります。目盛り付きで。

 たしかに大きいですが、ちょっと待って下さい!

 これはおおよそ50%足らずの縮尺(IWO調べ)。



おおよそ50%足らず縮尺の「イベリア半島最後の巨人」
おおよそ50%足らず縮尺の「イベリア半島最後の巨人」




 実際はこの倍以上。

 この壁の右のはしから左のはしくらいまで!

 首と尾をまっすぐのばすと、はみでそうなくらいの巨大な恐竜です。

 すごい!



ドロマエオサウルスの骨格と生体の復元もあります
ロ・ウエコからはドロマエオサウルス類の化石も見つかっているということで
ドロマエオサウルスの骨格と生体の復元もあります




 ナガスケがある博物館本館には特別展にない恐竜も展示されています。

 特別展のチケットで入れますので、行かないのはもったいない!



タグ♦ スペイン 奇跡の恐竜たち 白亜紀


■参考外部リンク■
スペイン 奇跡の恐竜たち/2015年3月21日(土・祝)~5月31日(日)/大阪市立自然史博物館
ようこそ大阪市立自然史博物館へ


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特別展「スペイン 奇跡の恐竜たち」で恐竜にも肉球があるのか見てみました!〈大阪市立自然史博物館〉


 初公開の化石が多い「スペイン 奇跡の恐竜たち」。

 2015年3月21日から大阪市立自然史博物館ではじまりました。



◆「スペイン 奇跡の恐竜たち」の記事をまとめてみる
 【特別展「スペイン 奇跡の恐竜たち」が大阪ではじまりました!】



矢印のとおりに歩いていきましょう。
矢印のとおりに歩いていきましょう。




 たくさんある見どころのひとつが、チラシやポスターに登場しているコンカベナトール。

 カルカロドントサウルスの仲間の獣脚類の肉食恐竜で、福井県で見つかったフクイサウルスに近い種類です。

 コンカベナトールの特徴は腰のところのひれのような突起。

 キャラが立っています。



腰の「ひれ」でキャラ立ちしてるコンカベナトールの生体模型 腰の「ひれ」でキャラ立ちしてるコンカベナトールの生体模型




 コンカベナトールが見つかったラス・オヤスの地層は、湖の湿地帯にできた石灰岩でできています。

 おそらく、時間をかけて炭酸カルシウム(石灰岩の主な材料)でパックされるようにできた化石なのでしょう。

 ほぼ全身がつながった状態の化石が見つかり、それが展示されています。

 炭酸カルシウムに覆われるのは大変時間がかかったと思いますが、大きな肉食動物だけでなく、虫や細菌など小さな生き物にもあまり食べられなかったようです。



 ただ、ラス・オヤスからは様々な水生動物、魚やザリガニなどが見つかっています。

 どうしてコンカベナトールが食べられなかったのか。

 大量に炭酸カルシウムが溶けた水はアルカリ性になりますので、化石ができた場所は生き物がいない環境だったのかもしれません。



なんでも食べるザリガニの仲間のアウストロポタモビウス・ルロピシ
なんでも食べるザリガニの仲間のアウストロポタモビウス・ルロピシ




 理由はどうであれ、大型肉食恐竜はもちろん、眼に見えないような微生物にも食べられなかったというのは、とても重要です。

 食べられないで埋もれると、さすがに細胞などは時間がたつうちに分解されて無くなってしまいますが、その跡は残ります。

 このコンカベナトールの化石がそうなのです。



コンカベナトール・コルコヴァトゥスのホロタイプとなる産状化石の実物
コンカベナトール・コルコヴァトゥスのホロタイプとなる産状化石の実物




 鱗(うろこ)の跡など珍しいものがたくさん残っています。

 もちろん、話題になっている「肉球」も。

 イヌやネコの足の裏のぷにぷにで大人気のあれです。

 獣脚類恐竜の「肉球」の跡はいくつか見つかっているようですが、やっぱり珍しいようです。



「肉球」の跡が残った化石
「肉球」の跡が残った化石




 日本初公開(先に福井で公開済みですが)の恐竜の「肉球」は、ぜひ実物をご覧ください。

 ただし、実物でコンカベナトールの基準となる化石(ホロタイプ)なので、“ぷにぷに”の確認はできません……

 さわっても“ぷにぷに”じゃないと思いますが。



タグ♦ スペイン 奇跡の恐竜たち


■参考外部リンク■
スペイン 奇跡の恐竜たち/2015年3月21日(土・祝)~5月31日(日)/大阪市立自然史博物館
ようこそ大阪市立自然史博物館へ


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タグ: スペイン奇跡の恐竜たち  コンカベナトール  アウストロポタモビウス  肉球  恐竜  大阪市立自然史博物館  spaindino-osaka  白亜紀 

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

特別展「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」で ケラトプシアを並べてみる!


 トリケラトプスの仲間、ケラトプシア類がたくさん展示されている「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」。

 最初は体も小さく、二足歩行もできていたケラトプシア類ですが、体と後頭部のフリルが次第に大きくなり、完全な四足歩行に変わっていく様子が見て取れます。

 といっても、時代と地域に分けて展示されているので会場中に広がっていて、くらべて見にくいところもあります。




会場があるセンター入り口の案内板




 ということで、会場のケラトプシア類の頭部を同じ向きにして並べてみました。



見やすくするために画像の角度などを調整しています。
一部の画像では左右を反転させています。
実物の大きさの比率は反映されていません。
並ぶ順はあくまでおおよその古い順で、時間を正確には反映していません。
また、進化の系統を表していません。




アジア大陸のケラトプシア類 ララミディア大陸のケラトプシア類
ジュラ紀 2億130万~1億4500万年前
最初のケラトプシア類
インロン

ジュラ紀後期 オックスフォーディアン
1億6350万~1億5730万年前
中国 新疆ウイグル自治区
成体復元モデル
ジュラ紀後期のアジア大陸でケラトプシア類は誕生しました。

今の北アメリカ西部にあたるララミディア大陸とアジア大陸は繋がっていなかったので、ケラトプシア類はまだアジアにいました。
白亜紀 1億4500万~6600万年前
ホンシャノサウルス

白亜紀前期 バレミアン-アルビアン
1億2940万~1億50万年前
中国 遼寧省
下顎がないようです
※画像の左右を反転させています。
白亜紀になってもまだアジア大陸とララミディア大陸はつながっていません。
アルバロフォサウルス

白亜紀前期 バレミアン-アルビアン
1億2940万~1億50万年前
石川県 白山市
プシッタコサウルス

白亜紀前期 アプチアン-アルビアン
1億2500万~1億50万年前
モンゴル ドルノゴビ県
アーケオケラトプス

白亜紀前期 アルビアン
1億1300万~1億50万年前
中国 甘粛省
※画像の左右を反転させています。
白亜紀後期 チューロニアン 9390万~8980万年前

アジア大陸と地続きになった現在のベーリング海峡から
ララミディア大陸にケラトプシア類が渡ってくる

ララミディア大陸最古のケラトプシア類
ズニケラトプス

白亜紀後期 チューロニアン
9390万~8980万年前
アメリカ ニューメキシコ州
白亜紀後期 カンパニアン
8360万~7210万年前
ララミディア大陸でケラトプシア類の多様化と拡散

「恐竜戦国時代」

ディアブロケラトプス

白亜紀後期 カンパニアン
8360万~7210万年前
アメリカ ユタ州
セントロサウルス

白亜紀後期 カンパニアン
8360万~7210万年前
カナダ アルバータ州
※画像の左右を反転させています。
スティラコサウルス

白亜紀後期 カンパニアン
8360万~7210万年前
カナダ アルバータ州
頭部模型
※画像の左右を反転させています。
カスモサウルス

白亜紀後期 カンパニアン
8360万~7210万年前
カナダ アルバータ州
コスモケラトプス

白亜紀後期 カンパニアン
8360万~7210万年前
アメリカ ユタ州
ユタケラトプス

白亜紀後期 カンパニアン
8360万~7210万年前
アメリカ ユタ州
ナストケラトプス

白亜紀後期 カンパニアン
8360万~7210万年前
アメリカ ユタ州
バガケラトプス

白亜紀後期 カンパニアン
8360万~7210万年前
モンゴル
パキリノサウルス

白亜紀後期 カンパニアン
8360万~7210万年前
カナダ アルバータ州
プロトケラトプス

白亜紀後期 カンパニアン
8360万~7210万年前
モンゴル
※画像の左右を反転させています。
コアウイラケラトプス

白亜紀後期 カンパニアン
8360万~7210万年前
メキシコ コアウイラ州
※画像の左右を反転させています。

トリケラトプスと同時代の
ケラトプシア類
トロサウルス

白亜紀後期 マーストヒチリアン
7210万~6600万年前
アメリカ サウスダコタ州
下顎がありません
最後のケラトプシア類
トリケラトプス

白亜紀後期 マーストヒチリアン
7210万~6600万年前
アメリカ サウスダコタ州
この化石の名前は「ホーマー」
6600万年前 K/Pg境界の大量絶滅
ケラトプシア類を含む恐竜が絶滅


1/3あたりの白い線がK/Pg境界



 こうして並べてみておもしろいのは、アジアではプロトケラトプスになるまであまり変わらなかったフリルが、ララミディア最初のケラトプシア類のズニケラトプスでもう角と一緒に大きくなっています。

 体も頭も小さかったケラトプシア類がララミディア大陸に渡ったとたん、体とフリルが大きくなったのがわかります。

 そして白亜紀後期のカンパニアンになるとフリルの形の多様化が進み、このままでは無駄が多すぎて絶滅してしまうのでは、と思ったところでトリケラトプスが登場。

 シンプルかつ巨大化戦略でララミディア大陸に広がっていったというのは、とてもおもしろく感じます。




正面から見るとちょっと平べったいトリケラトプス
数千万年も地面に押しつぶされたため?




 それに対してアジアに残ったケラトプシア類はララミディアほどの多様化は見せず、フリルもプロトケラトプスでやっと大きくなったくらい。

 それでも体の大きさはトリケラトプスどころかカスモサウルスほどもありません。
 ライオンどころかオオカミにだってやられてしまいそうです。

 ケラトプシア類にとってなにか都合の良いものがララミディア大陸にはあったのでしょうか。

 それとも、何か偶然がきっかけとなってケラトプシア類の多様化が進む道筋ができたのでしょうか。

 もちろん、すべてのケラトプシア類の化石があるわけではありませんので、展示されているものだけで結論は出せませんが、いろいろ考えると面白そうです。



 会場では、この画像ではわかりにくい歯の変化や前肢(ぜんし)の変化も見ることができます。

 もちろんそれぞれの大きさも。


 ぜひ目で見て確認してみてください。



タグ♦ 恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス ケラトプシア類

■参考外部リンク■
特別展「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」大阪市立自然史博物館
ようこそ大阪市立自然史博物館へ


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新米ビオトープ管理士でフィールドワーカーのノートが生き物たちとの出会いを書いています。

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