【 コケ・シダ】

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金剛山のお寺の木から垂れる地衣類? 仮称「サルオガセダマシ」

 標高1125メートルの金剛山。
 低山ですが、大阪が接している中では一番高い山。
 修験道(しゅげんどう)の開祖の役行者(えんのぎょうじゃ)が修行した山でもあります。
 山頂には一言主(ひとことぬし)を祀る葛木神社とともに、転法輪寺(てんぽうりんじ)があります。

山の上なので境内が狭い転法輪寺

 境内の木の枝から緑色の糸のようなものがたくさんぶら下がっています。
 都市から離れた山の上で、木からぶら下がる緑色っぽい紐状のものといえば。
 サルオガセ。
 地衣類です。

木の枝から下がっている緑色の紐状のもの

 菌類と藻類が供した生き物で、栄養がなくても光と空気と水分があれば成長できます。
 ただし、とてもゆっくり。
 1年で成長できるのはミリ単位。
 だから環境の変化に弱く、多くは空気がきれいなところを好みます。
 都市には少なく、山や自然が残った丘陵地などでよく見られます。


 地衣類は見た目がコケに似ていてよく間違われますが、まったくちがう生き物。
 蘚類によく似た樹状地衣類、苔類によくにた葉状地衣類、コケに似ていないべたりと張り付いたような痂状(かじょう)地衣類があります。
 サルオガセの仲間は、長く育った樹状地衣類で、木などから垂れます。

冬には霧氷がつきます

 と思っていたのですが。
 種類を調べるために画像を拡大してみると。
 なんだか、茎から細い葉が生えているようです。
 地衣類は粉のようなもので体を覆うことがあったり、葉状地衣類のように本体が葉のような形になることはありますが、細長くて平たい「葉」をもつものは、思いつきません。

細い葉があります

 よく見てみると、この姿は蘚類のコケやヒカゲノカズラ植物のよう。
 ヒカゲノカズラ植物は水や栄養を送る動物の血管のような維管束(いかんそく)を持った原始的なシダ植物ですが、シダ類とはちがう門に分類されています。
 維管束を持っているので普通は上に向かって伸びます。
 ということは、コケ?
 調べてみるとどうやらイトゴケの仲間のようです。
 まんまと騙されてしまいました。

 ということで、仮称「サルオガセモドキ」。
 にしたかったのですが、すでにパイナップルの仲間に使われているので、「サルオガセダマシ」になりました。

サルオガセモドキ〈花の文化園〉

被子植物門 単子葉類 イネ目 パイナップル科 ハナアナナス属

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タグ: イトゴケ  蘚類  コケ  金剛山のコケ  金剛山  転法輪寺  サルオガセダマシ 

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2016年の金剛山の萌黄の滝

 金剛山の好きな登山道。
 モミジ谷。
 金剛山によく来る人にとっては説明の必要もないほど有名な道ですが、本などで紹介されないので知名度は高くありません。

 そのモミジ谷で夏の楽しみが、第5堰堤上の支流にある「緑の滝」。
 もう少し色を補正すると「萌黄の滝」。
 苔に覆われた崩れた花崗岩。
 それが連なって滝のようになっています。


 今年は草が生え、ちょっと雰囲気がかわってきました。
 自然はうつろいゆくものです。

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ゼニゴケに似ている第三の苔 ナガサキツノゴケ

 小さな植物コケ。
 原始的な植物と言われますが、苔玉や苔庭などわりと身近にあります。

 分類では、植物界 コケ植物門。
 コケ植物は、蘚類(せんるい)と苔類(たいるい)とツノゴケ類の3つに分れます。
 蘚類は細い茎からたくさんの小さい葉が生えたスギのようなコケ。
 苔類は平たく地面に張り付くようなコケ。
 そしてツノゴケ類は、胞子をつくる蒴(さく)がトゲのようになっているコケ。
 ありふれたコケだそうですが、蘚類と苔類はよく見かけますが、ツノゴケはなかなか見かけません。

 と思っていたら、やっと出会うことができました。
 おそらくナガサキツノゴケ。

ナガサキツノゴケ
角といういよりトゲ

 針のような蒴があるのでわかりますが、なければ苔類のよう。
 どうやら苔類と思い込んでいたのでしょう。

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小さな手のようなちょっと変わった葉のシダはよくあるシダでした。ホラシノブ

 里山公園の遊歩道。
 あまり湿り気は多くないけど、乾燥もしていないほどよい水分。
 そして適度な木漏れ日で明るい土の斜面。
 遊歩道をつくるために削った土の斜面。
 小さいシダが生えていました。

法面に生えたホラシノブ

 シダというと、切れ込みの入った葉がまるで鳥の羽のように並んでいる羽状複葉(うじょうふくよう)。
 でも、このシダの葉はちょっとヘン。


 指のような葉がたがいちがいにならんでいます。
 ちょっと変わった形の葉。

 このシダは多分、ホラシノブ。
 林縁のやや湿った斜面に生えるよくあるシダ。
 常緑ですが、冬に赤くなることもある紅葉するシダのひとつ。

3回羽状複葉

 植物の羽状複葉は、どれだけ細かくわかるのかで分けられます。
 ホラシノブは3~4回羽状複葉。
 つまり、葉柄から葉の先端に到着するまで、3回から4回分岐します。

何回曲がるでしょうか

 このホラシノブはまだ小さいので、3回羽状複葉のようです。
 一度、葉柄から葉の先まで辿って、何回分岐を曲がるか数えてみてください。
 グネグネしているので、ちょっとむずかしいかも?

 葉が何回の羽状複葉かは、植物、特にシダを見分けるためには大切な特徴です。

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初冬の公園で見つけた金色の花 フユノハナワラビ

好きなシダってありますか?

 好きな草花や好きが樹木がある人は少なく無いと思います。
 でも、好きなシダがある人はどうでしょうか。

 好きなシダがあります。
 それがハナワラビ。


草本でもないシダでもないちょっとかわったハナワラビ

ハナワラビ

 ハナヤスリ科ハナワラビ属のシダ植物。
 細かく枝分かれを繰り返す羽状複葉の葉はシダらしいのですが、全体で多角形っぽい形にまとまっています。
 さらに葉は1枚だけ。羽状複葉なのでたくさんあるように見えますが、葉柄はひとつ。
 このようにちょっとかわったシダ。

 そしてシダが多く含まれるシダ綱ではなく、マツバラン綱に含められています。それもとりあえず。
 そんなちょっとかわったシダです。
 そして一番の特徴は、胞子葉の先についた胞子嚢(ほうしのう)が、まるで金色の花が咲いているように見えます。


まるで金色の花が咲いているようなハナワラビの胞子嚢

里のハナワラビ

 今までは高野山などの山で見ていましたが、ついに公園で出会うことができました。
 場所はお馴染みの錦織公園。
 丘陵地帯に残った里山を利用した公園です。
 生えていたのはフユノハナワラビ(冬の花蕨)。
 高野山などの山で出会ったオオハナワラビよりもちょっと小さく、里のような人手の入ったところに生えるハナワラビです。


フユノハナワラビの鋸歯
鋸歯の先が針のようになっていたらオオハナワラビかも

 それがいつも通っているとことに生えていました。
 狭い範囲ですが何箇所も。
 群生しているところもありました。
 今まで気づかなかったのに驚きです。


ちょっと大きめのフユノハナワラビ

フユノハナワラビ

 フユノハナワラビは、冬の間だけ葉を広げ、夏の間は枯れてしまう冬緑性のシダ。
 胞子葉が枯れてしまったら地面に張り付くような低い丈。
 そして同じような葉のセリバオウレンの中に埋もれたいたりしたら、胞子葉が出ていなければ気づかないのも当然。
 それでも見逃したのは、観察力が足りなかったかも。
 残念です。
 でも、今気付けたのはうれしいことです。

■参考外部リンク■
錦織公園 | 大阪府富田林市 大阪府営公園

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タグ: フユノハナワラビ  ハナワラビ  シダ  錦織公園 

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苔生す谷 金剛山のひとつの顔


 大阪と奈良の境にある大阪で一番高いところがある金剛山。

 登山ルートはいろいろあります。

 個人的に好きなのは谷道。

 大阪湾を越えて水分を含んだ風が当たるからでしょうか。

 苔生(こけむ)した場所がところどころにあります。

 そのひとつはすでに紹介しましたモミジ谷支流の「萌黄の谷」



北側なら登山道から山頂を望める金剛山
北側なら登山道から山頂を望める金剛山




 そういったところ以外にもよく目につくのが、苔生した倒木。

 谷筋の登山道は、大雨の時などに山が崩れ、倒木が道を塞ぐことがときおりあります。

 そういった場合は、登山道だけは確保して、他は現状維持が基本のようです。

 残された倒木はそのまま朽ちるに任せ、苔生していきます。

 そんな苔生した倒木の一つ。



カヤンボ谷の苔生した倒木
カヤンボ谷の苔生した倒木




 同じパターンに何度も分かれたフラクタルな葉はシダのよう。

 ということで、おそらくシノブゴケ。

 金剛山の谷ではよく目にするコケです。



シノブゴケの中からひっそりとスギが生えています
シノブゴケの中からひっそりとスギが生えています




 大阪の周囲には多くの低山があります。

 その中で金剛山の特徴は、唯一1000mを超えるその高さと、湿潤なこと。

 特に北側の谷筋では、そころどころで苔生した石や倒木を見ることができます。

 苔生す谷。

 金剛山のいくつもある顔の一つです。



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晩秋の万葉に山の金色の花 オオハナワラビ


 立冬直前、晩秋の二上山(にじょうざん)。

 大阪と奈良の境にある、万葉集にも詠われた低山です。



 西面の日当たりのいいところで、金色の花が咲いていました。

 ハナワラビ。

 好きな植物です。



金色の花が咲いているようなハナワラビ
金色の花が咲いているようなハナワラビ




 ハナワラビはハナワラビ属のシダ植物のこと。

 ですから、これは花ではありません。

 胞子が詰まった胞子嚢(ほうしのう)。



ハナワラビの金色の胞子嚢
ハナワラビの金色の胞子嚢




 ハナワラビにはいくも種類がありますが、これはおそらくオオハナワラビ亜属のオオハナワラビかフユノハナワラビ。

 葉の鋸歯(縁のギザギザ)が細かく、葉先がとがっているので、多分オオハナワラビ。




オオハナワラビの葉




 高野山や岩湧山など山でよく見かけますが、京都府立植物園や春日大社萬葉植物園のような平地でも見かけますので、自然の豊かな環境なら生えるようです。



 近くの低山での思わぬ出会いでした。



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新米ビオトープ管理士でフィールドワーカーのノートが生き物たちとの出会いを書いています。

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