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植物から恐竜世界を考えてみる!「メガ恐竜展2017-巨大化の謎にせまる-」〈大阪南港ATCホール〉

 巨大竜脚類をテーマにした恐竜展ですが、植物の展示もあります。
 恐竜を怪獣ではなく動物として見る場合、恐竜が生きていた環境を知ることはとても大切です。
 そうでなければ恐竜が生きていた姿がわかりません。
 それを知ることができるものの一つが、植物。
 解説書でもまったく紹介されてないちょっと可哀想な扱いですが、ぜひこの機会に見てください。
メが恐竜たちを支えていた植物たちです。

参考【年代層序表〈顕生代〉β2 動物と植物】

関西初公開のヨーロッパ最大の恐竜 トゥリアサウルス
トゥリアサウルス

 恐竜が生きていた時代だけでなく、まだ陸上に動物はいなかったかもしれないような時代から展示されています。
 植物の出現は動物よりも遅く、今から4億年あまり前。
 すでに菌類や藻類などが陸上に進出していたと思われていますが、おそらく水辺の周囲にかろうじて集まっているだけで、陸のほとんどは不毛な大地だったでしょう。

 その頃の植物は小さく、形も単純で、葉もなく、花も咲かず、種もできず、胞子で増えていました。
 今で言うと、トクサやスギナのような形だったようです。

クックソニア 生体復元
シダ植物 リニア類
シルル紀(約4億4千万~4億2千万年前)
水辺のシダ
枝分かれは単純
クックソニア

アステロキシロン 生体復元
シダ植物 ゾステロフィルム類
デボン紀(約4億2千万~3億6千万年前)
水辺のシダ
アステロキシロン

プシロフィトン 生体復元
シダ植物 トリメロフィトン類
デボン紀(約4億2千万~3億6千万年前)
プシロフィトン

ゾロテロフィルム 生体復元
シダ植物 ゾステロフィルム類
デボン紀(約4億2千万~3億6千万年前)
水辺のシダ
ゾロテロフィルム

 次第に光合成を効率よくするために「葉」がつくられ、今も残るシダのような形になってきました。
 石炭紀には、そうしたシダの中から、木のように大きくなるものも出てきました。

アルカエオカラミテス 実物化石
シダ植物 トクサ類 アルカエオカラミテス類
石炭紀(約3億6千万~3億年前)
年輪がありません
筋のある茎が現在のトクサ類に似ています
アルカエオカラミテス

 木(裸子植物・被子植物)は、毎年幹が太くなって大きくなっていく体を支えることができますが、シダは一度成長した「幹」は太くなれません。
 そのため、大きくなっていく体を支えるために、「幹」からたくさんの根を出し、それで小さな「幹」を覆って大きくなる体を支えました。
 そういった木性シダの「幹」の断面は年輪がなく、小さな管のようなものがたくさん集まっています。
 その1つ1つが体を支える根です。

プサロニウスの茎(幹) 実物化石
シダ植物 シダ類 リュウビンタイ類
石炭紀(約3億6千万~3億年前)
高さ10m以上の巨大シダ
丸く見える根がたくさん集まっています
プサロニウス

 そうやって大きくなったシダたちが水辺に倒れ、土の中で分解されることなく埋もれていったのが石炭と考えられています。
 この頃、大量の植物が石炭になったことが石炭紀の名前の由来です。
 そして大気中の二酸化炭素が大幅に減ると同時に、地球は寒冷化していきました。

 やがて、植物は胞子を葉で守ったタネ(種子)を作るようになりました。
 種子植物の誕生です。
 恐竜が誕生した三畳紀には、今につながる裸子植物が誕生していました。

アラウカリアの球果 実物化石
裸子植物 毬果類 ナンヨウスギ類
三畳紀(約2億5千万年前~2億年前)
アラウカリア

バイエラの葉 実物化石
裸子植物 イチョウ類
三畳紀(約2億5千万年前~2億年前)
葉の切れ込みが深くなっています
今のイチョウの葉になったのは白亜紀の終わりごろと考えられています
バイエラ

トディテスの羽片 実物化石
シダ植物 シダ類 ゼンマイ類
三畳紀(約2億5千万年前~2億年前)
今の2回羽状複葉のシダの葉と同じ
葉裏面全体に胞子嚢
トディテス

アラウカリオキシロンの幹 実物化石
裸子植物 毬果類 ナンヨウスギ類
後期三畳紀(約2億4千万年前~2億年前)
珪化木
抱えきれないほどの太い幹の大木
アラウカリオキシロン

ベネチテス類 生体復元
裸子植物 ソテツ葉類 ベネチテス類
中期ジュラ紀~白亜紀(約1億6千万年~7千万年前)
現在のソテツに似ています
ベネチテス

ソテツ葉類の羽片 実物化石
裸子植物 ソテツ葉類 ベネチテス類
白亜紀(約1億5千万年~7千万年前)
中生代に繁栄し恐竜とともに絶滅
草食恐竜の食べ物と考えられています

セコイアの球果 実物化石
裸子植物 球果類 スギ類
後期白亜紀(約1億年~7千万年前)
セコイア

 白亜紀には被子植物が誕生し、花を咲かせる植物が増えていきます。

サピンドプシス複葉 実物化石
被子植物 双子葉類
白亜紀(約1億5千万年~7千万年前)
複葉が現在のムクロジ科に似ています
サピンドプシス

 紹介できたのはほんのわずか。
 恐竜ばかりに目が行ってしまいますが、植物もいろいろあります。
 そして、草食恐竜の食べ物。
 ということは、肉食恐竜の間接的な食べ物です。
 ぜひ、恐竜時代の環境を想像してみてください。

 ほんとうは、植物だけでなく昆虫の化石も見たいところですが、今回はメガネウラ程度。
 ちょっとさみしい展示なのが残念です。

■参考外部リンク■
メガ恐竜展2017-巨大化の謎にせまる- 大阪開催【公式サイト】
大阪市立自然史博物館

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タグ: メガ恐竜展2017MegaKyouryuu2017アステロキシロンプシロフィトンゾロテロフィルムアルカエオカラミテスプサロニウスアラウカリアバイエラトディテス

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theme : 博物学・自然・生き物
genre : 学問・文化・芸術

古い写真から現れた6月の沖縄の植物

 古い写真を整理していたら、数年前の6月に行った沖縄の写真が出てきました。
 まだブログを始める前で、あまり量は多くありませんが、その中から抜き出した沖縄で出会った植物です。

アダン(阿檀)Pandanus odoratissimus

被子植物 単子葉類 タコノキ目 タコノキ科 タコノキ属
常緑小高木
亜熱帯から熱帯の海岸近く 日本ではトカラ列島以南の沿岸域
雌雄異株

沖縄ではありふれた木。
特に離島の自然海岸では、アダンの林が防風林・防砂林の役割を果たしています。

沖縄では葉の繊維からムシロやゴザやゾウリを作るなど古くから利用されていました。

黄色く熟す実はパイナップルのようでおいししそうに見えますが、繊維が多く甘みも大したことがなくおいしくないそうです。

そして、木なのに単子葉植物というのも、意外です。

ソテツ(蘇鉄)Cycas revoluta

裸子植物 ソテツ綱 ソテツ目 ソテツ科 ソテツ属
常緑低木
台湾~中国南部 日本では九州南部~南西諸島
タグ:ソテツ

マツ綱以外で唯一日本に自生する裸子植物。
ただし自生するのは鹿児島県南部から南西諸島など温かいところだけ。
ところが寒さにはそれなりに強いようで、西日本の平野部なら露地でも育ちますので、珍しくはありません。

実や幹の芯の部分にはデンプンが多く食用になりますが、有毒で十分に毒抜きしなければなりません。
大正末から昭和初期の不況時の食料危機には、沖縄ではソテツが食べられましたが、十分な毒抜きができず、多くの人が亡くなり「ソテツ地獄」と呼ばれます。

もちろん、十分な毒抜きをすれば問題なく、奄美では伝統食として食べられています。

木の中央から伸びているのは雄花です。

識名園

第二尚氏の時代に作られた庭園で、中国の冊封使をもてなす迎賓館として使われていました。

日本の大名が作った庭園と同じように、権勢を示すためいろいろと工夫されています。
その一つが沖縄以外のものも含めて様々な植物が植えられていること。
今の植物園です。

ゲットウ(月桃)Alpinia zerumbet

被子植物 単子葉類 ショウガ目 ショウガ科 ハナミョウガ属
多年草
熱帯から亜熱帯アジア 日本では沖縄県から九州南部に分布
別名:サンニン

沖縄では結構あちこちで見かける植物。

ショウガの仲間ですが、使われるの葉。
タケノコの皮や笹の葉、カシワの葉のように防腐作用を利用して食べ物をくるむのに使われます。
むーちーや儀保まんじゅう(のまんじゅう)のように、月桃の葉でくるんで蒸したものは、独特の風味がありますが、なれるとこれが美味しさになります。

シークヮーサーCitrus depressa

被子植物 双子葉類 ムクロジ目 ミカン科 ミカン属
常緑低木
台湾 日本では琉球諸島に自生
和名:ヒラミレモン(平実檸檬)

沖縄の柑橘類といえば、このシークヮーサー。
和名はヒラミレモンですが、知名度の差は圧倒的。

「シークヮーサー」は沖縄の方言で「酸っぱいものを食べさせる」というような意味があります。
表記はゆらぎが多く「シーカーシャー」などいろいろ。

古くから沖縄で使われていたようで、いつごろ沖縄に来たのかはわかっていないようです。

沖縄では様々なシークヮーサージュースがありますが、ストレートで飲めるものはみんなかなり薄まっています。
でも果汁100%好きの人も、シークヮーサーは100%ではおいしく飲めないでしょう。
殺人的なすっぱさです。

ハナバショウ(花芭蕉)Musa basjoo

被子植物 単子葉類 ショウガ目 バショウ科 バショウ属
多年草
中国原産
バショウの観賞用品種

バショウの観賞用品種。

バショウの仲間にはバナナがありますが、こちらは食用には向かないそうです。

「糸芭蕉」と呼ばれる種類の葉から繊維をとり、それを織って布を作りました。
古くから沖縄の人の生活を支えた植物の一つです。

レイシ(茘枝)Litchi chinensis

被子植物 双子葉類 ムクロジ目 ムクロジ科 レイシ属
常緑高木
中国の嶺南地方原産
別名:ライチ

南方の果物。
沖縄では露地で育てることができます。

中国では紀元前から栽培され、楊貴妃が愛したと言われています。
味はもちろんのこと、傷みやすいので高価な食べ物だったようですが、今ではスーパーで簡単に買うことができます。
冷凍ですが。

首里金城の大アカギ

沖縄の首里には大きなアカギがたくさん生えていました。
第二次世界大戦のとき、首里城の地下に陸軍基地が置かれたこともあり、アメリカ軍の艦砲射撃を受け、多くの木が失われました。
その中で奇跡的に生き残った6本の大アカギ。

生えているのは 内金城嶽(うちかなぐすくたき)の境内。
「嶽(たき)」「御嶽(うたき)」は南西諸島(奄美地域と沖縄地域と先島地域)に古くからある神様への祈りを捧げる場所。
イメージとしては、神社よりも祠(ほこら)に近いような気がします。

自然物に神様を見出し祈る場合や、遠くの神様へ祈る場合(遥拝)などがあります。

アカギ(赤木)Bischofia javanica

被子植物 双子葉類 キントラノオ目 コミカンソウ科 アカギ属
常緑高木
台湾~中国南部~東南アジア~ポリネシア~オーストラリア
日本では南西諸島(奄美群島、沖縄諸島、先島諸島)に分布
別名:カタン
国指定天然記念物

6本の大アカギの中の最も大きなアカギ。

推定樹齢は200~300歳、樹高は20mで、様々な植物が着生しています。

木の内側(材)が赤いことが由来。

沖縄では極相林(生える植物種の変化の最終段階)を作る樹木の一つなので、アカギの古い大木が残るのは自然なことです。

仲島の大石(なかしまのうふいし)のアコウ

那覇市内のバスターミナルの構内にある大きな琉球石灰岩の岩。
高さ約6m、周囲葯25m。
上にはアコウをはじめさまざまな植物が生えています。

岩の根元がえぐれているようにみえるのは、波がけずったためで、ここが海だったことの証です。

県指定天然記念物。
県指定史跡。

アコウ(榕、赤榕、赤秀、雀榕)Ficus superba var. japonica

被子植物 双子葉類 バラ目 クワ科 イチジク属
半常緑高木
中国南部~東南アジア 日本では紀伊半島~四国~九州~南西諸島に分布

沖縄の樹木で有名なガジュマルと同じように気根をたらす亜熱帯を好むイチジクの仲間。

木の上で芽を出すと、伸ばした気根で台になった気を多いからしてしまう「絞め殺しの木」の一つなのもガジュマルと同じ。

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タグ: アダンソテツゲットウシークヮーサーハナバショウレイシアカギアコウ識名園沖縄

theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

棚田のいきもの 2016年4月中旬の乾果とシダ

 たくさんの花が咲きはじめた4月の下赤阪の棚田ビオトープ。
 でもまだ咲き始めで、実のほうは少ないようです。


植物界 被子植物門
果実 タグ:下赤阪の棚田の果実
〉乾果 かんか:汁気の少ない果実 タグ:乾果
〉〉裂開果 れっかいか:熟すと割れる乾果 タグ:裂開果
〉〉〉角果 かくか:2部屋の裂開果
〉〉〉〉長角果 ちょうかくか:長い角果

タネツケバナ(種漬花)
Cardamine scutata

双子葉植物綱
アブラナ目
アブラナ科
タネツケバナ属
越年草
タグ:タネツケバナ

よく似た植物にミチタネツケバナがあります。

水路や結構湿ったところに生え、細長い棒のような果実が四方八方に広がるのがタネツケバナ。

〉〉〉〉長角果
〉〉〉角果
〉〉裂開果
果実 〉乾果
〉〉閉果 へいか:熟しても割れない乾果 タグ:閉果
〉〉〉痩果 そうか:皮と種が分かれない閉果

ノゲシ(野芥子)
Sonchus oleraceus

双子葉植物綱
キク目
キク科
ノゲシ属
越年草
ヨーロッパ原産の史前帰化植物?
別名:ハルノノゲシ
タグ:ノゲシ

綿毛はタンポポみたいですが、もっともふもふです。

オニノゲシ(鬼野芥子)Sonchus asper

双子葉植物綱 キク目 キク科 ノゲシ属
越年草
ヨーロッパ原産
タグ:オニノゲシ

セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)
Taraxacum officinale

双子葉植物綱
キク目
キク科
タンポポ属
多年草
ヨーロッパ原産
要注意外来生物
日本の侵略的外来種ワースト100
タグ:セイヨウタンポポ

〉〉〉痩果
〉〉閉果
〉乾果
果実
植物界 被子植物門
隠花植物
植物界 シダ植物門

イノモトソウ(井の許草)
Pteris multifida の栄養葉

シダ綱
ウラボシ目
イノモトソウ科
イノモトソウ属
常緑性

葉っぱが切れ込まない系のシダ。

これは光合成をして栄養をつくる葉で、胞子ができる葉はもっと細くなります。

スギナ(杉菜)Equisetum arvense
トクサ綱 トクサ目 トクサ科 トクサ属
夏緑性
タグ:スギナ

つくしの「親」。

というか、つくしは胞子をつくって飛ばす器官で、こちらは光合成をする器官。

植物界 シダ植物門
隠花植物

 まだまだ実が少ないのに、しっかりキク科は実をつくっていました。
 しかも外来種。
 だてに異国で勢力を広げていません。
 もっとも、それができなければ日本上陸は失敗しているはずですね。

タグ♦ 下赤阪の棚田のいきもの目次

■参考外部リンク■
下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会
ACRES_棚田の主な役割と「百選」の選定方法

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タグ: 下赤阪の棚田2016下赤阪の棚田2016/44月の下赤阪の棚田の植物果実/SA-tanada乾果/SA-tanadaシダ/SA-tanadaタネツケバナノゲシイノモトソウスギナ

theme : 山野草
genre : 趣味・実用

棚田のいきもの 2016年2月の植物いろいろ

 2月の下赤阪の棚田ビオトープで出会った生き物たち。
 その植物で、花でも実でもロゼットでもないものを集めてみました。


春の七種
植物界 被子植物門 双子葉植物綱

春の七種(春の七草)は、1月7日に七種類の野草と野菜を入れたおかゆを食べ、一年の無病息災を願う行事です。
それがどうして2月の棚田なのでしょう。

それは、もともと旧暦の行事ということ。
旧暦の正月はだいたい1月下旬から2月中旬にかけて。
今年は2月14日。

そしてもう一つ。
春の七種のうち、5種類の野草は田んぼに生える雑草と言われます。
それならば、野草が多い下赤阪の棚田にもあるはず。
ということで、春の七種を探してみました。

芹 せり

和名:セリ
学名:Oenanthe javanica
セリ目 セリ科 セリ属
多年草
分布:北海道~九州
適地:湿地や畦道
タグ:セリ

水分が多いところを好み、棚田ではいつも水が染み出るようなところや水路の中などに生えています。

薺 なずな

和名:ナズナ 学名:Capsella bursa-pastoris
アブラナ目 アブラナ科 ナズナ属
越年草
分布:北海道~九州
適地:道端,公園,畑
タグ:ナズナ

別名「ペンペングサ」は、ハート型の果実を三味線のバチにみたてたもの。

空地にも生えるような結構しぶとい雑草。

御形 ごぎょう

和名:ハハコグサ 学名:Gnaphalium affine
キク目 キク科 ハハコグサ属
越年草
分布:北海道~沖縄
適地:人里の道端、田の畦
別名:おぎょう
タグ:ハハコグサ

植物っぽくないグニャグニャとした形と、綿毛に覆われて白っぽく見えるのが特徴。

棚田ではあまり多くない野草。

繁縷 はこべら

和名:コハコベ
学名:Stellaria media
ナデシコ目 ナデシコ科 ハコベ属
越年草
分布:北海道~九州
適地:道端,公園,畑
タグ:コハコベ

外来種のミドリハコベがよく似ています。

茎が赤いのがコハコベ。緑はミドリハコベ。

仏の座 ほとけのざ

和名:コオニタビラコ 学名:Lapsana apogonoides
キク目 キク科 ヤブタビラコ属
越年草
分布:本州~九州
適地:湿地を好む
タグ:コオニタビラコ

湿り気のあるところを好みますが、棚田ではあまり見かけません。

これは小さい葉が羽のように並んでいないので、コオニタビラコでないかもしれません。

菘 すずな

和名:カブ 学名:Brassica rapa var. rapa
アブラナ目 アブラナ科 アブラナ属
越年草
分布:アフガニスタン原産
適地:代表的な野菜
タグ:カブ

野菜のカブ。野生化はしていません。

葉の形からカブじゃないかと思いますが、自信はありません。

畑に植えられています。多くはありませんので自家用でしょう。

蘿蔔 すずしろ

和名:ダイコン 学名:Raphanus sativus var. longipinnatus
アブラナ目 アブラナ科 ダイコン属
越年草
分布:地中海原産
適地:代表的な野菜
タグ:ダイコン

ダイコン。野菜で野生化はしていません。

カブの隣りにありました。

こちらは葉の形からダイコンだと思います。

植物界 被子植物門 双子葉植物綱
春の七種
植物いろいろ
植物界 被子植物門 双子葉植物綱

アジサイ(紫陽花)の冬芽
Hydrangea macrophylla
var. macrophylla

ミズキ目
アジサイ科
アジサイ属
落葉低木
タグ:アジサイ

春が待ち遠しそうにふくらんできています。

クヌギエダイガフシ(椚枝毬五倍子)

クヌギ(櫟)Quercus acutissima
ブナ目 ブナ科 コナラ属
落葉高木
タグ:クヌギ

クヌギにできたこぶ。

植物は寄生した生き物を覆うようにコブを作ることがあります。

「虫嬰(ちゅうえい)」「虫こぶ」とよばれ、古くは「五倍子(ふし)」と呼ばれていました。

これはクヌギエダイガタマバチというハチが寄生しています。

なぜかクヌギのドングリにそっくり。

虫嬰・虫こぶは専門的な本などでは「ゴール(gall)」と書かれることがあります。
虫こぶを作らせる寄生生物は昆虫からダニ、線虫にカビにウイルスと様々。
それで「虫」という言葉は適切ではない、ということのようです。

ところが、「虫」の旧字体「蟲」は、人間よりずっと小さい動物全般を指し、昆虫はもちろんトカゲやミミズだって含みます。
さら「三尸の虫」のように、得体のしれない見えない寄生生物のようなものも含みます。
『蟲師』の「蟲」ですね。

ということで、虫こぶに「虫」の字を使うことはまったく問題ありません。
虫こぶの専門家の方にとって「虫」=「節足動物」なのかもしれませんが、さにあらず。
ということで、専門家ではありませんのでわかりやすい「虫嬰」「虫こぶ」を主に使っていきます。

植物界 被子植物門 双子葉植物綱
植物いろいろ
隠花植物
植物界
シダ植物門 シダ綱

ヤマヤブソテツ(山藪蘇鉄)
Cyrtomium fortunei var. clivicola

ウラボシ目 オシダ科 ヤブソテツ属
常緑性

細かく切れ込んだ葉というシダのイメージを壊すシダ。

短剣のような先が尖った葉が並ぶシダ。

ヤブソテツの仲間はよく似たものが多いので、まちがっているかもしれません。

小さな葉の大きさや長さ、数、光沢の有無など色々なちがいがあります。

イノモトソウ(井の許草)Pteris multifida

ウラボシ目 イノモトソウ科 イノモトソウ属
常緑性

こちらも葉が切れ込まないシダ。

胞子ができる葉(胞子葉)と胞子ができない葉(栄養葉)があります。

上は胞子葉。

胞子は葉の裏、くるりと曲がった葉の縁にできます。

下の葉の縁がギザギザなのが栄養葉。

ノキシノブ(軒忍)Lepisorus thunbergianus

ウラボシ目 ウラボシ科 ノキシノブ属
常緑性
タグ:ノキシノブ

ただ細長いだけの葉のシダ。

家の軒に生えることが名前の由来。

でも、樹の幹や岩の上などいろんなところに生えます。

シダ植物門 シダ綱
植物界
コケ植物門 蘚綱

ネズミノオゴケ(鼠の尾蘚)Myuroclada maximowiczii

シトネゴケ目 アオギヌゴケ科 ネズミノオゴケ属

スギゴケのような蘚類のコケ。

小さな葉が茎にはりつくようになっていて、それがウロコに覆われたネズミの尾に見立てたことが由来といわれます。

葉を広げるほかの蘚類とはちょっとちがった雰囲気です。

コケ植物門 蘚綱
植物界
隠花植物

 冬だから植物はみんな枯れちゃう、ということはありません。
 根雪にならないところでは。
 さすがに目立つ花はありませんが、いろんな植物がしっかりちゃっかり生きています。

タグ♦ 下赤阪の棚田のいきもの目次
■参考外部リンク■

下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会


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タグ: 下赤阪の棚田2016下赤阪の棚田2016/22月の下赤阪の棚田の植物カブダイコンアジサイヤマヤブソテツイノモトソウネズミノオゴケ春の七種

theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

特別展「たまごとたね」は空を飛んで旅するタネがたくさん!〈大阪市立自然史博物館〉

 タマゴとタネが対決形式で展示されている大阪市立自然史博物館の特別展「たまごとたね」。
 22のラウンド(テーマ)で対決しています。
 でも、なんか、タマゴとその親達ばかりに注目しがちになってしまいます。
 でもタネだって負けていません。

◆「たまごとたね -いのちのはじまりと不思議-」の記事をまとめてみる
 【知っているのに知らないタマゴとタネがいっぱい!】
 【鳥の卵がものすご~くいっぱい!】
 【タマゴとタネのちがいは?!】
 【何回も行ってたくさんタマゴとタネを見よう!】

 タネについての説明で印象に残ったのは、解説書の「普段は動けない植物が、動いて分布を広げることができる数少ないチャンス」。
 動けない植物が分布を広げることは重要です。
 たとえば、人類が登場してからのわずかな間だけでも地球は暖かくなったい寒くなったりを繰り返しています。
 そのとき、分布を広げることができていなければ、激しい環境の変化を乗り越えることができず、絶滅してしまいます。


会場までまだまだ500mの案内板

 ということで、会場では旅するタネがろいろ展示されています。
 自分の力で動くことができないタネの移動方法には、動物に運んでもらう方法と、空気や水の動きを利用する方法などがあります。
 空気を利用するタネは、タネらしくないおもしろい形をしているものがいろいろあります。


写真で残念な全翼機型タネのハネフクベ
この形は空気抵抗が少なくなるので長距離や長時間飛びやすくなります


実の中に円盤グライダー型のタネがつまったジャカランダ


2枚羽のヘリコプター型のタネのフタバガキ類
このタイプは遠くへ飛ぶよりも落下の衝撃を和らげるためとも言われます


いろいろなふわふわ系タネ
どれも種子の部分は小さい

 そして、標本の展示だけでなく、実際にタネが飛ぶ様子を見ることができます。
 まずアメリカオニアザミ。
 名前のようにキク科の植物。
 キク科で飛ぶタネというと、タンポポ。
 アメリカオニアザミもタンポポのようにタネに綿毛がついています。
 大きなケースについたボタンを押すと、中に風が巻き起こって綿毛が舞います。
 綿毛に風を受けてふわりと舞い上がり、ふわふわと落ちていきます。


ふわふわ舞ってるアメリカオニアザミ

 「ふわふわ」と飛ぶには軽いほうが有利。
 つまりタネは小さいほうがよくなります。
 しかし、タネが小さいとためておける栄養が少ないので、芽を出して育つためには不利。
 そのため、ふわふわ型のタネは、小さいタネをたくさん作るものが多いそうです。

 そして会場終盤には大きな空飛ぶタネが登場。
 天井から下がっているひもを引くと、かごが上へ上へと上って行きます。
 天井にとどくと中からたくさんのタネが出てきて、ひらひらと会場を舞います。
 グライダーのような大きな翼がついたタネ。
 会場の最初のほうに展示されていたハネフクベのタネのようです。


会場を舞う全翼機型のタネモドキ

 ハネフクベはウリ科の蔓植物で、木を使って高いところまで上って行き、タネを飛ばします。
 タネはグライダーのように飛びますので、できるだけ高い位置に実がなるほうが得です。
 そして綿毛型よりも大きなタネをつくるります。
 大きなタネのほうが成長するための栄養も多いわけですから、小さい種よりも有利です。


床に降りたタネモドキ

 「飛ぶ」と言っても方法や形は様々。
 紹介できたのその一部だけ。
 残りはぜひ会場で見てください!

タグ♦ たまごとたね -いのちのはじまりと不思議- 大阪市立自然史博物館

■参考外部リンク■
第46回特別展 たまごとたね -いのちのはじまりとふしぎ-|大阪市立自然史博物館
ようこそ大阪市立自然史博物館へ


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タグ: たまごとたね大阪市立自然史博物館タネハネフクベジャカランダフタバガキアメリカオニアザミ46th-tamagototane

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

下赤阪の棚田の2015年 6月上旬の赤紫~紫~青紫・緑色の花・その他植物編

 棚田に水がはいった6月上旬の下赤阪の棚田ビオトープ。

 花もいっぱい咲いています。

 それは棚田の管理がいい加減で雑草がいっぱい生えている、わけではありません。

 棚田にかぎらず、畦が崩れることを防ぐため、あえて雑草は刈り取るだけで抜くことはしないのです。

 雑草の根に土をしっかり押さえてもらっているのです。


6月下旬の下赤阪の棚田の輝きと影のコントラスト

植物界
赤紫色の花
被子植物門
双子葉植物綱
コマツナギ(駒繋)
Indigofera
pseudotinctoria
マメ目
マメ科
コマツナギ属
落葉小低木
タグ:コマツナギ
ノアザミ(野薊)
Cirsium japonicum
キク目
キク科
アザミ属
多年草
タグ:ノアザミ
ムラサキカタバミ
(紫片喰)
Oxalis corymbosa
フウロソウ目
カタバミ科
カタバミ属
多年草
南アメリカ原産の帰化植物
要注意外来生物
タグ:ムラサキカタバミ
オトメフウロ(乙女風露)
Geraniumu dissectum
フウロソウ目
フウロソウ科
フウロソウ属
一年草
ヨーロッパ原産の帰化植物
タグ:オトメフウロ
トウバナ(塔花)
Clinopodium gracile
シソ目
シソ科
トウバナ属
多年草
タグ:トウバナ
 双子葉植物綱
被子植物門
単子葉植物綱
ニワゼキショウ(庭石菖)
Sisyrinchium rosulatum
キジカクシ目
アヤメ科
ニワゼキショウ属
一年草
北アメリカ原産の帰化植物
タグ:ニワゼキショウ
単子葉植物綱
被子植物門
赤紫色の花
植物界
紫色の花
被子植物門 双子葉植物綱
ウツボグサ(靫草)
Prunella vulgaris
ssp. asiatica
シソ目
シソ科
ウツボグサ属
多年草
別名:夏枯草(かこそう)
タグ:ウツボグサ

毎年たくさん咲くところですが、今年は草刈りのタイミングが悪かったようで、咲いているのはこの一つだけでした。
被子植物門 双子葉植物綱
紫色の花
植物界
青紫色の花
被子植物門 双子葉植物綱
アジサイ(紫陽花)
Hydrangea macrophylla
var. macrophylla
ミズキ目
アジサイ科
アジサイ属
落葉低木
別名:セイヨウアジサイ
タグ:アジサイ

駐車場とトイレのある場所で垣根のように植えられています。
キランソウ(金瘡小草)Ajuga decumbens
シソ目 シソ科 キランソウ属
多年草
別名:ジゴクノカマノフタ,コウボウソウ,
タグ:キランソウ
花がゴマノハグサ科のようですが、シソ科。


きれいな青紫色ですが、葉はロゼット状に広がり、地面に貼り付くように咲いているので、足下に注意しないと見逃してしまうかもしれません。
被子植物門 双子葉植物綱
青紫色の花
植物界
緑色の花
被子植物門 双子葉植物綱
クリ(栗)Castanea crenata
ブナ目 ブナ科 クリ属
落葉高木
タグ:クリ
イガイガのクリも雄花はこんな感じです。

雌花は小さく、枝にひっついていて、この距離ではちょっとわかりません。

どんぐりができるブナ科の特徴です。
アカメガシワ
(赤芽槲,赤芽柏)
Mallotus japonicus
キントラノオ目
トウダイグサ科
アカメガシワ属
落葉高木
タグ:アカメガシワ
被子植物門 双子葉植物綱
緑色の花
裸子植物門 マツ綱
イヌマキ(犬槇)Podocarpus macrophyllus の雄花
マツ目 マキ科 マキ属
常緑高木
タグ:イヌマキ
平たい葉ですが針葉樹。

「針葉樹」といっても、文字通りの針のような葉ばかりではありません。

イヌマキは雌雄異株。

これは雄株です。
裸子植物門 マツ綱
緑色の花
植物界
植物界
その他植物
被子植物門 単子葉植物綱
イネ(稲,稻,禾)Oryza sativa
イネ目 イネ科 イネ属
多年草(日本では一年草的栽培)
インドから中国南部原産と言われる食用作物
タグ:イネ
もう田植えが終わった田んぼもあります。

これから4ヶ月かけて棚田で育っていきます。
アオウキクサ(青浮草)
Lemna aoukikusa
オモダカ目
サトイモ科
アオウキクサ属
多年草
タグ:アオウキクサ
被子植物門 単子葉綱
その他植物
シダ植物門 ウラボシ綱
ノキシノブ(軒忍)
Lepisorus thunbergianus
ウラボシ目
ウラボシ科
ノキシノブ属
タグ:ノキシノブ

決して生えるのは家の軒だけではありません。

岩でもコンクリートでも樹の幹でも条件が良ければ生えます。

身近なシダの一つ。
シダ植物門 ウラボシ綱
その他植物
植物界

 草だけでなく、樹木もいろいろ咲いています。

 葉が茂って光合成が盛んに行われるようになる頃にも花は咲きます。

 ただ、葉に隠れて目立たないだけ。

 視線を上げると、たくさんの花が咲いているかもしれません。

タグ♦ 6月の下赤阪の棚田の植物 2015年の下赤阪の棚田

■参考外部リンク■
下赤阪の棚田 | 千早赤阪村観光協会

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genre : 趣味・実用

特別展「スペイン 奇跡の恐竜たち」と長居植物園で恐竜時代の植物たちを探してみました!〈大阪市立自然史博物館〉


 スペイン 奇跡の恐竜たち。

 残すは1ヶ月もありません。

 今回はちょっと恐竜から離れます。

 テーマは植物。



◆「スペイン 奇跡の恐竜たち」の
  記事をまとめてみる
 【大阪ではじまりました!】
 【恐竜にも肉球があるのか見てみました!】
 【でっかい恐竜が歩く姿を想像してみました!】
 【恐竜と鳥の境界をさがしてみました!】



 恐竜展なのに植物というのは、かなり意外な感じがするかもしれません。

 しかし。

 恐竜を生き物として見るとき、どのような環境で生きていたかを知ることは大切です。

 その一つの目安となるのが植物。

 ですから、恐竜展では同じ時代の植物化石が展示されることがよくあります。

 もちろん「スペイン 奇跡の恐竜たち」でも。




↑と反対でも会場に行けます




 動物は中生代と古生代の境で大型爬虫類から鳥類・哺乳類に交代しますが、植物は白亜紀の間にシダ植物・裸子植物と被子植物が交代します。

 ということで、ラス・オヤスとロ・ウエコの時代、中生代白亜紀の年表を簡単にまとめてみました。



百万年前 植代 産地
56.0 新生代 古第三紀 暁新世
新植代△被子植物の時代▽
66.0 中生代 白亜紀 後期 マーストリヒチアン
72.1


カンパニアン ロ・ウエコ
83.6


サントニアン
86.3


コニアシアン
89.8


チューロニアン
93.9


セノマニアン
100.5

前期 アルビアン 中植代△裸子植物の時代▽
113.0


アブチアン
125.0


バレミアン ラス・オヤス
129.4


オーテリビアン
132.9


バランギニアン
139.8


ベリアシアン
145.0
ジュラ紀 後期


年代と名称は国際年代層序表を参考にしています。
植代については【APG植物分類体系で ものすご~くおおざっぱに被子植物の進化をみてみると】へ。



 このようにラス・オヤスとロ・ウエコの間で植物の交代が起こっているのですが、残念ながら植物が見つかっているのはラス・オヤスだけ。
 白亜紀前期の地層です。

 比較できないのは残念ですが、今と違って裸子植物とシダ植物に覆われていた時代の化石を見てみましょう。

 自然史博物館があるのは植物園の中。

 ということで、今回も植物園にある恐竜時代の植物の子孫と並べてみました。

 よく似た種類を並べましたが、必ずしも種や属が近いものではありません。

 同じというわけではありませんが、コンカベナトールが歩いていた大地はどんな感じだったのか、想像してみましょう。



水中

モントセキア・ヴィダリ
原始的被子植物
水草
展示:スペイン 奇跡の恐竜たち
クラヴァトラキシス・
ロブスタス
車軸藻植物 シャジクモ類
展示:スペイン 奇跡の恐竜たち
シャジクモの仲間は今も水中に生えている緑色の藻類です。

陸上植物に近いと言われています。

モントセキアはシャジクモ類のクラヴァトラキシスと似ていますが、原始的被子植物の水草。

被子植物は裸子植物から進化したと言われていますが、原始的被子植物がシャジクモ類に似ている水草というのは不思議です。

この部分だけ見ていると、被子植物は裸子植物とは別にシャジクモ類から進化したしたかのようです。

その点についてはとても重要なことだと思うのですが、展示にも図録にも書かれていないようなのが残念。
それとも、見落としていた?



陸上

シダ植物

ウェイクセリア・レディキュラタ
シダ植物 ウラジロ類
展示:スペイン 奇跡の恐竜たち
ヒカゲヘゴ
ヘゴ目 ヘゴ科
展示:花と緑と自然の情報センター アトリウム内
ウェイクセリアは、木性シダの1メートルくらいある大きな葉の化石。

この葉が幹の先から四方八方に広がるように生えていたようです。

恐竜時代には当たり前のようにあった木性シダは、今でもわずかに残っています。
ただし温暖な地域、日本では沖縄や小笠原に。

温室のない長居植物園では、会場隣のアトリウムにヒカゲヘゴが置かれています。

さすがに恐竜時代と比べると小さく屋内に収まっていますが、それでも見上げるほどの大きさ。

雰囲気は感じることができそうです。
シダ類
シダ綱
展示:花と緑と自然の情報センター
アトリウム内
ルッフォルディア・
ゴエッペルティ
シダ植物 フサシダ類
展示:スペイン 奇跡の恐竜たち
恐竜時代のシダというとウェイクセリアのような大きな木性シダのイメージがありますが、草サイズもあったようです。

裸子植物の草が恐竜時代にあったのかどうかわかりませんが、もしかしたら草本ニッチ(生育環境)はシダ植物だったのかもしれません。

中心の軸から分かれた軸に小さな葉がつく2回羽状複葉は、シダのよくある葉。
この時代から変わっていないようです。

長居植物園は園内にシダは見当たりません。

ということで、暖かいアトリウムに置かれているシダ。

ここは植物園扱いでないのか、名札がないので種名は不明。

裸子植物

ソテツ
ソテツ目 ソテツ科
展示:長居植物園南東
ライフガーデン
ザミテスの一種
ベネチテス類
(キカデオイデア類)
展示:スペイン 奇跡の恐竜たち
ベネチテス類は中生代で絶滅した植物。今はありません。

外観は今も残る同じソテツ綱のソテツとよく似ていました。

ただ、同じ裸子植物でも細かいところは違っていたようなので、あくまで似てるのは見た目だけ。
アカマツ
マツ目 マツ科
展示:長居植物園北 間氷期植物群
ブラキフィルムの一種
裸子植物 球果類
展示:スペイン 奇跡の恐竜たち
大きめのスギナのようですが、球果植物、つまりマツなどの仲間。

確かに球果の化石をみると、新しいマツカサみたいに鱗片が重なっているようです。

下から見上げるマツの木。

コンカベナトールも同じ景色を見ていたのでしょうか。
いや、真上を向くことはできなかった?
コウヨウザン
マツ目 ヒノキ科
展示:長居植物園北 渓流
パジオフィルムの一種
裸子植物 球果類
展示:スペイン 奇跡の恐竜たち
謎の虫のようですが、球果植物。

となると、細長い三角の葉ならスギ。

パジオフィルムがスギに近い仲間かどうかわかりませんが、コウヨウザンの仲間は白亜紀の地層から見つかっていますので、可能性は0ではないかも。

被子植物

ムラサキケマン
キンポウゲ目 ケシ科
展示:長居植物園北 氷期植物群
イテロフィルム・ロバタム
キンポウゲ類 ケシ科
展示:スペイン 奇跡の恐竜たち
ケシの仲間はラス・オヤスの化石が生きていた時代にはもう登場していました。
結構古い植物です。

イテロフィルムの化石は違う形をしていますが、同じ種類のちがう成長段階のものの可能性もあるそうです。

現在でも成長段階や付く位置で葉の形が変わることは、草ではよくあること。

ムラサキケマンは林床にまとまって生えていました。

特に囲みもありませんので、植栽されたものでなく勝手に生えたものかもしれません。

2000年前には海だった大阪市内にちょっと意外な感じもしますが、植物園は上町台地の上にありますので、住宅地になる前には当たり前の野草だったのかもしれません。



 ラス・オヤスの時代は裸子植物の時代と書きました。

 ところが見つかった植物はほとんどがシダ植物。
 意外です。

 裸子植物がシダ植物よりも化石が残りにくいとは思えません。

 どのような理由でこのようなちがいが生まれたのかわかりませんが、ちょっと想像してみましょう。



 ラス・オヤスは水辺で石灰岩にうもれてできた地層。

 つまり、水がたくさんあったところ。

 シダ植物は性質上乾燥したところは苦手。

 ですから水辺のニッチはシダ植物のものだったのかもしれません。

 裸子植物が増えたのは、シダからニッチを奪ったからではなく、シダ植物が進出できなかった乾燥地へ進出したからでしょうか。

 数を大きく減らした裸子植物の中で、現在唯一繁栄している球果植物は、乾燥地や寒冷地など植物には厳しい環境に育つ種類が少なくありません。




長居植物園でもっとも恐竜時代に近そうな風景の小池
針葉樹のメタセコイアやラクウショウの間からシダ植物のトクサが見えます
ただしラス・オヤスでは針葉樹ではなく木性シダのようです




 水中から現れた植物は、2億年かけてやっと水辺から離れることができるようになりました。

 それまでは、水辺から離れるとどこも砂漠のような状態だったのかもしれません。

 恐竜が出現したのは、シダよりも乾燥に強い裸子植物が現れてから。

 そして恐竜が滅ぶ前には、動物と関係の深い被子植物が現れています。

 まるで、恐竜の絶滅に関係しているように。

 本当のことはわかりませんが、おもしろいですね。



タグ♦ スペイン 奇跡の恐竜たち 白亜紀

■参考外部リンク■
スペイン 奇跡の恐竜たち/2015年3月21日(土・祝)~5月31日(日)/大阪市立自然史博物館
ようこそ大阪市立自然史博物館へ


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タグ: スペイン奇跡の恐竜たちモントセキアクラヴァトラキシスウェイクセリアルッフォルディアブラキフィルムパジオフィルムイテロフィルムspaindino-osaka恐竜ビオトープ

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