特別展「たまごとたね」にはタマゴやタネ以外にもおもしろいものがいっぱい!〈大阪市立自然史博物館〉
もうのこりわずかになってしまった大阪市立自然史博物館の「たまごとたね」。
タマゴとタネに関するいろいろなものが展示されています。
ということで、今回はタマゴとタネ以外のおもしろいとおもったものを取り上げてみました。
◆「たまごとたね -いのちのはじまりと不思議-」の記事をまとめてみる
【大っきなタマゴがやってきました!】
【知っているのに知らないタマゴとタネがいっぱい!】
【鳥の卵がものすご~くいっぱい!】
【タマゴとタネのちがいは?!】
【何回も行ってたくさんタマゴとタネを見よう!】
【空を飛んで旅するタネがたくさん!】

会場へ向かう階段の看板あとわずか!
カモノハシの剥製とタマゴの標本

カモノハシの剥製
オーストラリアにいる卵を産む哺乳類として結構有名ではないかと思います。
カモノハシは、卵を産む以外に、毒を持つ数少ない哺乳類としても有名です。
反面、実物を見る機会はなかなかありません。
自然史博物館本館には同じ卵を産む哺乳類のハリモグラの骨格標本があります。
キーウィの剥製と骨格標本と卵の標本

キーウィの剥製と骨格標本と卵の標本
オーストラリアの隣のニュージーランドの国鳥でもあります。
飛べない鳥で、ダチョウと同じ古顎類。
会場では剥製標本と骨格標本と卵の標本があります。
タマゴがやたら大きいのが特徴。
そして、近くの天王寺動物園の夜行性動物舎では、生きたキーウィを見ることができます。
なんでも、日本でキーウィを飼育しているのはここだけだとか。
自然史博物館からは地下鉄でもJRでも乗り換えなし。歩いてもいけます(小一時間かかりますが)。
古額類の骨格標本

左からダチョウ ヒクイドリ エミュー
キーウィと同じ古顎類の巨鳥のダチョウとヒクイドリとエミューの骨格が展示されています。
見上げるような鳥で、飛ぶことはできません。
恐竜から進化した鳥が、飛ぶことをやめて恐竜に戻ったようです。
一度動物の体の基本デザインが出来上がってからの進化のルールの一つに、一度なくしたものは元に戻らないというものがあります。
恐竜が鳥になるためになくしたものに長い尾があり、役割が変わったものに手の指があります。
ダチョウのように飛ばなくなり、地面の上を走るようになっても尾が伸びることはありませんし、物がつかめるようなバランスの取れた指には戻りませんでした。
ということは、鳥は恐竜から進化したと言われますが、もう恐竜には戻れないほどちがう生き物になったということなのかもしれません。

ダチョウの趾(あしゆび)
ダチョウに至っては、足の指まで減って地面を蹴る指は2本になっています。
先祖の獣脚類の恐竜の地面を蹴る指は3本。
ダチョウは、地面の上を走る速度は時速70キロといわれ、サラブレッドに匹敵する速さと言われています。
馬の指はたった1本。
足の指の数が減るのは速く走ることと関係があるのかもしれません。
とすると、足の地面を蹴る指が3本だった恐竜たちは、思っていたほど速くないのかも?
ちなみに、時速100キロを超える陸上動物最速のチータは地面を蹴る指は4本、3本のエミューも時速50キロと、指の数と速さの関係はそんなに単純なものではないようです。
なんてことを考えると、楽しめそうです。
また、エミューも天王寺動物園にいますので、キーウィと一緒に見に行けます。
お腹で子供を育てる生きた化石ドタブカ

ドタブカの母親
「いきもの いっぱい 大阪湾」に次いでの登場。
サメは生きる化石で何億年も姿が変わっていないと言われています。
ところが、子供の産み方にはものすごい進化があります。
普通、魚は無数の卵を産んでたくさんの稚魚が生まれ、育っていくものです。
つまり、それだけの魚が成長する間に死んでしまうのです。
ところが、生きた化石と言われるサメは、一度に産むのは多くて数匹だったりします。
産み方も様々で、硬い殻を持った大きなタマゴで大切に育てる卵生から、タマゴを体内で孵化させてから産む卵胎生ものまで。
卵胎生も、ただ体内で孵化させるだけのものから、母親が胎内で未受精卵や分泌物を食べさせて育てるものまで。
中には、稚魚が兄弟を食べ、生き残ったものが生まれるという、まるで蠱毒のようなサメまでいます。
そして、なんと、へその緒を持ち胎盤で母体から栄養をもらうものまで。
そう、私たち哺乳類と同じです。
生きた化石なのに。
そんなサメがドタブカ。

ドタブカの子どもとへその緒と胎盤
会場では母親の剥製と、その胎内にいた子供の標本が展示されています。
もちろん、子供にはへその緒と胎盤がついたまま。
カモノハシよりも哺乳類っぽい? サメをみることができるのも、あとわずかです。

タグ: たまごとたね カモノハシ キーウィ ダチョウ ヒクイドリ エミュー ドタブカ 大阪市立自然史博物館 46th-tamagototane

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