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恐竜ではない「滄竜」?モササウルスは海の爬虫類![きしわだ自然資料館]


 大阪の岸和田市のきしわだ自然資料館の特別展で展示されているモササウルス。

 日本で見つかる数少ない中生代、つまり恐竜時代の大型肉食絶滅爬虫類化石の一つです。

 天井からつるされている復元骨格は人間くらいの大きさですが、大きいものは15メートルと、ティラノサウルスやクロノサウルスと変わらないくらいの“長さ”があります。

 路線バスに使われる大型バスは長さが10メートルくらい。
 長さだけでしたらバスよりも大きい生き物になります。

 きしわだでも大型のモササウルスの復元骨格が展示されていますが、写真撮影禁止なので残念ですがここで画像を紹介することはできません。



 モササウルスは魚竜のような細長い口と大きな目、トカゲのような細長いからだと尻尾、イルカのように大きく水をかきやすいけど体を支えることは苦手な短い腕をもった生き物です。

 長い尻尾はサメのような尾びれのようになっていたと言う説もあり、魚竜・クジラと同じで海での生活に適するよう収斂進化の結果、魚類と同じ尾の形になったのかもしれません。
 そうだとすると首長竜と魚竜の中間のような形で、泳ぐのは得意だったことでしょう。

 恐竜の時代の一番最後、白亜紀末に登場しただけあって海で生きていた爬虫類をいろいろ合わせたような姿をしています。
 しかし生物の進化による分類では恐竜やワニよりもトカゲに最も近い生き物として考えられています。

トカゲ類のモササウルスの全身復元骨格標本[きしわだ自然資料館「モササウルス展」]
トカゲ類のモササウルスの全身復元骨格標本
[きしわだ自然資料館「モササウルス展」]

モササウルスと同じ“トカゲ”のミズオオトカゲの骨格標本[きしわだ自然資料館「モササウルス展」]
モササウルスと同じ“トカゲ”のミズオオトカゲの骨格標本
[きしわだ自然資料館「モササウルス展」]


爬虫類の系統図

     古生代    │       中生代       │新生代
  石炭紀 │ ペルム紀│ 三畳紀 │ ジュラ紀│ 白亜紀 │ 現在
      :     :     :     :     :
━有┳爬┳無━━━━━━━━━━━━━━━           カメ類
 羊┃虫┃弓:     :     :     :     :
 膜┃類┃類:     :     :     :     :
 類┃ ┃ :     :     :     :     :
  ┃ ┗双┳鱗┳━━━━鱗┳━━━━━━━━    ━ムカシトカゲ類
  ┃  弓┃竜┃   :竜┃   :     :     :
  ┃  類┃形┃   :類┗有━━━━━━━     モサ…トカゲ類
  ┃   ┃類┃   :  鱗  :     ┃     :
  ┃   ┃ ┃   :  類  :             ヘビ類
  ┃   ┃ ┃   :     :     :     :
  ┃   ┃ ┗鰭┳板━━━━━━:     :     :
  ┃   ┃  竜┃歯:     :     :     :
  ┃   ┃  類┃類:     :     :     :
  ┃   ┃   ┃ :     :     :     :
  ┃   ┃   ┗偽━━━━┳━:     :     :
  ┃   ┃    竜:   ┃ :     :     :
  ┃   ┃    類:   ┗首長竜類━━━━━━エラ…
  ┃   ┃     :     :     :     :
  ┃   ┣━━━━━━━魚竜類━━━━━━━━━━━  :
  ┃   ┃     :     :     :     :
  ┃   ┗主┳━━━━ワ主┳                ワニ類
  ┃   :竜┃   :ニ竜┃  :     :     :
  ┃   :類┃   :型類┗シロ…━━   :     :
  ┃   : ┃   :     :     :     :
  ┃   : ┣━━━━━━翼竜類━━━━━━━━━プテ…
  ┃   : ┃   :     :     :     :
  ┃   : ┗━━━━恐┳竜┳獣━━━━━┳━━━━ティ…
  ┃   :     :竜┃盤┃脚:    ┃:     :
  ┃   :     :類┃類┃類:    ┗         鳥類
  ┃   :     : ┃ ┃ :     :     :
  ┃   :     : ┃ ┗━━━━━竜ブラ…━━━━:
  ┃   :     : ┃   :   脚 :     :
  ┃   :     : ┃   :   類 :     :
  ┃   :     : ┃   :     :     :
  ┃   :     : ┗鳥┳━━━━━━┳━━パラ…━:
  ┃   :     :  盤┃ :    ┃:     :
  ┃   :     :  類┃ :    ┣━パキ…━━:
  ┃   :     :   ┃ :    ┃:     :
  ┃   :     :   ┃ :    ┗━トリ…━━:
  ┃   :     :   ┃ :     :     :
  ┃   :     :   ┗━━━ステ…━━━━━━━:
  ┃   :     :     :     :     :
  ┗単━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━ :     :
   弓  :     :   ┃ :     :     :
   類  :     :   ┗               哺乳類
            ▲     :     :     :
        ペルム紀末大絶滅  ▲     :     ▲
               三畳紀末大絶滅     白亜紀末大絶滅

モササウルス展に使われていた表をもとにしています。
実物はもっと細かくてわかりやすくできています。



 中生代の爬虫類といわれるとすぐ「恐竜」というイメージですが、なかなかどうして、いろいろな爬虫類が海から空までいろいろなところにいっぱいいたようです。


 ところで。

 「滄竜(そうりゅう)」は生き物の分類の名前ではなく、モササウルスの昔の呼び名です。

 モササウルスの展は2011年1月30日まで。もうすぐ終わり。

 いそげっ!


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タグ: モササウルスきしわだ自然資料館ミズオオトカゲ化石骨格標本オオトカゲ

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ウネンラギアとアナビセティア、鳥に近いのはどっち?〈大恐竜展-大阪市立自然史博物館-〉

 長居(ながい)公園の大阪市立自然史(しぜんし)博物館の特別展、「大恐竜展~知られざる南半球の支配者~」は、今まで書いてきたような大きな肉食恐竜の展示だけではありません。

 羽毛が生えた恐竜が多く確認され、鳥類の先祖とも言われるドロマエオサウルス科の恐竜の化石も展示されています。

 それがウネンラギア。
 人間と変わらない大きさの復元された骨格が展示されています。

ウネンラギアの復元骨格標本〈大恐竜展-大阪市立自然史博物館〉
ウネンラギアの復元骨格標本〈大恐竜展-大阪市立自然史博物館〉



 肩の関節の様子から、羽ばたくような運動もできたと考えられていますが、体のほかの部分の特徴からは飛ぶどころか滑空することもできなかったようです。



 鳥と比べてみようということで、去年同じ博物館で行われた特別展「ホネホネ探検隊」で展示されていた現在の鳥、エミューの骨も見てみましょう。

エミューの骨格標本〈ホネホネ探検隊-大阪市立自然史博物館〉
エミューの骨格標本〈ホネホネ探検隊-大阪市立自然史博物館〉




 こうしてみると、ウネンラギアは鳥ではなく恐竜そのもののような気がします。

 となりには同じくらいの大きさの恐竜アナビセティアの骨格があります。
 こちらの方がエミューに近いように感じます。

アナビセティアの復元骨格標本〈大恐竜展-大阪市立自然史博物館〉
アナビセティアの復元骨格標本〈大恐竜展-大阪市立自然史博物館〉




 どちらも白亜紀(はくあき)後期の恐竜ですが、アナビセティアは鳥盤類(ちょうばんるい)の恐竜。
 鳥の先祖といわるドロマエオサウルス科は竜盤類(りゅうばんるい)の恐竜。つまりウネンラギアのほうが進化の系統では鳥に近いのです。


 エミューは飛べない巨大な鳥です。一般的な鳥とはちょっとちがいます。
 もすかすると、2本足で陸上生活するうちにお互いに似た姿になったのでしょうか。

 いや、ひょっとして、エミューは恐竜化した鳥なのでしょうか。



 そうだと、おもしろい!

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タグ: 大恐竜展大阪市立自然史博物館ウネンラギアアナビセティアエミュードロマエオサウルス科化石骨格標本

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