特別展「石は地球のワンダー」地球と石と生き物の関係がわかる!?〈大阪市立自然史博物館〉
生き物のブログでどうして化石でもない石を扱うのか、不思議におもわれるかもしれません。
同じ石でもたしかに生き物が生きた証の化石ならともかく、そうでない鉱物がたくさんでてくるのは、たしかにヘンです。
しかし、石と生き物には共通するところがあります。
とても重要なことが。
それは、どちらも地球にある物質でできていること。

当たり前と思うかもしれませんが、その「当たり前」がとても大切。
生き物体を作る物質は、もちろん地球ができたときからあります。
はじめは大きな大きな岩だったでしょう。
それが長い時間をかけて風化して、他の物質とひっついて新しい化合物になり、それを生き物が取り込んで別の化合物に変えて体を作ります。
その生き物が食べられれば、食べた生き物にうつります。
そして死んでしまい、他の生き物に食べられなければ、再び地球の中に戻り、石になります。
そういう意味では、生き物は石が姿をかえたもので、石は生き物が姿を変えたもの、とも言えるでしょう。
もちろん、その間にはとても長い時間の流れと、様々な変化があるのですが。
今回の展示には鉱物の化学式も書かれています。
そこでウィキペディアを参考にして、人間の体を作っている物質と同じ物質は赤く色を変えました。
その中でも特に人間の体の1%以上を占める重要な物質は太字にしました。
展示された中の、きれいなものだけ抜き出してみましたが、さあ、どういう結果でしょうか。

ツヤムン石 Ca(UO2)2(V2O8)・5-8H2O

オーケン石 Ca10Si18O46・18H2O

孔雀石 Cu2(CO3)(OH)2

蛍石 CaF2

オパール(蛋白石) SiO2・nH2O

青鉛鉱 PbCu2+(SO4)(OH)2

蛍石 CaF2

石英(煙水晶) SiO2

黄鉄鉱 FeS2

真っ赤です。
結果はツヤムン石のU(ウラン)以外は、全て人間の体を作っているものと同じ物質でできていました。
しかも人間の体の1%以上を占める重要な物質を含む鉱石も、黄鉄鉱以外すべて。
石と人間。
誰に聞いてもまったく違うもの、と答えるでしょう。
ところが、作っている物質で考えると、とても近い兄弟であることがわかります。
石も人間も、地球にある同じ物質で作り出されたものなのです。
会場では、鉱物の名前だけでなく、一緒に書かれてある化学式も一緒に見てください。
多くの鉱物は、あなたのからだを作っているものと同じ物質だけでできていますから。
人体の構成割合が1%以上の元素 酸素 O 65% 炭素 C 18% 水素 H 10% 窒素 N 3% カルシウム Ca 1.5% リン P 1% 人体の構成割合が1%未満の元素の一部
イオウ:S 鉄:Fe フッ素:F ケイ素:Si 鉛:Pb 銅:Cu クロム:Cr バナジウム:V
■参考外部リンク■
特別展 石は地球のワンダー|大阪市立自然史博物館
大阪市立自然史博物館
大阪市立科学館 公式ホームページ | 大阪市立科学館 公式ホームページ

タグ: 石は地球のワンダー Isi-Wonder 大阪市立自然史博物館 紅鉛鉱 ツヤムン石 オーケン石 孔雀石 オパール 青鉛鉱 黄鉄鉱

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