【 陸棲ホタル】

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もうちょっとだけ光が強ければ……黒窓蛍

 6月。

 里山を歩いていると、黒い虫がひらひらと飛んでいました。

 ひらひらと言っても、チョウやガではありません。

 おそらく、甲虫。

この記事にはの画像があります。


 甲虫で、ひらひらと力なく飛ぶというと、ホタル。

 梅雨の昼間飛ぶホタルといえば、オバボタル。

 もしや。

 捕まえてみると、全身真っ黒でオバボタルじゃありませんが、小さな三角形がつながったような櫛状の触角。

 飛び方や見た目からホタルなのは間違いないようです。

 調べてみると、クロマドボタルでした。


擬死(死んだふり)のクロマドボタルのオス

 ホタル科 マドボタル属の幼虫が陸に住む陸棲ホタル。

 もちろん光ります。

 ただし成虫が光るのは羽化後の一時期だけ。


通常は頭部と触角が見えています

 でも幼虫が光り、その期間も6月頃から9月頃までと数ヶ月続きます。

 ということで、光るホタルがいることがわかったので、確認に行きました。

 果たして。

 ちゃんと光っていました。


光る色は「ホタル色」三脚が使えなかったのでブレまくり

 ただし、暗い。

 はじめは目の錯覚? と思ってじっと見つめると、光っているのがわかるといった感じ。

 それに、まだ光りはじめのようで数も少ない。

 長期間光るのでホタルとしてはなかなかのようですが、かなり暗いのが欠点。

 分布が広い普通種ですが、ヒメボタルほど有名になれないのは、この暗さのためかもしれません。


これがクロマドボタルの幼虫けっこうグロ系

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ひっそりと人知れず光る姫蛍


 ホタルがピークを迎えているようです。

 といっても大きく明るいゲンジボタルでも、そのライバルのような扱いになっているヘイケボタルでもありません。

 ヒメボタルです。



ゲンジボタルよりも少し黄色っぽいヒメボタルの光
ゲンジボタルよりも少し黄色っぽいヒメボタルの光




 ヒメボタル(姫蛍)は名前のように小さなホタルですが、ゲンジボタルやヘイケボタルとちがい幼虫が陸上に棲みます。

 というか、ホタルの仲間は幼虫が水中に住むほうが少なかったりします。

 川が流れる開けたところで光るのでよく目立つゲンジボタルとちがい、湿気の多い林の中で光るのでちょっと目立たないのがヒメボタル。

 しかも光る期間も短く、時間も夜中だったりします。

 ですから、ホタルなんていないと思っていた街の中の雑木林で見つかることがあります。

 そういう意味では、ゲンジボタルよりも身近なホタルなのかもしれません。



ゲンジボタルよりもずっと早い明滅
ゲンジボタルよりもずっと早い明滅




 ところがメスは羽が退化して飛ぶことができず、生息域を広げることが難しいのです。

 たとえば、道路で林が分断されると、生息地は2箇所になり、片方にいなくなったら、1箇所だけになってしまいます。

 街中の雑木林に生き残っていたホタルも、否応なしにそこでしか生きることができなかったからかもしれません。

 そんな環境の変化に弱い生き物です。



ホタルの飛び方もいろいろ
ホタルの飛び方もいろいろ




 平野部でヒメボタルの生息地が分散していることがあります。

 そういう場所でも、開発される前はもっと連続して生息していたはずです。

 それがどんどん減っていって、ばらばらになったのかもしれません。

 近所にヒメボタルがいないのは、人が生活するようになっていなくなったのかもしれません。

 そして、実は、近くの雑木林にひっそりと生き残っているかもしれません。



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金剛山で出会った甲虫たち


 都市部には緑が少ないといわれる大阪は、都市周辺には豊かな自然がいっぱいあります。

 その豊かな自然の一つ、金剛山。

 その金剛山で出会った多くの昆虫。

 その中でも硬い翅が背中を覆う甲虫たちです。


この記事には昆虫の画像があります。




金剛山の場所




甲虫目


カブトムシ亜目


■ルリハムシ?
ルリハムシ?
ルリハムシ(瑠璃葉虫)
ハムシ科
出会った場所:千早本道
成虫の食べ物:ハンノキ類の葉


構造色のきれいな虫が多いのがハムシの特徴です。


■センチコガネ
センチコガネ
センチコガネ(雪隠黄金)
センチコガネ科
出会った場所:山頂付近
成虫の食べ物:哺乳類の糞


この色が金剛山の色?


■ヨツスジハナカミキリ
ヨツスジハナカミキリ
ヨツスジハナカミキリ(四ツ筋花髪切虫?)
カミキリムシ科
出会った場所:ちはや園地
成虫の食べ物:花粉・樹液
準絶滅危惧種:東京都



■ジョウカイボン
ジョウカイボン
ジョウカイボン(浄海防)
ジョウカイボン科
出会った場所:ちはや園地
成虫の食べ物:花の蜜や昆虫

ジョウカイボンの一種?
ジョウカイボンの一種?
出会った場所:ちはや園地


変な名前のカミキリムシのようですが、カミキリムシではありません。


■キマワリ
キマワリ
キマワリ(木廻)
ゴミムシダマシ科
出会った場所:カトラ谷
成虫の食べ物:朽木


地面を走り回る虫で雑木林などにもいて珍しくはないのですが、知名度はイマイチです。


■カタモンミナミボタル
カタモンミナミボタル
カタモンミナミボタル(肩紋南蛍?)
ホタル科
出会った場所:カトラ谷
成虫の食べ物:?


最近光ることが確認された陸に住むホタルです。
人などの気配を感じるとポトリと下に落ちるのが特徴です。
このときも下に落ちて脚を縮めていました。



オサムシ亜目


■ニワハンミョウ

ニワハンミョウ(庭斑猫)
ハンミョウ科
出会った場所:ちはや園地
成虫の食べ物:昆虫
準絶滅危惧種:東京都


赤や青の色はありませんが、歩いていくほうへ飛んで逃げていくところはハンミョウと同じです。


■マルガタゴミムシ?
マルガタゴミムシ?
マルガタゴミムシ(丸型塵虫)?
オサムシ科 
出会った場所:黒栂谷(くろとがたに)
成虫の食べ物:植物や小さな昆虫


ゴミムシも構造色のきれいな虫が多くいます。



 ただ出会った甲虫だけを集めたのですが、カブトムシとオサムシの仲間が多いのはなにか理由がありそうです。




◆タグナビ◆ 〔金剛山の虫〕 〔金剛山〕

■外部リンク■
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夏の金剛山で出会ったいきものたち ダイヤモンドトレール編

今回は山の生き物の記事です。
の画像もあります。
が苦手な方は【記事の下へ】をクリックしてください。
記事の下にジャンプします。



◆記事ナビ◆ 【夏の金剛山で出会ったいきものたち 千早本道編】


ダイヤモンドトレールをゆく


金剛山山頂のバス停?
金剛山山頂のバス停?

 千早(ちはや)本道から無事金剛山(こんごうざん)登頂に成功したので、今度は下山。もちろんロープウエイは使いません。
 下るのは伏見(ふしみ)峠の道。そこまでは尾根伝いに歩いていきます。

 途中、葛木神社(かつらぎじんじゃ)転法輪寺(てんぽうりんじ)の社寺や、ちはや園地やちはや星と自然のミュージアムのような観光施設、そして宿泊できる香楠荘(こうなんそう)などいろいろな施設が並んでいます。

 山頂から伏見峠まではいくつか道がありますが、その一つがダイヤモンドトレール。
 大阪と奈良・和歌山の府県境にまたがる山々の尾根伝いにつながる全長約50kmの道。

 もちろん歩くのはその中のほんのわずかな区間です。


シダ


 山頂広場の木にシダ(羊歯)が着生していました。
 平地なら間違いなくノキシノブなのですが、葉の裏のツブツブがないので違う種類のようです。

木に着生している金剛山のシダ
木に着生している金剛山のシダ




使徒襲来!? いやいやザトウムシ?


 同じく山頂広場にいた脚の長いクモ……
 にしてはなんかヘンです。

 クモは頭と胸が一緒になって脚が生えた頭胸部(とうきょうぶ)と腹部でできていますが、この虫は丸い体全体から脚が生えているように見えます。
 脚が4本なのでクモの仲間のようですが。

 どうやらこの奇妙なクモはザトウムシ(座頭虫)のようです。

 アニメをよく見る方は何となくどこかで見たことがあるような気がするかもしれません。

 丸い体から四方八方へ長い足が伸びている姿は、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(TV版)の第9使徒マトリエルそっくりです。
 ザトウムシをモチーフのデザインをしたと言われています。

 ともかく得体のしれない怪生物のように見慣れぬすごい形をしている虫、かもしれません。

 ザトウムシはクモ綱ザトウムシ目ということで、クモには近い仲間のようです。
 確かにちょっと違和感を感じるクモといった様な姿です。

金剛山のザトウムシ
金剛山のザトウムシ



『新世紀エヴァンゲリオン』(TV版)の第9使徒マトリエル

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ブナの林


 金剛山山頂付近というと、ブナ(山毛欅)の林が有名です。

 ブナ林というと東北を中心とする東日本や中部日本の山岳部が有名ですが、近畿ではなかなか目にすることはありません。
 そんな中でかろうじてブナ林が残っているところの一つが、この金剛山山頂付近です。

 高く伸び、葉を茂らせているブナ林の様子はまるでジャングルです。

 幹には多く生き物が着生しています。
 地衣類(ちいるい)蘚苔類(せんたいるい)(コケ)、シダ類。

 木に地衣類がつくと枯れてしまうという人がいますが、そんなことを一気に否定していまうほど、ブナ林は茂っています。

 ブナ林は地衣類から哺乳類まで幅広い生き物たちに食料や住処を提供している豊かな森の象徴のようなところです。

金剛山のブナの大木
金剛山のブナの大木




菌糸束?


 道端の朽ち果てた倒木に何やら白い紐のようなものがからみついていました。
 カビのようにも見えますが、ちょっと太すぎます。

 これはおそらく菌糸束(きんしそく)でしょう。
 菌類、つまりキノコが育つために栄養を求めて張り巡らせた菌糸の束です。

 こういうキノコたちのおかげで、命を終えた木が分解され、また新たな命を支える栄養になるのです。

倒木を這う金剛山の菌糸束?
倒木を這う金剛山の菌糸束?




ホタル??


 道端のシダに何か虫が飛んできました。
 なんか(ほたる)のようです。
 昼間なのに活発に活動する蛍。

 しかしよく見るとなんか違和感を感じます。
 なんか偽物っぽい感じがしてなりません。

 蛍の中には毒を持つものがあり、そのため昆虫が身を守るために蛍に似せた擬態(ぎたい)をしている例がいくつかあります。

 毒を持つ虫に擬態する例をベイツ型擬態といいいいます。
 そいう虫でしょうか。
 なら逆説的にいえば毒がないはずですから、そういう意味では安全です。

 でも擬態には毒を持つ生き物がお互いを似せてしまうミュラー型擬態というのもありますので、擬態しているから毒がなという保証にはなりません。

 とにかく写真だけとって調べてみたら、なんと蛍でした。
 その名オオオバボタル(大姥蛍)。
 昼間活動するあまり光らないホタルです。
 そして幼虫は陸上で生活します。

 やっぱりゲンジボタルやヘイケボタルとはちょっと違う蛍のようです。

シダの上の金剛山のオオオバボタル
シダの上の金剛山のオオオバボタル




地衣類


 標高1000mの山の上ということだからでしょうか、都市部には生えない地衣類がありました。
 基本的に天然の土地ということだからでしょうか。高野山ほど多くは目にしません。

金剛山のセンシゴケ(ウメノキゴケ科)?
金剛山のセンシゴケ(ウメノキゴケ科)?



金剛山のヤリノホゴケ(多分)
金剛山のヤリノホゴケ(多分)




声はすれども姿は……ウグイス


 山の中は野鳥を見るのにはあまりいい環境ではありません。
 行動が制限され、障害物が多いからです。

 よくウグイスの声を聞いていたのですが、なかなか姿を見ることはできません。
 そんな中でやっと写すことができたウグイス、のおしり。

金剛山のウグイスのおしり
金剛山のウグイスのおしり




植物


 山頂から登山道まで、いたるところでホタルブクロ(蛍袋)が咲いています。
 今が花の季節なのでしょう。

金剛山のホタルブクロ
金剛山のホタルブクロ




 ギンリョウソウ(銀竜草)はいたるところというわけではありませんが、たまに目にします。
 いろいろな人口の施設がありながらもまだ豊かな森があることの証でしょうか。

金剛山のギンリョウソウ
金剛山のギンリョウソウ




 展望台へ向かう道の途中、なんとドクダミが生えていました。
 都市部でも生きていける結構タフな植物だと思っていたのですが、このような山で見られるとはなんか意外です。

金剛山のドクダミ
金剛山のドクダミ




大和二山?


 展望台からは奈良の大和三山(やまとさんざん)が見えます。
 大和三山とは、平坦な奈良盆地の南にあるきれいな円錐形の、香具山(かぐやま)畝傍山(うねびやま)耳成山(みみなしやま)の三つの山です。

 この角度では香具山がちょっと離れてしまいますので、畝傍山と耳成山の大和二山をアップで写しました。

展望台から見た畝傍山(手前)と耳成山(奥)の大和二山
展望台から見た畝傍山(手前)と耳成山(奥)の大和二山




 そして、伏見峠に到着。
 ダイヤモンドトレールとわかれて下山です。


◆記事ナビ◆ 【夏の金剛山で出会ったいきものたち 千早本道編】
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