8月の上旬。
5月の下旬、まだ枝にぶら下がっていたアーモンドの実。
地面に落ちてました。
どれも2つに割れて、タネがありません。
アーモンドはよくチョコレートの中に入ってるカリッとした実ができる木。
バラ科サクラ属のモモ亜属の植物。
桃の仲間です。
確かに表面に短い毛が生え、縦に浅い割れ目が入っているところは、桃に似ているような気もします。
桃というにはちょっと硬そうですが
でも、割れている実を見ると、果肉の部分はほとんどありません。
果肉が薄い
アーモンドなどのサクラ属の樹木の実は、タネを硬い殻で覆い、そのまわりを水分が多くて柔らかい果肉で覆った核果(かくか)。
食用になるものも多く、身近な果物ではさくらんぼ、桃、梅などがあります。
核果は動物に実をまるごと食べてもらい、タネは消化されないよう硬い殻で覆い、どこか離れたところでうんちと一緒に出してもらい、広がっていこうとする作戦の果実。
でも、アーモンドの実は果肉は少なく種が大きく、核果作戦は使えそうにありません。
桃のタネの殻に似ています
アーモンドは果肉が食用にならなくても、硬い殻の中のタネが食べ物になります。
食べられる果肉がなく、タネが大きい植物の一つにクルミがあります。
クルミはネズミやリスなどの食料になります。
寒い冬に食べるために貯蔵もされます。
貯蔵したまま食べるのを忘れたクルミは芽を出し、その場所が悪くなければそのまま成長していきます。
ネズミやリスを使って広がるクルミ作戦です。
アーモンドはどういうわけかほかのサクラ属と違い、クルミ作戦で広がっていくことを選んだようです。
ただ、ネズミやリスのように小さな哺乳類に運ばれてもそんなに遠くへ行けないでしょう。
広がることを考えれば、ほかのサクラ属のように大きな哺乳類に実ごと食べてもらうほうがいいはずです。
それでも、わざわざクルミ作戦を選んだのはどうしてでしょうか。
実が枝についているときから割れはじめています
遠くへ運んでもらえないクルミ作戦の利点は、たとえば種を大きくできることかもしれません。
タネが大きければ、栄養も多く、多くの動物に貯蔵してもらえるでしょう。
もちろん、タネが大きく栄養豊富ということは、芽を出すときもより早く、より大きく成長することができるでしょう。
ほかに単純な理由として、アーモンドがもともと自生していた場所は、種ごと身を食べてくれる中型大型の雑食性哺乳類がおらず、ネズミやリスがいる場所だったのかもしれません。
そう考えれば、アーモンドが核果作戦を捨て、クルミ作戦を選んだことも納得できますが、真実はどうなのでしょうか。
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