大阪南港野鳥園はこれからどうなるのしょうか? ビオトープで考えてみる
大阪湾の埋立地にある大阪南港野鳥園。
財政難の大阪市の改革のため廃止が検討されています。
ここは国際的なシギ・チドリネットワークに登録され、環境省の「日本の重要湿地500」にも選ばれている人工の干潟です。
貴重な鳥もやってきますので大阪市も干潟をなくすのではなく、展望塔と管理者の常駐の廃止を検討しているようです。
展望塔がなくなると鳥達を観察できなくなりますし、常駐者がいなくなると干潟への侵入者が現れるなどして干潟が壊される可能性もあります。
もちろん野鳥愛好家の方たちが中心となって野鳥園を守る活動が行われています。

大阪南港野鳥園の入り口
ビオトープ好きの視点から見ると、もちろん廃止は反対ですが今の野鳥園にも不満はあります。
それは干潟から遠いところからしか見ることができないこと。
干潟に鳥が集まるということは、干潟には鳥の餌になる小さな生き物たちがいっぱいいることの証。
しかしそういう小さな生き物たちを見ることはできません。
ここは干潟の野鳥園であって、残念ながら干潟のビオトープ園ではないのです。

大阪南港野鳥園の北池
人が干潟に入って行くと鳥は逃げてしまうのはわかります。
しかしここは池が3つもあるような干潟です。
その一部で干潟まで降りることができ、干潟の小さな生き物を観察できるようにしても、干潟全体に影響があるとは思えません。
野鳥観察用の壁で囲むなどすれば、野鳥を近くで観察することもできてむしろ一石二鳥ではないでしょうか。

野鳥園の北にある淀川河口の矢倉干潟のハクセンシオマネキ
見ることはできませんが野鳥園にもこんな生き物がいっぱいいるはずです。
大阪南港野鳥園は廃止にならないでほしいと思います。
といっても、それは野鳥のためだけではありません。
展望塔には望遠鏡のような大きなレンズを付けたカメラで撮影している人がいつもいます。
でもそんなカメラでも写すことができない小さな生き物たちもいっぱいいます。
そんな生き物たちを間近で見ることができれば、この干潟の大切さももっとよくわかってもらえるのではないでしょうか。
現在の野鳥園の存続だけでなく、たとえば野鳥も含めた干潟のビオトープについて学習するための「ビオトープ園」としての再出発もありじゃないかな、と思います。


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