【 近つ飛鳥博物館】

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〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

世界遺産(仮)は堺の平野の貴重な自然

 大阪にあるたくさんの古墳が「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」として、世界遺産に登録されそうだと話題になっています。
 注目を集めているのが世界最大ともいえる「仁徳天皇陵」と言われる大仙陵古墳(だいせんりょうこふん)。
 ただ、世界最大なのは諸説ありますが長さや面積で、高さは40メートルほど。10階建てくらいのビルという感じでそれほど高くありません。
 大きい割に平たく、まわりを様々な建物囲まれているため、近づいてもただ森があるだけ、のように見えます。
 そこに行っても何かよくわからない! というのが欠点と言われています。

木に覆われた丘にしかみえない大仙陵古墳
大仙陵古墳

 そんな大仙陵古墳をいろいろな角度からじっくりと見ることができる場所があります。

 近つ飛鳥博物館。
 大仙陵古墳から離れ、古市古墳群からも離れた大阪府河南町の山の中にあります。
 といっても、山から古墳を眺めるのではなく、大仙陵古墳の巨大ジオラマがあるのです。

博物館の真ん中にど~ん!
近つ飛鳥博物館

 再現されているのが造営当時の姿。

造営時にヘリがあるとこんなふうに見えた?
大山古墳

 吹き抜けになっている巨大なフロアの中央にあり、上から横から見ることができます。

上空を旋回しているよう
仁徳天皇陵

 なかなか迫力があります。
 木に覆われた丘にしか見えない今の姿からは想像もできません。

高度を下げていくと
前方後円墳

 草も木も無い石葺きの山が千数百年の時間をかけて本体が見えなくなるほど木に覆われてしまいました。
 まったく人の手が入らなかったわけではありませんが、周囲は住宅地に開発され、かろうじて残った古墳を除き森も林もなくなった堺市北部では貴重な場所になるでしょう。
 古墳や歴史だけでなく、そちらの方にも注目が向けられてほしいと思います。

木々の間から整った形の土盛りが見えます
墳墓

■参考外部リンク■
近つ飛鳥博物館

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タグ: 近つ飛鳥博物館大仙陵古墳大山古墳仁徳天皇陵前方後円墳墳墓

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theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

いまはどこにもいない いにしえ の日本馬に会いにいく 近つ飛鳥博物館

 生き物のことを知りたかったら、自然科学系博物館施設。
 自然史博物館、恐竜博物館、動物園に水族館、そして植物園など。
 でも、人文社会科学系博物館だって、生き物のことを知ることができます。

 小さな古墳がたくさん集まった「近つ飛鳥」。
 大阪府の河南町にあります。
 奈良県明日香村の「飛鳥」は「遠つ飛鳥」。
 そこより近いので「近つ飛鳥」。
 現在は公園として整備され、大阪の古墳時代をテーマにした博物館があります。

山の中にあるので全体がよく見えない近つ飛鳥博物館
近つ飛鳥博物館

 世界最大の陵墓とも言われる大仙古墳(仁徳天皇陵)のジオラマからちょっと離れたところに馬が展示されています。
 四條畷市の蔀屋(しとみや)北遺跡から発掘されたほぼ全身が揃った馬の骨。
 その骨格と生体の復元モデルが並べて展示されています。

生体復元の愛称は遥馬(はるま)くん
古代馬

 横たわるように全身が埋葬されていたので、丁寧に葬られていたようです。

丁寧に埋葬されていたようです

化石と言いたくなりますが人間が埋葬したので化石ではありません

 日本には在来馬とされる馬がいますが、歴史が始まるころには日本に自然分布の馬はいなかったと考えられています。
 つまり、日本の在来馬は大陸から連れてこられた馬を日本人が長年育てた子孫になります。
 この馬も日本在来馬のご先祖様かもしれません。

同じ格好で並んでいるので見比べるとおもしろい!

 年齢は5~6歳、今から1500年ほど昔の5世紀後半の古墳時代中期の馬で、肩高(地面から肩までの高さ)は約125cm。
 日本在来馬でいうと、宮崎県の都井岬に住む御崎馬(みさきうま)の小さいクラスだそうです。
 それで御崎馬を参考にして復元されました。

御崎馬

※展示されていません

 テレビなどでよく目にするサラブレッドとちがって小柄なので全体が見やすく、馬の体の作りがよくわかります。
 馬はテレビよく見る動物ですが、意外とおもしろい体の作りをしています。
 四足で走るために特化したような骨格をじっくりと見ることができる考古学の博物館です。

■参考外部リンク■
近つ飛鳥博物館

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タグ: 日本在来馬御崎馬近つ飛鳥博物館古墳時代遥馬非生物系muse.人文社会muse.

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theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

犬はいつ日本にやってきたのかな?

 自然界には存在しないイヌ。
 およそ1万5千年前に、東アジアに住む人間によってオオカミから作り出されたと言われています。

チュウゴクオオカミ(天王寺動物園)

 その後、世界に広がっていったのですが、日本にいつからイヌが現れたのかは、よくわかりません。
 少なくとも歴史が始まった時(古墳時代ごろ)にはにいるのが当たり前になってたようです。
 もっと昔の縄文時代の早い時期(1万年以上前)の遺跡からイヌの骨が見つかっているようです。
 縄文時代がはじまった1万5千年前ごろは、日本が大陸と地続きになっていた時期があります。
 ちょうどそのころに東アジアで誕生したイヌが人間とともに日本にやってきたとすると、腑に落ちます。

柴犬っぽいチュウゴクオオカミ(天王寺動物園)

 その後日本は大陸から離れ、二度とつながることはありませんでした。
 イヌの誕生が遅れていたら、日本にイヌがやってくるのはもっと遅れていたかもしれません。

 縄文時代の後、弥生時代がはじまります。
 弥生時代にもイヌがいて弥生犬とよばれ、縄文犬とはちがう特徴をもつとされます。
 弥生人は、稲作の技術を持って大陸からやってきたと考えられています。
 そのとき一緒に犬を連れてきたのでしょう。

弥生犬復元「海渡(カイト)」と
弥生時代の竪穴住居に住む4人家族の食事どきの団らん風景
(大阪府立弥生文化博物館)

 弥生時代の遺跡から、壺に納められたイヌの骨がみつかっています。
 一度埋葬されたあと、骨を壺に納め直したことからも、今と変わらぬほど大切にされていたことが伺われます。

犬の棺(長頸壺)と収められていた犬の骨
(弥生時代後期2世紀 奈良県桜井市大福遺跡
奈良県立橿原考古学研究所附属博物館)



 そして国家が統一されていく古墳時代。
 前期から中期にかけて、力を誇示するため盛んに巨大な古墳が作られました。
 古墳には様々なものを象った陶器の埴輪がおかれます。
 日用品らしきものから武具、さまざまな動物、よくわからない抽象的なものなど、多岐にわたります。
 その中にイヌとされる埴輪もあります。

動物形埴輪 犬
(堺市 仁徳陵古墳(大仙陵古墳)5世紀 近つ飛鳥博物館)

 その後もイヌの飼育は続けられ、日本各地でさまざまな犬種が誕生しました。
 江戸時代には中国からペットとしてのイヌが持ち込まれ、さらに種類が増えます。
 明治時代になると、欧米から様々な洋犬が持ち込まれ、広がっていきました。
 と同時にそれまで日本にいたイヌたちが消えていき、絶滅したといわれるイヌもいます。
 明治後期に日本唯一の野生の犬ともいえるニホンオオカミが絶滅したのは皮肉な一致なのかもしれません。

 日本で人間が家を作り定住はじめたころから人間とともにいたイヌ。
 時代の変化とともに新しいイヌが現れ、どんどん変わってきましたが、常に人間のそばにいることはかわりないようです。

■参考外部リンク■
天王寺動物園
大阪府立弥生文化博物館
奈良県立橿原考古学研究所附属博物館[トップページ]
近つ飛鳥博物館

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タグ: オオカミタイリクオオカミチュウゴクオオカミ弥生犬縄文犬天王寺動物園弥生文化博物館橿原考古学研究所附属博物館近つ飛鳥博物館

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genre : 学問・文化・芸術

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