「島」と「鳥」
「島」という字と「鳥」という字はとてもよく似ています。
ちがいは下の「山」と4つの点だけ。
今から1900年前に
許慎が『
説文解字』でまとめた
六書という漢字の分類では、「鳥」はトリの姿を象った
象形文字。「島」は複数の漢字の意味を集めてつくった
会意文字になります。
漢字学者、
白川 静博士の『
常用字解』には、海から盛り上がった山のようなところには鳥が集まってくるので、「山」と「鳥」を合わせて「島」という漢字になったとあります。
つまり、島には鳥がつきものということです。
この
興居島にはどんな鳥がいるのでしょうか。
海に近い池
泊港から歩き始めた
興居島のてくてくも終わりかけです。
由良港までもう少しのところ、堤防の内側に池がありました。
ものすごく浅そうでところどころ
葦のような草が生えています。
小さな川が流れ込んでいるようで、水もそれほどよどんではいないようです。
海が近いので干潟かなと思いましたが、池の水面が海よりも高い所にあるようなので、淡水でしょう。
いろいろな生き物がいそうです。
海の影響を受けない淡水というと、いままで
池井菜湖と
木田内川を見てきました。
さて、小さな島の海に近い池にはどういう鳥がいるでしょうか。
シギ?
まず最初に迎えてくれたのは、小さく丸っこい体で泥の上を歩いている鳥。
シギです。
場所柄イソシギでしょうか。それともクサシギでしょうか。とりあえず写真を撮っておきましょう。
帰って調べてみると、シギではありません。たぶんイカルチドリのようです。もしかしたらコチドリかもしれませんが。

シギと思ったイカルチドリ(多分) 背中がこげ茶でおなかが白の丸い体。シギそっくりに見えました。
写真は撮っておくものです。
シギ!
と思いながら泥の上を写した写真を見ると、こちらはイソシギのようです。泥の上から護岸へと同じ鳥が移動したと思ったのですが、別々の鳥のようです。

やっぱりシギだったイソシギ イソシギは体の上半分が暗い灰色のようなこげ茶色のような色ですので、泥の上では保護色になるのです。
それで見失ったところに、遠目にはよく似た鳥が護岸の上に現れたので同じ鳥だと思い込んだようです。
なかなか野鳥の道はけわしいです。
ツグミ的な小ガラス?
次は護岸の上に積み上げられた土の上に鳥がいました。
スズメと鳩の中間くらい、ヒヨドリやムクドリくらいの大きさでしょうか。
ただ体全体が黒っぽい色で、どういう鳥か特徴をつかみにくいところがあります。
なんか小さなカラスのような見た目ですが、時々胸をそらすように立つ姿はツグミのようです。大きさもツグミくらいです。
もちろん写真を撮り、帰ってから調べました。
まったくわかりません。見た目はカワガラスのようですが、ここは渓流でもなんでもありません。まったく謎です。

カワガラスのような謎の鳥セグロセキレイはまちがいない
チドリがいたところの近くに今度は小さくて黒くてスマートな鳥がいました。
これはわかります。
木田内川にもいました。
セグロセキレイです。
わかっていても記念撮影です。
拡大してみたらちがう鳥かもしれませんから。
そして帰ってからパソコンで拡大してみたら……やっぱりセグロセキレイでした。

やっぱりセグロセキレイアホ毛のとり
次は
葦原のほうにセキレイやチドリよりも大きな鳥が1羽います。遠くからもサギなのはわかります。
なにサギでしょうか。
色は白いでのアオサギでありません。
嘴は黒いのでチュウサギではないようです。
頭の後ろにいわゆる「アホ毛」、つまり飾り羽があります。
大きさからいってもコサギのようです。

飾り羽のコサギ銃の歴史?
コサギらしく何十メートルも離れているにもかかわらず、こちらをしきりに気にしています。
いったいなにが気になるというのでしょうか。
こんな離れた距離でコサギをしとめることができる生き物などいないでしょう。
それとも、たかだか400年程度の日本の銃の歴史が彼らの性質を変えてしまったのでしょうか。
なぞです。
このように島の池は新たな出会いと謎をくれたのでした。
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