【 腐生植物】

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〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

真っ白いから光合成はしません! ギンリョウソウ

 金剛山のギンリョウソウに間に合いました。
 今年はちょっと早めでもう終わったと思っていました。

ギンリョウソウ

 ギンリョウソウは林床に咲く真っ白な植物。
 全体が真っ白ということは、光合成をしない植物。
 タシロランと同じように菌類から栄養をとっています。

 ただ、タシロランとちがうのは、菌類の種類。
 落ち葉などを分解する菌類から栄養を取るのがタシロラン。
 ギンリョウソウは樹木と共生している菌類から栄養を取っています。
 つまり、菌類を介して樹木の栄養を取っているとも言えます。
 同じ白い植物ですが、ちょっと事情はちがっています。

 ほかの特徴は、タネを虫に運んでもらうこと。
 それも実を食べてもらって。
 つまり、タネは昆虫の消化器を素通りできるほどとても小さい。
 食べてもらう昆虫はカマドウマやモリチャバネゴキブリなど。

花は終わって実がふくらんでいます
銀竜草

 光合成をやめてしまっただけでなく、タネを広める方法もちょっと変わっています。

 学名はMonotropastrum humile (D.Don) H.Hara。
 最近、朝ドラらんまんの主人公のモデル、牧野富太郎さんがギンリョウソウについて書いた手紙のことが報道されていましたが、命名は牧野さんではありません。
 分類を変更した H.Haraさんは、植物学者の原寛さんのこと。
 牧野さんが創刊した『植物研究雑誌』の三代目編集長。
 朝ドラに登場するでしょうか?

ギンリョウソウ
銀竜草
Monotropastrum humile (D.Don) H.Hara
ツツジ目 ツツジ科 シャクジョウソウ亜科 ギンリョウソウ属

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真っ白いから光合成はしません! 田代蘭(牧野富太郎さん)

 タシロランが咲いていました。
 広葉樹の落ち葉が厚く積もった場所に咲く真っ白な植物です。

田代蘭

 6月後半ころ突然現れ、半月ほどで跡形もなく消えてしまう。
 まるで幽霊のようです。

 真っ白なのは、光合成しないから。
 地面の下に広がる菌類から栄養をもらっています。
 多くの植物は菌類に水や土の中の栄養を集めてもらう代わりに、光合成で作った栄養をわたす形で共生しているようです。
 ところがタシロランは光合成できません。
 つまり菌類から一方的に栄養をとっているようです。
 それでも毎年この場所では咲いていますので、菌類を弱らせるほどではないのでしょう。

タシロラン

 光合成しないので、地面の上に出てくるのは花を咲かせてタネを広げるときだけ。
 だからすぐ消えてしまうので気づかれないこともあるでしょう。
 実は身近で咲いているのかもしれません。

Epipogium roseum

 タシロランの学名はEpipogium roseum (D.Don) Lindl.。
 Makinoさんの名前はありません。
 実は和名の命名が朝ドラらんまんの主人公のモデル、牧野富太郎さんです。
 発見者の田代善太郎さんの名前から命名されました。
 朝ドラにもタシロランと田代さんは登場するでしょうか?
 出てこないような気がしますが、たのしみです。

タシロラン
田代蘭
Epipogium roseum (D.Don) Lindl.
ラン目 ラン科 トラキチラン属

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実は真っ赤だけど花は薄い黄色 つちあけび

 梅雨明け頃の低山。
 ツチアケビが咲いていました。

Cyrtosia septentrionalis

 名前は「アケビ」ですが、ランの仲間。

土木通

 薄い黄色の見た目からもわかるように光合成をしない植物。
 地面の中にいる菌類から栄養をもらっています。
 というか、一方的にもらっているだけの寄生のようです。
 ランの仲間は発芽の時から菌類を利用しているので、ずっと寄生してても不思議には思いませんし、そういうランもけっこういます。

ツチアケビ

 ツチアケビのおもしろいところは、秋になる実。
 色はよく目立つ真っ赤、大きさはアケビくらい?
 キウイフルーツをちょっと小さくしたような感じ?
 ランの仲間の実としては結構大きい方かもしれません。

 真っ赤に実が熟す秋が楽しみです。

ツチアケビ
土木通
Cyrtosia septentrionalis
被子植物 単子葉類 キジカクシ目 ラン科 ツチアケビ属
日本固有種

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タグ: ツチアケビ腐生植物夏の花黄色い花

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薄暗い低山で出会った真っ赤なやつ! つちあけびの実

 9月の低山。
 杉の植林のなかで、びっくりしました。

 薄暗い下生えの陰に赤いものが生えていました。
 それもなんか毒々しい赤。
 最近話題の毒キノコ、カエンタケ!
 にしては、大きすぎます。
 高さは数十センチ。
 しかも、茎の先に赤い実が房になってぶら下がっているよう。
 キノコではなく、植物です。


 この不気味な植物は、ツチアケビ。
 ランの仲間で、光合成をしないで菌類から栄養をとってる菌従属栄養植物。
 その実です。
 カエンタケのような毒はないようですが、タンニンが多くてまずいとか。


 図鑑などでは見たことがありますが、今まで枯れた状態のものを植物園で一度見たことがあるだけでした。
 ツチアケビは花もちょっとかわっているようなので、来年はもうちょっと早く来ようと思います。


ツチアケビ
土木通
Cyrtosia septentrionalis
単子葉類 キジカクシ目 ラン科 ツチアケビ属の多年草
菌従属栄養植物

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かわいいけど真っ白なのはよこどりのしるし? ひなのしゃくじょう

 梅雨明け。
 低山の杉林の中の登山道を歩いていると、スギの落ち葉の中から白い小さいものが顔を出していました。
 大きさは数センチ。
 注意していなければ見逃してしまうでしょう。

雛の錫杖

 多分、ヒナノシャクジョウ。
 数年前に出会ったところと同じ山。

 「腐生植物」と呼ばれる光合成をしない植物。
 でも、「腐生植物」という言葉にご注意を。
 「腐生」というのは生き物の遺体を分解して栄養とする生き方のこと。
 落ち葉が溜まって分解された土から生える植物によく使われます。

 でも、植物は落ち葉を分解できません。
 分解できるのは菌類など。
 腐生植物は、落ち葉などを分解した菌類から栄養をもらっているのです。
 おそらく菌類は栄養を奪われる一方で何もいいことがない寄生されているだけ。

 ちっちゃくかわいい花ですが。

ヒナノシャクジョウ

ヒナノシャクジョウ
雛の錫杖
Burmannia championii
単子葉植物 ヤマノイモ目 ヒナノシャクジョウ科 ヒナノシャクジョウ属の多年草

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梅雨の金剛山のたのしみ。まっしろな銀竜草


 梅雨に入って金剛山もギンリョウソウの時期になりました。

 ギンリョウソウはツツジ科ギンリョウソウ属、山の日の当たらない林床などでひっそりと咲く小さく真っ白な植物です。

 葉は小さく茎と同じように真っ白。

 つまり、葉緑体を持たない腐生植物(ふせいしょくぶつ)です。



腐生植物のギンリョウソウ
腐生植物のギンリョウソウ




 「腐生植物」は、積もった落ち葉が菌類(きんるい)などに分解された腐葉土などから栄養をもらう植物。
 と思われてきました。

 現在は、地面の下に広がる樹木と共生関係にある菌類のネットワークから栄養をもらっている、寄生植物であることがわかってきました。

 葉緑体を持たずほかから栄養をもらっているので、緑色の元になる葉緑体がいらないから真っ白な姿なのです。



真っ白なギンリョウソウ
真っ白なギンリョウソウ




 「腐生植物」という文字のイメージからか、ギンリョウソウは広葉樹林内に生えると思われることもあるようです。

 ところがギンリョウソウが寄生する菌類は松や杉のような針葉樹とも共生しますので、必ずしも広葉樹林にだけ生えるわけではありません。

 実際金剛山でもギンリョウソウは広葉樹林から針葉樹林までいろいろなところにはえています。



落ち葉を見ればわかるように針葉樹林のギンリョウソウ
落ち葉を見ればわかるように針葉樹林のギンリョウソウ




 ギンリョウソウは多年草なので毎年同じ所で咲きます。

 金剛山でギンリョウソウが咲く場所はいくつもありますが、見やすく安全なところというと、やはりメジャールートの千早本道。

 三合目あたりから山頂までところどこで生えていましたが、最近の大規模な改修のためすっかり見かけなくなってしまいました。



登山道でも咲いているのでよく踏まれます
登山道でも咲いているのでよく踏まれます




 改修から外れてギンリョウソウが残り、ほかのルートからでも見に行きやすいところが八合目から山頂まで。

 杉林の中をまっすぐ登っていく近道も笹薮の中に生えていますが、ちょっと見にくいのが欠点。

 八合目からの山腹ブナ林ルートの方は山側の切り崩した所で咲いています。



千早本道ブナ林ルートのギンリョウソウ
千早本道ブナ林ルートのギンリョウソウ




 花が咲いて実がなったらあっといまに枯れてしまうギンリョウソウ。

 1年のうちほんのわずかの間しか地面の上に現れない真っ白なギンリョウソウ。

 梅雨の金剛山の楽しみの一つです。



金剛山のギンリョウソウの画像は別館【いきもの を ぱちり!】
【梅雨に出会える真っ白なギンリョウソウ】にもあります。



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タグ: ギンリョウソウ金剛山金剛山の花梅雨の花夏の花白い花腐生植物寄生植物

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ちょっと気の早いギンリョウソウと一期一会


 5月下旬。

 梅雨入り前の金剛山で、ちょっと気の早い白い花が咲いていました。

 真っ白な花はギンリョウソウ(銀竜草)。

 梅雨に咲く花です。

 花だけでなく全体が真っ白。

 葉緑体がないのです。



梅雨前のギンリョウソウ
梅雨前のギンリョウソウ




 葉緑体がないということは、光合成をしません。

 ですから林の中、光が当たらない薄暗いところで咲いています。

 光合成をしないので寄生植物のようですが、普通イメージする寄生植物とはちがいます。

 今は腐生植物(ふせいしょくぶつ)と言われています。



 地下には目に見えない菌類のネットワークあります。

 地面の下に広がった菌類は、樹木から栄養をもらい、水や栄養の素を木にお返しします。
 共生です。

 その菌類のネットワークからギンリョウソウは栄養をもらっているのです。

 しかし、ギンリョウソウ自体は菌類になにもお返しをしないようですから、寄生ということになります。



うつむいて咲くギンリョウソウの花
うつむいて咲くギンリョウソウの花




 光合成をしないので、花を咲かせて実が熟せばもう枯れてしまいます。

 しかし多年草ですから地面の下で来年のためにじっとしていることでしょう。

 環境が変わらなければ、また来年の梅雨には同じ所からギンリョウソウが顔を出すはずです。


 でもこのギンリョウソウが生えていたのはケモノ道に迷い込んでしまった笹薮。

 もう二度と出会うことはないでしょう。



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