【 知るからはじめる外来生物】

[カテゴリ リスト] 【表示記事リスト】
ビオトープ
┃《ビオトープとは
山・森・里山
川・湖・池
海岸・干潟・海
公園・緑地・田畑
都市
野鳥・鳥
モズ
哺乳類
爬虫類・両生類
恐竜と化石爬虫類

節足動物
甲虫
昆虫(甲虫以外)
甲殻類
虫(節足動物以外)
その他の海の動物
草花
野菜・食用作物
お茶
樹木
花木
紅葉・黄葉・褐葉
果物・実
コケ・シダ
その他植物について
微生物・菌類・細菌 等
地衣類
博物館・植物園・催事 等
季節
本・DVD・物語・伝承
架空・神話・創作
語彙集
フィールドワーク
リンク
ブログのご利用について


〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

知るからはじめる外来生物~未来へつなぐ地域の自然~〈大阪市立自然史博物館〉ネコはなにもの?

 あと残り2日になった大阪市立自然史博物館の外来生物展。
 いろいろな外来生物について展示されています。

会場までもうすぐ!


その下のノネコ

 総合的に対策が必要な外来種(総合対策外来種)の緊急対策外来種にノネコ(イエネコの野生化したもの)として指定されいている、ネコ。
 身近な生き物なのに外来生物展ではちょっと地味です。
 展示場所は入口から見える「3.大阪の外来生物」なんですが、解説板の縁の色が大阪の外来生物の茶色ではなく、最後の「8.外来生物とのつき合い方」のピンク色。
 そして標本もなく、文字中心のパネルが数枚。
 身近な生き物なのに、地味。
 なんかヘン。
 でも、なんとなくわかります。

どこかで見たことあるねこがいました!

 簡単にネコについて説明すると、本来地球上に存在しなかった人間が作り出した生き物です。
 といっても、遺伝子操作やクローン技術などではなく、人間にとって役に立つヤマネコを育て交配させてを繰り返し、とんでもない時間をかけて作り出したと考えられています。
 日本にも様々なネコの仲間が住んでいましたが、歴史がはじまるころ、つまりには記録が残るようになったころにはヤマネコが対馬と西表島にかろうじて残るだけに。
 今、日本にいるネコは国外から持ち込まれたものの子孫になります。
 外来種です。

 ネコのすべてが問題を起こすのではなく、問題となるのは人間の管理からはずれたネコ。
 家の中で飼われているネコ以外のネコです。
 たとえば、毎日夕方餌やりをしているネコも管理から外れたネコ。
 なぜなら、餌を食べるとき以外人間の管理を受けていないからです。
 その間は何をしているのかまったくわかりません。
 そういったネコは「野良猫」や「ノネコ」と呼ばれますが、外来生物展では「ノネコ」で統一されています。


 ノネコが起こす問題は、おそらく日本中の多くの人間が集まって住む地域での普遍的な問題かもしれませんし、野生動物の生息を脅かすこともあると言われています。
 本来ならもっとスペースを割いて詳しくやるべきことだと思います。
 しかし「5.日本の島の外来生物問題」でもパネル1枚だけ。
 違和感があります。
 でも、なんとなくわかります。


 「5.日本の島の外来生物問題」の「島のノネコ対策」のパネルに書かれています。
 「ノネコを殺さずに在来生態系を守ろうと、さまざまな関係者が一緒に進めているのが特徴です」
 そしてこうしめくくられています。
 「その対策は、飼い猫の適正な飼育の推奨と、ノネコを捕獲・不妊化して島から連れ出すことからなります。ネコの飼育施設を確保したり、引取先を見つけるのは簡単ではありません。関係者の努力が続いています。」

 害があるときには駆除が前提となっている多くの外来生物とちがい、ネコは特別なようです。
 なんとなくわかります。

■参考外部リンク■
知るからはじめる外来生物|大阪市立自然史博物館 #外来生物展
大阪市立自然史博物館

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: ネコイエネコノネコ野良猫外来種知るからはじめる外来生物外来生物展大阪市立自然史博物館

関連記事
スポンサーサイト



theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

知るからはじめる外来生物~未来へつなぐ地域の自然~〈大阪市立自然史博物館〉ここに注目!

 終了まであと少しの自然史博物館の外来生物展。
 これだけの情報を一度に目にできる機会はそれほどないのでもっと続けてほしいくらいです。
 あまりにも情報が多すぎ、一度で全部をじっくり見ていくことはちょっと大変ですから。

ここまでくればあと少し

 まずは興味のある生き物からでいいと思うのですが、注目してほしいところがあります。
 一つはすでに紹介した最初のパネル
 外来生物の定義などが書かれてあります。


 そして、一番最後のパネル。
 「外来生物問題への対応を考える際に頭にとめておくべきこと」
 「外来生物問題への対応」
 「外来生物問題で、私たちにできること」
 とても大切なことで、外来生物問題に向かうとき、必ず考えなければならないことです。

 「外来生物問題への対応を考える際に頭にとめておくべきこと」には、外来種問題の複雑さ、難しさを感じます。


 単純に外来種を駆除すればいいと言うのではなく、その環境に応じた対応が必要ということ。
 そして外来種によって変えられた環境は、場合によっては元の環境には永遠に戻らないかもしれないということ。

 「外来生物問題への対応」には私たちのするべき基本的な対応が書かれています。


 外来生物だからといって、駆除することが環境のためになるとは限りません。
 駆除の判断には高い専門性が必要。
 安易な判断は環境のためにはなりません。

 「外来生物問題で、私たちにできること」。

 1。
 飼っていた、栽培していた生き物を自然環境に放さないこと。


 2。
 外来生物問題を正しく理解し広めること。


 3。
 地域の自然を見守ること。


 外来生物の問題は、私たち自身の問題でもあることがわかります。
 最後のパネルを読んでからもう一度展示を見ると、ちがって見えるかもしれません。

■参考外部リンク■
知るからはじめる外来生物|大阪市立自然史博物館 #外来生物展
大阪市立自然史博物館

危険SOS! 外来生物図鑑 知る! 見る! 捕まえる!

新品価格
¥1,078から
(2020/8/21 00:44時点)

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 外来種知るからはじめる外来生物外来生物展大阪市立自然史博物館

関連記事

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

知るからはじめる外来生物~未来へつなぐ地域の自然~〈大阪市立自然史博物館〉ヒアリも、います!

 夏の特別展、外来生物展。
 話題の外来生物、ヒアリもいます!

スタジアムの入口あたりで会場まであと400メートル
知るからはじめる外来生物

 もちろん、生きているヒアリ!
 ではありません。
 標本です。

はじまりに近い方の標本
標本

 生きている様子はわかりませんが、その姿はわかります。

 と言いたいのですが、わかりません。
 なぜか?

 小さい!

虫眼鏡をのぞいても小さい!

 そもそもアリは小さい生き物ですが、その中でもヒアリは小さい方。
 「大きなアリ発見。ヒアリだ!」なんてツイートがありますが、そんなことないのがよ~くわかります。
 というか、そこにいても見ようと思わなければ見えない怖さがあります。
 そして小さすぎてヒアリの特徴がよくわかりません。

おわりに近い方の標本 大きく見えるのは写真

働きアリの特徴が書いてありますが
ヒアリ

 今の所、水際で食い止められていますので生きているヒアリを見る機会はないと思いますが、ヒアリに詳しい人じゃなければわからないでしょう。

女王
オス
働きアリが小さくて特徴がわからない!
大型

小型の働きアリはもっとわからない!
小型

 現在、ヒアリと出会うことは、多くの人にとって事実上ありません。
 だからこそ、こういう機会を利用してじっくりヒアリの実物を見ておくことは、大切です。
 ヒアリに間違われて殺されてしまう無害な虫たちのためにも。
 そういう意味で、最大の被害者とも言えるヤガタアリグモの標本も、ヒアリのとなりに欲しかった。、かも

ヒアリ
火蟻
Solenopsis invicta
ハチ目 スズメバチ上科 アリ科 フタフシアリ亜科 トフシアリ属
自然分布:南米

■参考外部リンク■
知るからはじめる外来生物|大阪市立自然史博物館 #外来生物展
大阪市立自然史博物館

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: ヒアリアリ特定外来生物生態系被害防止外来種世界の侵略的外来種ワースト100外来種知るからはじめる外来生物外来生物展大阪市立自然史博物館

関連記事

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

知るからはじめる外来生物~未来へつなぐ地域の自然~〈大阪市立自然史博物館〉外来種はなぜ悪い?

 もともと日本にはいなくて、人間が持ち込んできた外来種。
 それがどうやら悪者らしいということは、テレビ番組などで有名になってきたと思います。
 じゃあ、具体的になにがどうわるいのか?

 もちろん、外来生物展ではそれが展示されています。


 入り口から入ってすぐ、「2.外来生物問題」でわかりやすくまとめられています。


 「最初に少数の外来生物を放すだけで、増加して生態系に大きな影響を与えることがあります。個人が簡単に大きな影響を与えうる。簡単にできてしまう身近な自然破壊、それが外来生物問題です。」

在来の生態系への影響

 在来の生き物を食べる

ヌートリアに食べられる希少種のイシガイ類

 在来の生き物の食べ物やすみ場所がなくなる

流れの緩い河川の水面に群落を作り
光が当たらなくなった水中・水底の環境をすっかりかえてしまうホテイアオイ

 在来の生き物と交配して遺伝的な系統が失われる

在来種のタンポポと外来種が交配してできた雑種のタンポポ
雑種の花粉が受粉すると在来種のタネが雑種になってしまいます

生活や経済への影響

 農業や漁業に被害が起きる

アライグマに食べられた瓜
外来生物によって新しい農業被害が出ています

 人の健康に被害が起きる

有毒クモのセアカゴケグモ
大阪では普通に見かけるようになりました

 もっと具体的に何が起こっているかは、ぜひ会場で見てください。

■参考外部リンク■
知るからはじめる外来生物|大阪市立自然史博物館 #外来生物展
大阪市立自然史博物館

最新 日本の外来生物

新品価格
¥4,180から
(2020/7/22 21:57時点)

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: ヌートリアホテイアオイタンポポアライグマセアカゴケグモ外来種知るからはじめる外来生物外来生物展大阪市立自然史博物館

関連記事

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

知るからはじめる外来生物~未来へつなぐ地域の自然~〈大阪市立自然史博物館〉しのびよる外来種?

 外来種のことを知ろうという自然史博物館の外来種展。
 そこでびっくりしました!

南西入口から入って突き当たりの看板

 それは、ドジョウ。

 ちょっと前に出会ったドジョウ
 環境省のレッドリストでは準絶滅危惧(NT)、大阪府のレッドリストでは絶滅危惧II類(VU)。
 そのドジョウに外来種疑惑が持ち上がったのです。

 そして、ちょっと、いやなかんかむずかしそうなのです。
 ドジョウ(学名 Misgurnus anguillicaudatus)は日本以外にも朝鮮半島、中国、台湾などにも分布しています。
 すべて同じ種(しゅ)で学名が同じなのですが、以前から日本には遺伝的に3系統のドジョウがいて、1つが中国大陸由来の外来種。
 ところが、在来種と外来種を見た目で区別できるかどうかがはっきりわかっていませんでした。
 それを博物館が調査した結果、ちがいがわかったのです。



 そのひとつが、背びれの背鰭分枝軟条数。
 なんか専門用語でややこしそうですが、表示されていた解説画像からすると、背びれを支えている筋の数のようです。
 それが7本以上なら中国大陸系のドジョウなのです。


 もし6本なら腹びれと臀びれの位置関係を見なければなりませんが、まずわかりやすい背びれの筋を数えてみます。

ちょっと前に出会ったドジョウ

背びれの部分を拡大

 なんと、7本!
 中国大陸系統の外来種です。
 環境省のレッドリストでは準絶滅危惧(NT)、大阪府のレッドリストでは絶滅危惧II類(VU)が一気に外来種になってしまいました。
 確かにこのドジョウを見つけたのは人工的に作られた水路。
 絶滅危惧種がいることのほうが不思議です。
 ただ、人工の池と水路を作る前は谷筋に作られた田んぼの谷戸田(やとだ)だったので、その時にいたドジョウが生き残っていたのでは、と思っていただけに、残念です。

 このように外来種はいつの間に身近な在来種と入れ替わっているかもしれません。
 『盗まれた街』のように。

■参考外部リンク■
知るからはじめる外来生物|大阪市立自然史博物館 #外来生物展
大阪市立自然史博物館

盗まれた街 (ハヤカワ文庫SF フ 2-2)

中古価格
¥1,073から
(2020/7/13 22:03時点)

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: ドジョウ外来種知るからはじめる外来生物外来生物展大阪市立自然史博物館

関連記事

theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

知るからはじめる外来生物~未来へつなぐ地域の自然~〈大阪市立自然史博物館〉はじまっています!

 待ってました!

 ほんとにそう思う特別展。
 何年も前からミニ展示などいろいろやっていて、今か今かと待っていました。
 そして、満を持して今年はじまる!
 と思ったらコロナ禍で延期。
 そして緊急事態宣言の解除の前に会期が終わってしまいました。

 自然史博物館では夏と春に特別展を行うことが基本だったので(最近はなんか変わってきたようですが)、来年まで延期と思っていました。
 ところが緊急事態宣言解除後、開催が決まりました!
 来年まで待たなくてよかった!

地下鉄長居駅から出てきたら看板が出迎え

 外来生物展。
 大阪を中心に外来種の標本と、博物館や友の会の人たちが時間をかけて集めたデータが展示されています。

池の水を抜く番組ではレギュラーのカミツキガメ

 まず最初に外来種とは何か。

密かに広がっている外来種のアカハネオンブバッタ

 展示パネルによると「本来の生息域ではない場所へ、意図的であるかどうかに関わらず、人間によって運ばれ人間の管理下を離れた生き物」のこと。
 例えでこうありました。
 「ネコは、室内で飼育されていれば外来生物ではありませんが、野外で自由に生活していたら外来生物です。」
 「管理された水田に植えられているイネは外来生物ではありませんが、勝手に湿地に広がれば外来生物です。」

竹箒についてやってきた外来種ムネアカハラビロカマキリの卵鞘

 ポイントは2つあるようです。
 一つは、人間によって運ばれた生き物。
 つまり、自分の力でやってくる渡り鳥などはちがいます。
 もう一つは、人間の管理の外にいる生き物。
 田畑で栽培されていたり、動物園などで飼育されている生き物はちがいます。

小笠原の在来種を食べまくっているグリーンアノール

 大阪の博物館ですので、大阪が中心ですが、近畿、そして日本、さらに世界へと展示は広がっていきます。

ヒアリも展示されていますが小さい!

 意外な生き物が外来種だったり、見知らぬ外来種が気付かないうちに定着していたり、それらによって在来種がいなくなっていたり。
 外来生物を知る機会です。

お味噌汁の具になるワカメも外国では侵略的外来種!

 もちろん、解説書もおすすめです。

絶滅したと思われていたクニマスも見つかった西湖では外来種!

■参考外部リンク■
知るからはじめる外来生物|大阪市立自然史博物館 #外来生物展
大阪市立自然史博物館

最新 日本の外来生物

新品価格
¥4,180から
(2020/6/27 00:17時点)

››この記事のはじめに戻る‹‹

タグ: 知るからはじめる外来生物外来生物展大阪市立自然史博物館カミツキガメアカハネオンブバッタムネアカハラビロカマキリグリーンアノールヒアリワカメクニマス

関連記事

theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

二十四節気・七十二候
プロフィール

ノート

Author:ノート
都会の植え込みから自然あふれる山まで。
フィールドワーカーのノートが生き物たちとの出会いを書いています。

検索フォーム
カレンダー
05 | 2023/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最新記事
月別アーカイブ
最新コメント
リンク
BLOG & NEWS | 動物プロダクション SCIENCE FACTORY ltd.
けろんの100円で昆虫採集!
相生山からのメッセージ
ななこの『生き物のお世話』ブログ
雑記帳~身の回りの出来事やら自然やら~
とある昆虫研究者のメモ
ACTOW
徳川広和・恐竜・古生物・模型・フィギュア作品ギャラリー
コトラ&ミーのこんにちは ご近所さん
すみれ奏へようこそ
そぞろ歩き
デジカメ・昆虫・写真
くろねこのチラシの裏
どくだみ荘日乗
故郷の廃家
とらログ
ようこそ大阪市立自然史博物館へ
インターネットミュージアム
いきもの を ぱちり!
管理画面
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
最近記事のRSS
最新コメントのRSS
最新トラックバックのRSS