【 白亜紀】

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でっかいモササウルスの化石だぜ! 和歌山県立自然博物館

 和歌山県海南市の海岸に建つ和歌山県立自然博物館。
 名前のように自然史の博物館です。

マリーナと和歌山県立自然博物館

 和歌山の山に住む動物の剥製、和歌山の石やアンモナイトなど、色々な生き物の標本がいっぱい。
 ですが、展示室の半分以上占めるのは、水族館ゾーン。
 和歌山近海に住む海の生き物が色々展示されています。
 イルカのような大型動物はいませんが、カニにエビに貝にヒトデなど、魚以外の生きものが多いのが特徴。

 ひさしぶりに行ったら、新しいコーナーができていました。
 モササウルスコーナー。

モササウルスコーナー

 モササウルスは白亜紀の後期、ティラノサウルスと同じ時代の海にいた巨大な爬虫類です。
 映画「ジュラシック・ワールド」に登場したことで知っている人もいるでしょう。
 恐竜じゃなくてトカゲの仲間ですが、海に適応して手足と尾がヒレ状になっています。
 ただ、「モササウルス」は特定の種類を指す場合と、その仲間全体を表す場合があるのでちょっと注意が必要。

モササウルス類の生態復元図

 中生代の海には大型の肉食爬虫類がいろいろいましたが、その最後に現れたのがモササウルス。
 日本では40例ほど化石が見つかっています。
 大阪でも見つかっていて、岸和田市のきしわだ自然資料館で展示されています。
 そして和歌山県有田川町もで発見されています。
 日本で最も保存部位が多いと言われるその化石が展示されています。

 まずはでかい!
 まだまだ研究途中ということで、見つかった時の状態を再現した「産状」で展示されています。
 手や背骨や肋骨や顎、みんなでかい!
 生きていたときはどんなに大きかったのか。
 海外の化石との比較で体長は6メートルと推定されています。
 展示室には入らないほど大きかったのでは!

背骨と肋骨とでっかい右手の化石

 この産状化石は、レプリカ。本物ではありません。
 レプリカの展示と聞いて「な~んだ」と思う人もいるかもしれません。
 しかし、実物を展示するということは、問題がないわけではありません。
 まず研究ができません。
 そして、痛む可能性もあります。
 化石の場合、痛むことは少ないと思いますが。
 ですから、レプリカの展示は、再現率が高ければ、実物の展示よりもいろいろな意味でいいのです。

産状化石レプリカ

 まだ研究の途中で、種もわかっていません。
 そのため「モササウルス亜科の一種」となっています。
 もちろん新種の可能性もあります。
 ということで日本でみつかった巨大なモササウルスの全体の復元はまだまだ。
 これからが楽しみです。

■参考外部リンク■
モササウルス | モササウルス発掘プロジェクト|和歌山県立自然博物館
和歌山県立自然博物館公式ホームページ

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タグ: モササウルス和歌山県立自然博物館化石中生代白亜紀

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特別展「スペイン 奇跡の恐竜たち」ででっかい恐竜が歩く姿を想像してみました!〈大阪市立自然史博物館〉


 大阪市の長居公園にある自然史博物館で開催中の「スペイン 奇跡の恐竜たち」。

 スペインで見つかった恐竜をはじめ、いろいろな白亜紀の生き物が展示されています。



◆「スペイン 奇跡の恐竜たち」の記事をまとめてみる
【特別展「スペイン 奇跡の恐竜たち」が大阪ではじまりました!】
【特別展「スペイン 奇跡の恐竜たち」で恐竜にも肉球があるのか見てみました!】



あと500m?それとも0.5km?
あと500m?それとも0.5km?




 中心はドン・キホーテで有名なカスティーリャ=ラ・マンチャ州の「ラス・オヤス」と「ロ・ウエコ」の2大恐竜化石発掘地からやってきた恐竜たち。

 「ラス・オヤス」からは、腰に小さいひれ(こぶ)がある獣脚類の肉食恐竜コンカベナトール。

 「ロ・ウエコ」からは、巨大竜脚類のティタノサウルス類の恐竜。

 ティタノサウルス類は竜脚類の中でも巨大な種類を含む一群で、ギリシア神話に登場する巨人族の名前に由来しています。

 やってきたのは「イベリア半島最後の巨人」。

 まだ名前が決まっていないようで、展示も「ティタノサウルス類の恐竜」。



ティタノサウルス類のマラウイサウルス全身復元骨格
「イベリア半島最後の巨人」のかわり?の
ティタノサウルス類のマラウイサウルス全身復元骨格




 ロ・ウエコではたくさん見つかているので、体中の化石が展示されています。

 全長は16m。ゾウよりもずっと大きい!

 博物館の入口にあるナガスクジラのナガスケは19m。

 大きさではちょっと負けてしまいますが、ナガスケとちがって地面の上を歩いていました。

 そう考えると、本当に大きい、ちょっとした怪獣サイズなのがわかります。

 もっとも、全長20mを超えるティタノサウルス類の中では、これでも小柄ですが。



 ということで、何ケースにも分けて並べられています。



「イベリア半島最後の巨人」の脳函(脳が入っていたところ)
「イベリア半島最後の巨人」の脳函(脳が入っていたところ)

「イベリア半島最後の巨人」の首の部分(右が脳函で左が胴)
「イベリア半島最後の巨人」の首の部分(右が脳函で左が胴)

「イベリア半島最後の巨人」の胴の部分(右が首で左が尾)
「イベリア半島最後の巨人」の胴の部分(右が首で左が尾)

「イベリア半島最後の巨人」の尾の部分(右が胴)
「イベリア半島最後の巨人」の尾の部分(右が胴)




 こんな大きさの恐竜が、スペインの大地を歩いていたのです。



 全身復元されていないので、ケースの上にティタノサウルスの復元されたイラストがあります。目盛り付きで。

 たしかに大きいですが、ちょっと待って下さい!

 これはおおよそ50%足らずの縮尺(IWO調べ)。



おおよそ50%足らず縮尺の「イベリア半島最後の巨人」
おおよそ50%足らず縮尺の「イベリア半島最後の巨人」




 実際はこの倍以上。

 この壁の右のはしから左のはしくらいまで!

 首と尾をまっすぐのばすと、はみでそうなくらいの巨大な恐竜です。

 すごい!



ドロマエオサウルスの骨格と生体の復元もあります
ロ・ウエコからはドロマエオサウルス類の化石も見つかっているということで
ドロマエオサウルスの骨格と生体の復元もあります




 ナガスケがある博物館本館には特別展にない恐竜も展示されています。

 特別展のチケットで入れますので、行かないのはもったいない!



タグ♦ スペイン 奇跡の恐竜たち 白亜紀


■参考外部リンク■
スペイン 奇跡の恐竜たち/2015年3月21日(土・祝)~5月31日(日)/大阪市立自然史博物館
ようこそ大阪市立自然史博物館へ


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特別展「スペイン 奇跡の恐竜たち」で恐竜にも肉球があるのか見てみました!〈大阪市立自然史博物館〉


 初公開の化石が多い「スペイン 奇跡の恐竜たち」。

 2015年3月21日から大阪市立自然史博物館ではじまりました。



◆「スペイン 奇跡の恐竜たち」の記事をまとめてみる
 【特別展「スペイン 奇跡の恐竜たち」が大阪ではじまりました!】



矢印のとおりに歩いていきましょう。
矢印のとおりに歩いていきましょう。




 たくさんある見どころのひとつが、チラシやポスターに登場しているコンカベナトール。

 カルカロドントサウルスの仲間の獣脚類の肉食恐竜で、福井県で見つかったフクイサウルスに近い種類です。

 コンカベナトールの特徴は腰のところのひれのような突起。

 キャラが立っています。



腰の「ひれ」でキャラ立ちしてるコンカベナトールの生体模型 腰の「ひれ」でキャラ立ちしてるコンカベナトールの生体模型




 コンカベナトールが見つかったラス・オヤスの地層は、湖の湿地帯にできた石灰岩でできています。

 おそらく、時間をかけて炭酸カルシウム(石灰岩の主な材料)でパックされるようにできた化石なのでしょう。

 ほぼ全身がつながった状態の化石が見つかり、それが展示されています。

 炭酸カルシウムに覆われるのは大変時間がかかったと思いますが、大きな肉食動物だけでなく、虫や細菌など小さな生き物にもあまり食べられなかったようです。



 ただ、ラス・オヤスからは様々な水生動物、魚やザリガニなどが見つかっています。

 どうしてコンカベナトールが食べられなかったのか。

 大量に炭酸カルシウムが溶けた水はアルカリ性になりますので、化石ができた場所は生き物がいない環境だったのかもしれません。



なんでも食べるザリガニの仲間のアウストロポタモビウス・ルロピシ
なんでも食べるザリガニの仲間のアウストロポタモビウス・ルロピシ




 理由はどうであれ、大型肉食恐竜はもちろん、眼に見えないような微生物にも食べられなかったというのは、とても重要です。

 食べられないで埋もれると、さすがに細胞などは時間がたつうちに分解されて無くなってしまいますが、その跡は残ります。

 このコンカベナトールの化石がそうなのです。



コンカベナトール・コルコヴァトゥスのホロタイプとなる産状化石の実物
コンカベナトール・コルコヴァトゥスのホロタイプとなる産状化石の実物




 鱗(うろこ)の跡など珍しいものがたくさん残っています。

 もちろん、話題になっている「肉球」も。

 イヌやネコの足の裏のぷにぷにで大人気のあれです。

 獣脚類恐竜の「肉球」の跡はいくつか見つかっているようですが、やっぱり珍しいようです。



「肉球」の跡が残った化石
「肉球」の跡が残った化石




 日本初公開(先に福井で公開済みですが)の恐竜の「肉球」は、ぜひ実物をご覧ください。

 ただし、実物でコンカベナトールの基準となる化石(ホロタイプ)なので、“ぷにぷに”の確認はできません……

 さわっても“ぷにぷに”じゃないと思いますが。



タグ♦ スペイン 奇跡の恐竜たち


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スペイン 奇跡の恐竜たち/2015年3月21日(土・祝)~5月31日(日)/大阪市立自然史博物館
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特別展「スペイン 奇跡の恐竜たち」が大阪ではじまりました!〈大阪市立自然史博物館〉


 毎年春に恐竜展をやっている大阪市立自然史博物館。

 2015年のの恐竜展がはじまりました!

 タイトルは「スペイン 奇跡の恐竜たち」。

 2014年に福井の恐竜博物館で行われた特別展がやってきました。



◆「スペイン 奇跡の恐竜たち」の記事をまとめてみる
 【タグ-スペイン 奇跡の恐竜たち】



 恐竜化石というと、北アメリカや中国のイメージが強いかもしれません、

 でも、日本でもたくさんの恐竜化石が見つかっているように、スペインでもたくさん見つかっています。

 保存状態のいい化石も。

 やってきたのは白亜紀(はくあき)のするどい牙が並ぶ肉食恐竜、そして巨大な草食恐竜。

 恐竜以外にもいろいろな生き物たちの化石も展示され、恐竜が生きていた環境が感じられます。

 しかも日本初公開がいくつもあるだけでなく、スペインでも公開されていないものまで!

 そして、実物の化石もたくさん!



地下鉄の駅を出ると最初に迎えてくれる看板
地下鉄の駅を出ると最初に迎えてくれる看板




 今年は階段を登ったところが出入り口。

 入ってすぐ右に恐竜と同じ地層から出てきた動植物の化石が並びます。

 今回は植物化石は少ないですが、昆虫は今もどこかにいそうな感じのものばかり。

 実は、昆虫は恐竜時代の終わりの白亜紀には、今につながる様々な種類が現れていました。



 翼竜の展示があって左を向くと、肉食恐竜がこっちを向いています。

 ポスターやチラシにも載っている、腰に突起があるおもしろい形をした獣脚類のコンカベナトール。

 全身を復元したものだけでなく、なんとコンカベナトールの肉球の跡が残っている化石も!



コンカベナトール全身骨格
コンカベナトール全身骨格




 骨格だけでなく、生きていた時の復元(生体模型)もあります。



コンカベナトール生体模型
コンカベナトール生体模型




 バランスのいい大きさの頭は、ティラノサウルスというよりアロサウルスと言った感じ。

 実際アロサウルスの仲間で、カルカロドントサウルスに近い恐竜です。



 その次がとても興味深い展示になります。

 コンカベナトールが見つかったスペインの化石産地のラス・オヤスの白亜紀前期の地層からは、様々な鳥の化石も見つかっています。

 羽毛恐竜ではなく、鳥。

 その鳥の化石と、始祖鳥孔子鳥などほかの地域で見つかった鳥の化石や羽毛恐竜が並べられています。

 そして今いる鳥の骨格も展示。
 これは自然史博物館のオリジナル。

 恐竜から進化したと言われる鳥の骨格と、恐竜の骨格をくらべることができます。



孔子鳥 生体復元模型
孔子鳥 生体復元模型




 そしてもうひとつの化石産地のロ・ウエコの白亜紀後期の恐竜と同じ時代の恐竜たち。

 鳥脚類のラブドドン。

 そして巨大竜脚類のティタノサウルス類が登場。

 国立科学博物館のマラウイサウルスの全身骨格がでーんと立っています。



マラウイサウルス全身骨格
マラウイサウルス全身骨格




 そして展示ケースにはロ・ウエコで見つかったティタノサウルス類の骨格が並べられています。

 全長16メートルの恐竜。

 こうしてみると、一つ一つの骨がいかに大きいかがよくわかります。



 ティタノサウルス類は「皮骨(ひこつ)」と言われる骨が皮膚の中にできます。

 今の動物で皮骨を持っているワニやアルマジロも展示。

 そして最後に皮骨つながりのアンキロサウルス類のガストニアが見送ってくれます。



ガストニア全身骨格
ガストニア全身骨格




 恐竜展というと、どうしても有名恐竜の展示に目がいってしまいがち。

 「スペイン 奇跡の恐竜たち」では、発掘された恐竜を元に、恐竜の進化や体の仕組みを説明してくれます。

 見るだけでなく、いろいろと知ることができ、恐竜の知識が増え、理解が深まる特別展でした。



タグ♦ 「スペイン 奇跡の恐竜たち」 恐竜

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特別展「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」で でっかいティラノサウルスを見上げる![大阪市立自然史博物館]


 大阪市の南部にある長居公園内の大阪市立自然史博物館で開催れている特別展。

 「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス-知られざる大陸ララミディアでの攻防-」。

 タイトルにあるようにトリケラトプの恐竜展です。



桜をバックに特別展恒例の幟
桜をバックに特別展恒例の幟




 名前の通り、入り口ででっかいトリケラトプスの頭が迎えてくれます。

 そして数多くのトリケラトプスのご先祖様と親戚たちが、これでもか! これでもか! と並んでいます。

 大きな頭に大きな角。

 重戦車のような強そうなトリケラトプスは圧巻。



ずらっと並んだトリケラトプスの親戚たち
ずらっと並んだトリケラトプスの親戚たち




 それでも恐竜展と言ったら忘れてはならないのが、肉食の恐竜。

 もちろん、います。

 まずはヴェロキラプトル。

 白亜紀後期のカンパニアンの今のモンゴルのあたり出身の獣脚類ドロマエオサウルス科の恐竜。

 ちょうどララミディア大陸でケラトプシア類が多様化していった頃です。

 アジアに残ったケラトプシア類(トリケラトプスの仲間)のプロトケラトプスと戦った状態で化石になったと言われる「格闘化石」で有名です。

 ただ、今回はありません。

 残念。



意外と小さいヴェロキラプトル
意外と小さいヴェロキラプトル




 しかしヴェロキラプトルはかっこいいですが、ちょっと小さい。

 映画「ジュラシックパーク」シリーズでは人間よりも大きかったのですが、実際は中型犬くらいの大きさ。

 もっと大きな肉食恐竜が見たくなります。

 と思っていると出てくるのがテラトフォネウス。

 知名度は落ちてしまいますが、ティラノサウルス科の獣脚類恐竜。



プチT-Rexって感じのテラトフォネウス
プチT-Rexって感じのテラトフォネウス




 ヴェロキラプトルと同じ白亜紀後期のカンパニアン出身ですが、こちらはケラトプシア類が大きくなっていったララミディア大陸にいました。

 巨大化していったケラトプシア類に合わせてかヴェロキラプトルよりも大きいですが、せいぜいポニーか牛くらいの大きさ。

 当時のケラトプシア類にはもうかなわなかったかもしれません。



 そして後半に登場するのがトリケラトプス本人。

 でっかい!

 ヴェロキラプトルはもちろんのこと、テラトフォネウスでも勝てそうにありません。



人とくらべたらよくわかるでっかいトリケラトプス
人とくらべたらよくわかるでっかいトリケラトプス




 そして、その奥にでっかいのがそびえ立っています!

 そう。

 ティラノサウルス。

 説明の必要がないほど有名な最大級の肉食恐竜。

 恐竜と言ったらティラノサウルス!という人ばかりじゃないかなと思うくらい人気があります。

 しかしここはトリケラトプス展。

 人気のあるティラノサウルスでお客を呼ぼうというのでしょうか?



トリケラトプスを見ているティラノサウルス
トリケラトプスを見ているティラノサウルス




 いえいえそうではありません、と勝手に言ってしまいましょう。

 なぜなら、ティラノサウルスは、白亜紀後期マーストリヒチアンのララミディア大陸出身。
 トリケラトプスと同じです。

 トリケラトプスの化石からティラノサウルスの歯の跡が見つかっていますので、「食べられる-食べる」の関係にあったようです。

 そう、トリケラトプスと並べても違和感がない、いや、並べる意味がある肉食恐竜なのです。

 そしてトリケラトプスに引けを取らない大きさ!



 トリケラトプスのように360°から見ることができる、というわけにはいきませんが、かなりの向きから見ることができます。

 そして、なんと、下から見上げることもできるのです!

 トリケラトプスだけでなくティラのサウルスの見せ方にも凝っています。



でっかいティラノサウルスを見上げる!
でっかいティラノサウルスを見上げる!




 ということで、ティラノサウルスが好きな人にもおすすめできる「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」。

 特に、ティラノサウルスの下にある、化石に残された傷から推測したティラのサウルの「トリケラトプスを食べるときのお食事マナー」はおすすめ!

 なんかいかにも的な力技のお食事マナーがCGで描かれています。

 動画でないのが残念!



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タグ: 恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプスティラノサウルスヴェロキラプトルテラトフォネウス大阪市立自然史博物館裸子植物白亜紀Ceratopsia

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特別展「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」で でっかい草食恐竜に出会う![大阪市立自然史博物館]


 タイトルにあるようにこの特別展はトリケラトプスが主人公。

 もちろん特別展のテーマとして選ばれるのですから、人気のある恐竜です。



「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」案内板と立て看板と幟
「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」案内板と立て看板と幟
地下鉄長居駅3番出口を出るとこの3点が出迎えてくれました。




 人気の秘密は、頭にある3本の大きな角とその後ろの大きなフリルという、ほかの草食恐竜とちがって頭に剣と盾を持ったようななんだか強そうな姿だからかもしれません。

 このトリケラトプス。

 けっこう変わった恐竜のようです。



 トリケラトプスの変わったところ。

 見ての通り大きな頭。

 角とフリルの大きさだけでなく、頭そのものも結構な大きさです。

 展示されているケラトプシア類(トリケラトプスの仲間)の化石を見ると、頭が大きいのは基本的な姿のようです。



会場入り口で出迎えてくれるトリケラトプスの128cmの大きな頭
会場入り口で出迎えてくれるトリケラトプスの128cmの大きな頭




 展示の後半でトリケラトプスとティラノサウルスが並んでいますが、比べるてみるとトリケラトプスの頭はそれほど大きいようには感じません。

 それはティラのサウルスが頭が大きい恐竜だから。

 出口近くにある同じ草食恐竜のディプロドクスと比べたら、トリケラトプスはびっくりするほどの大きな頭なのがわかります。

 ディプロドクスは全長20mを超える大きな竜脚形類の恐竜。でも展示されている頭は70cm。

 トリケラトプスは全長10m足らずで体は半分以下なのに、入り口で展示されている頭は倍近くの128cm。

 長さが倍近いのですから、大きさはもっとちがいます。

 ただしそれぞれ首と尻尾の割合が全然ちがいますし、展示されているディプロドクスは大人ではないかもしれませんから、単純に比べることはできませんが。



出口近くのディプロドクスの70cmの小さな頭
出口近くのディプロドクスの70cmの小さな頭




 なぜこんなにも頭の大きさに差があるのかというと、ひとつは植物の食べ方のちがいと考えられています。

 ディプロドクスは植物を引きちぎってそのまま丸飲み。

 もちろん丸飲みでは植物はまともに消化できません。

 胃袋の中に溜め込んだ石ですりつぶします。

 ですから頭に強い筋肉はいりませんから大きくなりません。



 ところが、トリケラトプスは歯ですりつぶしてから飲みこむのです。

 つまり、よく噛んで食べる。

 強い力がいりますから、強い筋肉がたくさん必要で、その支えとなるために頭も大きくなります。

 そしてこの食べ方はウシやヒツジのような今の草食哺乳類と同じ。

 ですから、トリケラトプスの歯の役割や並び方もシカやウシやヒツジと似ているところがあります。

 ちがう進化の道筋をたどった生き物が、同じような環境で似たような形になる収斂進化(しゅうれんしんか)の一つの例でしょうか。

 と言っても、シカやウシやヒツジもトリケラトプスほど頭は大きくありませんが。



トリケラトプスの顎
中生代の草食動物のトリケラトプスの顎


シカの顎(常設展第3展示室)
現在の草食動物のシカの顎(常設展第3展示室)
※特別展会場では展示されていません。

顎の先で植物を切りとり、隙間があって、奥の歯ですりつぶすという役割が同じ。



 ケラトプシア類が頭でっかちになりながらララミディア大陸に広がり多様化していくことができたのも、よく噛んで食べることがよかったのかもしれません。

 今の動物でも、繁栄している大型の草食動物の多くはトリケラトプスと同じようによくかんで食べる口や歯になっています。



ララミディア大陸最初のケラトプシア類のズニケラトプス
ララミディア大陸最初のケラトプシア類のズニケラトプス
この時すでにトリケラトプスの顎と同じつくりになっていました。
※ほかの画像と比べやすいように角度を変えています。




 特別展会場の出口近くに現在の牛の仲間の頭の骨も展示されているのですが、下顎が展示されていないのが残念。

 時間があれば博物館本館の常設展第3展示室に行って確認してみてください。

 色々な生き物と比べてみるとおもしろいと思います。

 そして第2展示室には特別展会場にはいない恐竜の化石も展示されています。

 特別展のチケットで常設展示も見られますので、行かないのはもったいない!



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「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」でケラトプスだらけっ![大阪市立自然史博物館 特別展]


内覧会当日は「予告」つきだった長居公園南西入口の案内板
内覧会当日は「予告」つきだった長居公園南西入口の案内板



 大阪市立自然史博物館で「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」がはじまりました。

 サブタイトルは「知られざる大陸ララミディアでの攻防」。

 「ララミディア」は今の北アメリカのロッキー山脈から西側部分のこと。

 恐竜の中でもトップクラスの人気を誇るトリケラトプス。

 そのトリケラトプスがいた中生代白亜紀後期にはこの部分が細長い大陸になっていました。

 当時の北アメリカは、浅い海で隔てられたアパラチア大陸との2つに分かれていたのです。



中生代白亜紀後期の北アメリカ大陸(展示パネル)
中生代白亜紀後期の北アメリカ大陸(展示パネル)




 その細長いララミディア大陸で大繁栄したのがトリケラトプスの仲間たち。
 アジアから渡ってきたと考えられています。

 トリケラトプスの仲間は「角竜(つのりゅう)」とよく言われますが、ここでは「ケラトプシア類」という名前で統一されています。

 ケラトプシア類は角があり頭の後ろに「フリル」を持つのが特徴。

 種によって角の数や大きさやフリルの形が変わるので、ちがいがわかりやすい恐竜になります。

 そのケラトプシア類を、登場から多様化(恐竜戦国時代)、そして最終形態のトリケラトプスにまとまっていく様子が展示の中心です。



 今回の面白いところは、入ってすぐに植物化石の展示があること。

 普通、恐竜展での植物化石は無いか後半に申し訳程度に展示されてるくらいですが、ここでは前半と後半の2箇所に展示されています。

 特に後半はトリケラトプスと同じ時代に同じ場所に生えていた植物。

 実際にトリケラトプスが食べていた植物かもしれません。



白亜紀初期の裸子植物クラッソストローブスの雄性球果
白亜紀初期の裸子植物クラッソストローブスの雄性球果
オシベのかたまりです。
日本に生えていたものなのでトリケラトプスのご先祖様が食べていたかもしれません。



 ケラトプシア類で最大の頭の飾りを持つカスモサウルスの頭部成体復元や全身骨格をすぎると、7つのケラトプシア類の頭が迎えてくれます。

 あまり実用的には見えないけどキャラ立ちはしっかりしているものもあれば、実用的に見えるシンプルなものまでいろいろ。

 まるで戦国武将の兜の立物(たてもの)のよう。

 確かに恐竜戦国時代です。

 7つ並んだ「兜」からお気に入りのケラトプシア類を見つけてみるものおもしろいかも。

 どうせなら、人気投票やって「将軍恐竜」を決めてもおもしろそう。



恐竜戦国時代ケラトプシア七雄?
恐竜戦国時代ケラトプシア七雄?
※画像スライドできます ⇒⇒


 ただ「戦国時代」といいますが、互いに闘いながら領土拡大をしていたわけではありません。

 ケラトプシア類が激しく入れ替わった理由は気候の変動で植物の種類が変わったためとも言われていますが、まだはっきりとわかっていないようです。



 戦国時代の次は、トリケラトプスの全身復元骨格が真ん中に展示されています。

 順路に沿ってまわると360°からみることができるうれしい展示です。



ど~んと立ってるトリケラトプスの全身復元骨格
ど~んと立ってるトリケラトプスの全身復元骨格




 フリルのデザインがインフレーションを起こして収集がつかなくなるかと思われたところで現れたケラトプシア類がトリケラトプス。

 最後に現れたとは思えないほどシンプルな角と飾りのトリケラトプスは、ララミディア大陸全域とはいかないまでも結構広い範囲に広がったようです。

 そして、当然草食のトリケラトプスを食べる肉食の恐竜もいたわけです。

 それは、ティラノサウルス。

 全身の復元骨格が展示されています。



 もちろんトリケラトプスと深い関係があります。

 なんとトリケラトプスの化石からティラノサウルスの歯型が見つかっています。

 そう、本当にトリケラトプスを食べていたのです!

 歯型から推測されたトリケラトプスの食べ方をCG画像で再現したパネルもあります!



こちらもほぼ全周から見ることができるティラノサウルス
こちらもほぼ全周から見ることができるティラノサウルス




 展示されている恐竜の種類は決して多くありませんが、ケラトプシア類にしぼっていろいろな角度からとらえた展示。

 本体はもちろん食べ物から解剖図など、まるで今生きている動物のようです。

 恐竜展というとどうしても「恐竜」という造形を中心に展示が作られることが多いように思いますが、今回は「生きている恐竜」を感じます。



 そして忘れてならないのは特別展のガイドブック。

 展示物の資料になると同時に、展示パネルで書ききれなかったと思えるコラムなどいろいろ盛りだくさん。

 単なる展示カタログじゃなくて、これもひとつの恐竜本。

 ミュージアムショップで通販されると思います。



 そしてIWO(いきもの は おもしろい!)が勝手に決めた「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス」シークレットアイティム。

 ララミディア戦国記。



ララミディア戦国記はどこにあるのでしょうか?!
ララミディア戦国記はどこにあるのでしょうか?!
背景はぼかしています。




 さあ、どこにあるでしょう。

 見つければいいことがある、かも?



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タグ: 恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプスティラノサウルスケラトプシア類大阪市立自然史博物館恐竜白亜紀Ceratopsia

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