【 白い花】

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〔よりぬきタグ〕 ◊巨古老樹◊金剛◊恐竜◊高野◊棚田◊錦織

まだ10月なのにお茶の花が咲いていました。ちょっと早い冬の訪れ

 お茶の花が咲いていました。
 腰くらの高さかしかない、まだ小さな木。
 普通、咲くのはもうちょっと寒くなってから。
 ちょっと早いような。

 ツバキやサザンカと同じツバキ科ツバキ属ですが、小さくくしゃっとした花です。

チャノキ

 お茶の和名はチャノキ。
 植物としては日本茶も紅茶も烏龍茶もすべてチャノキの葉が使われます。
 変種としてアッサムチャがありますが、多くは作物としての品種の違いによってお茶の種類に合う合わないがあります。
 たとえば、日本茶に向く品種は烏龍茶や紅茶にはあわない、とか。
 もちろん加工はできますが、味や香りがよくないようです。

 公園の園路の脇の藪の中。
 このお茶は意図的に植えられたのではなく、何かの偶然でここに種が落ち、芽吹き、花を咲かせるまで育ったようです。

 お茶の実はどんぐりのような大きさで、動物に運んでもらわなければ坂を転げ落ちる以外に遠くへ行く方法はありません。
 そしてお茶の実は乾燥に弱く、うまく落ち葉の下に潜り込まなければ芽を出すことはできません。

 見渡せる範囲にほかのお茶はありません。
 ここでここまで大きく育つことができたのは、いくつもの偶然が重なった結果なのでしょう。

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タグ: チャノキ白い花秋の花

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theme : 樹木・花木
genre : 趣味・実用

野良百合は場所を選ばないけど、いずれ消える らしい

 ちょうど今頃。
 野山や花壇で咲いてそうなユリが、野良状態で白い花を咲かせています。

 それらは、たぶん、タカサゴユリ。

 台湾の固有種のユリですが、園芸用に栽培され、そこから逃げ出したのが野良百合としてあちこちで咲いています。
 こんなにあちこちで咲いていたら特定外来種に指定されそうですが、今のところはされていません。
 同じ場所で長期間育つことはできず、一時的に増えても数年で消えてしまうそうなので、対象になっていないのかもしれません。

石垣で咲いてた野良百合
タカサゴユリ

 学名はLilium formosanum Wallace。
 命名はアルフレッド・ラッセル・ウォレスさん。
 19世紀から20世紀にかけのてイギリスの博物学者。
 東洋とオーストラリアの間の生物分布の境界のウォレス線の発見者。
 そしてダーウィンさんとは別に生物進化の仕組みを考えたひと。
 マレー諸島で標本採集を行っていたので、そのときに台湾まで来たのでしょうか?

 テッポウユリとの雑種にシンッテポウユリがあり、花被片の外側の赤紫色の部分の有無で区別されます。
 赤紫の筋があればタカサゴユリ、真っ白ならシンテッポウユリ。
 ところが園芸植物として栽培されたためか、赤紫色の濃さにもバリエーションがあり、見た目では簡単に区別できないようです。

赤紫の筋がとても薄いタイプ
高砂百合

濃いの薄いのいろいろ
Lilium formosanum

タカサゴユリ
高砂百合
Lilium formosanum Wallace
単子葉類 ユリ目 ユリ科 ユリ属 テッポウユリ亜属
台湾固有種の多年草

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タグ: タカサゴユリユリ白い花初秋の花外来種

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theme : 散策・自然観察
genre : 趣味・実用

大きな実は目立つけど、小さな花は目立たないかも カカオノキ

 人の背丈より大きな木の、小さな白い花。

加加阿

 カカオノキ。
 アオイ科で、身近な植物はオクラにワタ、木なら街路樹に使われるアオギリの仲間。

カカオ

 チョコレートやココアの原料の実がなる木。
 中央アメリカから南アメリカの熱帯地域原産と言われ、沖縄や小笠原などの南方以外の日本の気候にはあいそうにありません。
 それでもチョコレートの原料になる植物だからでしょうか、植物園の温室ではわりと見かけます。
 今回は大阪市の咲くやこの花館。

 よく見ると枝のあちこちで咲いていますが、小さいので気づかず通り過ぎそうです。

 実もなっています。
 熱帯の植物なので花と実が同時に見られるのでしょうか。

Theobroma cacao

 実は花よりずっと大きく、中にはチョコレートの原料となるカカオ豆と呼ばれるタネが数十個入っています。

 実はなんとなくチョコレートになりそうに思えますが、花はぜんぜんそう思えません。
 ふしぎな植物です。

柯柯阿

カカオ
加加阿・柯柯阿
Theobroma cacao
アオイ目 アオイ科 カカオ属

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タグ: カカオカカオノキ白い花熱帯の花チョコレートココア

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theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
genre : 学問・文化・芸術

夏の岩湧山で出会った謎の白い花

 7月末の岩湧山。
 山頂の茅場ではいろいろな花が咲きます。

道端で咲いていたオカトラノオ

 トレッキングルートを歩いていると、白い花が咲いていました。
 丈の低い草。
 花は小さく葉は大きい。

道端で咲いていた白くて小さな花

 白い花は5枚の花びらにオシベは5本。
 それが2つ、3つ茎の先に。
 見たことがあるような気がしますが、わかりません。
 家に帰っていろいろと調べてみても、みつかりません。
 何冊も図鑑を見ても載っていません。
 岩湧山に通じる金剛山で咲く草を集めた本にも載っていません。

謎の白い花

 そんな珍しい花が道端で咲いているのに、だれもネットにあげていない。
 ちょっと信じられません。

 Googleレンズを使うとシロバナイナモリソウが。
 そっくりに見えますが、じっくり観察すると花弁の形や質感、オシベなどがちがいます。

 行き詰まったところで、あることに気づきました。
 これは珍しい植物ではなく、岩湧山山頂にありふれた植物の花がなにかの事情で傷ついたものでは?

 小さい白い花というと、さっき咲いていたオカトラノオ。
 オカトラノオはたくさんの花が並んで房状になります。
 だからその可能性を考えていませんでした。

 はたして。

 花の形はそっくり。
 オシベもそっくり。
 葉の形も質感もそっくり。

オカトラノオの花

 解決。

 オカトラノオです。

 ただどうしてこんなに花が少なくなったのかは、謎のままです。

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タグ: オカトラノオ夏の花白い花岩湧山の花岩湧山

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theme : 山野草
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真っ白いから光合成はしません! ギンリョウソウ

 金剛山のギンリョウソウに間に合いました。
 今年はちょっと早めでもう終わったと思っていました。

ギンリョウソウ

 ギンリョウソウは林床に咲く真っ白な植物。
 全体が真っ白ということは、光合成をしない植物。
 タシロランと同じように菌類から栄養をとっています。

 ただ、タシロランとちがうのは、菌類の種類。
 落ち葉などを分解する菌類から栄養を取るのがタシロラン。
 ギンリョウソウは樹木と共生している菌類から栄養を取っています。
 つまり、菌類を介して樹木の栄養を取っているとも言えます。
 同じ白い植物ですが、ちょっと事情はちがっています。

 ほかの特徴は、タネを虫に運んでもらうこと。
 それも実を食べてもらって。
 つまり、タネは昆虫の消化器を素通りできるほどとても小さい。
 食べてもらう昆虫はカマドウマやモリチャバネゴキブリなど。

花は終わって実がふくらんでいます
銀竜草

 光合成をやめてしまっただけでなく、タネを広める方法もちょっと変わっています。

 学名はMonotropastrum humile (D.Don) H.Hara。
 最近、朝ドラらんまんの主人公のモデル、牧野富太郎さんがギンリョウソウについて書いた手紙のことが報道されていましたが、命名は牧野さんではありません。
 分類を変更した H.Haraさんは、植物学者の原寛さんのこと。
 牧野さんが創刊した『植物研究雑誌』の三代目編集長。
 朝ドラに登場するでしょうか?

ギンリョウソウ
銀竜草
Monotropastrum humile (D.Don) H.Hara
ツツジ目 ツツジ科 シャクジョウソウ亜科 ギンリョウソウ属

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タグ: ギンリョウソウ白い花夏の花梅雨の花腐生植物菌従属栄養植物

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theme : 山野草
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真っ白いから光合成はしません! 田代蘭(牧野富太郎さん)

 タシロランが咲いていました。
 広葉樹の落ち葉が厚く積もった場所に咲く真っ白な植物です。

田代蘭

 6月後半ころ突然現れ、半月ほどで跡形もなく消えてしまう。
 まるで幽霊のようです。

 真っ白なのは、光合成しないから。
 地面の下に広がる菌類から栄養をもらっています。
 多くの植物は菌類に水や土の中の栄養を集めてもらう代わりに、光合成で作った栄養をわたす形で共生しているようです。
 ところがタシロランは光合成できません。
 つまり菌類から一方的に栄養をとっているようです。
 それでも毎年この場所では咲いていますので、菌類を弱らせるほどではないのでしょう。

タシロラン

 光合成しないので、地面の上に出てくるのは花を咲かせてタネを広げるときだけ。
 だからすぐ消えてしまうので気づかれないこともあるでしょう。
 実は身近で咲いているのかもしれません。

Epipogium roseum

 タシロランの学名はEpipogium roseum (D.Don) Lindl.。
 Makinoさんの名前はありません。
 実は和名の命名が朝ドラらんまんの主人公のモデル、牧野富太郎さんです。
 発見者の田代善太郎さんの名前から命名されました。
 朝ドラにもタシロランと田代さんは登場するでしょうか?
 出てこないような気がしますが、たのしみです。

タシロラン
田代蘭
Epipogium roseum (D.Don) Lindl.
ラン目 ラン科 トラキチラン属

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theme : 山野草
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小さくてもあなどれない? いちやくそう

 イチヤクソウがひっそりと咲いていました。

一薬草

 下向きに咲く小さな白い花。
 葉は地面に広がり、花の茎も20センチほどとそれほど高くありません。
 さらに雑木林の中で咲くのでなかなか気づかれないかもしれません。

 偶然見つけた場所。
 毎年見に来ます。

イチヤクソウ

 イチヤクソウはツツジ科 シャクジョウソウ亜科 イチヤクソウ属の多年草。
 担子菌の菌類と外生菌根を作り、土の中の栄養の少ない場所に適応しているそうです。

 しかしここは雑木林。
 落ち葉が積もり、栄養が少ないと言うよりも、栄養を取り合う大きな樹木に負けないように、すきまで生きていくしたたかな方法でしょうか。
 自分の持てる武器を最大限活用し、隙間にするりと入り込む。
 雑木林は植物の静かな戦いの場、のようです。

イチヤクソウ
一薬草
Pyrola japonica Klenze ex Alefeld
ツツジ目 ツツジ科 シャクジョウソウ亜科 イチヤクソウ属
多年草

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